東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2016年03月 アーカイブ

2016年03月04日

”お弁当”と”給食”から見えるお蔭様

タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている」

[1年生]

今週はいつも給食を作って頂いている救世軍ブース記念病院のカフェテリアへ見学に行ってきました。
お父さんやお母さんが作ってくれているお弁当にたくさん隠れていた”お蔭様”と共通する”お蔭様”があるのでしょうか?
それともまた違う発見があるのでしょうか?
昼食前ということもあって大変忙しそうな厨房ですが、快く見学を受け入れてくださって本当に感謝です。

救世軍のカフェテリア厨房では私たちが作ってもらっているようなお弁当の配達に加えて一般のお客さまもランチタイムにやってきます。
毎日3種類のメニューと麺類やスイーツも提供し、1日に150食は作っているとのお話に早速子どもたちは驚きです。

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「150食の食事を何人で作っているんですか?」
「メインで料理を作っているのは二人です。それ以外に盛りつけたり野菜を切ったり色々な手伝いをする人が2〜3人だからいつも4〜5人で作っているんだよ。」
「え〜!2人で150人分〜!!すごすぎるよ〜!一人で75人分てことでしょ? 」

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「”味”はどんな工夫をしているんですか?」
「だしは全部本物から取っているんだよ。昆布・煮干し・椎茸。煮干しを食べてごらん。おいしいよ!」
「本当だおいしい!!他にはどんなことを大事にしていますか?」
「なんといっても”チームワーク”です。みんな”チームワーク”って分かるかな?野菜を切ったり、味付けしたり、煮たり焼いたり盛りつけたりと色々な手間を交代しながら仕上げていくんだ。その時に考えなきゃいけないのが”手間”と”時間”と”お金”なんだ。”手間”をかけてお客さんに満足してもらいたい。だからどんな”手間”が必要か考える。そして”時間”も大事だよね。お昼にはTCSへの配達もあるし、お客さんも来てくれる。だからどの”手間”にどれだけの”時間”がかかるか計算しながらチームワークでやっていくの。そしてお金も大切。カフェテリアでは定食を600円で出しているから材料にそれ以上のお金をかけられない。同時にお客さんにはできるだけいいものを食べてもらいたい。だから注文にもいろいろと工夫しているんだ。」

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「注文ってどこかに買い物に行くんですか?」
「いやいや業者さんに配達してもらっているんだよ。それもね、お肉や魚や野菜など一つの材料につき2社以上に頼むんだよ。なんでか分かるかな?そうすればどんな時でも注文できないということがないから”安心”だし、金額も1社にお願いするよりは安くなるんだよ。そうすれば他の材料にもう少しお金をかけられるでしょ?」
「それとお客さんへのこだわりとしては”味”と”栄養”と”バラエティー”だね。だしはこの煮干しと昆布と椎茸から取っているんだ。おいしいからね。それと毎食必ず100gの野菜は食べられるように工夫しているんだよ。」

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「すごい!健康のことを考えてくれているから保守だね!!」と興奮して嬉しそうな子どもたち。

「それに毎日3種類の定食を作っているからバラエティーもたくさんあるんだよ。飽きさせない工夫だね。」

「どれくらいのレシピがあるんですか?」
「そうだなー。色々な組み合わせを考えると400くらいのメニューがあるのかな。」
「すごい!!」
このインタビューをさせていただいている間も次から次へとお客さんが入り、みるみる満席になりました。

おいしくてヘルシーだからこそこの人気につながるということが金子さんのお話を聞いていて伝わってきました。

子どもたちもお弁当調査で見えてきたお父さんお母さんへの”お蔭様”と 社会での”お蔭様”の共通点と相違点などが頭の中を巡っているのではないでしょうか。

お忙しい時間帯に貴重な学びの時間を作ってくださったことに改めてお礼をお伝えし、スクールへ戻って振り返りを行いました。

家のお弁当と救世軍の給食を比べてみると、まずお弁当は子どものために作っているのに対し、給食はたくさんのお客さんのために作っています。
そして作る際に、お父さんお母さんは子どもがおいしいなと思って栄養バランスよく食べて欲しいと考えて作ってくれているのに対して給食は”手間・時間・お金”を考えた上で”栄養・味・バラエティー”を大切に作っています。

お父さんやお母さんはよく分かっている子どものために好き嫌いも考えながら飽きさせないメニューとワクワクするような工夫も考えてくれています。
また給食はチームワークでなんと150食もの食事を毎日作り続けて地域の人たちの健康を保守してくれています。

