東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2016年11月 アーカイブ

2016年11月04日

観察の中の発見

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:見れば見るほど見えてくる。

[1年生]

テーマ学習1週目に出てきた「木は葉っぱのおうち」という発言から、
樹木の葉を集めるという条件を共有する際に、
「木がおうちになっている葉っぱを集めよう」ということになりました。
子どもたちも納得して、葉が樹木に生えているものか、草の葉っぱなのかの
区別をしてきました。外に出て観察を続けていくと、
木に巻きついた葉っぱのおうちはどこかという疑問が浮上します。

「おうちに巻きついている葉っぱもあるよ。」
「これって、草じゃないの?」
「でも、木についているからおうちみたいだよ。」
「それって、ツタだよ。」通りすがりの2年生が一言。

去年、同じテーマを経験済みであるため、自信をもって断言しています。
実際に、実物を見に行くと、木に巻きついたツタの先をたどってみると
木とは独立していることがわかります。

自分のおうちと自分がつながっていないのと同様に、
木と葉っぱはつながっているのは、正確な言い方ではないことに気づきます。
「木と葉っぱは同じ体になるのかな。」
「人間の手は取れないけど、葉っぱは落ちちゃうよ。」
「それじゃ、髪の毛?」
「白髪は栄養がないから落ちるのかな?」
葉っぱはおうちではなく体の一部である。観察を続けてきた中で気づいた発見です。

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「おうちはどこ?」から「体はどうなってる?」に問いかけが
変わってきた中で、木の高い所から葉を枝ごと切り取っている人たちに
出会います。スクールに戻ってきたときに、こんな意見が出てきました。

「なんで、葉っぱを切ってるのかな。」
「あれは落葉樹だったから切らなくても自然に落ちるのに。」
「栄養がとられちゃってかわいそう。」
「でも、うちのお父さんがジャングルになっちゃうから切るって言ってた。」
「栄養のとりすぎってこと?」
こうなったら、実際に切っている人に聞くのがいちばん。
ということで、出かけてみると街路樹での作業を続けていました。

「なんで、葉っぱを切っているんですか。」との質問に、快く答えていただきました。
「この葉っぱは落葉樹だから、落ちてきた葉っぱで滑って転ばないようにしているよ。」
「春にいい葉っぱが生えてくるように、髪の毛を切る感じかな。」など、
「落葉樹」「髪の毛」と自分たちが話していたときと同じワードが出てくると、
ハッとして驚いたり、笑顔になったりして耳を傾け聞いています。
また、葉っぱが多くなりすぎて、看板が見えなくなってしまうため年に2回は切っていること も教えていただきました。

街路樹ではなく、保育園の木を切っている人にも話を聞いてみました。
すると、違う答えが返ってきます。
「木が健康になるために切っているよ。」
病気になったり、虫に食べられないようにするためだと言います。
切っている木の名前を尋ねるとマテバシイとのこと。
確かにマテバシイの葉は分厚くツヤがあり落葉樹ではないため、落ちる心配はありません。
切りたてのマテバシイの葉を枝ごともらってスクールに帰ってきました。
よく見ると、枝に小さな虫がたくさんついていることに気がつきます。
「こんなに虫がついてる!」
「見れば見るほど見えてくる!」
セントラルアイディアも口にすることが多くなってきています。
さっそく、聞いたことを確認していきます。

「木は葉っぱを切ってもらった方が健康になれるんだね。」
「風が通るし、光も通る。伸びすぎるとできなくなる。」
「人間と同じなのかな?富士山と一緒。」
富士登山のときに心得ていたことのひとつに体温調節がありました。
暑ければ脱ぎ、寒ければ切るということを徹底していたことがつながったみたいです。
「木は自分ではできないから、暑いときは風で涼しくなって、
寒いときは光であったかくなるのかな。風とか光で調節してるんだ。」
この意見にはみんな納得。「なるほどー。」と声があがります。

また、葉っぱが病気になることが子どもたちにとって驚きだったようです。
「葉っぱを切ってるおじさんたちは、木の見方だったんだ。」
人間の都合だけで切っているのではなく、木の健康のためであることがわかりました。

もらってきたマテバシイを観察していきます。
観察ポイントとして、1「見る」、2「触る」ことをしてきましたが、
3「嗅ぐ」、4「測る」も加えていきました。

細かくちぎっていくと香りが出てきます。
葉によって、匂いが異なります。
「キュウリの匂いに似てる。」
「トマトの匂いがするよ。」など、似ている匂いを考えています。

定規をつかって主脈や横幅の長さを測っていきます。
端を0に合わせることや読み方も一緒に覚えていきます。

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今週からは、樹木図鑑を用いて、今まで名前のわからなかった葉っぱの名前を調べていきました。同じ葉っぱがないか、体である「木」も同じかどうか、照らし合わせてみます。

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%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB_003.jpg描いていく絵も始めに比べると見方がだいぶ変わってきました。
主脈や側脈以外の葉脈もよく見ると見えてきます。
葉縁にも注意をはらい、形を真似て描きます。
「できた!」と思っても、見足りないところが出てきて、
描き直すとさらによくなっていきます。
発見のつぶやきは、そのまま記録し残していきます。
スケッチやフロッタージュ、言葉での記録や測定など、
様々な角度から葉っぱを観察です。


来週は、ひとつの葉っぱの観察から、ほかの葉との比較へと視野を広げていきます。


AN

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

ゴミの問題について考える

タイトル:problem ownership
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:情けは人のためならず

[2年生]

今週はスクールに中野区清掃局の講師の方々をお招きし、ゴミに関する講座を行っていただきました。
内容としては中野区のゴミ総量、各地域で収集されたゴミがどう処理されていくのか、リサイクルについて、ゴミの問題点、私たちにできることについてです。
子どもたちも町のゴミ拾い活動を通して感じていたことではありますが、やはり毎日のゴミの量が多すぎるという問題点についてお話がありました。

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なんと中野区だけで1日一人当たり約523gのゴミを出しているとのことです。
またそのゴミ処理や資源のリサイクルにはたくさんのお金がかかります。
中野区だけで1年間で約36億4千万円がゴミ処理にかかり、約9億8千万円がリサイクルに使われています。

