タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。
発見した面白い場所を書き加える上で苦労するのは、それがある細い道を書かなければならないこと。特に中野駅の北東部(中野5丁目エリア)は、微妙にぐにゃりとした小道が東西南北にからみあっています。一筋、路地を違えると、目的地に行き当たることができなくなります。
「あれ?この道どうなってたっけ?」
「公園の先にあったかな?それとも手前だったかな?」
不正確かつわかりにくいところが出てきてしまいました。このままなんとなく書いてしまっても、2年生のつくった略図としてはまあそんなものかな?で済んでしまうかもしれません。しかし、子どもたちにとってそれは「屈辱」です。
「おっちゃん、確かめに行こう!ついでに地図に貼るためのいい写真も撮りに行こう!」
子ども扱いはやめて!できるだけ努力するんだから!という子どもたちの強い眼差し。3日後にはプレゼンだからそろそろプレゼン練習に入った方がいいのでは……という大人の思惑を見事にぶちこわしてくれます。
「おっちゃん、心配しないで。プレゼンのイメージはできてるから」
ほう。なんてたのもしい一言。わかりました。せっかく何度も出かけて、確かめられる場所なのですから、時間が許すギリギリまで現地に出向き、確かめ、地図を修正しようではないか。
「たいやき屋のななめ向かいが50円自動販売機だったんだ!」
子どもたちが大好きな羽根つきたい焼きを売るお店と、50円で飲み物が変える「激安」自販機と、どちらも紹介したい。でも、行き方を説明するためには、正確な位置関係をつかんでいないと、教えられません。改めて現地を訪れて、ドコにあるのかバッチリ把握できました。
「噴水の中に入れるなんてスゴいよね」
「中に入ると水のろうやにいるみたい」
「これ、絶対紹介しないと!」
四季の森の公園の西端にある「水のろうや」を紹介するには、やはり、ここまでの行き方をきちんと説明できないといけません。
サンプラザの前から石犬のところに行く……石犬?……ああ、区役所の前にある数匹の犬の彫刻ね。綱吉の生類憐れみの令の時代、「犬囲い」があって、多くの野犬が集められていたことをしのぶオブジェです。この前を通過すると道が北側の方にかくっと曲がっていて、税務署がある。さて次はどう行こうか……あっ、信号のない横断歩道を渡ればいいんだ。すると、緑の芝生が目に入るからもう迷いようがない。
こうして、地図上の場所を確かめながら、行き方を確かめることができました。
発見した面白スポットの写真を地図にはりつけ、解説文を書き込み、見やすくなるようにカラフルにして、ついにスバラシイ中野探検マップが出来上がりました。
翌日がプレゼンテーションですが、彼らの頭の中には、紹介したいルートがばっちり入っているし、語りたい内容もだいたいできています。したがって、実際に話しながら、足りない部分やわかりにくい部分をフィードバックするだけでサクサク発表内容が固まっていきます。
リレーのように、一人ずつ、TCSを出発し6人それぞれのオススメスポットを紹介してゆくというのが子どもたちのアイデア。それも、地図だけでなく、写真をプロジェクターで映しながら、まるでその場を本当に歩いているかのように「寸劇仕立て」でプレゼンしたいそうです。
「おっちゃんは余計なこと言わなくていいから」
はいはい、わかりました。お任せします。
「みなさん、目の前にドコモビルの黒い、高い建物が見えてきましたよ。そうしたらそっちの方に向かって歩いてください。区役所の石犬の前を通過して……」
台本不要どころか暗記も不要。彼らは自分たちのつくった地図を使いながら、実際のルートと場所の具体的イメージを頭に思い浮かべながら、面白く、わかりやすく語っているではありませんか。この時点で、セントラルアイデアの「俯瞰と抽象化が理解を深める」というコンセプトを子どもたちなりにつかんだことがはっきりしました。探究の成果はあった!というわけです。
明日のプレゼン。これはとっても楽しいものになりそうです。
RI
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。
[2年生]