メニューを考える人、注文する人、材料をチェックする人、そして作る人、盛り付ける人、配達してくれる人が一つのチームとなって目標を共有していることなど比較してみることでそれぞれの違いから新たなことに気が付かせていただきました。

子どもたちは配達のお姉さんにもお礼をお伝えして”お蔭様手形シート”作りのために手形を取らせて頂いたり、お蔭様に気付くことができたせめてもの気持ちの伝え方として先日の見学のお礼の手紙を書きました。

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さあ来週はいよいよ5週目。プレゼンテーションを視野に入れてアウトプット製作も並行して手掛けていきます。

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
 

逆の見方から見えてくる?

タイトル: 目からうろこ
探究領域: 自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。

[2年生]

先週までは自分たちはどんなものの見え方をするのか、
眼球と脳はどうつながって、物理的にはどのようにものを見ているのか
そして、
そこから発展させて、さらに自分はどのようなものの見え方・考え方をしているのか、
二つの側面から考えてきました。

今週は「他の人の見え方に立ってみたらどうだろう」ということを考える一週間となりました。

TCSでは、後期に入ってキッズの全員でのフリーがなくなってしまい、1、2年生だけでのフリーの機会が増えました。
世の中にはいろいろな人がいるように、たった6人の2年生をとっても、いろいろな人がいます。

「フリーの時間はみんなで外に行こうよ!」
そんな意見がテーマ学習以外のコマでも話されていたりするなかで、今回は題材に
「晴れた日のフリーの時間はみんなで外に行くべきか?」ということについて、それぞれの意見をシェアしました。

「意見」という熟語を分解すると、
「意」つまり、思うこと、考えることと、
「見」、つまり見ること、ものの見え方
の二つの要素が入っています。

つまり、それぞれの子ども達が「意見」を表明する、ということは、
それぞれのものの見え方、考え方が現れる、ということなのではないでしょうか。

「外に行く」グループは4人
「中に残る」グループは2人
にわかれました。

「外に行く」派の意見は。。
・「せっかく晴れているし行ったほうが得なんじゃないか」
・「部屋の中で走り回るとうるさい!って言われちゃうい」
・「中で静かにしているのはつまらない」
というものでした。
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逆に、「中に残る」派の意見は。。
・「こおり鬼ばっかりなんじゃないの?いつもワンパターン」
・「TCSだったら幾つかのおもちゃを組み合わせて遊びがつくれる」
という意見がでてきました。
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そんな話をしている中で、
「人それぞれで外に行きたいか、中にいたいかって、意見が違うんじゃない?」
という考えも出てきます。

では、次に逆の意見の見方になってみます。
それぞれのチームが今度は、自分の考えているのとは反対の見方になって、意見を述べあいます。
そんな中から、
・「最初は中で遊ぶのがいい、って思ってたけど、外も楽しいかもしれない」
・「中で遊ぶほうが遊びの幅が広いし、暖かいし、すぐ遊べるから時間も無駄にならないんじゃないか」

逆の見方をしていく中で、それぞれに発見がありました。
さらにそこから話はどんどん展開していって、「無意識」の話になりました。

気づかないうちにやっちゃったことある?

・こおり鬼のとき、タッチされたのに止まらなかった、わざとの時もあるし、無意識の時もあるよ
・おきっぱなしやりっぱなしになっちゃうなぁ。
・夢中になって気づかないこともある!
・忘れた!と思ったけどあった、勘違いだったてこともあるな。
・忘れ物が心配になって確認しちゃう。見ちゃう。

そんな中から、「無意識」ってどういうことかな?簡単にまとめるとどうだろう?という話から、
・「自分で気づいてないのになってしまう。見えていない。」ってことなんじゃないかな。
・「それしか考えられなくなっちゃう」ってことがあるよ。

「意識」と「無意識」の間で、
「見えているところ」と「見えていないところ」の違いを考えてゆきました。

来週からは、自分のものの見え方・考え方マップを作ります。
どんな時に自分のどんなものの見え方が出たのか、考え方が現れたのか、振り返ります。

子ども達はどのように自分のものの見え方、考え方を捉えているのでしょうか。

TY

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自分ってどんな人?