IMG_7514.JPG

子どもたちからは、
「じゃあ東京全体ではどれくらいのお金がかかってるんだろう?日本全体では?世界全体では?」
とクエスチョンマークが広がっていきます。

東京で集められたゴミは焼却後に東京湾の埋め立て地へ埋められ、さらにその埋め立て地の容量は50年もすればいっぱいになってしまうとのことでした。
つまり50年以内に東京のゴミは捨て場所を失い、他都道府県へお願いして引き受けてもらわなくてはいけなくなるのです。
こういう現状を生きている私たちにせめてこのゴミ問題のためにできることはREDUCE・REUSE・RECYCLEとのお話を伺いました。

IMG_7523.JPG

子どもたちと翌日、前日の講座を振り返って印象的だったことを聞いてみると真っ先に出てきたのがこの『3つのR』についてでした。

「なにより大事なのはREDUCEだよ。ものを最後まで使うこと!」
「あとはね、使い捨て商品を使わないでティッシュよりもぞうきんでふいたりすればゴミが出ないんだ。」
「レジ袋をもらわないで買い物袋を持って行くのもだ。」
「ごはんを残さず食べるのもREDUCEだね。むずかしいけど。。。」
「修理して使い続けるのもREDUCEだよ。」
「REUSEはいらないものも必要としている人がいたらゆずったりすること。」
「あとはつめかえられる商品を選ぶのもREUSE!」
「RECYCLEは分別をちゃんとして、資源としてもう一度生まれ変わるように手伝うこと!」
「合言葉は”もったいない”だって言っていたけど、それってTCSの”ものを大切にする”と同じことなんじゃない!?」

子どもたちは前回のテーマ学習で生態系について学んだこととこのゴミの話とがつながってきているようです。
ゴミを焼却した灰を東京湾に埋めるのは人間の都合であって、そこの魚たちには危ないのではないのか?かわいそうだ!東京湾の生態系は平気なのだろうか?と彼らの議論は広がりましたが、50年後に埋め立て地の容量がいっぱいになるにはまだ50年もあると考えると、今工夫するしかないという意見が出てきました。
しかし、どのように工夫すればいいのかということはこれから考え続けていかなくてはなりません。
さあ来週からも町をきれいにしていくぞ!

YI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

理を利するのは難しい

タイトル:理して利する
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:則を学びて行わざれば即ち罔し、行いて則を学ばざれば即ち殆し

[3・4年生]

使える力は基本的に「位置エネルギー」。つまり「重力」。それをいかにコントロールして複雑な流れをつくり出すかがピタゴラ装置の醍醐味です。設計図にのっとって、仕掛けをつくっていきます。

「このゴム膜をコップの上にはって弾ませる」
「ビー玉を一個こっちに入れると滑車が動いてこっちの箱があがっていく」

設計図を頭の中でイメージし、さらにそれを形にしてゆきます。細かい作業で、精密さも要求されるので、作業は真剣そのもの。はさみで膜を切るのも、糸で箱をぶら下げるのも、丁寧に行います。ひとつ仕掛けができると、実際に試してみます。しかし……

きちんとつくってあるはずなのにうまく働きません。どこがおかしいんだろう……不具合を確かめながら、つくりなおします。絵で描けば簡単なことも、理屈では正しいことも、現実に実現しようとするとこんなにも難しいとは……しかし、まったくめげることなく調整し続けます。

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ビー玉が道をころがって、落ちて箱に入る。すると重みでてんびんが動いて、次の道へビー玉を送り出す。そのビー玉が滑車エレベータで上に運ばれて、さらに転がり出す……着々と設計図通りにできあがってきます。

しかし、実際には「安定」しません。うまくいくときもあれば、うまくいかないときもある。こんなに不安定では装置とは言えない。たかがビー玉を転がす道をつくるだけなのに、なかなか調整がうまくいきません。ミリ単位以下の微妙な位置のずれ、角度のずれでビー玉は変な方向に飛んでいってしまいます。

「ピタゴラ装置をつくっている人って天才だね」

子どもたちは、精密でうまく作動する装置をつくることの大変さを肌で感じています。NHKでピタゴラ装置の作成に関わっている方にお話をうかがったことがありますが、ほんのわずかな部分をつくるだけで何時間もかけるし、撮影も困難を極めるそうです。しかし、そんな大変なことなのに、あきらめずに、挑みたくなる。そんな不思議な魅力がピタゴラ装置にはあります。

IMGP1436.JPG  IMGP1474.JPG

こんなもんでいいんじゃない、と適当にすませようという雰囲気は皆無。でも、普段のクセが出て、雑に動かしたり、乱暴に扱ったりすると、装置がすぐに動かなくなる。

「ああ、またやっちゃっや」

これが別の場面だったら、「えっ?おれそんなことしてないよ」
とか
「しょうがないじゃん、おればっかり責めないでよ」

と言い合って、小競り合いが起きるのですが、今回は、やってしまったことが如実に「結果」に表れてしまうので弁解できません。ああ、なんで雑なことしちゃうんだろう……と自ら反省しきりです。

「理」はわかっているのに、それを「形」にするのは大変だ

「理」はわかっているのに、自分のふるまいが「理」をぶち壊してしまう

そんな現実に直面し reflection するいい学びになっています。

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「身のまわりにある道具や機械や施設だって同じだよ」

最近はブラックボックスになってしまい、どんな仕組み、仕掛けで動いているか見えない場合が多くなっています。だから普段、当たり前に使っていて、いや、使っている意識すらない装置のお世話になって私たちは暮らしています。そんな恩恵を「意識」する「きっかけ」になったでしょう。

精密に設計し、精密につくる。そして丁寧に維持する。それでも「現実」は思い通りにならない。永遠に生じる「不具合」に対し、前向きに、永遠に「調整」し続ける。義務ではありながら、やらされるというより、なんとか制御したいという人間の支配欲であり、またそれが面白いと思ってしまう遊び心でもあります。そんな人間の根源的欲求に突き動かされ、人間は「原理」を見つけ、「術」として活用する道を歩んできました。子どもたちは、ピタゴラ装置という「遊び」を通じて、人類の歩んだ道を追体験し、学んでいると言えましょう。

時間は刻々と過ぎてゆきます。果たして「装置」を実装することはできるのか……探究は続きます。

RI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

社会の中で活躍する予測技術

タイトル:AIしてる?
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:データには未来へのメッセージが宿る。

