東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2015年05月 アーカイブ

2015年05月01日

プレゼンテーション5/29

TCSプレゼンテーションのご案内

東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動を行っていきます。
※テーマごとの6週間の学びの様子は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。

テーマ学習の成果を発表するプレゼンテーションでは、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。 (ご希望の方は、下記要領にてお申込みください。)

TCSの子どもたちが、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか、ぜひ直接その様子を見に来てください。

               記

【日時】 2015年 5月29日(金) 9:45~12:00頃 

【場所】 東京コミュニティスクール 校舎
     (東京都中野区中野1-62-10)地図
     ※JR・東京メトロ「中野駅南口」より徒歩9分     

【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール (担当:戸嶋・若林)
 TEL:  03-5989-1869
 e-mail: school#tokyocs.org
 ※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、件名を「プレゼンテーション見学希望」とし、
   以下の事項をお知らせください。

     1.見学希望日
     2.見学希望者氏名(すべて記入ください)
     3.お子さんの現学年(保護者の方)
     4.e-mailアドレス
     5.電話番号(日中最も連絡のとりやすい番号)
     6.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     7.質問事項等(あれば)

2015年05月06日

【報告】イベント登壇〜SOIF大人の寄付遊び〜

【報告】SOIF Vol.12「コミュニティの未来〜実現する力〜」
TCSがゲストとして登壇しました!


先日(4/18)、東京コミュニティスクールは、SOIF主催「コミュニティの未来〜実現する力〜」に、ゲストとして参加しました。

このイベントは「寄付が変われば社会が変わる。自分と未来を変える新しい寄付のかたち」というビジョンのもと、毎月テーマを決め、そのテーマについて活動している複数の団体が登壇し、参加者が共感する団体に寄付をするというものです。
【SOIF】Facebookページ(https://www.facebook.com/soiforg)

SOIF#12_01   SOIF#12_02   SOIF#12_03

今回、TCSスタッフ永易が代表して、TCSの活動についてプレゼンテーションしてまいりました。
そして、多くのご支援と暖かい応援メッセージを賜りました!

【寄付してくださった方からのメッセージご紹介】
▶自分に娘か息子ができたらこのスクールに通わせたい!と思うプレゼンでした。
▶とてもとても大事な教育の在り方だと、ずっと共感しきりでした・・・。もっとお話お聞きしたいです・・・!!!
▶新しい教育の形を実践されている点が大変すばらしいです。是非たくさんの子どもたちに教えてあげて下さい。
▶子どもが自ら生きていく力を身につけるには、どうしたらいいのか、ずっと悩んでいたので、今日のお話は新鮮でした。東京だけでなく、公立の学校でも同じ取り組みが広がっていけば良いなと感じました。
▶こどもの発表がすてきでした。
▶子どもの学びのためにがんばってほしい。
▶ 最も寄付がどう活かされるかわかりやすかったです。卒業生が様々なコミュニティを創り出すような教育ができると良いと思います。頑張って下さい。
▶こんな学校があったらいいな!と思う学校でした。今度見学させてください。応援しています。
▶日本にチャータースクールがないと嘆かなくても、その手があったかと感銘を受けました。もちろん、公設ではないんので、ものすごいハンデがあります。それでも、出来たこと自体凄い。
▶すごくパワフルな子供が育つ学校であると感じ、これからが楽しみです。ありがとうございました。
▶夢に描いても夢で終わってしまうような学校を実現して続けていっていることが本当にすごいと思います。もっともっと『選択肢』が増えますように。応援しています!
▶小学生のプレゼンは堂々としていて印象的でした。「探究」「原体験」の重視、「生活一つ一つが学びの場」「沢山の表情が詰まった環境」等共感できる点が沢山ありました。卒業生達が自分達の子供をTCSに入れる‥将来的にはそんな循環が生まれればいいなと思っています。少し気が早いですが‥(苦笑)益々のご発展をお祈りしております。
▶コミュニティと教育の場づくり、楽しみにしています。できれば学費などの払えない子どもたちにも機会を広げていただけると嬉しいです。頑張ってください!
▶地域に1つ、こんな学校がある社会になったらいいですね。応援してます!

SOIF#12_04今回の参加は、TCSをより多くの方に知っていただく機会になりました。
いただいたご寄付は、スクールの発展のために大切に使わせていただきます。
主催SOIFの皆様、参加者の皆様、ありがとうございました!

【急募】TCS学内塾アルバイト募集

TCSでは今春より、学内塾を開講することになりました。
そこで急遽、中学受験を予定しているTCS児童(小5・6)の放課後指導を担当してくださる学生アルバイトを募集いたします。

<勤務開始>2015年5月〜
<応募条件>大学生
※中学受験経験者優遇、東京コミュニティスクールに興味のある方歓迎
<勤務内容>国・算・理・社から応相談、個別指導
<勤務日・時間>週1日から、平日16:30〜18:30の2時間
<その他>若干名募集、詳細はお問合せください
<問合せ>Tel:03-5989-1869(担当:久保)
Email:npo#tokyocs.org
※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

興味のある方はご連絡ください。
また、皆様の周りで情報シェアをして頂けると有り難いです。

2015年05月08日

分からなかったら聞いてみよう!

タイトル:紅葉山見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア: 身のまわりには、限りない「!(発見)」と「?(疑問)」がある。     

[1年生]

「あのさ、公園の入り口のところにある建物ってなんのところ?」
「あそこはね、うどん屋さんが入っているんだよ。ママと行ったことあるんだ!」
「でも大きい建物だからほかにもお店があるんじゃない?」

子どもたちは公園に併設している建物の存在に気がついてはいましたが、紅葉山探検を進めるにつれてだんだん気になり始めてきたようです。
そこで今週はまず建物になにがあるのか観察するために中に入ってみることにしました。

紅葉山公園に併設するこの建物、『なかのZERO』には本館と西館があります。 まずは公園から蒸気機関車の脇を通り、窓ガラスを眺めながらダンス練習をしているお兄さんたちの横をすり抜けて西館に入ってみました。

「ねえ、あそこの部屋に入ってみたい!」
「行ってみようよ!こんにちは〜!」

子どもたちと入って行ったのは絵画展をやっている美術室。
たくさんの絵画が展示されている空間に子どもたちが入るのをあたたかく迎えて下さいました。

「あら、こんにちは。ゆっくりしていってくださいね。(笑)」

次に4Fへ進むとプラネタリウムがありました。

「わー!プラネタリウムだー!」
「なあに?プラネタリウムって??」
「えっとねえ、星を見られる部屋なんだよ。」

中をのぞいてみたいところでしたが、週末と祝日のみの営業とのことでした。
階段を降りるとピアノの音色が響いてきました。

「あ!だれかがピアノ引いてるんじゃない?どこだろう?」

音楽室と書かれた部屋ではお姉さんがピアノを練習していました。

「プラネタリウムと絵をたくさん飾ってある場所とピアノをひくお部屋もあるんだねぇ。」
「あ!みてみて〜!ここに♬はーるがきーたー はーるがきーたー♪が書かれているよ〜!すごーい!」

先日オペラの達人である加藤さんから教わった歌が書かれたきれいな刺繍が飾られているのを発見してオペラ調で歌い始める1年生たち。このノリの良さがたまりません!

「じゃあ隣の大きい建物に行ってみようよ!」
「あそこはね、知ってるよ。本屋さんがあるんだよ。」
「あとうどん屋さんね! 」

ゼロホールにある中野中央図書館を本屋さんとして認識している子どもたち。さあどんな発見があるのでしょうか?
中に入ると当然ですがたくさんの本があります。真っ先に子どもの本のコーナーに足が進みます。

「ね、だから言ったでしょ?本屋さんだったでしょ?」
「本はたくさん置いてあるよね。でもここが本屋さんだってそうして分かるの?」と私。
「だってみんな本をえらんでからあそこで買ってるでしょ!」
「え!?買ってるの?本当に?じゃあこっそりお客さんが本を買っているのかどうか観察してみようよ!」

入り口の近くでじっと貸し出しカウンターを凝視している1年生5人と私。ややあやしいですが静かに見ております。
するとあるお客さんがカウンターにやってきました。
よく見ているとその人は、本を差し出してからお金を支払わずに受け取っているようです。

「ほら!やっぱり本を買ったから本屋さんだよ。」
「え?あの人は今本を買っていた?買うってどういうこと?」
「買うっていうとさ、お金で買うっていうことだよ。」
「そうだよね。じゃあ今の人はお金を払ってたかな?」
「うーん。どうだったっけなあ。。。」
「お金だしてなかったよ!私おぼえてる!」
「ひょっとしてここ図書館なんじゃない?私家の近くの図書館に行ったことあるけど図書館では本を借りれるんだよ!」
「ああ、そうか!じゃあぼくもここ図書館だと思う!あのお姉さんに聞いてきていい?」

