東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2010年09月 アーカイブ

2010年09月02日

「Body and Soul」~概要~

[6年生]

タイトル:Body and Soul
探究領域:万象究理



  イチローってどうして打席に入る前、必ず同じ動作を繰り返すのだろうか。
常に結果を残す一流のスポーツプレーヤーは、体の手入れ、管理、トレー
ニングに人一倍配慮し、一つひとつの動作をないがしろにしません。それに
ひきかえ私たちは、日々、何気なく体を使っています。トッププロでない一般
の私たちにしても、運動器官に関する正しい知識と意識を持って行動すれば、
身体能力を今以上に発揮し、故障せず、いつまでも健康に体を動かし続ける
ことができるのではないか。そんな問題意識が今回のテーマ学習の出発点
です。私たちはどのように運動器官を動かしているのか?どうすれば運動器
官をうまく動かせるのか?いつまでも運動器官を健康に使い続けるにはどう
したらよいか?を追究し、科学的なメカニズムに基づいた日々の実践によって
運動能力を向上できることを検証します。


RI

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「明日天気になーれ!」~概要~

[5年生]


タイトル:明日天気になーれ!
探究領域:万象究理



 
外出、農業、洗濯、ゲリラ豪雨、猛暑……。
私たちの日々の生活に、天気は密接に関係しています。

テレビや新聞、インターネットなどでは、
気象に関するたくさんの情報を用意に手に入れることができるようになりました。


―その情報を使って、自分でも天気を予測できないだろうか―


今回のテーマ学習では、単なる「お天気観測記録」をとるだけの活動に終わりません。
身近な現象とその背後にあるしくみや気象データの意味をしっかりと理解した上で、
気象データを解釈する力を高める探究を行います。

複数の気象データを分析し、統合すれば、自分なりに天気を予測できる!
と実感することを目指します。



EN


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源「自」物語~概要~

                                         [4年生]

タイトル:源「自」物語

探究領域:時空因縁


「テレビがなかったあの頃って、どういう生活だったの?」
「小学生時代はどういう子どもだったの?」
父母・祖父母の人生についてインタビューし、そのときの家族の思いを感じ、
家族の歴史を辿ります。
さらに、自分自身の興味を持ったものやことの歴史、時代背景を探究していきます。
時が流れても『変わらないもの』と時が経って『移り変わったもの』とはいったい何でしょうか?
多角的に歴史に探究し辿ることで、世の中の移り変わりや
今自分の置かれている境遇を見ていきます。



TK


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「水知らずにはいられない」~概要~

[1・2・3年生]
タイトル:「水知らずにはいられない」
探究領域:共存共生

今回1・2・3年生は、テーマ「水知らずはにいられない」を探究します。

私たちは日頃、水道の水を何気なく使っています。
飲み水からトイレ、風呂と使い道は多岐にわたります。
蛇口をひねるだけで手にすることのできる水ですが、
私たちは普段、その入手経路などを強く意識することもありません。
あまりに身近で日常的であることが
その一因なのかもしれません。
そこで、今回のテーマで彼らは
「普段家では、1日にどのくらいの量の水が使われているのか?」
といったことを調べたり、
「使った後の汚れた水はどうなるのか?」
「きれいな水は簡単に作れるのかどうか?」といった疑問に対しては、
浄水場や水再生センターへ出かけ、実際に水の処理を
自分たちの目で確かめたりします。
そういった活動の中から、私たちが手にし便利に使っている水が、
どのようなしくみでめぐるっているのかを探っていきます。


TY


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2010年09月03日

Body and Soul

[6年生]

自然界に潜む原理や法則を科学的に解明してゆく「万象究理」の探究。
今回は、自らの身体の動きを司るメカニズムを科学的なアプローチで
探ります。当然ながら、TCSのテーマ学習は、追究するテーマが自らの
人生に深く関わるものとして意識し、頭だけで理解するだけで済ませ
ないところに大きな意義があります。

自分の体のことなのだから、身をもって示す!

実践、実証を目指します。

いきなり車に乗せられた子どもたち。場所も告げられずに連れてこられ
た場所は、和田堀公園のグラウンド。ここは、いつも運動能力測定を
行うところ……まさか、残暑ならぬ慘暑の中、走ったり、投げたりしない
よね?ところが、子どもたちの嫌な予感は的中。

「これから、50メートル走とソフトボール投げをやってもらうよ!」

(ええ〜、マジかよ、でもなんかいつもと違うぞ)
5メートルおきにコーンが置かれ、一人ずつ走ります。そのうえ、何回も
走るように言われ、その都度、ビデオ撮影されたのです。すべてが終わ
った後はもうヘトヘトでした。

翌日、撮影したビデオを見ることから始めました。
(何回も走ったのはそういうことだったのか……)
真横から撮影されたものは2種類、正面から撮影されたものが1種類、
合計3種類の映像がありました。投げる方も、斜め前から撮影したもの
と、真横から撮影したものと2種類ありました。異なったアングルから撮影
し、走るフォーム、投げるフォームを分析するために何回も走ったり、投げ
たりしてもらったのでした。

「お父さんの走り方とそっくり」
「顔をめちゃくちゃ動かして走ってる」

これまで客観的に見たことのない自分のフォームに子どもたちは関心を
持ち始めました。

「跳んでるように走ってる」
「背筋が伸びてきれいだね」

真横から撮影した映像を繰り返し見直すうちに、走行中の足の動きや
姿勢がそれぞれ異なることに気づきました。さらにスタート時と走行中
の走りを見比べてみると、歩幅やフォームが異なることがわかりました。

続いて、ソフトボール投げの映像を見ました。するとある子が、

「ボールを遠くに投げるには45度の方向にボールを投げるんだよ」

と言いました。子どもたちは、せっかく映像があるんだから、自分たちが
ボールを投射している角度を測ってみようと言い出しました。ある子が
三角定規をスクリーンにあてがって角度を測ります。すると、TCSレコード
を持っている男の子の投射角は、45度より低く、一人の女の子が、ちょ
うど45度の投射角で投げていることがわかりました。

「45度の方向に投げたらもっと遠くに投げられたのかな……」

TCSレコードを持っている子がつぶやきました。これまでその子は、天賦
の才だけに頼り、記録を出してきただけで、意識して自分の身体をコン
トロールしようと考えたことはありませんでした。そこに今、“?”ランプが
点灯しました。他の子どもたちにも同様に“?”ランプが灯ったようです。

どうしたらもっと速く走ることができるのか?
どうしたらもっと遠くに投げることができるのか?

子どもたちが「わがこと」として感じ始めました。今こそ、ミッションを提示
する最適のタイミングです。

「今回、みんなに取り組んでもらいたいことは、自分の身体を意識して
動かせば、運動能力を高めることができる!と実証することだ」

そのために、科学的なアプローチで分析する。なんとなくではなく、がむ
しゃらに努力するだけでもなく、メカニズムを解析して、自らのパフォーマ
ンスを改善しようという試みです。

「父ちゃんは6秒台で50メートル走ってたんだって。それを抜けるかな……」

探究者たちは動き始めました。

RI

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天気予報って必要?

