東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2014年01月 アーカイブ

2014年01月10日

ボランティア最終日

[3・4年生]

新年初日のテーマ学習は、”和田ふれあいの家”でのボランティアワークから始まりました。

いい休みを過ごし、充電バッチリのライオンクラス。「がんばるぞ〜!」と意気込んでいざ出発。

その日は、デイサービス和田ふれあいの家の昼休みからお邪魔し施設利用者のお年寄りたちと雑談するところから始まりました。

7、8人の方が座っているテーブル席に一人ずつ入り、おしゃべりのお相手をさせて頂きます。子どもたちが席に着くと早速「どこの学校に通っているの?何年生?」と会話が始まり、各テーブルで楽しそうな輪が広がっていきました。

「ぼくは近所に住んでて家はお寺なんです。」
「あら!私の主人も住職なのよ。そう、お家がお寺なのねー!」

PIC_0392.JPG「ぼくたちの学校は生徒が19人でテーマ学習って授業が特徴なんです。テーマについて探究して学びの最後に発表会があるんですよ。」
「あら、そのケガどうしたの?痛そうねぇ。」
「そうなんです。最近アスレチックしてたら落ちちゃってケガしたんです。」

何気ない雑談ですが、積極的に自分や学校のことを話して受け身ではないところがさすがTCSキッズ。

30分の雑談の後、皆さんの前で自己紹介を行ない、今回もゲームのお手伝いをしました。お正月にちなんで”じゃんけんおせちゲーム”各チームに一人ずつ入っている子どもたちが順番にお年寄りたちとじゃんけんをして勝ったチームがおせちの具材を選び、おせち料理一式揃えていくというゲームです。

「あけましておめでとうございます。ぼくの好きなおせちは肉のたたきです。3人前食べました!今日も一日よろしくお願いします。」
と元気いい挨拶で盛り上がり、ゲームスタート。

PIC_0419.JPGPIC_0427.JPG
ゲームに夢中になりながらも自分のいるグループを盛り上げ、皆さんと楽しみながらアクティビティを行なうことが出来ました。

帰りがけにはなぜか無茶ぶりで”将来の夢”を語ることになったのですが、無茶ぶりと言えばTCSの十八番。

誰一人固まることなく、むしろ待ってましたと言わんばかりに
「皆さん、今日はゲームに参加させて頂いてどうもありがとうございました。ぼくは将来ゲームのプログラマーになりたいです。またこれからもよろしくお願いします!」
「今日はどうもありがとうございました。ぼくの夢は発明家になることです。」
「ありがとうございました。将来の夢はプロ野球選手!これからもよろしくお願いします。」

子どもたちの挨拶に対して利用者の皆さんもとても喜んで下さり、拍手喝采をたくさん頂きました。

「すごいわねー、みんなしっかりと自分のことを話せて!こんなにしっかりした子どもたちなかなかいないですよ、先生。また絶対みんな来て下さいね。」「今度は私たちが学校においしいものを持って伺おうかしら。」
「うん!近くだから本当に来て下さいね!」と子どもたち。

PIC_0433.JPG気持ちが通じ合ってとても素敵な時間を過ごすことができ、いろいろな気づきを頂くことが出来ました。

さあ、いよいよ来週は”情け”がめぐりめぐる未来のビジョンを絵に落とし込んでいきます。
冬休みで各自が仕上げてきた絵を元にそれぞれが思い描く情けあふれる未来について1分間スピーチ(語るベえ)をしてもらい、たくさんの要素が出てきました。

大切なのはこのテーマのセントラルアイディアである”情けは人のためならず”ということわざが示すようにめぐりめぐる連鎖感が絵に表れていること。

さあ、来週もがんばるぞ〜!


YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

メタメタしてラーナープロファイル解剖

[1・2年生]

冬休みのホームワークで自分が選んだ3つのラーナープロファイルについてどんな人なのか言葉と絵にしてみるという課題を出しました。えっ…1・2年生にその課題はちょっと難しすぎない?と考える人もいるでしょう。でもそう考えてしまうのは「正解主義」に毒されているということです。

ラーナープロファイルの定義と意味をきちんと説明できるかどうかを試すためにホームワークを出したわけではありません。3週間を通じて、テーマ学習のときはもちろんのこと、朝の会やアセンブリーの時間にも頻繁に耳にしているラーナープロファイルについてどんなイメージができあがっているのかをマイニング(掘り起こす)するためのホームワークなのです。今こんな理解をしていると素直に書いてきてくれればよい。ただそれだけです。当然ながら、あれっ?いったいどういうことかまったくわからない……という場合もあるでしょう。その場合はそれでよいのです。