ということで児童書カウンターのお姉さんにインタビューを始めるHくん。

IMG_0406.JPG
「ここは本屋さんなんですか?」
「いいえ、ここは図書館ですよ。ここでは図書カードを作ってもらったら好きな本を借りて読むことができるんですよ。あなたたちも借りることができますからね。夕方は絵本や紙芝居を読む時間もあるから遊びに来てくださいね。」
「ありがとう。このiPadはなんですか?」
IMG_0407.JPG

「これはですね、読みたい本があるかどうか調べたりできるんですよ。触ってもいいですよ(笑)」

お姉さんのおかげでここが”みんな”の図書館であることが発見できました。
それからスクールへ戻り、ふりかえりを行いました。
ふりかえりでは”売ると買う”、”貸すと借りる”、”自分のものと誰かのもの、みんなのもの”について子どもたちの持っているイメージを聞いていき、”みんなのもの”や”みんなの場所”の捉え方や関わり方についてそれぞれの考えをシェアしていきました。

「公園もみんなの場所だよ。図書館もだし、温泉もそうだよ!」
「電車もそうだよ。みんないるから静かにしなきゃいけないんだ。」
「図書館の本はみんなのものだから大事に使わないといけないよ。」
「じゃあ、自分のものは大事にしなくてもいいのかな?」
「え!?(笑)そんなはずないじゃーん!」
「公園のものも”みんなのもの”だから勝手に持っていっちゃだめ。葉っぱとかBB弾とかはちょっとだったらいいと思うし、大事にするならいいんじゃない?けどすぐ捨てたりさ、大事にしないなら持ってっちゃだめだよ。」

紅葉山見っけ隊のフィールドワークの際にも木の枝や落ちているBB弾などを持って帰るかどうするか何度か話し合ったこともあるテーマです。
これからもいろんな場面で考え続けることになるのでしょうね。
さて紅葉山公園の全貌が見えてきた3週目。来週はどんな発見が待っているのでしょうか?

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

略図をつくる

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

ズッコケシリーズの作者、那須正幹さんがつくった絵本『ぼくらの地図旅行』は本当にワクワクする本。本を読んでいると、次第にリアルな冒険に入りこんでゆく感じになるから不思議です。

「このマーク学校だよね?」
「ああ田んぼの向こうにあるよ」

絵のすぐ脇に描かれている地図と見比べると、地図と現実とのつながりがよくわかります。

「海に行くには踏切を渡って左に行くんだ!」
「うん、だからこっちに行くんだよ」

絵と地図とを頭の中でしっかりリンクさせてゆきながら子どもたちは読み進めてゆきます。

IMGP4220.JPG  IMGP4214.JPG

那須さんの本に出てくる地図は、国土地理院発行の2万5千分の1の地図です。

「おっちゃん、2万5千分の1ってどういう意味?」

おお、そうだよね。この数字の意味気になるよね。ざくっと言うと、実際の大きさを2万5千分の1に縮めているということなんだよ。だからこの地図だときみたちの背の高さを1mちょっとだと考えると0.04mmぐらいになる。シャーペンの芯が0.5mmだとしたらさらにそれよりも10分の1も小さい。この地図上の1cm は 実際のきょりだと250m。スクールから中野まで約750mだったでしょ。じゃあ地図でスクールから中野駅までどれぐらいの長さがあるか定規ではかってみると……3cm。250mが3つ分だから750m!ほら合ってるでしょ!

てなことを2年生相手にとりあえず語ります。小数も分数も算数で習ってはいませんし、もちろんこの説明ですべてがクリアに理解されるわけがありません。でも、細かく分けてゆくから小さくなった……どれぐらい縮めたかを表した数なんだ……ということは伝わっています。まずはそれで御の字。これからさらに地図を使いこみ、自分で略図をつくっていく中で「縮尺」を体感し、「あれ?そういうことか!」と実感する瞬間が訪れるはずです。そのための種まきです。

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トリの目になってどんどん真上にあがってゆくと、モノの大きさもどんどん小さくなってゆきます。国土地理院発行の地図では「なんとなく」ではなく「正確に」どれぐらい小さくなったか数字で表されていることを子どもたちは知りました。2万5千分の1以外にも、1万分の1のものがあれば、5万分の1の地図もあるので、同じ地域について違う「縮尺」の地図を見せます。

1万分の1だと家の大きさまでわかります。5万分の1だとかなり範囲が広がり、中野区だけでなく新宿、三鷹、板橋まで入ってきます。縮め具合をどうするかで全然描かれる範囲が違ってくるのです。

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今回、私たちがつくるのは国土地理院から発行されているような「正確」な地図ではありません。自分たちが発見した面白スポットに、その「地図」を読むだけで行けるような、使いやすくわかりやすい「略図」をつくるのがミッションです。

ということで、まずは、何度も歩きまわって、頭の中に大まかな地図ができ始めている、中野駅南口の「略図」を書いてみることにしました。

略図を書くには、範囲を定める必要があります。そのために役立つ「目印」を書き込むことから始めます。

何が目印になるかな?と子どもに問うと……

まずでてきたのが「建物」でした。その通り!今日の場合は、中野駅とスクール、ゼロホール、島忠といったところが目印となる「建物」ですね。次に「大きな通り」。もみじ山通り、大久保通り、中野通り、そしてスクールから中野駅までの道といった主要な通りを描きこんでゆくと、それだけでなかなかの「略図」になってきます。

さらに、中野近辺の「略図」を書く時に「目印」として欠かせないのは「中央線」。東西に一直線に走っているので、方角を知る上でとても役立ちます。

IMGP4218.JPG  IMGP4219.JPG

どの子もさくさくと略図を描いていきます。こりゃ驚いた。もっととまどったり、困ったりするかなと思っていたのに。やっぱり、何度も歩きまわって、頭の中にイメージができあがっているからですね。

実際に「略図」を描いてみると、気をつけないといけないポイントも自ずと見えてきます。

・太い道と細い道との違いがわかるように書く
・どんな曲がりぐあいの道かわかるように書く
・目印となるお店や看板などを書き込む

こうして最初の「略図」づくりだったのに、早くもみんなコツをつかんだ感じです。でも、今回は比較的書きやすい「南口」だったからすんなりいったのかもしれません。細かい路地がごちゃごちゃ入り組んでいる「北口」について、必要な道だけを選び、道の特徴をうまく書き込み、わかりやすい目印とともに「略図」をつくれるでしょうか?

次週は、ごちゃついたところをうまくはしょり、必要な部分を強調して、見やすい、わかりやすい、使いやすい「略図作成」に挑戦です。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

My Hero Wall

タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」

[3・4年生]

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今週もひたすら本を読み、My Heroについての情報収集をしていきます。


ゴールデンウィークを利用して、My Heroの本を読んできた子どもたち。
持っている本には、しっかりと付箋が。
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また、連休中に、My Heroの写真を一枚と自分とMy Heroに合った曲を選んでくるという課題を出していました。
今回のプレゼンテーションでは、一枚の写真と曲をバックに、ヒーローをMy Heroとしてどれだけ熱く語れるかを目指していきます。写真と曲選びも疎かにはできません。
むしろ、十分に力を入れて選んできたようで、連休明けの第一声が、
「いい写真見つかったよ!」「曲も決まったよ!」である子がほとんどと言っていいくらい。
はまり込んでいます。

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本を読み終え、ヒーローがどんなことをしてきたのか、どの部分に自分がいいなと思えたのかが見えてきたところで、一枚の模造紙に整理し、My Hero Wallにしていきます。
「うーん、読み終えたけど、もうちょっと読んでみる。」
「ヒーローが語っている動画を見つけたから、そっちも見てみる。」
さすが自分の選んだヒーローだけあって、知りたいと思う気持ちに余念がありません。


IMGP5672.jpg 整理の始めとして、たくさん付けた付箋の中から、「これは外せない」と思うものを10こに絞っていく作業をしていきました。そうすることで、自分が何にこだわっているのか、ヒーローのどこの部分を大切にしていきたいのかという、自分の考えがより明確になっていきます。




IMGP5701.jpg IMGP5703.jpg選んだ箇所を抜粋します。

選んだヒーローによっては、大人向けの資料が多かったり、物語の中からヒーローの言動を自分なりに読み取らなければならなかったりします。漢字を調べて読み仮名を振ることから始めたり、本では分かりにくいところを映画を観ることで補ったりと、地道に読み進めています。選ぶ箇所にも正解はありません。3つのラーナープロファイルの視点を持つことは、条件に入れましたが、選んだ箇所の裏には、それぞれの考えや思いが詰まっていそうです。

IMGP5678.jpg

抜き出した言葉をどう貼り合わせていくか、選んだ言葉にどんなつながりがあるのかを考えていきます。
来週もMy Hero Wallづくりが続きます。



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TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

巨人の肩の上に立つ

タイトル:Body & Soul
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『アタマもカラダも使いよう』

[5・6年生]

今まで4回の実験をしてきたBANEチーム
来週は東京工業大学の丸山剛生先生にアドバイスを貰いに行くことになっています.
各自,今までの自分の実験結果から導かれた「新たな仮説」をショートペーパー形式でまとめ,見せに行く準備をします.