タイトル:To Be or Not To Be
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「意思決定とは行動を約束することである。」

[3・4年生]

今週は、自分の行動を分析した上で、
自分ってどんな人なのかを自他両者の目から見ていきました。

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「ぼくは、かっこよさが判断基準になっていることが多かった。」
「それって見た目がいいってこと?」
「そんなことないよ。」
「なぜ、かっこいいのがそんなにいいって思うのかな。」
「よくわからない。」
「泣いているところも、かっこいい感じがする。」
「それは、意識してないけど。」と苦笑い。

「あのさー、◯◯って女子には優しいよね。」
「お父さんから女子には優しくってよく言われてる。」
「自分では、怒れないことがよくないかなと思っているけど、
お父さんには怒るのも大事だけど、君はそのままでいいんじゃないっていわれた。」

会話の中から、一人では思い出せないことが浮かび上がってきます。
「あ。お父さんが書いたぼくの目標にかっこよくなりなさいって書いてある!」

かっこよくなりたいと思う気持ちの背景には、
お父さんからのメッセージがあったようです。
お父さんの言うとおりにしてみようと行動している。
先週には出てこなかった側面が、会話の中から生まれてきます。

別の男の子からも、自分とつなげて思い出されたことが語られていきます。
「女子とケンカした話をしたら、お父さんにすごく怒られた。
 女子には優しく。自分の年上に挑め。年下は絶対にいじめるなって言われた。
 お父さんに言われたとおりにすれば、よくなっていける気がする。」

「Tくんも女子には優しいよね。」ほかの子にも目が向けられます。
「だって、幼稚園のとき、みんなが女子に優しくしてたから。
 そうした方がいいのかなって思って同じようにしてた。
 みんなそうしてるし、パパも言っているから、それがいいのかなって思ってる。
 でも、みんなが女子をいじめていたら、ぼくもいじめると思うよ。」

“みんな”の基準が変われば自分の判断も変わる。
自分の意思ではなく、世の中や世間といったその社会でできている規範に従って動くことも、 自分の判断基準のひとつになります。
『半パン・デイズ』の中にも、ヒロシが「世の中」と捉えた判断基準が出てきます。
そして、「女の子には優しく」と言われる場面も出てきています。

みんながしているから自分もする。それが普通だから。
でも、その“普通”が通用する範囲は意外に狭いものである場合もあります。

「お腹が痛かったけど、痛くないときもあるし、
スクールには行くのが普通だから、休まずに来た。」

学校に行くことが普通で当たり前。これは誰にでも当てはまることなのか。
3・4年生なりにそうでないことはわかっています。自分たちの生活が当たり前ではないことは、前回のテーマでも出てきた話であり、エネルギー資源のデータからも見えてきたことでした。

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自分ってどんな人なのか。この子はどんな子なのか。
自分のいいところが思い浮かばず、ほかの子から言ってもらったり、
よくないところを出していく中で、新たな判断基準が見えてきたり、
自分が意識していないことが浮き彫りになっていきます。

特に嘘や隠し事は習慣になってしまうと、意識が薄くなってしまうもの。
「みんなが頷いているから、自分は知らないのに頷いた。」
「みんなが持っているから、自分は持ってないのに、
 いっぱい持ってるって言っちゃった。」

みんなと違うから、本当の自分を隠そうとして嘘をつく。
誰かが本音を言うと、ほかのみんなも言えるようになっていく。
自分とみんなが違うことが「当たり前」であることに気づくと、
判断基準は「人」から「自分」へと変わっていきます。
規範や共通するルールはあっても、一人ひとりがもつ判断基準は異なります。

自分の強みを活かし、弱みを改善していくためには、
どう判断基準を変えていけばいいのか。
親とも友達とも違う「自分」を見つめていきます。

AN

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私たちは脅かされているか

タイトル:Borderless World
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「人権は自由、正義及び平和の基礎である。」

[5年生]

逮捕されたらろくに取り調べもされず、何日も監禁され、拷問されるのが当たり前。まともな裁判すら受けられない。そんな国があります。また、「難民」として、自分たちの生まれ故郷を離れ、他国に脱出しなければならない国もあります。脱出したところで、「難民」は厄介もの扱いで、まともな待遇を受けられません。世界は、まったく世界人権宣言の理想に近づいていない……情けない気持ち、怒りの気持ちが静かにわいてきます。