IMG_1261.JPG  IMG_1262.JPG

提出されたホームワークに目を通すと、冬休み前にみんなで深く議論した Thinkers や、クラス名にも用いられている Caring については、かなり明確に「意味」を構築していることがわかりました。しかし、Communicators や Inquirers といったプロファイルは、あまりよくイメージできていないこともよくわかりました。

ラーナープロファイルの示す行動特性や態度についてイメージできなければ、マークをつくることなどできません。テーマ学習の半分が過ぎているのに、まだイメージが明確になっていない……やっぱり定義を教えておいた方がよかったんじゃないか……と考えがちですが、定義を言葉で伝えるだけでは、覚えてオウム返しに答えることはできるかもしれませんが、認識が変わらないので、すぐ忘れるし、理解されません。理解されていなければ、自発的にイメージを思い浮かべられず、マークをデザインすることなど到底無理です。

この状況において探究教師になりきれていない人は、どうしようとあせり、半ばパニック状態に陥るケースもあります。ここまで3週間も学びをしてきたのにアウトプットできないなんて失敗したのか……と。

まるでおいしいお酒を醸すように、アウトプットはあせらず、だからといって放りっぱなしではなく、日常の中で考え続ける機会を生み出し、発酵するプロセスをつくるのが探究教師の大きな役割であり、力と言えるかもしれません。ホームワークも含め、いろいろな角度からラーナープロファイルについて語って語って語りつくす機会を積み重ねて3週間かけて発酵する。探究による意味づくりにおける「待つ姿勢」とはこういうことなのでしょう。

さあ、ここで再び「メタメタマップ」が大きな力を発揮します。学びの最初に prior knowledge を探るだけがメタメタマップの役割ではありません。子どもが日々更新している knowledge を表出するためにいつでもメタメタマップを使います。

IMG_1279.JPG  IMG_1291.JPG

メタメタマップは、集合知を生み出すメディアです。今回一緒に学びを行っている8名が素直に発した思いと考えを探究教師が必死になって丸めずに模造紙に記録してゆくと、ひとりで考えていただけでは構築できなかった意味が生成されます。そのために自分がどんなラーナープロファイルを持っているのか自分で見つけるのではなく、「他者」つまり自分以外の7人の友達に指摘してもらい、どうしてそう思ったのか根拠とともに説明してもらうというやり方をしました。

「とってもCaring だと思う。だって自分が使うよりも先にハサミを相手に貸すことができるから」
「いろんなことにチャレンジできるから Inquirersだよ」

クラスメイトから自分の強みとなっているラーナープロファイルを面と向かって言われると、みんな照れくさそうだけど、とてもうれしそうです。自己効力感の源泉となるエネルギーを友達からもらっていることがはっきりとわかります。

どんな意味なのかイメージできなかったラーナープロファイルが、実は自分の特徴となる姿勢なのだと明らかになったり、自分には欠けていると思いこんでいたラーナープロファイルが、実は友達から見ると、その子らしさを表しているものだとわかったり……そんなやりとりを通じて自分を特徴づけるラーナープロファイルが浮かび上がり、結果的に、そのラーナープロファイルがどんな意味を持つものなのか次第につかめるようになってゆきました。他者の目による多くの視点、つまり「目他・目多(メタ・メタ)」することで実感を伴ってラーナープロファイルについてどんどん理解が深まりました。

メタメタマップに記録された友達からの貴重な指摘が、意識の奥底でずっと発酵してきた考えと反応し、まるであぶくが浮かび上がるように豊かなイメージとなって湧いてくるのであら不思議。ほらほら3週間はムダじゃあなかったのですよ!

知識を更新・熟成し、具体的なイメージが立ち上ってきたら、いよいよ次週はラーナープロファイルのピクトグラム化のために、抽象化して表現し直さなければなりません。具体化に向かっていたベクトルを正反対に向けて、どう抽象的な模様で表現するかということへの挑戦が始まります。

RI

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緊張の上映会

タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現

[5・6年生]

冬休み明けのテーマ学習の初日。
冬休みのホームワークとして取り組んできた作品の上映会を行いま
した。

創作活動を続けていると、「自分の作品ははたして面白いのか」と
不安感に苛まれることがあります。
また、それとは真逆で内容を過大評価してしまう場合もあります。
誰であれ、自分の作品を客観的に観ることは難しいもの。

今テーマの探究領域は「意思表現」なので、自分の思いや考えが観
客に伝わる作品をつくりあげないといけません。
観客からの率直なフィードバックを通じて、作品をより良いものに
していくためのヒントを得るのがこの上映会の狙いです。

上映会にあたり、スクリーンやプロジェクターを準備していると、
案の定子ども達からは

「あんまり自信ないんだよなあ。」
「なんかドキドキしてきた・・・」

と正直な感想が漏れます。

そんな緊張感のある雰囲気の中、いよいよ上映会がスタート!
互いに製作段階の途中は知っているものの、どんな作品に仕上がっ
たか興味津々な様子。食い入るように作品を観ていました。