[5年生]


テーマ「明日天気になーれ!」第一週。


子どもたちは、夏休み前にみん理(みんなで学ぶ理科)で、天気について学んだばかり。
まず、導入として子どもたちが天気について知っていることを出していきます。


「ゲリラ豪雨ってすごく狭い範囲で起きるんだって。」
「テレビで竜巻の実験をしているのを見た。ありが死なないでそのまま浮かんでた。」
「夏休み中に空を、今日は入道雲だなぁとかって思いながら見てた。」


イメージマップを各自で書いてみると、
この夏の異常気象を経験したからか「ゲリラ豪雨」などや、
洗濯などの身近な言葉などが出てきました。


今回のテーマでは、気象についての知識を深めるだけでなく、
複数の気象データを分析して、天気の予測に挑戦します。


そうは言っても、子どもたちは普段天気予報を必要としているのでしょうか。
聞いてみると、


「毎日見てる。傘は夕方からなら傘持って行かないけど、昼間から雨の予報なら傘を持って行くよ。」
「旅行に行った時、台風が来る予報が出てて、気になってずっと天気予報を見ていたよ。」


頻繁に天気予報はチェックしているよう。


でも、どうやって天気を予測するのかということにおいては、まだアイデアが浮かばない様子。


そこで、翌日は,天気予報が誰によってどのように出されているのかを知るために気象庁を訪れました。


天気予報って必要?_01  天気予報って必要?_02

気象庁職員の方のナビゲートの元、普段見られない予報室の様子を見させていただきました。
予報室の中には、たくさんのパソコンとモニター、そして天気図が並べられていて、24時間365日休むことなく動いている緊迫感が伝わってきます。
気温、風向、風速、雨量だけでなく、小さな地震や台風など、わずかな変化の気象も余す事無く確認して、その数多くある気象データを予測に活用している現場に触れることができました。


さぁ、来週からは実際に天気図などのデータに触れながら、どのような気象データがあるのか、そのデータで何が分かるのかを理解して、天気を予測するための材料を蓄積していきます。


EN


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源「自」物語のはじまりはじまり・・・

[4年生]

今回のテーマは『源「自」物語』ということで
自分たちの祖先の歴史の道を辿っていきます。
その道が一体どのようにして自分につながってきたのでしょうか?

夏休みに“テレビがなかったころ”という課題図書が宿題で出ました。
フランスの戦後の子どもの話で、戦争の爪跡が残りながらも当時の生活が描かれています。
今のくらしに欠かせないものがなかったり、その頃はあったものが今はなかったり。
その話をおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に話をしてくるという課題が出ていました。

夏休みでのおじいさん、おばあさんの話を聞いてみると・・・
「戦争は大変だったって。」
戦争の番組を終戦記念日ではやっていたことも印象に残っているようで、
戦後の生活の大変さは実感はないものの、頭では知っているようです。

DVC00460.jpg

話をしているところで昔のくらし図鑑という資料があったので、どのようなくらしだったのかに興味を持ったようで見てみました。

そこでは、当時のあそびの話で盛り上がりました。

「このおにごっこは今でもやるよ」
「この遊びは、やったことないな」


私も昔やったことのある遊びがのっており、一緒にやってみることにしました。

DVC00463.jpg

鉛筆とノートで「戦争」というゲームをしました。
鉛筆をたてて、指で押し、線を引いていきます。互いに線を引いていき相手の線の先に
当てた方が勝ちです。その軌道は、まるでゼロ戦の飛行機の軌道のようで想像力もかきたてられます。
単純なゲームですが、思わずエキサイティングしていました。


単純なゲームの中には、もっとおもしろくしようという工夫が生まれるようで、
終わった後に
「このゲームをこうしたら」
「次だったらこうするな」
という言葉が聞こえました。

鉛筆とノートを使ったゲームで「潜水艦ゲーム」というのもやりました。
お互いに方眼のマスに潜水艦を沈めて、相手がどこの位置にいるのかを爆弾を落とし、当てて沈めていきます。

相手のことを読みあい、どこに潜水艦がいるのかを予測し当てていきます。

「ここに、5の戦艦がいたから、このまわりにこんな形をしているんじゃないか?」
「考えていることがわかったぞ。」
こんなつぶやきをしながら、楽しんでいました。

途中には、
「どんな形してるの?」
「隣には潜水艦いるの?」
という何とか勝ちたいと頭を使っていることも見られました。

「昔はこんな遊びをしていたんだ」

おじいちゃん、おばあちゃんはどんなあそびをしていたかとか聞いてみたかと質問すると、
「していない」とのこと。

ではではと、他に聞いたことはと質問すると・・・
「忘れてしまった。何だったけ?」
その子の話によると、夏休みの初めに聞いたので忘れてしまったとのこと。
「やはりメモをとらないと忘れてしまう」と大切さを改めて感じていました。

さらに当時のこと深くは聞けずにいた様子も伺えます。

そこで
『インタビューの達人になろう!』ということで
まずは、自分の好きなことに関して語ってもらいました。
そこから質問を繰り返し話を膨らませていきます。

インタビューに大切なのは、思いのこもったことを語ってもらい、その人の話を引き出すこと。
そのことが今回のミッションとなりました。
ということで、その人の選ぶ「思い出の写真 一枚」と題して、写真を一枚選んでもらい、そこから語ってもらいます。
その人の写真にこもった思いを引き出し、いっぱい質問をして、話をはずませることをしていきます。


インタビューのスキルを磨いていけるでしょうか?
時間をかけて磨いていきます。



TK


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「水の星、地球」

[1年・2年・3年生]

今回、1・2・3年生のテーマは『水知らずにはいられない』です。
『水』を中心に学びを進めて行きます。

「水はだいじだから。」
最初の授業の冒頭、このような発言が子供から出ました。
夏休みの課題図書をほとんどの子が読んでいて、
自分たちのテーマが『水』に関するものだと予測できていたようです。


冒頭の子供の発言に応えて、こちらから
「それじゃ、水からどんなことを思い浮かべる?」
と問いかけてみる。
「海」、「雨」、「台風に洪水」「飲む。」
といっせいに声が飛び交う。
我先にできるだけ多くの発言をと必死な姿。
それぞれの言葉が判別しづらくなる。
そこで一旦制止して、発言の仕方の初歩的なルールを提案。
みんな一応了解してくれる。
しかし、彼らの積極さがよくわかりました。


『川、死海、雲、お風呂、滝、ゲリラ豪雨、プールの(水着用)脱水機、霜、』
とみんなの連想したものが、ホワイトボードをうめていく。
その中に『木星』を挙げた子がいて、ほかの子から説明を求められると、
「木星には氷のかたまりがたくさんあるんだよ。」
と知識を披露してくれました。
せっかくなので、この木星の話にのり少し脱線。
「太陽系にはどんな星がある?」
「水、金、地,、火、木・・・・・」
    ・
    ・
    ・
「水星は熱すぎて人間は3秒ぐらいしか生きられないよ。」
という子がいたので
「地球以外の星で人間が生きていけるかな?」
と訊いてみる。
「月とか火星?」
と考えながら答える子。
「水星は熱すぎて水が蒸発しちゃうからだめだね。」
と先ほど水星の暑さに言及した子が話題を『水』へと戻してくれました。
その後、板書を少し整理しノートに取って初日は終了。