ただ,「経験のみ」から仮説を立てるのでは,「科学的」とは言えません.

みなさんは「巨人の肩の上に立つ」という言葉をご存知でしょうか.
この言葉を引用した科学者は多く,例えば,「りんごの落下を見て重力を閃いた」アイザック・ニュートンも,

If I have been able to see further, it was only because I stood on the shoulders of giants.
(私が更に遠くを見ることが出来たなら,それは巨人の肩の上に立ったためです.)

という風にこの言葉を引用しています.

自分の考えを更に深め,今までにないアイディアを発見し,洞察するためには,他の人の考えを活用することが必要不可欠です.

今回,参考文献として選ばれたのが,他ならぬTCS百選にも選ばれている「スポーツ科学の教科書」.

2015_t1_body_and_soul_sport_science_converted.jpeg

読んでいくうちに,子ども達は,自分の投げ方を改善するために利用できそうなことを本の中から読み取っていきます.

・「遅筋と速筋で持久系と瞬発系で向いている動きが違うんだ」
・「ムチのような動作がボール投げには必要なんだ」
・「大きい声を出すとリミッターが外れるらしぞ」
・「もしかしたらこれもソフトボール投げに関係しているかもしれない」

といったように,気になったページにどんどん付箋を貼っていきます.
2015_t1_body_and_soul_reading_1.jpg 2015_t1_body_and_soul_reading_2.jpg

文献を引用して更にアイディアを考えだしてゆきます.

スポーツ科学の教科書に書いてあることを加えつつ,図を使い,説明文を作っていきます.
2015_t1_body_and_soul_w3_form.jpg 2015_t1_body_and_soul_w3_snap.png

また,文章で,「仮説」と「理由」の2つに文章を分けて,わかりやすく,かつ丁寧に説明を付け加えて書いている人もいました.
2015_t1_body_and_soul_w3_text.jpg

彼らの仮説はどこまで進化するのでしょうか!?週末のひと踏ん張りに更なる期待が持てます.


TY

ワークショップ6/28
「探究を探究する」
〜How アクティブ〜(1)

探究する学びをデザインする指導者のためのワークショップ
「探究を探究する」〜How アクティブ〜(1)


新しい時代に必要となる資質や能力の育成が求められる昨今、OECDが提唱するキー・コンピテンシーの育成、論理的思考や表現力、国際バカロレア(IB)のカリキュラム等の取組みが実践され、学びの重点が「何を教えるか」から「どのように学ぶか」にシフトしています。そのための切札として注目されているのが「アクティブ・ラーニング」(課題の発見と解決に向けて主体的•協働的に学ぶ学習)です。

それは、文部科学省によれば、ディスカッション、ディベート、グループワークによって発見的・課題解決的に学び、その際に実体験を重視する学び方とされています。しかし、これらの手法で学びが進められれば、学習者は「アクティブ」に学んでいると言えるのでしょうか? これらの手法は今までも授業の中で取り入れられてきたものです。にもかかわらず改めて「アクティブ」と呼ぶからには、単に参加型・議論型・体験型ではない、新たな発想が求められているはずです。

創立以来10年間実践し続けてきたてきたTCSの「探究する学び」の本質は、子どもたちと指導者がともに「アクティブ」になる学びをデザインしてきたところにあります。その学びの違いを実感できる絶好の機会です。
 以前に参加経験がある方も初めての方も、探究する学びに興味関心のある方なら、どなたでも参加できます。
【テーマ】「探究を探究する」〜How「アクティブ」〜 (1)
【日 時】2015年6月28日(日)9時30分~17時00分

【会 場】 東京コミュニティスクール
      東京都中野区中野1-62-10 Phone: 03-5989-1869
【WSリーダー】 市川 力(いちかわ ちから)
※プロファイルは下記をご参照ください。
【対 象】 教育関係者、一般
【定 員】 25名(要申込)
【参加費】 9,000円(資料代、昼食代込み)


【申込方法】 eメールにて、下記までお送りください。
 メールの件名を「参加希望ワークショップ0628」とし、
参加を希望するすべての方について、以下の事項をお知らせください。
    1.氏名(ふりがな)
    2.所属(勤務先会社名、学校名等)
    3.e-mailアドレス(PCアドレス)
    4.日中の連絡先(緊急用)
    5.講座を知ったきっかけ(ホームページ/知人/新聞・雑誌/SNS/その他、知人・紙誌SNS名)
    6.NPO入会状況(会員/非会員)

お問合せ・お申込みは、
 東京コミュニティスクール セミナー事務局 まで
TEL:03-5989-1869  FAX:03-5989-1649
e-mail: s15#tokyocs.org

※メールアドレスをコピーする場合は、「#」を
「@(半角)」に変えてください。

(ご注意)
※お申込後3〜4日のうちに受付確認および参加費支払のメールが届かない場合はお電話にてご確認くださるようお願いします。
※受付確認をさせていただいた時点で参加費が発生します。
※参加費ならびにキャンセル料の取扱いについては、規定をご覧ください。
※お申込キャンセルの場合、規程のキャンセル料との差額分をクレジット扱いにて、次回以降の参加費に充てさせていただきます。
※申込締切日(上記)以前のキャンセルについては返金を承ることもできます(振込手数料をご負担いただきます)。ご希望の際はご相談ください。

※できるだけ多くの方に参加していただきたい思いがあるので、万一キャンセルの場合は、早めにお知らせいただけますと幸いです。


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主催: 特定非営利活動法人東京コミュニティスクール
後援: 株式会社グローバルパートナーズ
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WSリーダー プロファイル

市川 力(いちかわ ちから)
Riki_classroom_small_up2.jpg東京コミュニティスクール 校長
探究プロデューサー

 米国にて13年間日本人駐在員の子ども対象の学習塾を運営。現地の学校で行われていたプロジェクトベースの学びに触れ、『学び続ける力』を育てる教育実践に強い関心を抱く。2004年8月東京コミュニティスクール初代校長に就任。自ら現場に立ち、探究する学びの研究・開発・実践を行っている。
 主な著書は、「探究する力」(知の探究社)、「先生」(池上彰編・岩波新書)、「英語を子どもに教えるな」「教えない英語教育」(ともに中公新書ラクレ)。講演多数。

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会場案内 東京コミュニティスクール
住所) 東京都中野区中野1−62−10
Phone) 03-5989-1869
URL) www.tokyocs.org
TCS-Map-FL%20%284%29.png
交通のご案内
JR中央総武線/東京メトロ 東西線「中野駅」南口より徒歩7分
※車・自転車でのご来校はご遠慮ください。

2015年05月15日

現人から話を聞く

タイトル:紅葉山見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア: 身のまわりには、限りない「!(発見)」と「?(疑問)」がある。     

[1年生]

この3週間紅葉山公園にある「!(発見)」と「?(疑問)」をたくさん集めてみましたが、今週からはその中から一つ絞って深堀りしていくことに挑戦していきます。
ここで大切になってくるのが深堀りをしていく切り口となる観点です。
その一つがキーコンセプトです。

今までは公園にあるものを「Form」=見た目・におい・味・手触り・構造などにフォーカスして観察してきましたが、さらに「Function」=機能・役割・なんのために?や「Causation」=原因・理由・なぜ?に着目します。

ある子が公園の池と広場をつなぐ通路の前にある看板を見つけた話をみんなの前でしてくれたので、キーコンセプトで問いかけてみました。

「看板の見た目はどんな感じだった?」
「あれはね、立入禁止の看板だよ。」とある子が答えます。
「私も知ってるよ。それでねえ、端っこにコーンがあって、くさりでつながれているんだよ。」
「じゃあその”立入禁止”看板はなんのためにあるのかな?」 とFunctionについて考えてもらいます。
「入っちゃいけないことを教えてるんだよ。」
「そっか、入っちゃ行けないことを教えてくれているんだね。じゃあ、どうして入っちゃいけないんだろう?」
「危ないからじゃない?」
「壊しちゃいけないものがあるのかもよ。」と子どもたち。
立入禁止看板がその場所に置かれているCausationについても頭を巡らせます。

子どもたちとこのキーコンセプトをシェアしてからまた紅葉山公園に飛び出します。
それぞれが選んだものをスケッチして細部まで観察してみたり、図鑑などを使って調べたり、現人にインタビューをしながらどんどん「!(発見)」と「?(疑問)」が生まれます。

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公園に集まってくる”鳥”がずっと気になっている女の子はすずめにえさをあげているおじさんからすずめたちはこの時期すぐそこの蒸気機関車が展示されている場所の屋根に巣を作ってひなを育てていることを教えてもらいました。

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このおじさんはなんと10年以上ここですずめにえさをあげているとか。
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子どもたちはこのおじさんのことを”すずめおじさん”と名付けて一緒にえさをあげながらムクドリも子連れでやってくる話やカラスが来るとスズメもハトも逃げてしまうことなど色々教えて頂きました。
自分が興味を持ったことについてどんどん発見とさらなる疑問、そして発見が生まれる楽しさつまり探究の楽しさを味わっている子どもたち。
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さあ、5週目も楽しみです!