20140110_4.JPG 20140110_2.JPG

作品を観終えたところでふりかえりを行います。
ストーリーや演出の観点で「良かったところ」「改善した方が良い
ところ」を挙げていきます。

自分の中でもいまいちと思っていた箇所をズバリと指摘されたり、
ある演出の工夫が予想以上に評判が良かったり。
他者の視点を取り入れることで、自己評価と他己評価のギャップを
認識できることを実感しました。
また、他の子が工夫している点で自分の作品にも使えそうなものも
発見することができました。

発表会を控えているので、作品の内容については、ここではあえて
ふれませんが、

「台詞が棒読みで登場人物の区別がつきにくかった。T君の作品の
ように声の使い分けをはっきりさせたらいいんじゃないかな。」
「片付いていない部屋の様子が丸見えなのが気になる・・・」
「そうそう、あとカメラがぶれすぎで、気が散っちゃうよ。この場
面はカメラを固定した方が絶対良い!」
「作品自体はまとまってるんだけど、作品のテーマを主人公の台詞
としてそのまま言わせるのは無しでしょ。作品そのものでテーマを
感じさせないと。」
「特に海賊が向かってくるシーンはカメラワークに工夫が見られて、
迫力があった。自分の作品の参考になったよ。」

など非常に具体的なアドバイスが出てきました。

20140110_1.JPG

週の後半はフィードバックの内容をふまえ、ひたすら修正作業に取
り組みます。

今回のテーマも残すところ2週間。
人の心を動かす作品を作り上げるためにはどうしたらよいか、探究
を続けます。

HY

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2014年01月17日

産みの苦しみを味わう

[3・4年生]

いよいよ5週目を迎えたテーマ学習。

今までボランティアをしながら平行して考え続けてきた”情け”あふれる行動が巡り巡って創り上げる”情け”あふれる未来についていよいよ大きな絵画として製作していきます。
しかし、なかなかGoサインを出せる全員納得の構図がまとまりません。
何度もそれぞれにイメージした絵を持ち寄ってプレゼンし合うものの、インパクトに欠けているのは誰もが感じている所。
ですが、それをいかにして第三者に作品として見せる時にインパクトを与えられるのかアイディアがなかなか浮かび上がりません。

最初は子どもたち自身が、
「まだおれたちの絵は情けあふれる理想の未来を描いたって感じなんだよね。色々な情けが巡り巡った結果こういう未来になった、みたいな変化してきている感じが出てないんだよな。」
と言っていましたが、回を重ねる毎に工夫を重ね、少しずつ人々の意識と行動によって良い社会が生み出されていく様子を盛り込めるようになってきました。
とは言うもののまだ納得がいくものになっていないのはみんな感じています。

ひさしぶりの停滞していくムード。重い沈黙。考、考、考。。。

発表会までの時間を考えると今まで考えてきた”絵”で本番の製作に入って行った方が楽なのは明確ですが、この産みの苦しみを経てチャレンジしていくことこそ私たちが向かう方向のはず。

写実的に描くだけが表現じゃない。抽象的に描く方法もある。しかしどうしたらいいのだろう。。。
みんな頭をグルグルさせて悩んでいます。
アートの担当者からも様々なアドバイスをもらい、”大胆”で”まじめにまとまらない””インパクト”のある作品を創ることにチャレンジしていくことを決めたライオンクラス。

週末のホームワークとしてそれぞれ頭をひねり最後のアイディア出しに励みます。
そしていよいよ来週月曜日からは本番の製作に取り掛かります。
さあどうなる!?ライオンクラス!

YI

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ピクトグラムをデザイン

[1・2年生]

壁一面に貼られたメタメタマップ。そこにはそれぞれの子どもの特徴となるラーナープロファイルについて書かれています。

積極的に話しかけるし、問題を解決するためにいろいろアイデアを出すから Communicators だ。
いつも笑顔を絶やさず、人に心配をかけないようにするから Open-minded だ。
「あれっ?これなんだろう?」といつも考えているから Thinkers だ。

自分で自分の特徴を言うのではなく、友達に自分の特徴を言ってもらうと、自分が思っていることとは違った、自分が思いもつかなかったことがあぶりだされてきました。私ってそんな風に思われていたんだ……そんな風に見えるんだ……意識していなかった「美点」を知って、子どもたちはうれしいような、恥ずかしいような不思議な感覚にとらわれているようでした。