二日目は、普段みんなの使う水の話題が中心となる授業でした。
まず、『宇宙船の中で飛行士が使える水はほんのわずか。』
という新聞記事を紹介。
夏休み前にスクールのイベントで富士山の登頂をしてきたこともあり、
子供たちにとって、『場所によっては水が手に入りにくい。』
ということが理解しやすかったようです。


次に、『水』を考える上で大事なほかの要素へと話を進めました。
「みんな家やスクールでどんなことに水を使ってる?」
彼らがいっせいに叫びだす前に、順番を決めて答えてもらう。
「トイレ」「飲料水」「お風呂・シャワー」「金魚を飼うための水」
などなど最初は矢つぎばやに出ていたものが散発的に。
やがて一人の子が「宿題はあるの?」
と訊いてきた。
『身の周りの水について何かを調べるのでは?』
という疑念をどうやら抱いたようである。
早速週末にやってもらいたい課題について説明しました。
『家の中で、誰がどんなことに何回水を使ったか』の調査です。
子供たちの実りある調査を期待しつつ授業を終えました。



TY


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2010年09月10日

意義のある「問い」を立てる

[6年生]

“自分の身体を意識して動かせば、運動能力を高めることができる!”という
ミッションが明らかになり、そのミッションを「わがこと」としてとらえ始めている
子どもたち。より速く走り、より遠くまで投げるために、どんなことを追究したら
よいか考える段階に入ります。

これまで6年間探究を積み重ねてきた子どもたちですから、その仕上げとして、
彼らの「自律性」を磨く助けをすることが教師の使命。

「追究全体を見通して、今、何をすべきか考えてみよう」

というように、子どもたちのメタ認知能力を刺激するアドバイスを心がけます。

ミッションを完遂するために、まずすべきことは何?……それは、私たちが何を
知らなければならないのか?明らかにしてゆくこと。そのためには?……追究
する意義のある「問い」を見出す必要がある!さあ、みんなで「問い」を出して
みよう!

「スタートのときに足をどう踏み出すかはすごく重要だと思うんだよね」
「足が前に出た方がいいよね」
「ということは、どんな問いを追究すればよいのかな?」
「スタート時に足が前に出るにはどうしたらよいか?ということじゃない」

子どもたちはみんなで話し合いながら追究する意義のある「問い」を明らかに
していきます。ちょうど授業公開日と重なったのですが、この話し合いの場面
を見学された方から、高学年になるとさすがですね、どんどんアイデアを出して、
みんなでまとめてゆくところは大人の会議顔負けですというおほめの声を頂戴
しました。

足の動きは、スタート時だけでなく、走行中も大事だろう。さらに足の動きだけ
でなく、走っているときの姿勢も重要ではないか。上半身と下半身の関係も
分析してみる必要がありそうだ。走っているときに筋肉や骨、関節はどう動いて
いるのかも知りたい。身体面だけでなく精神面も走りに関係しそうだ。たとえば、
緊張はよくないかもしれないけれど、追いつめられたときに発揮される火事場
のバカ力でタイムが上がるかも……

子どもたちは活発に議論を繰り広げ、追究する意義のある「問い」を探ってゆき
ました。その結果、立てられた「問い」は、

①よいスタートをきるにはどうすればいい?
②走行中の足の動きはどうなっているとよい?
③スタートから走行中の姿勢の変化は?
④走行中、上半身と下半身の動きのバランスはどうなっている?
⑤走っているときに筋肉・骨・関節はどのように動いている?
⑥精神状態が走りにどんな影響を与える?
⑦トップアスリートから学ぶべき点は何か?

でした。

何を知りたいかを明らかにしたら、次は、どのように知るかです。

「本やインターネットで調べようよ」

探究学習で学ぶべきリサーチスキルは、リテラシーの育成と一体です。調べる
には、本、インターネットというところまでは、すぐに気づきますが、問題は、与え
られた資料から必要な情報を見つけ出し、「問い」に対する「答え」をまとめられ
るかどうかです。そこで、子どもたちの立てた「問い」を明らかにするのに役立つ
情報が書かれている本を渡しました。

「さあ、この本をどのように読んだらいいかな?」

物語を読むときとは異なる、説明的な文章から必要な情報を取り出し、まとめる
読み方をトレーニングします。まず、子どもたちに付箋を渡し、自分たちの立てた
「問い」の答えが書いてある部分に貼るように言いました。そのときに、どの「問い」
についての情報が書かれているかすぐわかるように、付箋に①~⑦までの問題
番号を書き込ませました。

まず、目次を見て、どこに書いてありそうか見当をつけ、その後ざっと眺めてどこ
に書かれているか発見し、付箋を貼ります。本全体を精査し終えたら、改めて
付箋を貼った部分をしっかり読み、同じトピックについて書かれている部分は統合し、
自分の言葉で内容をまとめてゆきます。今週末の宿題は、家でこの「まとめ」の
作業をやってくることにしました。

「おっちゃん、専門家にも聞いてみないといけないね」

本だけでなく「現人」から学ぶことも探究の大事な要素です。そのことを子どもたち
は忘れていません。そこで、来週は、身体運動のバイオメカニクスを研究している
東京工業大学の丸山剛生先生の研究室を訪ねます。

RI

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気象の変化を実感

[5年生]


気象の変化を実感01今週から、どんどん予測をしていきます。
毎日、天気図を見比べるとその変化に気付いていく子どもたち。


「台風8号がいなくなった。」
「高気圧が北東に動いているよ。」
「北東の低気圧が動かないでいる。」


それと合わせて、私たちがいる杉並区の上空はどうなっているのか、
屋上へ上がり実際に空を見て雲量を感じます。


「この空の雲量は7かな。そうすると今の空は晴れだ。」


さぁ、このようにデータを使って、天気の変化を予測しているけれど、
気象データにはどのようなものがあって(気象庁はどのようなデータを集めているのか)、
それらのデータをどのように集めているのか。
実際に自分たちでも観測して体感してみよう!


気象の変化を実感_02牛乳パックとアルミホイルで周りを囲んだ気温計、
セロハンを繋げてその伸び縮みで測る湿度計、
その他に風速計と風向計を手作りで制作し、観測を行いました。


気象の変化を実感_03数時間おきに測ることは容易ではありません。
もちろん、適当に測ることは許されないですし、
毎度同じ場所で測るなど、正確な計測が求められます。
そうして集めたデータをグラフに表すことにも挑戦しました。


ある日のこと。


昼頃の天気図や気象衛星画像を見て、
「台風9号は、韓国に向かっているよ。だから日本には台風は来ないんじゃない?」
という考えから、翌日の天気を「晴れ」と予想。


しかし、なんと、翌日は朝から雨。
その後、雨は強くなっていきました。


「雨が降ったね……」


子どもたちはどうしてこうなったのか気になっている様子。
早速、天気図を見てみると、台風9号が進路を変更して日本に接近していたのでした。
それを見て驚く子どもたち。


さて、どうしてこのようなことになったのか。
それを理解するためには、もっと気象データを読み解く力や気象の変化の原因を知ることが必須となってくる。
来週以降は、天気図から更に多くのデータを引き出すこと、
風はどのように動くのかを追究していきます。


EN


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〇〇の歴史を探究しよう!