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「地図」を頼りに「目的地」にゆく

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

ここまで3週間、かつて犬屋敷のあった範囲の「東半分」の地域、つまり、紅葉山通り、大久保通り、中野通り、早稲田通りに囲まれたところをあちこち歩いてきました。この範囲の中央を、まさに「中央線」が東西に横切っていますが、「中央線」の南側については、かなりはっきりした「頭の中の地図」ができあがってきていることが、先週書いてもらった「略図」を見るとわかりました。ただ、中野の中野らしさをよく表している中野駅の北東部、つまり、中野5丁目のごちゃごちゃした地域については、まだはっきりしていないところが広がっています。

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TCSは、紅葉山通りに面しています。玄関を出て左に進めば、いつも使っている中野駅南口までの通学路です。しかし、右に進んで、中央線のガードをくぐり、しばらくまっすぐ行くとファミレスのある交差点に出ます。そこが早稲田通りです。でも、そこまで行かず、そば屋の前の信号を渡り、右にぐにゃっと曲がった道をちょこっと行けば、天神様があります。天神様の西側でY字に分かれますが、北の方に行けば、やっぱり早稲田通りに出ます。しかし、西の方に行けば、中野駅北口方面に出ます。ただ、この辺りはいくつも西に向かう細い道があります。いったい今、歩いている道はどの道か。それを持っている「地図」で確かめるのが今日のミッションです。

IMGP4362.JPG  IMGP4364.JPG

天神様に面した道には魚屋さん、薬局、写真屋さんなどちょっとしたお店があります。しかし、銭湯はありません。では、銭湯に行くにはこの道ではダメ。どの道を行けばいいのでしょうか。渡したのは1万分の1の地図。そこに銭湯の位置に目印がついています。

「今はここだろ……」
「じゃあここを行けばいいのかなあ……」

ペアで助け合って「銭湯」探します。まだぼんやりしている「中野5丁目エリア」ですが、さんざん歩き回っているので、かなり土地勘ができています。どの道が南北に走っていて、どの道が東西に走っているのか、さらに目印となる「ドコモビル」や「サンプラザ」がどっちの方に見えるのか、なんとなくつかんでいます。駅に近づけば近づくほど飲食店が増えてくるのも知っています。あれ?こんなにお店が増えてきたということはどうも来過ぎたかな……と迷ったかどうかを感じとるセンサーが働くようになってきています。

「この道じゃなければもう一本南かも……」

行き過ぎたら戻り、戻り過ぎたらまた別の道を行き、やみくもな試行錯誤ではなく着実に目的地に近づきます。

「見つけた〜!」

「地図」に描かれている場所と自分の実感とが見事にマッチした瞬間です。ついに「ココドコ!」ということが、虫の目の「実感」と鳥の目の「地図」とをつなげて理解した瞬間です。

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あるペアは、思いっきり迷って、結局、中野駅南口の交番までわざわざ行って、おまわりさんに「この地図の印のついた場所まで行きたいのですが」ときちんと事情を説明し、行き方を改めて教わって、無事、たどりつきました。道に迷っても、どうやってリカバーするか身についてきて、たくましくなってきたな!「迷う」からこそいろいろ理解が深まることもある!ホームワークで中野5丁目あたりの「略図」を書いてもらったところ、今までぼやっとしていたのに、書けるようになってしまいました。具体的体験に基づいて俯瞰&抽象化する機会をいっぱい持つことで「ココドコ!」とわかるようになってきました。

ということで、来週はいよいよ最終試験。いろいろな場所に地図だけを頼りに行ってみることと、突然、たずねられた時点でいま地図上のどこにいるかを当てるワークを行います。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

自分とつなげる

タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」

[3・4年生]

今週もMy Hero Wallづくりが続きます。
といっても、もう4週目。テーマ学習も後半に入っています。

「ねぇ、このWallって発表するの?」

アウトプットとして作成したものはプレゼンテーションで披露するため、自然な質問です。
でも、このWallはワーキングシート。作文を書くための下準備となるものであり、人前に出すために作っているわけではないのです。 Wallに貼り出した、マイヒーローの言動とそれを選んだ自分の考えをもとに、作文を書いていきます。 さらに、プレゼンでは作文を読み上げるわけでもありません。 作文の内容から、ヒーローについて伝えたいことを2分間で語ることが今回プレゼンで求められていることなのです。

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抜き出しが終わったら、隣にそれを選んだ理由を書いていきます。





「ぼくだったら、みんなと一緒に逃げちゃうのに、ハリーポッターは女の子と学校を守った。」
「ぼくだったら、初めてだからあぶないことはしないのに、ハリーポッターは初めてのことでもあぶないことにチャレンジする。」

普段、強がりをいったり乱暴に振舞ったりする子が自分は実は怖がりだという本音を書いています。
これは、なかなかできないことです。なぜすごいと思うのか、自分にないものを持っている、つまり、今の自分は・・・というように、自分を振り返ることにつながっていきます。

「真央ちゃんと私は反対だー。」
「自分は不安なときはネガティブになっちゃう。」
「練習はするけど、誰よりもたくさんはしてないな。」
本音を素直に書いている子の刺激を受けて、自分を振り返る作業に次々と入っていきます。

IMGP5734.jpg自分は、なぜこの部分を抜き出したのだろう。
話の前後を読み直したり、別のものに選び直したり、
資料とWallを行き来します。





「ヒットが打てなくて、打率が低くなってしまっているときでも、いつも絶対に打てるって信じている。自分は、どうせまたダメだって思ってるところが全然違う。」
苦境のときに、どう乗り越えていくかを知ることで、自分でも真似してみたいところが具体的に見えてきます。

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理由を書き添えながら、Wall全体の構成を考えていきます。
違う部分を抜き出していたのに、理由が同じになっているものもあり、どう配置するか、そのやり方は何通りもありそうです。
そもそもヒーローの言動をラーナープロファイルのRisk-takers/Open-minded/Reflectiveの視点で選んできたため、その3つにグループ分けして配置している子もいます。
また、分類するのではなく、作文を書くことを意識して、
「この流れで書いていこうと思う。」と
話の流れが見えるように、付箋を貼っている子も出てきました。

Wallづくりにこだわることで、作文で書きたいと思うことが膨らんできます。
これで完成!というよりは、もう一工夫、もう一捻り、悩んでいきたいところです。


AN

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プロの視点からのシャープなコメント

タイトル:Body & Soul
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『アタマもカラダも使いよう』

[5・6年生]

待ちに待ったこの日が,ついにやって来ました.
TCS名物の「現地」「現物」「現人」のうちの一つ,「現人」,つまり「ホンモノ」の人に会いに行く時がやってまいりました.

今回お世話になるのは,東京工業大学大学院社会理工学研究科人間行動システム専攻でスポーツバイオメカニクスの研究をされている丸山剛生先生です.

丸山先生の研究室に訪問し.子どもたちの作ってきたショートペーパーにアドバイスを頂きました.

子どもたちも,研究室訪問に向けて先週から準備をしています.

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図をうまく使い説明している人もいれば

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テキストと表を上手く活用し,二枚にわけて説明を作ってきた人もいます.


大変お忙しい中,タップリと時間を取って頂き,子どもたち一人ひとりのショートペーパーを使った発表を聞いて頂き,コメント・アドバイスを頂きました.