[5・6年生]


先週までは「天気」に的を絞りつつも、様々な観点から予測をする方法があることを学んだキッズたち。
今週は、「天気」だけではなく、「予測技術」は私たちの生活・社会をどのように変えることができるのか、その一つの例として映画『マネーボール』を見て、「予測技術」の可能性について考えを広げました。

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〜映画のあらすじ〜
実話に基づいて制作されたこの映画『マネーボール』は、実在する弱小チーム、オークランド・アスレチックスのGMビリービーンが主人公である。
彼はドラフト1位で名門チーム・メッツに入団したにもかかわらず成績は鳴かず飛ばずで引退してしまった過去を背負いながら、アスレチックスのGMとして選手のスカウト方針に悩んでいた。彼は、少ない予算にもかかわらず、地区シリーズの決勝戦まで上り詰めた翌年、主力選手全員が抜けてしまった自体にお手上げだったのだ。さらに、「勘と経験」から選手を選ぼうとする老人ばかりのスカウトたちに嫌気がさしていたある日、名門イェール大学の経済学部を卒業し、選手のデータを解析し選手集めを手助けしていた「ピーター」と出会う。彼の「野球界は間違っている、選手をお金で買うのではなく、勝ちをお金で買うべきだ」という言葉に共鳴したビリーはピーターをヘッドハンティングすることを決意し、アスレチックスにピーターを招くこととなった。
そして、ビリーとピーターのタッグがアスレチックスの大改造に乗り出す。。

この映画の中では特に「打率」ではなく「出塁率」の高い選手を積極的に取るべきだという方針のもとに、「過小評価」されている選手を安く買い、強いチームをつくることを「データ」の手助けをもらいながら実行していく、という二人の姿が描かれています。
彼らは、勘と経験に任せるのではなく、データをもとにして「勝ち」を買いに行くのです。

その結果どうなるか、それはぜひ映画をご覧いただきたいところですが、キッズたちも、「ピーターかっこいい!」と、知的に分析するピーターへの歓声があがりました。

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そのなかで「データ戦略を取ること」を推しつつも、「自分のジンクス」にとらわれてしまうビリーの姿がなんども描かれていました。彼が持っていたジンクス、それは「自分が試合を見に行くとアスレチックスは負ける」というジンクスでした。

この「ジンクス」という言葉にキッズたちは反応しました。
「ジンクス」には、例えば「本屋に行くとトイレに行きたくなる」というものがあったり直接の関係がなさそうなものがありましたが、そんな話をしているなかで、「じゃあメッシは必ず勝つけど、左利きとか、右利きとかそういうのが関係あるのかな?」という疑問が湧いてきました。要因と要因の間にはどのような関係性があるのか、それを考えていくことがこの「予測」において最も重要なポイントです。

ついに、来週から「個人プロジェクト」の二週間が始まります。
それぞれで選んだデータを収集して分析し、どのようになりうる可能性が高いか、という「予測」まで行っていきたいと思います。

TY

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2016年11月11日

なかまわけ

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:見れば見るほど見えてくる。

[1年生]

これまでに採集してきた葉っぱの押葉ができあがってきました。
葉っぱの形、色、触り心地、臭いなど観察してきたことを活かして、
集めてきた葉を比較することで、どのような種類分けができるのかを考えていきます。

まずはパッと見て判断。直感に近い感覚で仲間をつくっていきます。
「まっくろになった葉っぱをひとチームにしよう。」
「そしたら、赤っぽいのはこっち。」
「赤いってことは落葉樹?」
「まだ赤くなってない落葉樹はどうする?」

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「落葉樹と広葉樹で分けるってこと?」
「針葉樹の中でも分けていけばいいんじゃない?」
覚えた用語を使って、葉の特徴を出していきます。



全体の葉の形に着目し、似たような形に名前付けをしていきました。
葉の基部を見て、“人間のお尻チーム”
全体の形から、“恐竜の足チーム”に“細長チーム”
そして、“まるっこチーム”

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形の細部まで見ていくと、葉脈に違いが見えてきます。
主脈のみが出っ張り目立っている、“主脈立派チーム”
側脈の形がハート型に見える、“側脈ハートチーム”
側脈と側脈の幅が狭く魚の骨のように見える、“骨チーム”

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先が尖がった形については、感触の特徴が際立ってきます。
「鋸歯が尖ってる。これって針葉樹みたいにチクチク痛い。」
「でも、針葉樹の方が痛いよ。」
「痛っチームと痛たたチームに分けてみよう。」
「ヒイラギの葉っぱは鬼が苦手な葉っぱだから、オニガテチームは?」
「いいねー。」

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針葉樹が“痛たたたチーム”になり、
ヒイラギとそれに近い鋸歯縁の葉は“オニガテチーム”となりました。





あとに残ってきた葉は分け方が難しくなってきます。
中でもイチョウは、どの葉にも似ていないということになってきました。

「イチョウは針葉樹って、図鑑に書いてあった。」
「でも、おかしくない?」
実際に、一緒に図鑑でイチョウのページを開いてみると、
イチョウは正確には針葉樹でも広葉樹でもなく、裸子植物にあたる。と書いてありました。
「ここの針葉樹って文字を読んで、そうだと思っちゃったんだ。」
「ほかの葉っぱとは違うんだね。」
イチョウは孤立することに。

図鑑を見ることで、情報も増えていきます。
「実をつけるチームとつけないチームに分けてみようか。」
「そうしよう。」
イチョウやヤマモモの木は雌株と雄株に分かれていることから、実に着目するようになりました。図鑑を見ながら、分けていくとほとんどの葉っぱが実をつけるチームになっていきます。

そもそも実ってなんだろう?と、
木の実が種であることを知ると、どの木にも実がなることがわかってきます。
「それじゃ、違う分け方にしてみよう。」
一度、決めたグループが崩れていくことも。
なかなか、すべての葉っぱを分類することができずにすっきりしません。
「あー、どうしよう。」
今週はもう時間切れ。来週にまたやり直していくことになりました。

一方、アートの時間では、1枚の葉っぱの観察を続けてスケッチをしています。
art_IMGP8423.jpg  art_IMGP8434.jpg

「できた」と思っても、まだ見ていないところがある。
先週から引き続いて、見ているようで見ていないこと、見れば見るほど見えてくることを実感しながら、細部まで描き写した作品になっていっています。次回は、絵の具で色塗りに挑戦していけそうです。