[4年生]


先週は、欠席していて話を聞けなかった子がいたので、
まず最初に、今までにインタビューをしてきたことをシェアしました。


夏休みに聞いてきた話をしていきました。

「テレビがなかった頃を読んで、聞いてきたよ」
「おじいさんは終戦の頃・・・」
「うちのじいとばあに戦争の話を、聞いたら話が止まらないよ」

自分につながる家族のことについて、分かりやすく整理するために、
祖父と祖母からの家計図をまとめていきました。

すると・・・
「おばあちゃんの旧姓は、知らないな」
「生年月日も分からないな」
「こんなにも知らないことが多い」
「おじいちゃんのこともそうだけど、おかあさんとおとうさんでさえ知らないことがあるぞ!」
意外と知らないことが多いという事を実感していました。


知っていることを一通りワークシートに書いてから、家族の話として、それぞれ紹介をしていきました。

その中で、何やら今と違うことが浮き彫りになってきました。

「昔は物がなかったんだ。大変そう!」
「何かいろんなことが変わったんだね」
「テレビがなかった頃(フランスの戦後の話の絵本)を読んできたけど、それとも何か少し違うっていってたよ」
「こんなに新聞紙を紙に使っていたりはしなかったって」
「でも、氷で物を冷やしていたのはかわらないみたい」
「お風呂もあったって言ってた」
「少し時代が違うんじゃないっていっていたよ」

そこでどれくらいに生まれたのかを計算して、そのくらいに生まれたのかということを考えれ見ようと思ったのですが・・・
生年月日が分かりませんでした。
その事も調べてみようという話になりました。

絵本を中心に話をしたので、フランスと日本で“違うこと”が浮き彫りになってきました。
日本の中での生活を中心に目を向けてみることにしました。

「フランスでは、悪いことをして厳しく叩かれていた場面があったけど、日本にはあったかな?」
「むかし、おじいちゃん厳しかったから、何かでビシって叩かれたって」

「先週調べたあそびも違うのかな?」
「知っているものでやったことあるって、おかあさん言ってた。他にもこういうのが・・・」
あそびの中には昔から変わらないあそびもありました。


「昔と今って何がちがう」と問うと、

「あそびは違うところは違う」
「家も違ってきている」などなどいろいろ出てきました。
中には「政治?」という意見も出てきました。

「それらは、どんな風に変わってきたのかな?」

今回の源自物語は、家族とその時代背景を調べ、つながるだけではなく、
さらに視点を変えて、「〇〇の歴史」ということで自分の興味のある事に関して、
歴史を調べていきます。
その歴史の切り口というべき視点から、その変化というものが何か時代が見えておもしろそうなことを探しました。

そこで、「給食の歴史」について、調べてみた事例を発表しました。

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「給食って戦争中が一番何もないね」
「脱脂粉乳ってアメリカからもらっていたんだって」
「戦後は、ユネスコから援助ももらっていたんだって」
食べ物は時代が移りやすいもの。この切り口で見てみると、大きい世の中の歴史の流れが感じられます。

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次の日には、どんな歴史を調べるのかを考えていきました。

「何がいいかな?」
「その歴史を見ると、何かおもしろいと感じるものがいいよね」

「建物って調べてみたい!」
とは、いうものの建物と一概に言ってもとても多いわけで・・・

建物って沢山ありすぎて、調べていくとキリがありません。
その中でもどのようにテーマをしぼって調べていくかを考えていきました。

「高いビルとかはどうだろうか?」
「一番高い建物は東京タワーだよ」
「今度、スカイツリーが一番になるんだって」
「それ以前はどうだったのかな?」

調べてみると、

「私は、ファッションとかにしようかな?」
自分の発想から、どのようなことが見えるか予想していきます。
その中でも、どのような切り口で絞って調べていくかを考えました。

「他には紅白って面白いかな?うちは、紅白歌合戦好きだし、それを調べたら、何か変わったものとかあっておもしろいかも?」

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調べてみると、時代を彩ったアイドルや歌手の人たちが、出てきて時代を感じさせます。

「初出場ということを見てみたら面白いかな?」

深く調べているうちに
ピンクレディーに辿り着いたようで深く調べていると、当時の映像を発見。

見てみると
「何か古い感じがする」
「何かださい」という意見。
しかし、さらに調べると、
同じ歌を今のアイドルが歌っていました。

でも、何かこっちの方がかっこいいという意見で一致していました。
何が違うの?かという疑問だけが残りました。

来週も詳しく、新しい歴史の視点である〇〇の歴史を調べて年表にまとめていきます。
その年表を並べてみるとどういうことが見えてくるでしょうか?

今後は、“家族の歴史・思い出に残る一枚”と“〇〇の歴史”ということを平行して調べを進めていきます。




TK


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「水の行く末は?」

[1年・2年・3年生]


今週は売っている水の話題からスタートしました。
それは、先週こちらが発した
「コンビニやスーパーマーケットで売っている水は全部日本の水なのかな?」
という問いに応えて、詳しく調べてきてくれた子がいたからです。
『佐渡海洋深層水』、『日光連山水』など日本産4種類、
『CONTREX(フランス)』、『kona  deep(ハワイ)』はじめ 外国産も4種類。
これだけの銘柄の表を作ってありました。
驚いたことに表示されているのはそれだけではありません。
すべての銘柄を飲んだ感想、硬度に加え、カルシウムなど
水の成分まで表にまとめられ、立派な資料になっていました。
とても良い仕事、ありがとう。

みんなでその表を見てから、
『日本に外国の水は必要か?』の議論へ。
ほとんどの子が
「水不足になったら困るので必要。」の意見。
水は本当に無くてはならないものという思いが
漠然とではあるが、子供たちにもあるようです。


翌日は雨。
前日、水の単位について説明するときに使った
ペットボトルに続き、この日500mlの計量カップを紹介。
すると、
「どのくらい雨がたまるかやってみようよ。」
という提案が子供からあがる。
屋上に1時間置いて様子をみることに。
タイミングよく雨が降ってくれたおかげで、
すんなりと『水の行き先』について意見を求めることができた。
「この雨はこの後どうなるんだろう?」
知識や情報を持っている3年生の一人は
「下水から川に流れて、最後は海に行くんだよ。」
との答え。
「消えてなくなる。」
の声も出る。
すると、一人の子が
「ほとんど空気の中に蒸発してしまう。」
と意見を述べる。
この子は『水はめぐる』(テーマの課題図書)を読んで

  『びっくりしませんか? 地球にある川の水をぜんぶ
   あわせてみても、土の中の水や、空気の中にある水の
   量にはかなわないのです。』

の箇所が最も印象に残ったと応えていました。
目に見えない水にも意識がおよび始めたということでしょうか。



P9143741.jpg
台風の影響で時折の豪雨もあり、
屋上の計量カップには1時間で100ml近くの雨水が。
当然全員が味を確かめたいと言い出し試飲会。
「おいしい。」「ふつうの味。」「ぜんぜん飲めるよ。」の感想。
それではと、こちらから
「毎日飲むのはこの水でいい?」
と訊ねると、みんな何となく抵抗感がある様子。
雨水には人の体に良くないものが入っていそうだ
と感じているのでしょう。
(雨水を飲んでも安全かどうかについては、
だれか専門家に詳しく訊けたらいいね。)