IMG_1349.JPG  IMG_1353.JPG

「でも、話しかけるだけでなく、もっと聞くことができたらいいよね」
「聞いて、ひらめいたアイデアを返してあげたらもっとすごい」

Communicators だと言われた子に対し、こうしたらもっとよくなるという better のアドバイスが加わります。みんなでお互いのラーナープロファイルについて詳しく分析し合って、とても豊かなメタメタマップができあがりました。さあ、いよいよこれを見ながら、それぞれが最終成果物である「ラーナープロファイルのマーク」づくりに取り組みますが……どうしても「具体的」なイメージから逃れられません。

Principled のマークをつくろうとしている子は、争いをしている二人のピクトさんを指差してダメだよと言っているピクトさんを描きました。

「Principled の人ってあまりよくないことをしようとしている人を注意しているだけなのかな?」

とゆさぶってみると、そんなことはないと首をふります。じゃあ、もっと「一般的なイメージ」にしないといけない。あまりに状況が「具体的」すぎるから、「意味」を考えて、もっと「抽象化」する必要があるのだ。もちろん、このまま伝えても、子どもには何が何だかわからないので「模様みたいにできないかな」と投げかけてみました。それでも、どうしようと思い悩んでしまいます。実際の場面を描写するのはダメ。ピクトさんが何人もでてくるのはまずい。それをどうやって模様にできるの……

「もう無理かも」

だんだん悲しそうな顔になってきました。

IMG_1354.JPG  IMG_1355.JPG

子どもが持つ「具体的なイメージ」を一段高い「抽象概念」へと高めてゆくアシストをするのは、探究教師の大事な役割の一つです。1・2年生にはまだまだ「抽象的思考」はできないのでは……と思うかもしれませんが、レベルが異なるだけで彼らなりの「抽象化」を行うことができます。こうした頭の使い方を支えてあげるのが探究教師なのです。

どうしても具体的なイメージから離れられないというけれど、Principled な人ってどんな人なのか……実際に何かをしている姿からちょっと離れて考えられるかな?とたずねると

「う〜ん、正義とか正しいこととかするのって大変だけど、あきらめないでやり続けていく感じかな……」

お、なかなか面白いアイデアが出てきました。そこもう一押しするために

「正しいことをやり続けてゆくって大変だよね。それなのにどうして Principled な人ってそれができるんだと思う?」

すると……

「だって、正しいことを最初からできるわけじゃなくて、いっぱい失敗しちゃうと思うんだけど、それでもあきらめないでやり続けてだんだん成長していって、正しいことができるようになると思うから」

うん、いいねえ。どんどん「抽象化」されてきたじゃないか。大切な心を初めから持てないんだけど、その理想に向けてあきらめずに成長してゆく人。それが Principled な人ってことなんだな。それをイメージにしたらどうなるだろう?と問いかけると、しばらくの沈黙の後

「ハートがだんだん大きくなってゆく感じかな。ハートはね正しい心を表しているんだ」

おいおい、なんて素晴らしいアイデアなんだ!それいいじゃないか。正しい心を抱きたいという理想に向けてひたむきに成長するイメージをピクトグラムにすればいいという方向性が見えてきましたよ。

もう無理そう……という悲壮な感じがすっと消えて、ちょっと何かをつかんだかもという自信が顔に現れてきました。さあ、後はひたすらデザインを磨くのみ。ギリギリまで高い質のアウトプットを目指す「つら楽しい」最終週に突入です。

RI

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ただいま鋭意撮影中!

タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現

[5・6年生]

今回のテーマも残すところ2週間。
ここで踏ん張れるか。正念場です。

受験の関係で、先週の大半をお休みしていた6年生の女の子も復活。
冬休み期間中は塾の冬期講習などで自由な時間がなかなか取れない
中、しっかり作品を完成させてきました。

授業の最初にプチ上映会を開催しましたが、ストーリー、演出とも
随所に工夫が見られ、これにはクラスメイトも刺激を受けた様子。
最上級生の底力を感じます。

しかし、他の子ども達の反応に満足して、現状のレベルで満足して
もらっては困ります。

「ベタな感動ものにならないよう、ラストシーンをもうひと工夫して!」

作品をさらに良くするためにどうすればよいか、フィードバックを
返します。


今週は文字通り撮影・撮影・撮影の一週間となりました。

6年生の男の子の作品では、スクールを飛び出し、屋外ロケを敢行
することに。

近所の公園の広場では、お笑い芸人や役者の卵がネタを練習する姿
をよく見かけます。

「役者を目指す主人公が演技の練習をするんだったら、やっぱりこ
ういう場所に来ないと。」

この日も二組の若手芸人とおぼしき人たちがネタ帳を片手に練習に
励んでいたので、彼らに並んで、発声や演技の練習をしている様子
を遠目に撮影してみることしました。

最初は周囲の目を気にして、もじもじ恥ずかしそうにしていました
が、いざスイッチが入ると、オーディションの合格にむけ必死に練
習に励む若者を演じきるところは立派の一言!
実際に映画やドラマの脚本や演技に興味がある彼の数年後の姿なの
かもしれないなと思い、ipadでの撮影を手伝っていました。