AN

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風にも負けず

タイトル:problem ownership
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:情けは人のためならず

[2年生]

さて今週も我らの中野の町をきれいにするためゴミ拾いに繰り出しました。
以前のテーマ学習で自作した中野の地図を眺めながらまだゴミ拾いをしていない所へ向かうルートを決めていきます。
まずはスクールから紅葉山通りを北上し、新井薬師を目指しました。

「今日は燃えるゴミとビン・カン、燃えないゴミ、それに大きなゴミの係りに分けて拾おうよ!」
という子どもたちの提案で担当をじゃんけんで決めてからいざゴミ拾い開始。
こうすることでスクールへ戻ってからの分別が楽になります。

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「わあ!!なんじゃこりゃあ!!みてみて〜!」
「え〜!なんでこんなにネジと釘が落ちてるの!」
「本当だ!100本くらいあるんじゃない!?」

なんと早稲田通りの街路樹の脇に使い古したネジや釘がどっさりと捨てられていました。

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(板やフライ返しも発見!)

北風がビュービュー吹いて凍えるような1日ですが子どもたちはニコニコと楽しそうにネジを拾うのに大忙し。

「一本残らず拾うぞ〜!」
「あ〜!!ちょっと〜!これはすごい!!ビニール袋の中の電池がたくさん入って捨ててある!!」
なんと続いて乾電池です。

「電池ってたしか普通に捨てられないよね?」
「回収ボックスに入れなきゃいけないって講座でお話ししてたよね?」
誰かが捨てるのが面倒だからこの街路樹の脇に捨てたのかもしれませんね。

やなぎ通りに入ってもよく見て歩くとゴミがそこら中に落ちています。
 「どこにでもゴミって落ちてるんだね。」

特にタバコの吸殻は驚くほど落ちています。

「あ!この茂みの中ゴミだらけだ!やっぱりゴミを捨てる人は人目につかないところに捨てるんだな。」

探偵気分で人目につかないゴミを見つけるのを楽しんでいる子どもたち。
通行人の皆さまからもよく暖かい声をかけていただきます。

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「お〜いはやく新井薬師まで行こうよー!」
「ちょっと待って!ここのゴミ全部拾ってから!!」
と見つけたゴミは丁寧に拾いきらなきゃ進めないNちゃん。
新井薬師の境内はさすがにきれいに保たれていたのでそのまま一行はあいロードへ。

「わあ!アイロードはきれいだねえ。」
「本当。全然ゴミが落ちてないね。通りによって全然ゴミの量が違うね。」
「きっと商店街の人がお掃除してるんだろうね。」

そのまま昭和新道を通り、北野神社前の商店街を東へ歩いてスクールへ戻りました。

翌日は拾った乾電池を回収ボックスに届けに保健所へ向かい、大久保通りのゴミ拾いを行いました。

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「乾電池はこのままリサイクルされるって書いてあるね!」
「そういうことか!」
「でもわざわざ来るのが大変だから捨てちゃう人も多いんだろうね。」

ゴミを拾いながらもいろいろなことに疑問を持ち、行動していると点と点がつながって知識が作られる瞬間が多々あります。

来週は清掃工場の見学へ出掛けてきます。

YI

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データからメッセージを読み取る

タイトル:AIしてる?
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:データには未来へのメッセージが宿る。

[5・6年生]


先週マネーボールを見たキッズ達はピーターやビリーに感化され、それぞれの「データ解析」のテーマを選びとり、個人プロジェクトを開始しました。
プロジェクトには下記のようにバラエティに富んでいます。

・来年のセリーグの首位打者
・次の全豪オープンテニスで誰が優勝するか
・政治家が問題発覚して辞める確率
・東武鉄道での株価の予測
・チャンピオンズリーグでどのチームが優勝するか
・フィギュアスケートの全日本選手権で誰が優勝するか
・東京都で最も犯罪が起こりやすい月
・首都圏の鉄道がどんな原因で遅延するか
・どんなアニメーションの視聴率が高いのか
・ツアーファイナルで誰が優勝するか

スポーツ系の話から、社会問題、そして経済問題から視聴率予測まで、様々です。
それらのプロジェクトでも、一貫して三つのデータの読み取り方があることを学びます。

データからメッセージを読み取る三つの秘訣。それは「分布を見る」「平均を見る」「トレンドを見る」の三つです。

1.「分布を見る」

分布とは、「場合ごとに出現する回数を出す」ことです。
例えば、1月、2月、3月とそれぞれの月での犯罪件数を集計していくことで、それぞれの月のパターンを出すことができるのです。

2.「平均を見る」

平均をみることで、個人個人の特性を総合して集団の特性として比較を行うことができます。
例えば、二つのサッカーチームがあった時、それぞれの得点率の平均値を計算することで、「チームメンバーの数が違ったとしても」二つのサッカーチームの実力を比較し、どちらのチームが勝つか予測を行うことができるのです。

3.「トレンドを見る」

トレンド、とは「時系列」つまり時間が経過するに従って変化するデータを見ていくことで、そのパターンを見つけることです。
例えば、株価の上げ下げを見るためには、今までの上がり下がりからパターンを見つけなければなりません。折れ線グラフにプロットしてみることで、そのパターンをつかむ為の手助けとなります。

各自のプロジェクトは、それぞれのデータから読み取れることはもちろん、「因果関係」に注意しながら分析をしていきます。
「予測」をするためには「因果関係」を見つけ、原因から結果を導くパターンを活用しなくてはならないためです。
さて、来週はこの「因果関係」にさらにフォーカスし、それぞれの個人プロジェクトをまとめていきます。

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TY

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2016年11月18日

2種類の葉っぱマップ

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:見れば見るほど見えてくる。

[1年生]

図鑑には様々な情報がつまっています。
細かいところにまで文字が書いてあります。
「このマークは何?」
街路樹として多く植えられている木、野山に見られる木、庭によく植えられる木と
どこで見られる木なのかが、木のマークの数で示されています。
「そんなことも書いてあるんだ。」