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・「君は野球をやっているようだけど,その投げ方はいつごろ習ったのかな?」
・「土台と砲台と言っていたけど,ちょっとわからなかったな.もうちょっと詳しく説明できないかい?」
・「スナップを効かせると言っていたけど,君の考えるスナップというのはどういうことなんだい?」
・「エクセントリック筋活動と言っていたけど,それって具体的にどういう意味か知ってる?」

専門家からの鋭い指摘に,子どもたちも答えていきます.
・「スナップは,投げる中でタイミングを早めて使うといいのではないかと思っています.」
・「エクセントリック筋活動は筋肉が伸びるような動かし方です.」

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なるほど,子どもたちは自分たちが使っていた語句についてどのように捉えているかに気づき,子どもたちはアイディアを引き出されていきます.

そして,全員の発表が終わった後に,なんと,丸山先生によるスペシャルレクチャーをして頂きました!!

・「理想的な状態であれば,斜め45度に向けて投げるのが最もよく飛ぶ,だから45度のところに的を作って練習をするといいかもしれないね」
・「ボールが重い,って言っていたけど,重いっていうのはどういうこと?その勢いって何?」 ・「スピードが2倍になれば4倍の飛距離が出る.これは二乗という関係でね」
・「でんでん太鼓のように軸を使い,腰を回しながら上半身を使うと腕を早く出せるんだ.フォームはそこまで気にせずに自然に腕を前に出すんだよ」
・「投げ方には,テイクバック,リリース,フォロースルーの3つがあって,早く大きく振る事が重要」
・「ゼロモーメントポジションというのがあって,もっとも肩に負担がかからずに投げられる姿勢があるんだ.本当はオーバースローとサイドスローの中間のような投げ方が一番いいんだよ.野球選手はからだを斜めに倒して肩に負担がかからないように投げている.」
・「力はどこから生まれると思う?外力と内力というのがあって,人は外から力を受けないとボールを投げたり動いたりすることが出来ないんだよ.」
・「だから,バーンと床を踏ん張ると,地面から力を受けられるんだ.作用・反作用って知ってるかな?」

と丸山先生は詳しく,そして大変わかりやすく説明してくれました.

・「作用反作用はてこでも動かないのテーマでやった!」
・「先輩がやっていた発表にも45度っていうのがあったよ!」

子どもたちも自分が今迄に体験したテーマ学習での知識や,過去にBody and Soulをやった先輩のテーマ発表の内容を思い起こし,レクチャーの内容を吸収していきます.

本当に有難いことに,贅沢にも1時間半も,丸山先生にお時間を取って頂き,アドバイスを貰った上に,スペシャルレクチャーまで頂いてしましました.

「早速帰って振り返りだ!」

熱気冷めやらぬまま,今回の丸山先生の研究室訪問,レクチャーで出て来た大切なポイントを皆で振り返りました,

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2015_t1_body_and_soul_w4_m3_02.jpg
・「速度が二倍になると4倍になる,二乗って言ってたよね?10倍だと何倍なんだろう??」
・「回転の話もしていたな,逆回転だとボールが落ちにくく浮き上がるように見えるんだよね?」
・「ボールの勢いがスピードなんだよね?」
・「そういえば作用反作用の話はてこでも動かないでやったよね」
・「エクセントリックは伸びている時で,コンセントリックは縮んでいる時だよね」
・「重い球,は科学的な説明じゃないんだよな.時速何キロ,ってのが科学的な説明だよね」


子どもたちは丸山先生から頂いたアドバイスやレクチャーの内容を踏まえて更に仮説を新しくします.
来週の最終実験に向けてどのような仮説になり,実験計画を立てるのか,楽しみです.


TY

2015年05月22日

一つのことに詳しくなろう!

タイトル:紅葉山見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア: 身のまわりには、限りない「!(発見)」と「?(疑問)」がある。     

[1年生]

いよいよプレゼンに向けて準備開始!
それぞれの子が今まで紅葉山公園で発見してきたことの中からとっておきの一つを選び、深堀りしていきます。
子どもたちが選んだものは「ひみつのつうろ」、「らぶらちゃん」、「ひいらぎなんてん」、「BBだん」、「もみじやまこうえんのとりたち」です。
ここからは個人での作業が多くなってきます。
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まずはそれぞれ決めた発見について今まで分かったことや予想をA-3用紙に書き出していきます。 
そして疑問に思ったことは公園に再調査に出かけたり、インターネット情報や図鑑などで調べていきます。

    「わたしが調べてる植物の名前がやっぱり違うみたい!!」

ある子がずっと興味を持っている植物が、公園の案内看板には”とべら”と書いてありましたが図鑑や他の資料をどう見ても”とべら”ではないようです。
この植物のギザギザでかたい葉やかわいらしいブルーベリー色の実などの特徴を図鑑等でいろいろと調べた結果、それが「ひいらぎなんてん」だということが分かりました。

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公園の看板表記のまちがいを”発見”できたこともなにかの縁ですし、私たちが気づいただけではもったいないので公園管理の方にお伝えすることにしました。
私が公園管理の方に電話を取り次いでから1年生の女の子が一生懸命この発見についてお話ししました。
「もしもし、私東京コミュニティスクールの1年生です。紅葉山公園の植物を調べてたら”とべら”って看板があるところに”ひいらぎなんてん”がありました。図鑑でも調べてみたんですけど、やっぱり”とべら”じゃなくて”ひいらぎなんてん”だと分かったので伝えたいなと思って電話しました。」
とがんばってお伝えすると管理の方は大変喜んでくださいました。
看板自体は中野区ではなく民間の団体が作っているものなのですぐには直せないが対応したいとおっしゃっていました。
1年生にとっては電話で相手にしっかりと伝わるように言葉を考えて話をすることは大きなチャレンジです。
それを見ていた他の子どもたちもますます自分のプレゼンに向けて気になることを調べにいきたいと公園へ繰り出し、楽しそうに頭をグルグルさせています。
さあ来週末はいよいよプレゼンテーションデイ。あと1週間もうひと頑張りだ!


YI

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探検マップをつくる!

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

とにかく歩いて、歩いて、歩きまわった4週間が過ぎ、いよいよ「地図」を用いて、いまココはドコか確かめるテストです。

まずは周りをながめまわす。南にサンプラザが見えるぞ。この道は中野駅に向かっているから中野通り。早稲田通りとぶつかる交差点を、100円ショップの方に歩いてきて、中野ブロードウェイの前を歩いてきて、最初の信号だから……地図を見ると……ああ、ここだ!

スバラシイ!ばっちりだ。歩き回って得た「実感」と「地図」で表されているイメージとが見事につながっています。地図と自分の居場所とをつなげるココドコテストはクリアです。

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しかし、これは、まだまだ序の口。地図を読めるようになるだけでなく、自分たちなりの地図をつくることが今回の学びで目指すゴールです。それも、出来合いの地図をトレースしたり、ただ写すのはダメ。地図はあくまでも参考資料。自分の頭の中に出来上がりつつある「地図」に基づいて自分たちの探検したエリアを「略図」化しなければなりません。

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小学2年生にそんな「抽象能力」があるか……地図を写すのだって難しいのにキャパオーバーの課題ではないのか……

そんな大人の心配などどこ吹く風。子どもたちは、模造紙2枚分の大きさの中野探検MAPづくりに挑戦し始めます。

1枚は、中野駅北口エリア、1枚は南口エリア。2枚を貼り合わせる部分がちょうど中央線になります。

まずは、大きな道から描きこむのが略図づくりの王道。今回の冒険の範囲は、TCSの目の前を走っている紅葉山通りと大久保通りと中野通りと早稲田通りに囲まれたところです。ということで、この4つの道を描くところからスタート。どこで交わって、どんな曲がり具合をしているか、感覚で覚えていることと1万分の1の地図とを見比べて確かめます。

「大久保通りは、中野五叉路のところでちょっと南に曲がるよね」
「紅葉山通りはゼロホールから大久保通りにかけてだんだん西の方に曲がっているよ」
「中野通りと早稲田通りはだいたいまっすぐだね」

鉛筆で下書きしていく子どもたちの姿は真剣そのものです。

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太い道の位置が決まると、次は、いよいよ冒険マップにのせたいものが、地図上のどの辺りにあるか決めてゆかないといけません。

四季の森公園にある噴水を紹介するためには、サンプラザから区役所の前を通り、カクッと北に曲がり、そのまま早稲田通りにぶつかる道を書かないといけないぞ……北海道の牛乳だけしか使わないソフトクリームの店があるのは薬師通りだから、え〜っと、早稲田通りのどの辺りとぶつかるんだろう……中野駅から早稲田通りに向かう道でいちばん目立つのはやっぱりサンモールだな。でも、その東にある3つの道(ふれあいロード、昭和新道、そのもうひとつ東の名づけられていない通り)も書かないと……これらの道すべてに横切る道は……ああ、それが3番街なんだ

こうして、目印となる大きな建物とマップにのせたいものとを思い浮かべながら、さらに詳しい地図ができあがっていきます。

IMGP4541.JPG  IMGP4542.JPG

もっとデフォルメされた(というか「不正確な」)探検地図になるのかと思いきや、方角も長さも正確な地図が姿を現してきました。

「ぼくこっち書く」
「じゃあ私はこっちね」
「ここ誰か書いてくれないかな」
「ああここに書き足さなくちゃ」

指示待ちの子がひとりもおらず、仕事の進み具合を見て、適宜、描く場所を変わってゆきます。6人のメンバーが有機的に動いて地図をつくってゆけるということは、全員の頭の中に共通した「略図のイメージ」がしっかり描けているからです。みんなに「俯瞰して抽象化したイメージ」が育ったのは、何度も行ったり、来たりを繰り返し、その度に、どこに行き、どう歩いたのか「地図」で確かめる作業を繰り返した賜物です。探検の醍醐味とはまさにこのしつこさにあるし、だからこそ本物のチカラが身につくわけですね。

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次週はついに最終週。地図の精度をあげるとともに、見やすく、わかりやすく、面白い「地図」になるように工夫を施します。そして、テーマプレゼンテーションでは、おすすめの場所を、つくった地図を用いて発表します。ますます楽しみになってきました!