スクール内もいたるところが撮影現場に変身です。

写真は洗面所での一シーン。

20140117_2.JPG

今回の映画製作の制約条件をいかして、クラスメイトに出演依頼を
行うケースもしばしば見られます。
そんな中、昼休み明けの授業のため3階を訪れると、ドアには
「映画撮影中につき立ち入り禁止!」
の貼り紙が。

20140117_5.JPG

昼食を早めに終えた子ども達が教室を貸し切り、法廷シーンの撮影
が行われていたのです。
満足するシーンが撮れず、何度もNGになる中、渾身の演技で挑んで
いる様子が教室の外にまで伝わってきました。

20140117_3.JPG 20140117_4.JPG

自分の作品だけではなく、クラスメイトの作品にも快く協力しなが
ら、創作作業を進める子ども達。
その様子は制作プロダクションさながら!
ここにきて、やっとエンジンがかかってきた模様です。

HY

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2014年01月24日

ピクトグラムができた!

[1・2年生]

TCSの子どもたちだったら誰でも「学びのアンテナ」について知っています。「学」という漢字のかんむりの3本のチョンチョンを「学びのアンテナ」と呼んでいます。この3本のアンテナにどんな意味があるかと言うと、「!」「?」そして「モヤモヤ」。「あっ!」とびっくりして、「あれっ?」とふしぎに思って、「どうしてなんだろう…」とモヤモヤする感性が、この3本のアンテナによって発揮されるのです。フィールドワークやキャンプには、下の写真のような、学びのアンテナのついたキャップ、通称・学帽(まなぼう)をかぶって出かけます。

IMG_0824.jpg

これまである状況での具体的な姿にこだわってしまい、抽象的な形だけで表現することに苦戦していた子どもたちが、これら3つのアンテナと「心」を現すハートマークを効果的に組み合わせてそれぞれのラーナープロファイルを表せるのではないかと考え始めました。

Risk-takersは、簡単にあきらめずに挑戦し続ける人というイメージがある……だったら、ピクトさんがジャンプして『!』と『?』と『モヤモヤ』をつかもうとしている図でシンプルに表せる。

Reflectiveは、何かをした後、こうすればよかったか、ああすればよかったかというふうに、いろいろ考えて、それを次に使えるように記録している人というイメージがある……だったら、見開きのノートとエンピツとモヤモヤの組み合わせで表せる。

Caring は相手の気持ちを考えて手をさしのべることができる心の持ち主……だったら、ハートと手の形の組み合わせで表せる。

こうしてシンプルな形の組み合わせでラーナープロファイルの「抽象化」されたイメージが明確になってゆきました。

IMG_1479.JPG  IMG_1480.JPG

イメージが「抽象化」されたらいよいよデザインです。形は、大きさは、色は、そしてそれぞれのパーツのバランスや組み合わせは……いろいろ試してみていちばんしっくり来るものを選ばなければなりません。方眼工作用紙に定規やコンパスを用いて丁寧に線を描いて形を作ってゆきますが、当然、一発でうまくいくことなどありません。

「おっちゃんどうだろう?」とたずねてきたら「君はどう思う?」とたずね返します。

よ〜く自分の描いた線を見ればうまく書けているかまだまだかわかるよね。それにひとつひとつの形はきれいに描かれていても、大きさのバランスが悪いとよいデザインにはならない。色もそれでいいかな?

自分で気づき、修正できるように支援をします。ひとりで黙々と集中して作業を進めてゆきつつ、子どもたちどうしでもアイデアを出し合ったり、確かめ合ったり、本当のデザイン工房のようになってきましたな。

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下線が描けたら慎重にハサミで形をきりとります。いやあ熟練してきたねえ。そりゃあここまで何回も切って、切って、切りまくってきたんだからうまくなるのも当然かもしれません。

そしてついに上の写真のようなピクトグラムが見事に完成しました。ここまでたどりつくのに何度も何度も試行錯誤を積み重ねました。でも全然弱音を吐くことなく「つら楽しい」プロセスを乗り越えました。どうです?なかなかのものができあがったでしょう。

IMG_1672.JPG

あとはテーマ発表会で自分のつくったピクトグラムについて語るためにスピーチをまとめなくてはなりませんが、もう自ずと頭の中に言いたいことは固まっているようです。

「だってあれだけ何回も考えたんだから話したいことはもうあるよ!」

台本を作り、読み上げるためのメモをまとめる必要はありません。あとは何度も話してみて、いちばん伝わる言い方を見つけるだけなんて、1・2年生なのにスバラシすぎる。あっぱれです!