1週目に葉っぱのおうちだと思っていた木の部分を撮影してきました。
遠くに下がらないと全体が撮れないほど大きな木や
自分よりも低い木もありました。
図鑑には、そのことも記されています。「低木、小高木、高木」

先週は、葉っぱの分類が行き詰まったところで時間となったため、
すっきりしない状態で、5週目に突入しました。
そこで、図鑑からヒントを得て、違う視点を入れてみることに。

そして、気温が下がり寒い季節にもなってきたので、
静かなともだちが変化しているかどうかを確かめに紅葉山公園に足を運んでみました。
ここでも違った視点を見つけるきっかけがあるかもしれません。

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「こんなに赤くなってる。」
「きれいな葉っぱを採りたい。」
しかし、低木ではないため、登ろうとしても上がれません。
「これって、高木かな?」
その場で図鑑を開くと、小高木だとわかります。

kantubaki_IMGP8469.jpgこちらは低木のカンツバキ。
紅葉はしていません。
「常緑樹だね。」
落葉樹か常緑樹かの違いが確かめやすくなっています。
また、触り心地も確かめていくと、
ベトベト、サラサラ、ザラザラと
葉によって違いがあることがわかります。

スクールに戻って、もう一度どれとどれをなかまにするかを考えていきます。
「困ったら、似ていると思っているものをくっつけていくといいよ。」
そう、アドバイスをくれたのは2年生でした。
彼らは去年同じ経験をしているので、今年の1年生がどう分類していくのか
興味があるようです。様子を見ては声をかけてきてくれます。

niterukatachi_IMGP8462.jpg「やっぱり、痛たたチームはそのままの方がいいね。」
ほかも葉縁に注目してみると違うチームができていきます。
「見た目痛そうだけど痛くないチームをつくろう。」
「これは全然痛くない鋸歯だから違うチームだね。」
「鋸歯が丘みたいにゆるやかだから、鋸歯丘チームにしよう。」
「目で観察したことが多いね。」
「でも、痛たたとか触って観察したことも入ってるよ。」
これまでの観察ポイントが入っているかも確認しているようです。

今週からは、もうひとつ別の観点からみたマップづくりにも入りました。鋸歯や色など、自分たちが着目したもので分類していく一方で、別のグループでは、常緑樹と落葉樹、低木と高木と4つの大きな分類をした中で、どんななかまわけができるかを考えていきました。紅葉山公園で観察したときのことを思い出しながら、図鑑を見ながら、ひとつずつ低木か高木か、落葉樹か常緑樹かを確認していきます。

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たくさん集めた分だけ、分け方もいろいろできます。
すべての葉っぱを入れてすっきりさせたい。
そして、来週のプレゼンでは、堂々と自分たちでつくりあげた
マップを披露していきたいところです。
どんな見方で分けたらいいか、納得いくまで
考えを出し合っていきます。
完成までもうひと踏ん張りです!



AN

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清掃工場見学へ

タイトル:problem ownership
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:情けは人のためならず

[2年生]

今週はゴミの行方を追いかけて、清掃工場見学をさせて頂きました。
百聞は一見にしかず。
知っていたはずの施設やゴミの量も目の前にすると迫力が実感となって伝わってきます。

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「こちらの清掃工場では24時間体制で常にゴミを焼却しています。1日で約400トンのゴミを燃やしているんですよ。」

400トンと言われてもピンと来ないような数字だが、ゴミのストックルームを見せてもらってみんな唖然とした。
1日で一つの区から集まるゴミがこれほどに多いとは・・・
まさに百聞は一見に如かず。

「この清掃工場では熱エネルギーを発電し、電力として再利用しています。この施設を動かすために3分の1、それ以外の電力は地域の温水プールで使ったり、電力会社へ売ったりしています。」

RECYCLEのキーワードに嬉しそうに反応する子供達。
先日、中野区清掃局の方からゴミ問題にとって大切な考えとしてRECYCLEを学んだばかりだからだ。

昼夜問わず稼働し続ける清掃工場をチームワークで切り盛りしている専門家の方々。
いくつもの過程を見学させてもらっているとやはり”ゴミ”についていろいろなことを考えさせられてしまう。

「1日でこんなにたくさんのゴミが集まってくるんだったら1日清掃工場が止まっただけで大変だよね。」
「うん。ゴミってこんなにあるんだね。これに比べたら町に捨てられてるゴミなんて大したことないねえ?」
「う〜ん。ゴミ拾いよりなにより、REDUCE(ゴミをへらすこと)が一番大切だっていうのがわかった。」

以前燃えるゴミの中に混ざっていたガスボンベがゴミ処理の際に爆発して飛んでいき、壁に穴を開けてしまったことがあったとのことでした。
その穴をふさぐ工事のために数週間清掃工場を止め、数億円のお金がかかったとのお話でした。
たった一人のなにげない行動がそのような不測の事態を起こしてしまう場合もあるわけですね。

「分別っていろんな意味で大事なんだね。資源ゴミのためだけじゃないんだ。てかこれあぶないね〜。」
「ガスを捨てた人も”まあいいか”っていう気持ちだったかもしれないけどプロブレムオーナーシップないね。」

やはり現場に足を運び、その道のプロからお話を聞くことで学びが深まります。
子どもたちは町のゴミ拾いは自分たちにできることの一つではあるけれども、それだけではゴミ問題の解決にはならないことをハッキリと知りました。そして自分たちが生きている内に東京の埋め立て地がいっぱいになってしまうということも。

「もちろんゴミ拾いだけじゃ、ゴミ問題はぜんぜん変わらないけど町がきれいなのって人にも鳥にも動物にも大事だよね!?」
「でもそれだけじゃなくてゴミを出さない暮らし方をしないとゴミの量が減らないんだよな〜。」
「仲間を増やす作戦で知ってもらうしかない〜!」
「それでも変わるかどうかわからないよ!」
「でも50年後にいっぱいになるって言ってるんだから、今はまだいっぱいじゃないってことなんだよ。だから今やれば変わるでしょ〜!今だよ今(笑)」

とアツくなっている2年生たち。そうです。今でしょう!今!!
さあ来週はいよいよプレゼンに向けて作文に取り掛かります。

YI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

データを集める大変さ

タイトル:AIしてる?
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:データには未来へのメッセージが宿る。

[5・6年生]