RI

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いざ、執筆!?

タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」

[3・4年生]

先週までにWallに抜き出しと理由が書けた子は週末に作文を書いてきていました。
5枚も書いたというのに、なんとなく手応えがないようです。
「これでいいのかな。」
読んでみると、不安が見えてきました。本の抜き出しを書いてきていました。
タイトルは「マザーテレサものがたり」。なるほど、その通りの文が書けています。

でも、400字詰め原稿用紙に5枚書いてくるとは、すごい集中力。
しかも、これだけ何度も本の抜粋をしているため、ヒーローについての質問をすれば、
すらすらと答えてくれます。

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Wallに書いてあることは、もれなく作文にも書かれているのかな?とWallを見てみると、 本の抜き出しの順番通りに、付箋が貼られています。






どんな順番で伝えていくか、ストーリーを自分で考えないことには、自分の文章にはなっていきません。
どこか、他人事で、誰にでも書ける作文になってしまいます。
人の心に届くように書くには、どうしたらいいか。自分のいいたいことは何か、それがいくつあるのか、それを示してくれるWallを見て、整理していきます。

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いいたいこと、つまり、ヒーローのすごいところは、大きく分けて4つあるとのこと。
思いやりがあること
言ったことを実行したこと
神様を信じていること
チャレンジすること
Wallの付箋の場所を4つのゾーンに貼り替えてみると、さっきよりもスッキリした感じがします。これで、どのゾーンから作文を書けばいいかを考えていくことに。

個人作業ではあるもののの、ほかの仲間がどんな作業をしているのか、ヒーローがどういう人なのかは、自然と会話の中で入ってきたり、シェアする時間をとったりしていきました。
Wallを大幅に変える理由が全員に伝わることで、自分の場合はどうかと考えていきます。

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書きたいことがいくつあるのか、見えてきます。

また、今週から作文に入っていく予定でいたため、欠席してWallが作れなかった子も、 作文を書いてみることにしました。
子どもたちには、作文を書くにあたって、次のストーリーラインを伝えました。
①ヒーローとの出会い
②ヒーローのすごいところ
③ヒーローから何を学び、どう生きていくか

ストーリーラインはわかっていても、Wallを作っていない子、未完成の子は、なかなか鉛筆が進みません。やはり、Wallで下準備をすることは外せないことが実感でき、Wallの完成を目指します。執筆はさておき、急がば回れです。

いよいよ、執筆のとき。
質問されたことに答えることはできても、文章に起こすとなると、
つい書き忘れてしまうことも出てきます。
「うーん。」
Wallを眺めながら、ストーリーを考えていきます。
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AN

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論文執筆への更なる分析

タイトル:Body & Soul
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『アタマもカラダも使いよう』

[5・6年生]

さて、先週は東京工業大学の丸山先生からアドバイスをもらったBANEチーム。
丸山先生に見てもらった仮説を検証するために、さらに仮説を練って、実験計画をして、投げに行きます!

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さて、最後の実験ではみんなうまく投げることができたのでしょうか?
固定カメラで映像を撮る取り方、計測の仕方も手慣れてきました。

翌日、「計測した記録」と「映像から見ることのできるフォーム」
この二つに焦点を当ててデータを分析していきます。

仮説を検証していくばかりが科学的な方法ではありません。
データをしっかりと観察しそこから法則性を発見する、これも科学の方法です。
「よく飛んだ時のフォーム」と「あまり飛ばなかった時のフォーム」のそれぞれのフォームはどうなっているかをみてみると・・・


「あーーーー!!!!、よく飛んだ時は45度に飛んでいて、よく飛ばなかった時は20度だ!!!」

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ホワイトボードに移る投球フォームをコマ送りして、ソフトボールが描く軌道に点を打ち、つなぐと、あらびっくり!投球の角度が導き出されました!
しかも、丸山先生に教わった「45度の角度に投げる」、これが実践できているときは最高記録が出て、逆に「20度」になってしまっている場合には平均記録を下回っていました。

こんな風にして、それぞれで「よく飛んだ時」、「あまり飛ばなかった時」の二つのケースを分析していきます。
・「足があまり曲がっていない方がよく飛んでる!」
・「投げ切った時のバランスが重要なんじゃないかな?」
・「振り切っているときと、うまく振り切れていない時だとやっぱり振り切っているときのほうが飛んでいるよ!」


さて、今週末は運動会です!果たして BANEチームは記録を伸ばすことができるのでしょうか!?
そして、来週はついにプレゼンテーションデイがある最終週。プレゼンテーションデイでは今回は全員ではなく2名が代表として発表をします。「論文」に「発表資料」と、大学生並みの準備をしなければなりませんが、今までの振り返り資料を使いながら、二つを完成させてくることを、期待しています!


TY

2015年05月29日

「紅葉山見っけ隊」〜ふりかえり〜

タイトル:紅葉山見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア: 身のまわりには、限りない「!(発見)」と「?(疑問)」がある。     

[1年生]

プレゼンテーションではいきいきと自分の言葉で”もみじやまのとっておきのオススメ”について語ることができました。

子どもたちのおすすめは、”ひいらぎなんてん”、”ひみつのつうろ”、”びーびーだん”、”らぶらちゃん”、”もみじやまこうえんのとりたち”でした。

公園の看板には”とべら”と書いてあったのに実はよく調べてみるとその素敵な植物は”ひいらぎなんてん”という名前だったというAさん。

紅葉山公園の草むらにはいくつもの”ひみつのつうろ”があって、そこには実は看板に載っていない見所があることを楽しそうに身振り手振り付きで語ってくれたHくん。

Wさんがずっと不思議に思っていたのはなんで紅葉山公園にはいろんな場所に”びーびーだん”があるんだろう?という疑問。そしてなんとその疑問が分かってしまったことを面白く聞かせてくれました。

大きな声と満面のいたずら笑顔でお気に入りの石像”らぶらちゃん”の魅力を力いっぱい語って会場を湧かせてくれたRくん。

そしてNさんは公園に集まってくるとりたちについて分かったことを嬉しそうに話してくれました。すずめたちがなんと機関車の屋根裏に巣を作ってひなを育てていることには他の学年のTCSキッズたちも驚きでした。

プレゼン後の質問タイムではみんなが手を挙げて話したいことが溢れんばかりの様子で、時には話が止まらなくなりそうな場面もあるほどでした。(笑)

オーディエンスの方々から子どもたちへ向けてのフィードバックにも”楽しそうに探究していた様子が伝わってきて紅葉山公園に行きたくなった。”とのコメントをいくつも頂きました。

プレゼン後にクラスで振り返りを行ってみると、子どもたちからは

・言いたいことを忘れちゃったから今度は忘れないで言えるようにしたい。
・”ひみつのつうろ”を今度は自分で作ってTCSから紅葉山公園に抜ける”つうろ”を掘るんだ!って言おうと思ってたのにすっかり忘れちゃった。
・次はもっと大きな声で話したい!
・挨拶がバラバラになっちゃった。

と、それぞれに課題を認識することができた1年生たち。

また他の学年のプレゼンがとても面白かったことにもいい刺激とこれからのテーマ学習へのワクワクをたくさんもらったようでした。
さあ、これからも学びのアンテナをどんどん伸ばしてワクワクと探究していこう!