しかし、それは対岸の火事、ニュースで知る海外の出来事と言い切れるのか……私たちの住む日本では、人権は脅かされていないのか……

今週の探究は、自分たちの人権はこれからも守られるのか?ということでした。

子どもたちに、今、日本で脅かされそうな「人権」を世界人権宣言の中からピックアップするとどうなるかと問いを投げかけました。すると、多くの子どもが危うい!としたのが、世界人権宣言19条だった。

「すべて人は、意見及び表現の自由に対する権利を有する。この権利は、干渉を受けることなく自己の意見をもつ自由並びにあらゆる手段により、また、国境を越えると否とにかかわりなく、情報及び思想を求め、受け、及び伝える自由を含む」

国会で総務大臣が「電波を止める可能性」を示唆する発言をしたことが大きく報道されていたり、政府に批判的な見方をするキャスターが軒並み交代したりということを子どもたちが知っていたことが大きかったのでしょう。

「都合の悪いことは知らせないよね」
「もし、それを知ったとしたらそれを言わせないようにするんじゃない」

権力者の手口は、子どもにも簡単にお見通しです。福島の原発事故についてもあまりよく伝わってきませんし、権力者をしばるためにある「憲法」に手を加えようとしていることについても、なんとなく密やかに進めようとしています。

「これってヒットラーの手口と似てるんだって」

ある子が、そんな意見を述べている人のコラムを見つけてきました。決して、恐怖で縛りつけるのではなく、なんとなくいいことも伝えながら、知らず知らず真綿で首をしめるように追いこんでゆくのがヒットラーの手口。現政権もそんな感じで私たちに迫ってきているのでしょう。そうなると、ますます、私たちがしっかり物事を見つめないといけません。

「ぼくたちがどんなことを考えているか、それを盗み見されない。プライバシーの権利もある」
「みんなで力を合わせるためにグループをつくったり、集会したりする権利も守られていないと権力者に対抗できないよね」

19条から派生して、12条・プライバシーの権利、18条・思想・信条の自由、結社の自由も危ぶまれているのではないかという考えが出てきました。

「そうなると、やっぱり憲法改正っていうのがやっぱりいちばん問題かもね」

私たちの基本的人権を守ってくれているのは憲法です。どの法律よりも強い効力を持って、私たちの権利を守ってくれるよりどころです。それが改正されるとき、どこを改正されるのかをしっかり見極めないといけません。

「9条の改正っていうけど、もっと恐い改正が97条の削除だよ」

デジタルネイティヴの検索能力は侮れません。こんな重大な情報をも見事につかまえます。

日本国憲法第97条とは

「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」

という極めて重大なもの。それが自民党の改正憲法案では丸々削除されているのです。

「ひどい……ぼくらの基本的人権よりも国家の都合なんだな」

もし、この改正がなされれば、いちばんの被害者となるのは、今の子どもたちです。大人になって悲劇に直面するのはこの子たちなのです。

「ひどいよな……」

本気で子どもたちはがっかりしています。私たち大人は、このなな子どもたちに負の遺産を残してよいのか。ろくなことをせず、子どもに迷惑をかけ、妨害し、害ばかり与えている大人たちの姿が浮かび上がります。なんて悲しいことでしょう。

「危ういね……」

ぼそりと出た子どものつぶやきは、くやしさと残念さが込められていました。もはや、知識の学びではありません。生き方を問われる学び、そして自分がどうもできないうちに決められてゆく理不尽さの学び。子どもにこんな学びを強いていることを、恥じる気持ちがあふれてきました。

authentic な探究の学びは本当に苦しい。きれいごとでは済まない、きつい学びです。大人の都合を子どもに見透かされながら、あきらめたり、やけになったりせず、前向きに考えなければならない。そんな本気の追究の日々が続きます。

RI

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2016年03月10日

プレゼンテーション3/19(土)

TCSプレゼンテーションのご案内

東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動を行っていきます。
※テーマごとの6週間の学びの様子は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。

テーマ学習の成果を発表するプレゼンテーションでは、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。 (ご希望の方は、下記要領にてお申込みください。)

TCSの子どもたちが、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか、ぜひ直接その様子を見に来てください。

               記

【日時】 2016年3月19日(土) 9: 20~11:50頃 

【場所】 東京コミュニティスクール 校舎
     (東京都中野区中野1-62-10)地図
     ※JR・東京メトロ「中野駅南口」より徒歩9分     
     ※車・自転車でのご来校はご遠慮ください。
【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール(担当:永易・若林)
 TEL:  03-5989-1869
 e-mail: school#tokyocs.org
 ※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、件名を「プレゼンテーション見学希望」とし、
   以下の事項をお知らせください。