先週から始まった、キッズ達の個人プロジェクト。データに宿るメッセージを読み取るためには、まず、「事実」と自分なりの「観点」の二つが必要とされます。

1. 一般的な「事実」
例えば、テニス選手であれば「利き手」「身長」「体重」など、「事実」を基にしたデータを取ることができます。
インターネット上に溢れるスポーツの統計や、犯罪件数データなど、「オープンデータ」の取り組みも進みつつある現在、データを公開している場は増えています。
こうした、「事実」のデータを集めてゆくことで、考えたい集団にはどんな特徴があるのか、「特徴ごとに分けて集計してみる」ことで、あらたなものが見えることもあります。
例えば、上位プロテニス選手には「左利き」が極端に少なかったりすることなど、その統計情報を読み取っていくことで「仮説」を立てることへとつなげることができるのです。

2. 自分なりの「観点」
そして、「事実」を集めた後は「観点」が重要になってきます。
「観点」とは「ある事実と他の事実の間につながりを見出す」ことです。
先週考えた「因果関係」にもつながってくるのですが、「原因」と「結果」にあたりそうな変数を取り出し、掛け合わせて集計してみることで、変数と変数の関係性を理解することができます。
例えば、トレンド分析などは、「ある電鉄」と「ある広告代理店」の株価のつながりがあるか、ないか、「ある電鉄の株価」と「その沿線の地域への旅行者数」のつながりがあるかどうか、など「今持っている知識」を使って「因果関係を考え出す」のです。
この推論方法を「アブダクション」ともいうのですが、科学的な思考、統計的な思考においては最も大切とされる頭の使い方です。

事実を集め、まずは自分の直観をもち、そして事実によって検証する。
このプロセスを行っていくことによって、「予測」に最も重要となる「因果関係」を発見することができるのです。

今回、キッズ達が選んだテーマはそれぞれが「興味のある」テーマを選んでいます。
なので、それぞれのキッズが元々持っている「知識」を生かすことができたり、お互いに「それはおかしい」「これはあるかもしれない」などの共有も行うことができます。

インターネット上に公開されているデータを綺麗にまとめ上げるのは骨の折れる「地味な」作業ではありますが、その成果としてあらたな発見がもたらされる、というのが「データ解析」の醍醐味でもあります。
さて、来週は最終週。今回のデータ解析プロジェクトから得たもの、そしてあらたに発見したもの、など「データには未来へのメッセージが宿る」というセントラルアイディアを基に、「サイエンス番組」を作り上げます!

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TY

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2016年11月22日

プレゼンテーション11/25

TCSプレゼンテーションのご案内

東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動を行っていきます。
※テーマごとの6週間の学びの様子は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。

テーマ学習の成果を発表するプレゼンテーションでは、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。 (ご希望の方は、下記要領にてお申込みください。)

TCSの子どもたちが、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか、ぜひ直接その様子を見に来てください。

               記

【日 時】 2016年11月25日(水) 9:30~12:00頃 

【場 所】 東京コミュニティスクール 2階
     (東京都中野区中野1-62-10)地図
      ※JR・東京メトロ「中野駅南口」より徒歩9分     
      ※車・自転車でのご来校はご遠慮ください。
【内 容】テーマ学習(10/18から6週間の学び)
   「Animal Kingdom」(プレ初等部)
   「静かな友達」(1年生)
   「Problem Ownership」(2年生)
   「理して利する」(3・4年生)
   「A.Iしてる?」(5・6年生)

【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール(担当:永易・若林)
 TEL:  03-5989-1869
 e-mail: school#tokyocs.org
 ※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、件名を「プレゼンテーション見学希望」とし、
   以下の事項をお知らせください。
     1.見学希望日
     2.見学希望者氏名(すべて記入ください)
     3.お子さんの現学年(保護者の方)
     4.e-mailアドレス
     5.電話番号(日中最も連絡のとりやすい番号)
     6.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     7.質問事項等(あれば)

ネパールの子ども達の支援にご協力ください


ネパールの子供たちの支援のためにご協力をお願いします!


東京コミュニティスクールでは、ネパールの小学校との国際文化交流プログラムのために、有志(子供6名と保護者・スタッフ等)が12月23日から、ネパール・シミガオンの小学校等を訪問します。

その際に、ネパールの小学校で未だに不足している文房具やスポーツ用品などを日本から運んで寄付をすることで、少しでも支援できればと考えております。

ネパールに訪問するメンバーはあくまでも親善大使の役割であり、そのメンバーだけがネパールの学校や子供達の支援をするのではなく、賛同していただける多くの皆さんから寄付を集めて、みんなの力で支援をしたい!

「情けは人の為ならず」「Pay forward」の精神は、今後の自分たちにもきっと何かがつながっていくとは思いませんか?ぜひ、そうありたいと私も願っています。

今回は、TCS以外の一般の方々にもご協力いただけるよう、寄付集めは以下のサイトを通じても行うことにいたしました。

http://japangiving.jp/p/5071

少額で構いませんのでご協力いただけるとありがたいです。また、フェイスブック等でも告知いたしますので、賛同してくれそうなお友達がいれば、シェア・お声がけいただけるとありがたいです。

よろしくお願いします!

東京コミュニティスクール
創立者・理事長  久保 一之

2016年11月25日

マップから見えてくる

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:見れば見るほど見えてくる。

[1年生]

いよいよ週末はプレゼンテーションデイです。
葉っぱマップも完成に近づいてきました。

名前がわからない葉がいくつかあり、それらが取り残されています。
自分たちの分類したマップに当てはまるかどうか確認していきます。

2016_atsu_IMGP8475.jpg 「これは鋸歯の形が尖ってないから鋸歯丘チームだ。」
「こっちは、ずれずれずれずれチーム。」
葉の形や葉脈の流れを見てはどのチームに入るか分けることができています。
全員が、どう見分ければいいかわかっています。




それだけ、彼らが話し合いを重ねてきたことが伺えます。
一人の意見が押し通されたとしても、納得できなければ分類することはできません。

主脈が凸凹していることを発見し、“主脈立派チーム”という名前をつけたものの、
どの葉っぱも主脈は側脈や細脈よりも目立っていて、どれが立派なのかそうでないのか
区別がつきにくくなってしまいます。