YI

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初めてのプレゼン

タイトル:紅葉山見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア: 身のまわりには、限りない「!(発見)」と「?(疑問)」がある。     

[1年生]

今週は金曜日にあるプレゼンテーションに向けて発表内容をまとめ、練習を重ねていきます。
今まで発見してきたことや疑問に思ったり予想をしてみたことなどを一つのスピーチとしてつないでいきます。

プレゼンの形式は子どもたちが紅葉山公園で発見したおすすめについて自分たちが撮った写真一枚をスライドで見せながら語る「show&tell」。
1年生にとってはTCSでの初めてのプレゼンテーションとなりますが緊張している様子はあまりなく、どの子もワクワクしているようです。
彼らにとって今回はまず大きな声で堂々と自分の”発見”をいきいきと語るというのが目標です。

いざ写真をスクリーンに映し出し、紅葉山公園の発見マップで場所を伝えながらスピーチの練習をしてみるとなかなかうまくいきません。

「このらぶらちゃんはすごいんですよ!ダイヤが50こもあったんです!それにてんとう虫やダンゴムシがたくさんくっついてラブラブしてるんですよ。」と元気いっぱいに語ることはできましたが、スピーチを聞いただけでは”らぶらちゃんって一体なんだろう?”、 ”ダイヤモンドが50個あったってどういうこと?”とせっかくの発見がイマイチ伝わってきません。

「いいね!大きな声でいい笑顔で話せていてすばらしい!ただ紅葉山公園に行ったことがない人におすすめすると考えるとどんなことを知りたいと思う?みんなはどう思う?」と聞いてみると、
「なんでらぶらちゃんて名前をつけたか分からなかった。」

「らぶらちゃんて言葉はいっぱいあったけど、らぶらちゃんが丸い石の像っていうこと言ってなかったね。」といいフィードバックが返ってきました。
それを聞いて”あっ!そっか!”となにか気付いた様子のRくん。

フィールドワークで観察するときも使ったキーコンセプトをプレゼンでも意識できればより相手に自分のおすすめがいきいきと伝わっていくはずです。
そしてまたスピーチの伝え方をつなぎなおして何度も練習をしていきました。
みんなで練習をすると自分が話し終わって、他の子がプレゼンする時にフラフラしてしまったり、何かによりかかってしまったり、隣の子とふざけてしまったりと七転び八起き状態での練習でしたがそれもいい経験。
大事なのは現状から諦めずに明るくやり続けることです。
その点では本当によくぞ最後まで楽しく学び続けてプレゼンの当日を迎えることができました。
さあ、あとは思いきりいきいきと語るのみです。

YI

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マップ完成!面白発見をプレゼンだ!

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

大きな太い道に、サンプラザや区役所、ブロードウェイ、サンモールや薬師通り、中野五叉路といった目印となる建物・通り・場所を書き加え、正確でわかりやすい「略図」の完成が近づいてきました。

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発見した面白い場所を書き加える上で苦労するのは、それがある細い道を書かなければならないこと。特に中野駅の北東部(中野5丁目エリア)は、微妙にぐにゃりとした小道が東西南北にからみあっています。一筋、路地を違えると、目的地に行き当たることができなくなります。

「あれ?この道どうなってたっけ?」
「公園の先にあったかな?それとも手前だったかな?」

不正確かつわかりにくいところが出てきてしまいました。このままなんとなく書いてしまっても、2年生のつくった略図としてはまあそんなものかな?で済んでしまうかもしれません。しかし、子どもたちにとってそれは「屈辱」です。

「おっちゃん、確かめに行こう!ついでに地図に貼るためのいい写真も撮りに行こう!」

子ども扱いはやめて!できるだけ努力するんだから!という子どもたちの強い眼差し。3日後にはプレゼンだからそろそろプレゼン練習に入った方がいいのでは……という大人の思惑を見事にぶちこわしてくれます。

「おっちゃん、心配しないで。プレゼンのイメージはできてるから」

ほう。なんてたのもしい一言。わかりました。せっかく何度も出かけて、確かめられる場所なのですから、時間が許すギリギリまで現地に出向き、確かめ、地図を修正しようではないか。

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「たいやき屋のななめ向かいが50円自動販売機だったんだ!」
子どもたちが大好きな羽根つきたい焼きを売るお店と、50円で飲み物が変える「激安」自販機と、どちらも紹介したい。でも、行き方を説明するためには、正確な位置関係をつかんでいないと、教えられません。改めて現地を訪れて、ドコにあるのかバッチリ把握できました。

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「噴水の中に入れるなんてスゴいよね」
「中に入ると水のろうやにいるみたい」
「これ、絶対紹介しないと!」

四季の森の公園の西端にある「水のろうや」を紹介するには、やはり、ここまでの行き方をきちんと説明できないといけません。

サンプラザの前から石犬のところに行く……石犬?……ああ、区役所の前にある数匹の犬の彫刻ね。綱吉の生類憐れみの令の時代、「犬囲い」があって、多くの野犬が集められていたことをしのぶオブジェです。この前を通過すると道が北側の方にかくっと曲がっていて、税務署がある。さて次はどう行こうか……あっ、信号のない横断歩道を渡ればいいんだ。すると、緑の芝生が目に入るからもう迷いようがない。

こうして、地図上の場所を確かめながら、行き方を確かめることができました。

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発見した面白スポットの写真を地図にはりつけ、解説文を書き込み、見やすくなるようにカラフルにして、ついにスバラシイ中野探検マップが出来上がりました。

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翌日がプレゼンテーションですが、彼らの頭の中には、紹介したいルートがばっちり入っているし、語りたい内容もだいたいできています。したがって、実際に話しながら、足りない部分やわかりにくい部分をフィードバックするだけでサクサク発表内容が固まっていきます。

リレーのように、一人ずつ、TCSを出発し6人それぞれのオススメスポットを紹介してゆくというのが子どもたちのアイデア。それも、地図だけでなく、写真をプロジェクターで映しながら、まるでその場を本当に歩いているかのように「寸劇仕立て」でプレゼンしたいそうです。

「おっちゃんは余計なこと言わなくていいから」

はいはい、わかりました。お任せします。

「みなさん、目の前にドコモビルの黒い、高い建物が見えてきましたよ。そうしたらそっちの方に向かって歩いてください。区役所の石犬の前を通過して……」

台本不要どころか暗記も不要。彼らは自分たちのつくった地図を使いながら、実際のルートと場所の具体的イメージを頭に思い浮かべながら、面白く、わかりやすく語っているではありませんか。この時点で、セントラルアイデアの「俯瞰と抽象化が理解を深める」というコンセプトを子どもたちなりにつかんだことがはっきりしました。探究の成果はあった!というわけです。

明日のプレゼン。これはとっても楽しいものになりそうです。

RI

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ヒーローを語ること、自分を語ること

タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」

[3・4年生]

それぞれのMy Hero Wallが完成してきました。
あとは、原稿に起こしていきます。
作文のストーリーラインは、次のように設定しました。
①ヒーローとの出会い
②ヒーローのすごいところ
③ヒーローから何を学び、どう生きていくか

Wallに書いてあることは、主に②の部分です。
①と③では自分の考えや思いを書くことで、ほかの人には書けない、自分だけの作文にしていきます。
IMGP5809.jpg   IMGP5808.jpg

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「ラセターさんのようなアニメクリエイターになりたい。」
その一行で話が終わってしまっています。
きっと、まだまだ思いはあるはず。突っ込んで聞いてみると・・・。



そのためには、どうすればいい?
「弟子になる。」
弟子になるには、何が必要かな?
「英語ができるようにならないと。」
英語の時間の自分を振り返ると、もっとよくできることある?
「今は、動きに反応しているだけ。わからないから聞いてないことが多いかも。」
ラセターさんのすごいところは、スタッフの心に寄り添うことができること。
そのためには、「聞く」ということは、ラセターさんに近づく第一歩だということにつながっていきました。

IMGP5824.jpg③の部分は、簡単に書こうとすれば、軽い言葉になってしまいます。
「私は、マザー・テレサのようなすごい人になり、将来の夢、動物園の飼育員をするとき、 私は、動物園のマザー・テレサになりたいです。」
すごい人になるって、同じことをするの?
動物園のマザー・テレサってどういうこと?と聞くと、
黙って、書き直し始めました。


しばらくして、出してきた文は、
「私は、マザーと同じことはできません。でも、自分もやれることがあります。今、日本のすて子たちはひどいめにあっているかもしれません。それは、かわいそうだと思うから、自分でも家を建てて、おいしいごはんをあげてしあわせの家をつくりたいと思います。」

書いてあることは、いいことなのですが、どこか、自分事から離れている感じが出ています。
動物の飼育員が夢で、もうひとつの夢がしあわせの家?本気でそう思っている?と聞くと、
「うーん、違う。」本人もしっくりきていない様子で、悩みます。
思い詰めるかのようにしていましたが、その後も何度か書き直しが続き、最終的には、次のようになりました。