前日の雨も上がって、暑さが復活。
すでに雨の痕跡は全く無い。どこへ行ったのか?
手がかりを求めスクールの外へ。
子供たちはすぐに、
「この中に入ったんだね。」
と道路の中央のマンホールと両脇の排水溝を指差し、覗き込む。
道路をじっくりと見てゆくと、意外とたくさんあることに気づいたようだ。
「この中に入った水はそのまま海に流れ込むのかな?」
の問いに少し考え込む子も。


雨水以上に行き先の気になるものに、
私たちの使う水、生活排水があります。
日常生活でまさしく湯水のごとく使っている水ですが、
『どのくらいの量を使っているか』
を日頃気にとめない人も多いのではないでしょうか。
しかし、1回じっくりと検証してみる必要もありそうです。
そこで子供たちと
『雨や使われた水はどこへ行くのか』と『使う水の量』
を探るために、来週水処理の現場へと出かけます。
水がどのように処理されるのかを目にするだけでなく
生活排水の規模について何かを感じとることができるかも知れません。
この機会に子供たちにはいろんなことをつかんでほしいと思います。



TY


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2010年09月17日

スポーツは科学だ!

[6年生]

「あれっ?丸山先生かな」

子どもの一人がつぶやきました。約束の時間の5分前に待ち合わせ場所に到着した
のに、丸山先生はそれよりも前に私たちを待っていてくださいました。いかに遠くまで
投げるか?というメカニズムを科学的に解析するために身体運動のバイオメカニクス
を研究なさっている東京工業大学の丸山剛生先生の研究室を訪れました。

「さあ、これから解析装置を見せるよ」

丸山先生に先導されて体育館の地下へと向かいました。そこには、中心に舞台の
ようなところがあり、たくさんの赤外線カメラが設置されている大きな部屋がありました。
早速、丸山先生は、カメラのスイッチをONにして、装置の準備に入りました。

「どうやって解析しているかきみたちに体験してもらうからね」

子どもたちの表情が色めきます。まず、丸山先生は、舞台のようなところに上がり、
T字型をしたアンテナのようなものを振り回しました。モニターには振り回した軌跡が
赤い線になって現れます。画面上の距離から実際の距離を算出できるように、ものさし
となる棒をセンサーに感知させていたのです。

s-IMG_7960.jpg s-IMG_7963.jpg

それが終わると、直径2cmぐらいの灰色をした球体を子どもたちに渡しました。

「これが赤外線をキャッチするマーカーだよ。からだのどの部分にマーカーをつけたら
人の動きをうまく解析できるだろう?自分たちで考えてごらん!」

さすが、科学者は探究者。丸山先生は子どもたちに簡単に教えません。

「肩はいるよね」
「ひじも……」
「手と足もだね」

子どもたちは、いろいろ考えながら、モデルとして解析される子の身体にマーカーを
付けてゆきます。全部で13個のマーカーをつけ、その子が舞台にのるとモニターに
マーカーを直線でつないで描かれた棒人間が現れました。

「わっ、すげえ~!」

舞台の上の子の動きと棒人間の動きが見事にリンクしています。

「でもなんか変だな……」

マーカーを腰ではなくおへその部分につけたので、身体の中心から両膝へと線が
つながった、妙に足長で、奇妙なバランスの棒人間になってしまいました。とはいえ、
肩、ひじ、手の動きはよくわかります。画面をよく見ていると、身体の動きに合わせて、
地面から上に向かって赤い矢印が伸び縮みします。モデルの子がジャンプすると、
着地時にぐんと矢印が伸びました。

「矢の長さが静止しているときの4倍ぐらいだろ。きみの体重は30kgなんだよね。
だったら着地時に120kgの力がきみの身体にかかったことになるよ。ごく短時間
だからなんでもないけど、長時間かかったら骨は破壊されちゃうな」

この装置では、単に身体の動きだけではなく、重力がかかることによってからだが
受ける床からの反発力を調べることができることがわかりました。それは、パフォー
マンスの改善だけではなく、故障しない動きを研究するために不可欠だということを
知りました。

s-IMG_7968.jpg s-IMG_7969.jpg

解析装置についてレクチャー&体験をした後、“遠くにボールを投げるための科学的
メカニズム”についての講義です。力とは、物を動かそうとする勢いのこと。ボールを
遠くに飛ばそうと思うなら、どれだけ長い時間ボールに力を加えていられるかだという
ことを「ニュートンの運動法則」を用いて説明してくださいました。

「力=質量×加速度」という式の両辺に時間をかけて変形し、
「力×時間=質量×加速度×時間」となる。

「加速度×時間ってどういうことかわかる?」という丸山先生の質問にある男の子が
「速さかな」と答え、丸山先生もびっくり。

「ということは、質量×速さと考えればいい。ボールの重さは決まっているから、
ボールを投げ出す初速を上げるために、なるべく大きな力をなるべく長い時間
かけられればボールは遠くに飛ぶことになるね」

子どもたちは、「理解」できるかどうかではなく、言われたことをしっかり覚えておこう
と必死でしたが、だんだんウトウト……

「なんだ、眠くなっちゃったか」

丸山先生に言われ、はっとするやら顔を赤らめるやら。

最後に、丸山先生は、子どもたちに課題を出しました。

「ボールを遠くに投げる理屈はわかったらこんどはそれを実現するフォームだな。
きみたちどうやってそれを分析する?」

すかさずひょうきんな男の子が

「東工大で分析してもらう!」

丸山先生、思わず苦笑いで、

「それは君が東工大に入学したらだな」

と返します。

マルチカメラで撮影した画像をコンピュータ上の座標で数値化し、2次元画像を
3次元画像にすれば、身体につけたマーカーの動きを正確に分析できます。
しかし、丸山先生は、1台の家庭用ビデオカメラでも工夫すれば、投球フォームの
分析ができるというのです。ここまでの講義でへとへとで睡魔と闘っていた子ども
たちが、丸山先生の投げた「本質にせまる問い」で、がぜんやる気に火がつきました。

「頭に汗をかかないと教えないぞ」

丸山先生の“挑発”に、さらにスイッチの入った子どもたちは、必死に頭を働かせます。

「真横から撮影して、1コマずつ動かせばいい。1コマが60分の1秒だから、
何コマか数えれば時間がわかる」
「ストップウオッチでもいいよね」

「お、急に頭がさえてきたね。じゃあ、速さを出すために今、時間がわかったんだから
あとは何が必要?」

「距離!」

算数で習ったことを実際の場面で活用する機会が出てきました。

「じゃあ、距離はどう測る?画面の距離と実際の距離は違うぞ!」

丸山先生はたたみかけるように子どもたちに問い続けます。

「???」

しばらくたって、ある子が

「ものさしを一緒に写せばいい」

「お、いいところに気がついたね。どんなものさしを入れるかな?ぼくなら、たとえば、
方眼紙みたいにマス目をたくさん描いた紙を壁に張ってその前で投げさせるかな……」

とはいえ、座標上の点と点を結んだ斜線の長さをどう算出すればよいのか……

「それはね、ピタゴラスの定理を使うんだ!」

ピタゴラスの定理?それはいったい何なんだ?丸山先生の一言がさらに子どもたちを
ゆさぶります。

「まあそれは、宿題。学校に戻ってから調べてごらん」

あれだけ眠そうだったのに、算数苦手なんだよねとかつぶやいているくせに……
解かなければならない課題を自覚し、知りたいと心から思うものに出会った途端、
追究心は動くのです。

s-IMG_7970.jpg

「スポーツは科学なんだ。それを忘れないでね。」

それが、丸山先生の2時間30分にもおよぶ熱血講義の閉めの言葉でした。
今、自分たちが追究していることを強く後押しするような本物の「現人」からの言葉
は子どもたちの心深くつきささったようです。すぐに理解できる話ばかりでなく、途中、
眠くもなり、疲れたけれど、頭に汗をいっぱいかいた充実感を抱いて、東工大のキャ
ンパスを後にしました。

丸山先生本当に有難うございました。

さあ、いよいよ来週から、これまで本で調べたり、「現人」から学んだことに基づいて、
実践を開始です。

RI

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雲はどうしてできるのか?