「みんな主脈立派チームになっちゃうよ。」

これでは、特徴を見つけ出したことにはなりません。主脈立派チームはあえなく解散。
しかし、主脈に注目していったことで、分裂葉の葉には主脈と思われる脈が分裂した数だけあることを発見します。
「これって、主脈が3本?」「あ、ほんとだ。」
主脈立派チームから主脈3本や主脈5本チームができていきました。

1年生7人がそれぞれに違った見方をしながら、互いに納得できる分類の仕方を探し出していったので、名前のわからない葉でも見ることで、どのチームに入るのかがわかるようになっているわけです。

2016_atsu_IMGP8474.jpgグループごとを色わけして囲んでいきます。
自分たちのつけた名前もしっかり読めるように清書。
名前の意味がわかるように説明も添えていきます。





これまで自分たちがどんな観察をして分類をしていったのかを振り返りながら、最後にマップのタイトルを考えていきました。目で見て、鼻で嗅いで、手で触って、定規でサイズを測るという観察を続け、2種類の葉っぱマップができあがりました。

「いろかたち注目マップ」
うちわチーム、ブラックチーム、あざやかチーム、鋸歯丘チーム、ぜん丘チーム、
おにがてチーム、いたたたチーム、見た目痛いけど痛くないチーム、針葉樹チーム

「みゃくかたち注目マップ」
骨チーム、ずれチーム、ずれずれずれずれチーム、平行脈チーム、
主脈3本チーム、主脈5本チーム、主脈7本チーム、もみじ型チーム、針葉樹チーム

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「どっちにも針葉樹チームがあるね。」
「針葉樹はあっても広葉樹はないね。」
「だって、ほとんど広葉樹でしょ。」

自分たちの集めた葉はほとんどが広葉樹であり、針葉樹が少なかったことがマップから見えてきます。ほかにも、「みゃくかたち注目マップ」では、左右に落葉樹・常緑樹、上下に高木・低木と4つに区分けしたことから、次のようなことが見えてきました。

「高木には“ずれずれずれずれチーム”いないね。」
「“骨チーム”は高木しかいないよ。」
「どのチームも落葉樹・常緑樹があるね。」

分類することで、自分たちの集めた葉にどんな特徴があるのかが見えてきました。
また、それぞれに自分のお気に入りのチームもできたようです。
チームの名前もユニークであり、聞いただけでは意味がわからないものもあります。
プレゼンテーションでは、名前の由来も含め、分類の仕方を多くの人に理解してもらえるよう発表に挑みます。

AN

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文章を磨く

タイトル:problem ownership
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:情けは人のためならず

[2年生]

今週金曜日にプレゼンテーションをひかえ、アウトプットの作文に磨きをかける6週目を迎えました。
今までゴミ拾い活動をやりながら、どのように『プロブレムオーナーシップ(=問題を他人事で済ませず自分ごととする)』について考えてきたのか1000字以下の作文にまとめました。

先週から取り組んでいますが子どもたちはすでにバージョン3に取り組んでいて、すでに最初に書いた作文とは面白いくらいまるで違う内容になっています。
最初は普段書いている振り返り作文の文体のように『ゴミ拾い』についてどのように取り組んでいたのかを「情景」・「会話」・「心情」 をバランス良く交えて書いていきました。
しかし、できあがったのはまさに『ゴミ拾い振り返り作文』となっていました。
みんなでそれぞれの作文を朗読し合っていると、一人の女の子だけが作文の中に最初自分がイメージしていたプロブレムオーナーシップがどのようなきっかけで変わっていったのか表現していました。
このポイントに気づいたみんなは『起・承・転・結』のストーリーの型でどのような構成で何を伝えたいのか、何を表現をしたいのか考えていきました。

起と承では”ゴミ拾いを通して印象的だった出来事”や”自分のゴミ拾いへの向き合い方が変わったきっかけ”などゴミ拾い活動でのターニングポイント、転と結では”ゴミ拾いを通して考えてきたプロブレムオーナーシップ”や”自分にとってプロブレムオーナーシップとはどういうことなのか”など行動を通して変化した自分やその行動を後押しする考え方について考えていくことになりました。

プレゼン前日まで何度もしぶとく推敲を重ねていった2年生たち。
プレゼンではどのような作文を披露してくれるのでしょうか。

YI

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予測の未来を予測する

タイトル:AIしてる?
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:データには未来へのメッセージが宿る。

[5・6年生]


「未来予測」

それは人類が古来から行ってきた営みです。
知識をつくってゆくということは、すなわち、「未来を予測可能とする道標」をつくってゆくことに他なりません。
古代文明や近代まで、占い師や宗教家の教祖が知恵を独占し続けてきました。
現代社会では、「数学」特に「統計学」と「コンピュータ」の発達によって、予測は私たちの身の回りに浸透してきています。

今回のプレゼンテーションでは、今まで学んできた「予測の原理」「予測の実際」そして「未来の予測」について「サイエンス番組」形式にまとめてゆきます。
参考になる映像として、NHKスペシャルで昨年放映された、『ネクストワールド 私たちの未来 第1回 未来はどこまで予測できるのか』をみんなで見ました。

キッズたちはこの映像を見て。。
・「犯罪やテロ、地震に備えられるようになって人命は助かる」
・「人はリスクばかりを見て生きるようになってしまうのではないか?」
・「人はどんどん機械に頼って頭を使わなくなるんじゃないか?」
・「人は全て機械に決められてしまい、欲を失ってしまうのではないか?」

と、いい面もあるかと思えば、むしろ「悪い面」の方が目についてしまったようです。
予測の技術は沢山ある。天気もその一つであり「リスク」と「予測」の表裏一体なところは、なんとも言えない「ジレンマ」をキッズたちの頭の中に生んだようです。

「予測できる」と考えればある種「選択肢を増やす」ことはできるかもしれません。
また、ありえそうな選択肢と、あえてそれを選ばない人間の選択の力も発揮することができるかもしれません。
しかし、人は「リスクを回避する」ことへと流れがちです。
多くの行動経済学者が同様のことを言っているように、そしてNHKスペシャル、『ネクストワールド』に出てきた主人公が抗い、周囲の人たちがそうなっていたように、人間は「リスクのなるべく低い方法」を取りたいと考え、「自分の安全な利益」を求めるのです。
「予測」は何のためにあるのでしょうか?
最終週となり、あらためて「予測とは何か」に立ち返ることができ、彼らはプレゼンテーションに望むのです。