RI

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最後の追い込み

タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現

[5・6年生]

発表会がいよいよ来週の水曜に迫ってきました。

子ども達は最後の追い込みに余念がありません。
何度も全編を通して見て、違和感のある部分がないかを確認します。


5年生のある男の子は刑事裁判を中心にした映画を制作していまし
た。
冒頭で発生した事件がストーリー展開の鍵を握り、観る側を作品に
ひきつける効果を狙います。

相手の心ない言動に我を忘れ、思わず犯行に及ぶ主人公。
その際に使われる凶器として当初はナイフを想定し、後の場面も撮
り進めていた。

「もともと殺意があった訳ではないのに、ナイフを持ち出すのって
変じゃない?」
「うーーーん、確かに。」

路上でのやりとりをきっかけに事件が発生するとなると、そこら辺
にゴミとして捨ててあった空き瓶を鈍器とする方が自然なのでは。
そう考え、再度シーンを撮り直します。

しかし、部分に注意がいきすぎると、全体が見えなくなるのはよく
ある話です。
改めて全編を通して見直すと、裁判シーンでの台詞との整合性が取
れていないことに気づきました。

「これじゃあ、だめだ・・・」

クラスメイトにも協力してもらった長時間に及ぶ裁判シーンを撮り
直すのは残された時間を考えると現実的にはかなり厳しい状況。
別の凶器はないか頭をフル回転させ、何とか冒頭の事件のシーンを
再撮影する方法を考え抜きます。

20140124_6.JPG

6年生のある男の子はさえない青年が夢に向かって努力するストー
リーを撮り進めていました。

そんな彼がいまいち納得いっていなかったのが、一般企業に勤めて
「全うな」社会人となった昔の友人と再会するシーン。
近況報告する中で役者の夢を馬鹿にされ、奮起して演技の練習に励
む様子を表現したいのですが、そのままでは普通で何もインパクト
がありません。

海外のコメディ作品が好きな彼は何とかそのシーンをもっと面白く
できないか悩んでいました。

「練習内容を段々とありえないもの変えていってみたら?」
「そっかー。途中から演技に関係なさそうなことを必死に練習した
ら面白いかも。」

たった一言のアドバイスをきっかけに、頭がグルグルしだします。

20140124_3.JPG 20140124_2.JPG

毎日、それぞれが撮影と編集を重ね、ようやく作品が完成。

「やっと、できたーーーー。」

子ども達からは安堵の表情が伺えます。

6週間かけて制作した作品を観客はどう評価するのか。
ドキドキの発表会を迎えます。

HY

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2014年01月25日

「人の心を動かすストーリー」~ふりかえり~

[5・6年生]

ドキドキ緊張の上映会は無事終わりました。


Mさんの作品では、友情をテーマに、不思議なドリンクを飲んだこ
とで犬に変身してしまった主人公がその危機をどう脱するのか、先
の読めないストーリー展開が印象に残りました。

臨場感のあるBGMにのせて、海賊と村人との争いをレゴブロックの
コマ撮りで表現することに挑戦したTくん。クラスメイトの協力も
あり、一体感のある作品に仕上がりました。

自身の好きなドラマ作品にヒントを得て、正義とは何かをテーマに
緊張感のある法廷シーンを描いたRくん。カメラワークの工夫が随
所に見られました。

異次元空間に迷い込んだ主人公の少女が母親の愛情を再確認する場
面が観客の心に響いたKさんの作品。ペープサートの手法を用いて、
不思議な世界観を演出しました。

Tくんは、監督兼主演として、さえない青年が役者という夢に向かっ
て努力する姿を描きました。不器用だけど、自分の信じた道をいく
主人公に自身を投影したのではと思うくらい熱演が光りました。


発表会後のふりかえりでは、映画製作の難しさを実感するとともに、
映像作品に対する自身の見方の変化を感じさせる言葉が聞かれまし
た。

各自の個性が光ったバラエティに富んだ内容に仕上がり、オーディ
エンスの反応も上々だったように思います。

ただ、テーマのタイトルにもなっている「人の心を動かす」作品に
なっていたかという観点では、正直物足りなさがあったことも否め
ません。

それは期限までに作品を完成させることに精一杯で、表現を磨き上
げるまでには至らなかったからというのがまず一点。そして、自身
の作品をかえりみて、これで本当にテーマが伝わるかとことん悩み
ぬいた感が薄かったからという理由が挙げられます。