[5年生]


先週は気象観測を行い、天気予測を行うためにどのような情報が必要になるのかを知った子ども達。


今週から、集めたデータがどのように天気に影響するのかを実験も行いながら学んでいきます。


今週は、「雲はどうしてできるのか」。
まず、「湿度」・「飽和水蒸気量」という用語の理解から始まり、
空気中の水蒸気量が飽和すると水蒸気が霧状となり雲ができることを知りました。


でも、その原理を知っても、
その原理が本当なのか、実感することがないと予測には役立ちません。


そこで、身近なもので雲を作る実験を行いました。


雲はどうしてできるのか?_01  雲はどうしてできるのか?_02


事前に渡している参考図書に書いてある実験を実行します。
ペットボトルに保存用ポンプで空気を送ることでペットボトル内の空気を圧縮し、
そのポンプを外して空気を一気に抜け出すというものです。


「本には、数回(ポンプを)押すってなってるよ。」
「もっとたくさん空気を入れたら変化するかな。」
「部屋の照明をどうしたらもっと見えるようになるかな。」
と、試行錯誤している様子が見られました。


そして、ペットボトル内が曇り雲ができている様子を間近で見た子どもたちは、
空気の状態の変化により雲ができることを実感したようでした。


さぁ、でもその実験をした結果を記録するだけでは、
その実験の意味、学んだ原理とどう繋がるかを理解したことにはなりません。


実験後には、「どうして雲ができたのか」、
実験の一つ一つの行程の意味を確認していきました。


●ペットボトルの中に空気を入れることでペットボトル内の空気はどうなるのか。
●パンパンに空気を詰めたペットボトルのふたを開けることで空気にどのような変化が起きるのか。
●結果、ペットボトルの中に雲ができたのはどうしてなのか。


これらの点について話し合いながら、レポートにまとめていきました。


雲はどうしてできるのか?_03今回のポートフォリオでは、学んだことをまとめることも然り、
誰が見ても分かりやすいように作成することも求められます。


「予測なんて無理ー。天気難しいよー。」
と言っていた子ども達も、何とか食いつきながらレポートをまとめていきました。


雲のでき方について実感を元に理解した子ども達。
来週は、風の生じ方について理解していきます。
雲と風の原理を理解することから、気圧や前線による天気の変化の理解へと繋げていきます。



EN


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〇〇の歴史探究!!

[4年生]
自分が興味あることについての歴史を調べていきます。
果たして、その切り口から何か面白い事が見えてくるでしょうか?

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まずは、前回、日本で一番に大きい建物を調べていた人は、
休日中にその年表に書き込んでいました。

そこで、もっと高さを分かりやすく比べる方法はないかと話し合い、線で高さを表すことにしました。
年表の紙に収まるように最近で一番大きいビルに合わせてみます。
計算をして、mあたりどのくらいの長さにすればよいかだしていきました。
時代によって急に高くなったところなど、とても見やすくなりました。
写真の貼り方も、周りの建物が見えた方が高さが実感できると貼り方にもこだわっていました。


前回、給食の歴史を紹介したので興味を持ったようで、
家で話を聞いてきていました。

「脱脂粉乳お父さんは飲んだけど、おかあさんは飲まなかったんだって」
そこの間に歴史として、牛乳に変わってきたことが書かれていました。
「脱脂粉乳はすごく嫌な味ってことではなかったてよ」


家族の歴史がつながってきました。


流行歌を調べている子どもは、どんな曲なのかを実際に聞いてみたりしていました。

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すると・・・
「コレ知っている、こんなに古い曲なんだ」
という意見が出てきました。

そこで、
「今の曲とは何が違うのだろうか?」ということを投げかけてみると、

流行歌の歴史ということから、見えてきたものを発言していました。
「今の曲は踊れる」
「昔の歌は何かくらい感じ。今の曲は明るい」
「歌い方が今の方が明るい感じがする」
「昔はゆっくりな曲、今は速い曲が流行っている」
「服装もなんかださい感じがする、今の服装の方がかっこいいよ」


やりとりが盛り上がり、するどい意見が出てきました。
「映像も変わってきているのでそう見えるのかな?」などもあり、
見方をいろいろな角度からみてみるという視点もでてきて面白さを感じます。


今回、個人で調べている歴史は、『日本で一番高い建物』『紅白歌合戦』
『流行歌』『テレビ』『テレビ番組』
他にもいろいろなことを調べていきます。          

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調べて、年表にまとめていくことは時間がかかるものです。
今週はひたすらに自分の独自の歴史を研究し、
まとめていく1週間でした。

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少しずつできた年表を壁にはっていきました。
それぞれの年表を並べてみるといったいどんなつながりが見えてくるのか楽しみです。



TK


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落合水再生センター訪問

[1・2・3年生]

毎日使っている水は、その後どうなるのか?
川や海にそのまま流れ込んでしまうのか?
そんな疑問を解く鍵を見つけに水再生センターへでかけました。
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入り口で記念撮影をしてから、
時間に余裕があったので、玄関正面の庭をぶらぶら。
今回のテーマで初めての外出。
みんな大はしゃぎ。
建物の4階まで上がると、センターの職員の方が出迎えてくれた。
説明を受けるための部屋に入る。
前から3列目までの机の上には、
ボールペン、バッジとともにファイルに収められた
子供に配布するためのパンフレットが置いてある。

職員の方が、最初にアニメを流してくれた。
主人公の翔太くんとネコじいが冒険の旅をしながら、
水が海まで流れつくまでを
20分ほどで説明してくれる。

旅の始まりは下水について。
マンホールと排水溝が登場。
この二つは先週スクールの周辺を探して歩きました。
そのことを伝えようとこちらに合図を送る子も。
そして、マンホール、排水溝のどちらにも
『雨水(うすい)用』と『汚水(おすい)用』
があることを知る。

その後アニメは、これから私たちが実際に歩いて回る、
水再生センターという施設の紹介へと移り、
きれいになった川や海に魚が戻ってきたというエピソードが
冒険の旅の最後となり終了。

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続いて、職員の方がスライドを使って、
アニメに登場した事の復習も含め、
様々な解説をしてくれる。
途中、職員の方から質問が子供たちに。
「普段の生活で1番多く水を使うのは何だか知ってる?」
「トイレ」
「じゃあ、2番目は?」
「お風呂」
と間髪いれずに応える子供に
職員の方も感心しきりでした。