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TY

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2016年11月28日

『静かなともだち』~ふりかえり~

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:見れば見るほど見えてくる。

[1年生]

プレゼンテーションでは、自分たちで作ったマップという自信をもって語り、聞いている方からは「名前のつけ方が面白い」「名前の意味や分類の仕方がわかりました」との感想をいただくことができました。声が小さかったり、人前で話すことに臆してしまったりと、これまで1年生にとっては、伝えたいことを伝えることの難しさを実感してきているだけに、リフレクションシートに書いてもらえた言葉はうれしいものでした。

何度も公園に足を運び、紅葉前の葉、葉の剪定、紅葉していく葉、落ち葉の増えていく様子に実際に触れていく中で、なぜ紅葉するのかと理由を調べ、栄養が葉で作られ木に送られていることや木から葉へ栄養が送られていることを知ったことは、子どもたちにとって大きな発見であり、植物が物体ではなく生きている生き物だという認識をもつきっかけとなりました。剪定をしている方に「切った方が健康な葉が生え、病気にもなりにくい。」と聞いたときも「木って病気になるの?」と衝撃を受けていました。「葉って髪の毛みたいなものなのかも。」と葉に対するイメージが変わったことも「静かなともだち」に近づける一歩となりました。

単体で葉を見る・触る・嗅ぐ・測るという観点で観察をし、さらに比較という見方が加わったことで、葉脈を細部まで見たり、鋸歯の形に注目したりとさらに細かなところにも目が行き届くようになっていました。見たつもりで見えていない部分がある。「見れば見るほど見えてくるね。」と呟くことも多くありました。
これからもどんどん観察眼を磨いていこう!

AN

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『Problem Ownership』〜ふりかえり〜

タイトル:problem ownership
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:情けは人のためならず

[2年生]

プレゼンテーションでは一人ずつが推敲を重ねた作文を朗読しました。
原稿用紙二枚の中に数週間のゴミ拾い活動を通して見えてきた”プロブレムオーナーシップ”という考え方について、揺れるそれぞれの思いを表現しました。

中野の町のゴミ拾いをし始めた頃はまるで”宝探し”でもしているかのように楽しめたり、近所の方にお礼を言われるのが嬉しかったようですが、清掃局の方の話を伺ったり清掃工場の見学を通して”ゴミ問題の全体像”がぼんやり見えてきたことで自分たちが行っているゴミ拾いに対する考えも変化してきました。

「町がきれいになるのは嬉しいけど、すぐにまたゴミが誰かによって捨てられる。」
「毎日日本中でとてつもなくたくさんのゴミが出て、最終処分場もいずれいっぱいになっちゃうことは町のゴミ拾いだけでは解決できない。」
「ゴミについてどんな問題があるのか知らない人に伝えることもプロブレムオーナーシップだし、ゴミを減らすために自分ができることをやることもプロブレームオーナーシップだ。だからReduce(減らすこと)・Reuse(何度も大事に使う)・Recycle(再利用)をし続けることが大事なんだ。」
「それでもずっと長い間やり続けないとゴミ問題は変わらない。しかもたくさんの人がプロブレムオーナーシップを持たないと50年後には東京のゴミを埋める場所がいっぱいになっちゃう。」

何度も町に出てゴミ拾いを行い、スクールで感じたことや改善点を振り返り、また清掃工場の現場へも足を運んできた中で社会問題の見方や向き合い方(=プロブレムオーナーシップ=当事者意識)が変化してきました。

それぞれの子がプロブレムオーナーシップについて考えていくことで、 ゴミ問題のように大きな社会問題に向き合う際に必要とされるプロブレムオーナーシップと日常生活において大切なプロブレムオーナーシップの違いについて気がつくことができ、思いが揺れていることも作文に書かれていました。
つまりお父さんお母さんに言われるまで動かなかったりする自分、忘れ物をしない工夫を考えて行動していない自分、他人ごとを自分ごととして考えられない自分など日々チャレンジして広げていく必要があるプロブレムオーナーシップです。

子どもたちはこのような日常的に様々な場面で求められるオーナーシップを発揮し続けることが、社会問題のように大きな問題にもつながってくると語っていました。
まさに『 情けは人のためならず』。
社会のために自分ができることをコツコツやっていればそれが巡り巡って世の中を良くし、自分にも返ってくるという発言もありました。
オーナーシップの範囲を『自分と相手』から『自分と社会』へと広げていくきっかけとなったこのテーマ学習。
これからも引き続き、様々な場面でオーナーシップを広げ続け、また実現する力も高めていきます!

YI

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『AIしてる?』〜ふりかえり〜

タイトル:AIしてる?
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:データには未来へのメッセージが宿る。

[5・6年生]


今回のテーマ学習、セントラルアイディアは「データには未来へのメッセージが宿る」でした。
「確率の世界」からまずは「予測」を学び、シンプルで複雑性の高くない「コイン投げ」を題材に「規則性」から考えればコインの表が出る確率は「1/2」であることを実証しようとしました。
実際にはそれがまた違うことがわかり、「大数の法則」にはたくさんのデータが必要であること、そして、現実はそこまで単純化できない、ということを学びました。

そこからさらにより複雑な「天気の予測」から、「メカニズムの世界」を知りました。
「メカニズム」を知ることによって、より尤もらしい予測をすることができる、そんなことを「雨の降る仕組み」「天気図の読み取り方」そして「観天望気」の三つの観点から空を眺めることで雨が降るかどうかを予測することができるようになるのです。

そして、キッズ達は個々人のプロジェクトをもち、それぞれでデータを集め、予測を行う、「データの世界」へと入って行きました。
二次情報のデータを集めること自体があまり経験もなく、インターネットをフル活用してデータベースを探り、「事実」を集め、自分の「観点」によってデータをまとめてゆきました。
最終的には「予測」と「AI」のつながりから「未来の世界は人工知能の予測技術とともにこうなる」というプレゼンテーションとなりました。
今回の学びから、「可能性を数で表してみる」ことで、「人工知能」に左右されない、「自分の未来を切り開く、自分の未来は自分で選択する」そんな力の種となったのではないでしょうか。

TY

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