大きな太い道に、サンプラザや区役所、ブロードウェイ、サンモールや薬師通り、中野五叉路といった目印となる建物・通り・場所を書き加え、正確でわかりやすい「略図」の完成が近づいてきました。発見した面白い場所を書き加える上で苦労するのは、それがある細い道を書かなければならないこと。特に中野駅の北東部(中野5丁目エリア)は、微妙にぐにゃりとした小道が東西南北にからみあっています。一筋、路地を違えると、目的地に行き当たることができなくなります。
「あれ?この道どうなってたっけ?」
「公園の先にあったかな?それとも手前だったかな?」
不正確かつわかりにくいところが出てきてしまいました。このままなんとなく書いてしまっても、2年生のつくった略図としてはまあそんなものかな?で済んでしまうかもしれません。しかし、子どもたちにとってそれは「屈辱」です。
「おっちゃん、確かめに行こう!ついでに地図に貼るためのいい写真も撮りに行こう!」
子ども扱いはやめて!できるだけ努力するんだから!という子どもたちの強い眼差し。3日後にはプレゼンだからそろそろプレゼン練習に入った方がいいのでは……という大人の思惑を見事にぶちこわしてくれます。
「おっちゃん、心配しないで。プレゼンのイメージはできてるから」
ほう。なんてたのもしい一言。わかりました。せっかく何度も出かけて、確かめられる場所なのですから、時間が許すギリギリまで現地に出向き、確かめ、地図を修正しようではないか。
「たいやき屋のななめ向かいが50円自動販売機だったんだ!」
子どもたちが大好きな羽根つきたい焼きを売るお店と、50円で飲み物が変える「激安」自販機と、どちらも紹介したい。でも、行き方を説明するためには、正確な位置関係をつかんでいないと、教えられません。改めて現地を訪れて、ドコにあるのかバッチリ把握できました。
「噴水の中に入れるなんてスゴいよね」
「中に入ると水のろうやにいるみたい」
「これ、絶対紹介しないと!」
四季の森の公園の西端にある「水のろうや」を紹介するには、やはり、ここまでの行き方をきちんと説明できないといけません。
サンプラザの前から石犬のところに行く……石犬?……ああ、区役所の前にある数匹の犬の彫刻ね。綱吉の生類憐れみの令の時代、「犬囲い」があって、多くの野犬が集められていたことをしのぶオブジェです。この前を通過すると道が北側の方にかくっと曲がっていて、税務署がある。さて次はどう行こうか……あっ、信号のない横断歩道を渡ればいいんだ。すると、緑の芝生が目に入るからもう迷いようがない。
こうして、地図上の場所を確かめながら、行き方を確かめることができました。
発見した面白スポットの写真を地図にはりつけ、解説文を書き込み、見やすくなるようにカラフルにして、ついにスバラシイ中野探検マップが出来上がりました。
翌日がプレゼンテーションですが、彼らの頭の中には、紹介したいルートがばっちり入っているし、語りたい内容もだいたいできています。したがって、実際に話しながら、足りない部分やわかりにくい部分をフィードバックするだけでサクサク発表内容が固まっていきます。
リレーのように、一人ずつ、TCSを出発し6人それぞれのオススメスポットを紹介してゆくというのが子どもたちのアイデア。それも、地図だけでなく、写真をプロジェクターで映しながら、まるでその場を本当に歩いているかのように「寸劇仕立て」でプレゼンしたいそうです。
「おっちゃんは余計なこと言わなくていいから」
はいはい、わかりました。お任せします。
「みなさん、目の前にドコモビルの黒い、高い建物が見えてきましたよ。そうしたらそっちの方に向かって歩いてください。区役所の石犬の前を通過して……」
台本不要どころか暗記も不要。彼らは自分たちのつくった地図を使いながら、実際のルートと場所の具体的イメージを頭に思い浮かべながら、面白く、わかりやすく語っているではありませんか。この時点で、セントラルアイデアの「俯瞰と抽象化が理解を深める」というコンセプトを子どもたちなりにつかんだことがはっきりしました。探究の成果はあった!というわけです。
明日のプレゼン。これはとっても楽しいものになりそうです。
RI
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。