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室内での座学が終了。
いよいよ各施設の見学へと向かうことになる。
まず、教室を出たところのスペースにある展示物を見る。
汚泥から作られたレンガ。
コストがかかりすぎ現在では生産中止とのこと。
災害時に設置される簡易トイレ。
「このトイレは、どこに置くのがいいでしょう?」
の問いに、
ある子が
「マンホールの上」
と答える。
「4年生以上でもなかなか正解が出ないのに。」
と職員の方はここでも感心していました。

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地上に降りて、戸外にある第一沈殿池から順に各施設を見て歩く。
次に建物の中の施設へ。中はまさに工場。
子供たちは真剣に説明を聞きながら、
あちこちを覗いてみたりしている。

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最後は地下の施設を見せてもらいましたが、
その手前の通路に二種類のマンホールが。
穴の多いものと少ないものの二種類。
一つは雨水用で、もう一方が汚水用。
「雨水用に穴が多いのはなぜ?」
と、ここでも質問を受ける。
「雨が一度にたくさん入る。」
という返事がほとんど。
さらにねばって考える子もいましたが、
残念ながら正解者なし。
「急な大雨の時の下水道の空気抜きのため。」
というのが正解でした。

1時間半ほどの全行程を終え、丁寧に説明をしていただいた職員の方に
お礼を言って水再生センターをあとにしました。


スクールへ戻り、早速見学のふりかえりをする。
「すごく印象に残っているものは何?」
と訊いてみると、ほとんどの子の応えが
「微生物」であった。
汚れを食べる働きをしてくれるのだが、
そんなことより、その姿かたちと、
『アルケラ』、『ロタリア』などの名前がうけるらしい。

同じようにみんながよく覚えていたのが、
「一旦ここに落ちると、だれも浮かび上がることができない。」
と職員の方に説明された深さ5メートルの水槽。
チョット怖い話としてかなりのインパクトがあったようです。

最後に、ある企業から頂いたパンフレットを配ると、
その内容が見学してきたことの良いおさらいとなるようで、
みんな丹念に目を通していました。

来週は浄水場へ出かける予定です。
そこでも多くのことを吸収してこよう。




TY


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2010年09月23日

認定NPO法人の認定を受けました!

平成22年6月、国税庁より「認定特定非営利活動法人」として認定いただきましたので、ご報告をさせていただきます。

認定期間は、平成22年6月16日~平成27年6月15日の5年間です。

NPO法人とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的とする等の要件を満たし、NPO法の規定に基づいて設立された特定非営利活動法人をいいます。

認定NPO法人とは、NPO法人のうちその運営組織及び事業活動が適正であること並びに公益の増進に資することにつき一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の認定を受けたものをいいます。

NPO法人は全国で39,893法人(H22/4/30現在)ありますが、その中で上記要件を満たし税 制上のメリットがある認定NPO法人になっているのは、僅か146法人(H22/6/1現在)です。

税制改正等により認定NPO法人の認定を促進しようと平成20年度より認定の基準がや や緩やかになりましたが、それでもいまだに0.5%にも満たない法人数しかない中で、TCSが認定されたことはたいへん喜ばしいことです。

この結果は、寄付金をはじめ、健全な収支バランスを実現させてくれた保護者の皆さん 他、会員の方々のご協力がなければ達成できなかったことです。本当にありがとうございました。

認定NPO法人になって何が変わるのだろう?と疑問に思っている方は、是非こちら
<<認定NPO法人に認定されることによって生じるメリットについて>>をご覧ください。

2010年09月24日

メカニズムを追究する

[6年生]

丸山先生から学んだ大事なことは2つ。1つは、ボールにより大きい力をより長い
時間加えることができるような身体の動きをすること。そしてもう1つは、身体の
動きを解明するために投げているときのフォームをビデオで撮影し分析してみる
ことでした。

「ボールにより大きな力を与えるにはどんな身体の動きが必要だろう?」

この段階までくれば、子どもたちから自ずと「本質に迫る問い」が出てきます。
筋肉、骨、関節の働き、そしてこれらの器官が複合的にどう動けばよいのか、なぜ
そう言えるのか、について各自、資料を分担して読みこんで、わかったことを明らか
にしました。

s-PIC_1039.jpg  s-PIC_1038.jpg

「キネティックチェインが重要なんだよ」

一人の女の子が、調べてきた資料に基づいて発表しました。キネティックチェイン?
聞きなれない言葉です。

「それってどういう意味?」

他の子の質問に対し、待ってましたとばかりに説明を始めました。資料に書かれた
内容をしっかり理解しているという自信に満ちあふれている様子。やはり、解決し
たい「問い」を明確に持って文章を読解することが理解し、説明する力を養うのだな
と思いました。

「まず、足を動かして体をひねるでしょ。その反動で足を前に踏み出す力が生まれて、
その力が膝につたわって、膝が生み出す力が上半身を動かして、さらに大きな力に
なって、肩を動かす力になって、腕、手首へと伝わっていって、大きな力になるの。」

最終的にボールを動かす力は、腕や肩だけで作られるのではなく、全身の運動の
連鎖によって生み出される。それをキネティックチェインというのか!

「ぎくしゃくしちゃだめなんだよね」

最終的に手首に力を無駄なく凝縮するには、順序良く、スムーズに身体を動かし、
作り出した力をうまく伝えてゆくことが大事だということがわかりました。

「ぼくの資料はね、てこの原理で説明しているんだ」

キネティックチェインは、最大の力を生み出すために必要な身体の動きを示している
わけですが、なぜ全身の動きが力を生み出すのかという「理屈」は、「てこの原理」
で力学的に説明できると言うのです。

「やったなあ……」

過去のテーマ学習で「てこでも動かない」と題して学んだことを子どもたちは思い出し
ました。

作用点と支点の距離を短くして、支点と力点の距離を長くするとより大きな力を生み
出せる……これを投球の場合に当てはめると……てのひらが作用点で手首を支点
にすれば、支点と作用点の距離がいちばん短くなる……だとすると……そこから
なるべく遠いところを力点にすればいいのか。

ホワイトボードに図を描きながらみんなで「原理」を解明してゆきます。

「そうか、だから肩じゃなくて腹筋なのか」

肩の筋肉だけを鍛えてもダメで、身体の中心を軸として「回転」する運動を強める
ために「腹筋」が必要になってくる。肩を「力点」とするのではなく、身体の中心を
「力点」とした方が、「支点」までの距離が長くなり、より大きな力が生み出せる!
キネティックチェインの重要性が「力学的」に説明されました。

s-PIC_1043.jpg  s-PIC_1042.jpg

改めて最初に撮影したビデオを見直すと下半身と上半身の動きはバラバラ。
肩だけで投げていたり、上半身の動きだけで投げていたり。

「こりゃあダメだわ……」

追究したメカニズムと実際にやっていることとの大きな違いに気づかされます。
とはいえ、頭で理解したメカニズムをすぐに身体の動きに反映できるたら大したもの。
いよいよ、最終段階!メカニズムを意識して、自分の身体を実際にどう動かすか
について追究することの始まりです。

RI

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風を作れ!