「究極的には、人と人とはわかりあえない。だからこそ、どうすれ
ば少しでも思いが伝わるか悩みに悩んで表現にこだわる姿勢が大切
になってくる。」

校長からのメッセージは子ども達にだけではなく、大人に向けたも
のでもあったように感じます。

よき創り手を目指すべく、子ども達とともに再出発しないと、そう
思わせるテーマとなりました。

HY

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2014年01月30日

ラストスパート

翌週にテーマ発表会を控え、月曜日はまず絵の背景を塗ることになりました。
背景色は話し合いの末、”情け”のない世界を赤で”情け”あふれる世界を青で表現することに決定。
朝の会終了後近くの和田北公園へ移動し、ブルーシートの上に大きなキャンパスを広げます。

色を作る前に目を閉じてそれぞれの世界を想像し、どんな赤と青がしっくりくるかイメージしてから絵の具を混ぜ合わせていきます。
それからいよいよ丁寧かつ豪快にみんなで色を塗っていきます。
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明るい赤ではなく黒みがかった”赤”と明るく美しい”青”が子どもたちのイメージするそれぞれの世界を表しています。

背景が完成したら次は絵の制作。

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今まで何度となく議論を重ねた結果、情けのない世界を作ってしまう種となるコンセプトと情けあふれる世界を創り出すコンセプトを絵にすることに決定。
それらを”赤”と”青”の世界で対比させることになりました。
悩んだ末、全員納得で決まったコンセプトは”あらそい”と”助け合い”、”ムダ”と”大切にする”そして”奪い合い”と”シェア(分け合い)”です。

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テーマ発表会前日までアート担当のスタッフと一緒に作品を修正したり磨きをかけ続けた子どもたち。
それと平行してスピーチで伝えたいことを考えて練り上げていきました。

当日はどのような発表になるでしょうか?オーディエンスのリアクションもドキドキ楽しみです。

YI

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「情けは人のためならず」〜ふりかえり〜

テーマ発表会ではまずそれぞれの子がこのテーマ学習で取り組んできたことと自分が感じたことや学んだことを数枚の写真と共に語りました。

救世軍ブース記念病院でのガーゼ切りのボランティアでは相手のニーズを意識して丁寧に作業し、そして一生懸命気持ちよく仕事をするという姿勢の大切さを感じたことを語ってくれました。それと同時にやはり相手のために役立つというのは簡単ではないことを知ったというNくん。

利他的行動といってもこちらの思いだけでは不十分で相手が喜んでくれなくてはおせっかいになってしまう場合もあると語ってくれたYくん。相手の思いに合った働きかけが大切だと感じたようです。

自分に何かいいことをしてくれたからそのお返しに何かをするのではなく、見ず知らずの人にもその人のためになるような情けあふれる行動をしていくことで、それが次の人に伝わっていけば少しずつ世の中は情けであふれてくるはずだと力を込めて語ったTくん。

そしてこのテーマ学習で考え続けてきた”情けは人のためならず”が創る”情けあふれる未来”を表す絵を発表しました。

コンセプトは”あらそい”と”助け合い”、”ムダ”と”大切にする”そして”奪い合い”と”シェア(分け合い)”でそれぞれを対比させて描きました。

発表を終え、オーディエンスからは「今までの学びが反映されている」、「一枚の絵から明確なメッセージが伝わってくる」などポジティブなフィードバックをいくつも頂きましたが、 発表後の振り返りでは、まだまだこの作品がベストではないとこぼしていた本人たち。

伝えたいメッセージをアート作品で表現することの難しさを肌で味わったライオンクラス。この初チャレンジをきっかけに私も子どもたちも大胆な作品を共同で創っていく学びのスタート地点に立ったように思います。

これからも一つ一つのチャレンジを大切にさらに磨きをかけていこう!

YI

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To Be or Not To Be 〜概要〜

タイトル:To Be Or Not To Be

探究領域:自主自律

[3・4年生]



私たちの人生は意思決定の連続と言っても過言ではありません。
タイトルから予想される通り、このテーマ学習ではいくつかの選択肢を意識しながら、責任の伴う 意思決定をどう行ったらよいか追究してゆきます。

まずは日々の意思決定を意識的に行なっているか分析していくことで自分の意思決定の傾向に気付いていきます。
その中で他の選択肢を意識しつつ優先順位を考え、悔いの無い決断をすることが私たちにとっては大切です。

いくつかのケーススタディを通して他者の判断との違いを理解しながら、どう判断し、なぜ判断するか模索し、普段の生活において一貫性と持続性のある意思決定ができるようになることを目指します。
そのうえで、自らが納得した人生を歩むには、なぜ意思決定が必要なのかというところまで掘り下げていきます。
さあ悔いの無い人生を送るために納得のいく意思決定をしていくことができるでしょうか?