「私は弱虫です。なんでかというと、自分がケガするとか、自分が笑われるからいやだとか、くだらない心配ごとで自信をなくすことがあるからです。マザーはこんなことで自信をなくしません。マザーは、自分はできると思っているから。私の夢は動物園の飼育員です。もしかしたら、自分が世話する動物がライオンだったら、最初は怖くて近づけません。自分が友達になりたいと思って勇気を出さないと何にもできません。だから、前向きに考えなきゃいけない。動物も友達になりたいと思っても相手が怖がるときっていやだと思うから自分も前向きに勇気を出してがんばることをマザーを知ってわかりました。」

始めは、原稿用紙4行で終わっていた話が、自分とつなげることで、ずいぶんと広がっていきました。

IMGP5814%20-%20%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%202.jpg時間があっというまに過ぎていき、終わってみると手が真っ黒。
「あ、手がこんなになってる。」
誰かの声を機に、自分の手を見ると、やっぱり黒くなっています。
「ほんとだー。」
第1稿からカウントすると10枚以上になっている子もいます。
下書きが終わり、清書は後回しにして、最後は、プレゼン練習です。
プレゼンは翌日に迫っています。

話したい内容はたくさん頭に詰まっています。
まずは、語ってみて、2分間で収まるように調整していきます。
人の心に響く、My Hero Storyが語れるかどうか。
仲間と交代で練習しながら、磨きをかけていきます。

AN

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ついにやってきた撮影日!

Body & Soul
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『アタマもカラダも使いよう』

[5・6年生]

先週最後の実験だったのですが・・・また土日でインスピレーションが加速したのか、
「ねぇ、ねぇ、また投げに行けないかな?」

あと論文の整理と発表練習を入れた時間もあまりないのだけれど・・・今日は1日テーマだし・・・投げに行こう!
ということで、最後の最後にもう一度投げに行くことに!

2015_t1_body_and_soul_wk6_01.jpg

最後の最後まで諦めず、目標の記録を目指してソフトボールを投げてゆきます。
先週の運動会で記録を更新できた人もいれば、記録を更新できなかった人もいました。
あ、もしかしたらこんな投げ方もあるかもしれないぞ!
ということで、「大の字投げ」を運動会の後に思いついたり、運動会がゴールではなく「どのようにしたら遠くへ投げられるか」について考え続けていることが伺えます。
それらの投げに行ったデータからわかったそれぞれの結論を発表資料と論文形式でまとめていきます。発表練習をしているときには、「話の筋が通っているか」、「ソフトボール投げの飛びを左右している要素」について、それぞれでGood & Betterをしていきました。

・「グラフが入っていてわかりやすい」
・「写真が入っていると見やすい」
・「ここのところがちょっとわからなかったんだけど、どういうこと?」

それぞれの発表を映像に収め、スタッフで閲覧会をして、各自にフィードバックシートをつくりました。

プレゼンテーションデイの前日、そのフィードバックシートをいかして、残業をしてギリギリまでプレゼンの映像を撮っていた人もいれば、家に帰って論文を書ききってくる人もいました。
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金曜日のプレゼンテーションデイが楽しみです!


TY

2015年05月30日

「ココドコ」〜ふりかえり〜

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

なんとまあ、イキイキと楽しそうなプレゼン。自分たちが見つけた面白いものを、見事にオーディエンスに伝えきりました。寸劇仕立てにしようという子どもたちのアイデアはばっちりでした。

写真とともに、まるで本当に歩いたかのように錯覚しました。
この地図を使って中野の街を歩いてみたいです。

というフィードバックを多くの方々から頂戴しました。

小学2年生6人の「同志」とともに、半径1kmの範囲内をとにかく歩いて歩いて歩きまわり、約1ヶ月で歩いた総距離は軽く50kmは超えているでしょう。まちたんけんするっていうんだったらこれぐらいやらないとなと再認識です。

極めて限られた同じ場所をこれだけ歩きまわっても飽きるどころか、まだ行ってみたい、さらに確かめたいと子どもたちのボルテージは上がるばかり。それはやっぱり本気で「たんけん」してるからでしょう。スペシャルなことなど不要だし、1回あるルートを歩いて、調査して「まちたんけん」したなんて恥ずかしくて言えません。同じものが毎日微妙に変わっているし、違うものが毎日見つかる。それをとらえて、「まち」の特徴が自ずと浮かび上がってくるからワクワクするのです。

Field Work で体感した知を「抽象化」するのが Fantasy Work。歩く、見つける、表す、歩く、感じる、表す、歩く、確かめる、表す……をただひたすら繰り返したからこそ、出来合いの地図をただ写すのではなく、自分たちの発見を見事に盛り込んで「略図化」できたと言えましょう。

探究マインドを養い、どんな場面においても必要な「略図化」の基本を身につける学びとなりました。

RI

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「My Hero Story」~ふりかえり~

タイトル:My Hero Story
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「考えや思いはストーリーで相手に伝えることができる。」

[3・4年生]

プレゼンテーションでは、自分の選んだテーマソングと共に入場。
ヒーローに合わせた衣装を着てくる子、音楽に乗って登場の仕方を工夫する子など、
それぞれにマイヒーローを伝えたい!という気持ちが満ちていました。
テーマソングをBGMとして流しながら、マイヒーローを語っていきました。
プレゼン後、これまでの学習を振り返っていったとき、何より有効だったのは、
オーディエンスからいただいたリフレクションシートでした。

・ヒーローのすごいところと自分の将来の話がどうつながるのかわからなかった。

「緊張していて、話が抜けちゃったからだ。」
つなぎの部分が抜けてしまうことで、相手には伝わりにくくなることを実感。

・ヒーローに近づくために、今できることは、人の話を聞くことと言ったところが頭に残りました。
素敵な考え方です。
・ヒーローの優しさと自分のできないことを重ねて考えているところが素晴らしい。

ヒーローを語る中に自分の考えを盛り込み、自分のこととして捉えていく。
そこにストーリー性があったとき、相手の心に届くことが、
実際に話を聞いてくれた方々からの声で明らかになるとともに、
セントラルアイディアを実感することができました。

これから、子どもたちは作文の清書に入ります。
文章でも語りでも、説明ではなくストーリーで伝えていくことに
さらなる磨きをかけていけることを願っています。

AN

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「Body and Soul」〜ふりかえり〜

タイトル:Body & Soul
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『アタマもカラダも使いよう』

[5・6年生]

今回のBody and Soulでは、プレゼンテーションデイでは代表者2名がプレゼンテーションしました。

ただ、代表者を選出するにあたって、スタッフの間で、誰を選ぶかで本当に悩みました。

・「いろいろな科学的な根拠を取り入れ、それらがカバーされている。」
・「自分なりの理論を組み立てている。」
・「数字を細かく追っている。表現が改善されればさらに良くなるはずだ。」

もちろん、論文、発表資料の仕上がりや、自分の言葉で語れているかについても評価項目ではありましたが、どの発表者もその点では殆ど差はありませんでした。
最終的に代表として選ばれた二人は、「観察から切り取った要素の明確さがほんの少し抜きん出ていた」ことでプレゼンターとして選ばれたのでした。

論文と発表資料という二つのアウトプットを6週間という短い期間で仕上げるためには、特に家で振り返り続け、アウトプットをし続けることが必要とされました。

何人かの父兄から「寝る間も惜しんで資料を作っていた。練習していた。」、「休みの日でもずっとテーマをやっていた」ということも聞き、テーマの時間外での活動に支えられ、「科学の作法で論文を書く、資料を作る」最初のチャレンジを成し遂げることができました。

今回は特に、プレゼンテーションの後のご質問の中に「みんなでアイディアをシェアすることはなかったのか」という質問が出たように、「個人探究」という色が強く出るテーマ学習となりました。
今後、サマープロジェクト、エキシビジョンなどで個人探究をしていく上で今回の経験が必ずいきてくれるはずです。

日々つけていったEvernoteには、「中村俊輔の練習ノート」にインスパイアされた、振り返りが書かれていました。その一部を下に載せます。

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彼らはこんなに毎回毎回、実験や練習のたびに振り返り、自分の考えを更新してゆきました。体を使ってパフォーマンスをしていく上ではこの「振り返り」こそが、明日のイチローや中村俊輔につながるのではないでしょうか。

今回のテーマは「科学的に考える」というよりも、いろいろなやり方を考え出し、試してみることで、自分の体の使い方に改めて焦点をあて、意識的に体の使い方を変えるキッカケとなる学びになりました。


TY



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