[5年生]


今週も気象データと天気との間にどのような関係があるかを探っていきました。
空気の性質と空気の温度差によって風が生じるという原理を学んだ子どもたちに、
この原理を理解しているかを確認するため、風を作る実験を行いました。


「温かい空気を作るためにお湯、冷たい空気を作るために保冷剤を用意しました。
空気の動きがわかるように線香を煙を使って、水槽の中に風を起こしてみよう!」


実験方法を説明する資料を渡さなかったにも関わらず、
子どもたちはためらうことなく、実験を開始。


風を作れ!_01 風を作れ!_02

「煙がもれないように、水槽の上にはラップをしっかりしよう。」
「線香の本数を増やしたら、煙の動きがよく分かるかも。」
「水槽全面にお湯を入れたら、冷たい空気が作れないからだめだ。」


この、挑戦してみる、まずやってみようという姿勢はTCSキッズならではだと思います。


s-P9218296.jpgそうして、水槽の片側にお湯、もう一方に保冷剤、真ん中に線香を置くという設置になりました。
なんと、これは実験資料と同じ内容です。


風を作れ!_03しかし、それで実験をしてみると湯気が邪魔して線香の煙がはっきりと見えません。
そこで、お湯が入っている容器にラップをして湯気を防ぎました。
これは資料にも書いていない工夫です!
その他にも線香を下ではなく上から入れるなどの工夫をしていました。
このように試行錯誤を重ねて、煙が対流しているところを実際に見て体感しました。


風を作れ!_04翌日は、実験のふりかえりです。
実験図を描いたり、どのように実験をしたか、工夫した点など自分なりにまとめることができました。
でも、まだ、どうして煙がこの動きをしたのか説明するのに曖昧なところがあるようです。


雲が生じる原理と風が生じる原理を理解すると、
気圧や前線の理解に繋がり、
低気圧だとどうして天気が崩れるのかなど、天気との関わりを考えることができます。
来週以降は曖昧な知識を補完しつつ、このことへと繋げます。


EN


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続・〇〇の歴史探究

[4年生]
探究は続く・・・
いうことで、歴史を調べ、年表に書くという作業は根気との勝負です。

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「この年表を人が見たときにおもしろいと思うだろうか?」
とりあえずは仕上がったものの、見直し、よりおもしろくするためにはどうするべきかを考えていきました。

「何かわかりづらい・・・」

写真を貼ったり、いろいろと工夫を考えました。

ひたすらに調べ年表作りをしている姿を見て、4年生で根性あるなと感じました。

よく考えると彼らは1年生の時から探究学習をやっているわけで、
そういった根気のいる学習に関しては慣れています。

なかなか調べたいことが見つからなかったり、調べてみても何を言っているかわからなかったり、
書く量が多かったり・・・
大変な作業、年表作りは続いていきました。。

一つ歴史を調べきったのもつかのま、自分の中で興味のあるもの、調べたらおもしろそうなものさらに探します。


「どんな歴史にしようか」
「ファッションの歴史みたいなのはどうだろう?」
調べてみると、ファッションということ自体が、ここ最近生まれた概念のようで、とても100年という単位では、調べられないことに気づきました。
「服装というのはどうかな?」

ポイントは、他の人がみて、「なるほど」「おもしろい」と思ってもらえること。
どんな切り口で歴史を見てみるのがおもしろいのか?
さまざまな意見が飛び交います。

調べてみると、なかなか資料が見つからずに四苦八苦。
「どうしようか?」


さらに他の調べごとについて議論も出ました。

「おまけの歴史にしようか?」
調べてみると、とても多すぎて調べきれないことが分かりました。
何を切り口に歴史を見ていくかというその絞り方が重要になってきます。
しかし、調べると時代を感じられるものに感じたようで、興味を持っていました。
さて、ではどうするか?
調べていくうちに

おかしについているおもちゃということから、おもちゃはどうかなという話になりました。
おもちゃの歴史を調べてみると、いろいろなものが発売してきたりとおもしろいことが分かってきました。
とりわけ今自分の興味のあるヨーヨーに関して、見てみると、どうやら今までにブームが3回あったということが分りました。
歴史はくり返すといった感じでしょうか?
しかし、内容がヨーヨーだけだと何かさみしい・・・。

その後、資料を見ていて、コレはおもしろいんではないかということで
その時のはやっていた、おもちゃということにすることにしました。そこからその頃のあそびというものが見えてきます。
「最近はやっぱりゲームなのかな?」
「ゲームにそんなに歴史はないんだ」

調べていくとどんどんと発見があり、それを年表に書いていきました。


いよいよ来週、年表ができあがります。
その年表を並べてみて何が見えてくるでしょうか?
その年表はけっして今の時点で完成ではなく、何かおもしろいと思ったらどんどんと調べ足していきます。見比べているところの関連性から、さらに深く探求していきます。



TK


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おいしい水ができるまで

[1・2・3年生]

日差しが強い中、汗をかきかき
電車とバスを乗り継ぎ境浄水場へ。
予定より少し早めに到着。

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正門で記念写真と手続きを済ませ、
場内を少し歩きメインビルディングへ。
玄関を入ると、今回案内をしていただく
女性職員の方が出迎えてくれた。

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場内での諸注意をうかがった後、
屋上へ上がり浄水場全体を一望してみました。
意外と広いことに一同びっくり。
その後教室のような部屋へ移動。
別の女性職員がスライドを使って解説をしてくれました。

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まず、東京都西部の地図が映し出され、
境浄水場の位置から解説がスタート。
小河内貯水池(奥多摩湖)を出発した水が、
羽村の取水堰、山口貯水池などを通って、
境浄水場までたどり着くまでの道筋へと話が進む。


境浄水場そのものの説明に入る前、
砂ろ過の方式には、『高速』と『緩速』の2つがあると解説され、
それに続き、境浄水場は、『緩速ろ過』を採用する数少ない施設で、
規模としては日本最大ということを教えてもらいました。
そして、境浄水場の役割と水を処理する仕組みの説明を受けました。

子供たちの質問は最後に少しあっただけ。
その中の一つ「川の水をそのままのんでもだいじょうですか?」
の問いに、職員の方の応えは
「飲んですぐに悪い影響は出ないかもしれないけれど、
ばい菌とかがいるから、飲まないほうがいいでしょう。」
というものでした。

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最後に水をきれいにする実験を見せてもらいました。
一つ目は、薬品を水にたらして汚れを速やかに凝集する、
いわば高速ろ過タイプのもので、
水と汚れの分離が目ではっきりと確認できるため、
「きれいになっていくのがみえる。」
と、子供たちはかなり興味深げに見ていた。
二つ目は、ペットボトルに土、砂、石をつめてゆっくりと
水をろ過するタイプ。
この実験には、こちらが予想していたほどには、
子供たちの気持ちはひかれないようでした。


PT350017.jpgPT350020.jpg

室内での講義を終えてから、
浄水場の仕組みを見るために外へ。
減勢施設や20面あるろ過池のいくつかを見てまわり、
見学を終えました。
暑さで疲れ気味の子供たちを気遣ってか、
予定を少し早めて終了してくれたようです。
子供たちにとって多くの収穫があったことを期待しましょう。




TY


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