YI

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「サインを受信せよ」〜ふりかえり〜

[1・2年生]

テーマ発表では、ラーナープロファイルの意味とそれをどうピクトグラムで表現したか、堂々と自分の言葉で語ることができました。貼り出されたそれぞれのピクトグラムも、1・2年生のアウトプットとしては文句ないできあがり。参加したオーディエンスから、よくぞここまでつくりあげたという高い評価を得ました。

今回、担当教師の立場として気づかされたことがありました。それは、どんな学年であっても「具体」と「抽象」をいききすることが重要なのだということでした。ともするとまだ低学年だからラーナープロファイルを表すあるひとつの行動を「絵」にできればそれだけでOKと考えてしまうでしょう。しかし、探究する頭の使い方とは、抽象的なコンセプトを自分たちなりに具体化することなので、どんな学年であれ「具体」と「抽象」との間をいったりきたりするような仕掛けをすべきなのだと再認識しました。

さあ、例によってテーマ発表が終わってからがさらなる「探究」の始まり。フィードバック用紙に書かれた good & better に基づいてしっかりふりかえります。できあがったピクトグラムは、シールにして、スクールの日々の生活の中で用いることになりそうです。

ラーナープロファイルのマークを作ることは「探究」の入口に過ぎません。毎日の生活においてラーナープロファイルを意識した人になることが真のゴールです。学びは生き方に直結している。それが探究するテーマ学習なのです。

RI

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2014年01月31日

「表裏一体」~概要~

タイトル:表裏一体
探究領域:共存共生

[1・2年生]

 日々動き続けている地球上で私たちは生きています。
その地球で起こっている自然の営みをどのように捉えるか、
「災害」「恩恵」の視点で学んでいきます。

 前回のテーマ学習で、ラーナープロファイルをマークにするという
ミッションを果たした子どもたち。今回のテーマでは、ラーナープロファイルの中の 
Knowledgeable、Thinkers、Balancedを特に意識して進めていきます。

 自然の怖さ、自然の恵みは、どちらが裏でも表でもなく、
私たちの受け止め方によって変わっていきます。お互いが絡み合い
一体となっている「禍福は糾える縄の如し」です。

 ジッケアレインボーの子どもたちが思っている
Knowledgeable
(いろいろなことをたくさん見たり、覚えたり、興味を持ったりする人)、
Thinkers(なんか変なものを見つけて考えて、いつかは絶対にひらめく人)、
Balanced(片方に偏らないで両方のことを認める人)に各々がなって探究していきます。  

AN

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『エキシビション』〜概要〜

[6年生]

タイトル:エキシビション
探究領域:共存共生


エキシビションとは、卒業研究のようなもの。
ただ、普通の卒業研究とひと味違うのは、ここまで学べるようになったことを思いっきりcelebrateし、これからも学び続けてゆくようにencourageするところです。

よい成果を生み出すことは大事ですが、それ以上に、学びのプロセスにどれだけ情熱を傾けていたかが評価のポイントとなります。

テーマ決め、プラン、リサーチ、まとめ、そしてプレゼン準備まで、すべて子ども主導で行います。
しかし、ただ好きだからという理由だけで、どんなテーマを選んでも良いと言う訳ではありません。
社会的な意義があるテーマを選ぶということ、それがエキシビションの制約条件です。
周囲の大人に求められるのは、初めて本格的に自ら選んだ課題追究に向けて旅立った子どもたちをサポートすること。
スクールで培ってきた「学び続ける力」が十分に発揮できるよう支えることが私たちの責務です。

発表日は2014年3月22日(土)。卒業式の日に行います。

みんなで応援しましょう!

RI

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「ロストエナジー」~概要~

タイトル:ロストエナジー
探究領域:共存共生

[5年生]


私たちは、日々、快適で便利な暮らしを営むためにエネルギーを用いています。
エネルギーを作りだすには資源が必要で、石油などの資源は有限です。

東日本大震災と福島第一原発事故の発生以降、節電や省エネが声高に叫ばれるようになり、原発・エネルギー政策は都知事選の争点にも掲げられるほどです。
しかし、その内容を見ると「脱原発 vs 原発推進」といった単純な二項対立に陥っており、従来の価値観にとらわれている感は否めません。

エネルギー使用にはメリット・デメリットの両面があり、どの選択が正解とは言い難いものがあります。
その中で、私たちは自分たちの価値観を見直し、電力に依存しない生き方をどう実現していけばよいか考え抜く必要があると言えます。

本テーマ学習では、エネルギーが私たちの生活に及ぼすエネルギー問題を切り口として、「原子力はいけない、自然エネルギーだったらよい」というような一方的な判断ではなく、未知の状況に出会った際に、風評や先入観に惑わされず、複数のデータを見比べて、多面的に判断し、自分の価値観に依拠しつつ、バランスよく物事をとらえる力を養うことを目指します。

HY

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