     1.見学希望日
     2.見学希望者氏名(すべて記入ください)
     3.お子さんの現学年(保護者の方)
     4.e-mailアドレス
     5.電話番号(日中最も連絡のとりやすい番号)
     6.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     7.質問事項等(あれば)

2016年03月11日

お弁当と給食の”お蔭様”の特徴

タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている」

[1年生]

いよいよ今週からはプレゼンテーションに向けたアウトプットの製作も手掛けていきます。
今回のアウトプットは、お弁当と給食の”お蔭様”を”保守”・”運動”・”創造”に分類していった『お蔭様手形MAP』です。
お弁当作りと給食作りで発見したたくさんの動作を一つ一つ手形に書き込み、それを”保守”・”運動”・”創造”に分け、一覧できるような一つの大きなMAPにしていきます。
一覧できることでより共通点と相違点がハッキリとしてくるのではないでしょうか。

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「保守はだれかのためになにかを保っていたり、守っていたりしてくれるからハートみたいにピンクの模造紙が合うと思うな!」
「創造は黄色って感じ!」
「じゃあ運動は茶色ね。いいよ!」

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「お弁当の”保守”と”運動”と”創造”の真ん中にはお父さんお母さんの”思い”があるでしょ。だってその思いがあるからこんなに色んなことをお弁当作りでやってくれてるんだもん。」
「どうやって書こうか〜?」
「そうだ!その思いが”やさしい力”になってお弁当ができていくから、”やさしい力”って大きく書いて、その周りに”思い”の手形を貼っていこうよ!」

”やさしい力”の手形には《おいしいなと思って食べてもらえるように色々なおかずを入れるようにしている》という思いや、《残さず食べてもらいたいなと思って好きなおかずを入れている》という思い、《栄養と味のバランスを考えてやさしくていねいに作っている》という思いなど子どもたちの顔を思い浮かべて作ってくれた”やさしい力”が表れています。

一方で給食のMAPの中心には救世軍の給食作りで大切にしていることを書き込んでいきました。

「”栄養”・”味”・”バラエティー”はお客さんを喜ばせる工夫だから大事だよ。」
「それと”手間”・”時間”・”お金”も大事なキーワードなんじゃない?お客さんがいるからこの3つを守ってるんだもんね。すごいよね〜!TCSにも一度もお昼に遅れたことないよねぇ。」
「それをやれるのも”チームワーク”が一番大切って金子さん言ってたよね。”チームワーク”も書こうよ。」
話し合いながらオリジナルのMAPがだんだんできてきました。

こうして学んだことをアウトプットしていくことで具体的な事象を抽象化して特徴を考えたり、比較することで違いや共通点を認識したりする過程を経て理解が深まり自分の言葉で語れるようになってくるものです。

第三者に伝わるためにはどう工夫すればいいかという視点を持って考え続けていくことも理解を深めてくれます。

大変ではありますがこの5・6週目の粘りがテーマ学習の醍醐味と言えるのでしょう。さあ来週はいよいよ6週目。ラストスパートです!

YI

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ものの見え方・考え方MAP

タイトル: 目からうろこ
探究領域: 自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。

[2年生]

今週は自分のものの見え方・考え方のMAPを作ってゆきます。
「自分のものの見え方・考え方とはなんだろう?」
と漠然に考えてもなかなか出るものではありません。

無意識になっているからこそ、意識的になる価値がある。
そんなところに迫る探究が今回の「目からうろこ」です。

「自分はこんなものの見え方・考え方をしていたのか!」という発見をしてゆくためには、

「文脈」が必要となります。

先週までは「相手の見え方になってみる」ということをディベートを通して考えましたが、「晴れた日にフリーの時間を考える時」という「文脈」がありました。
つまり、「どんな時に」「どんなものの見え方、考え方をしたのか」を考えてゆきます。

・スクールでの学びの時「しないように・するように注意していること」
・通学時「しないように・するように注意・意識していること」
・家で暇にしているとき「考えちゃうこと」
・姉と喧嘩したとき、「思ったこと・やっちゃったこと」

事例を、元にして自分がどんなものの見え方、考え方をするのかをあぶり出してゆきます。

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アイディアを出した後は、それらの具体的な事例一つ一つを比較し、「近いもの」「遠いもの」でマッピングしてゆき、どのような「ものの見え方・考え方」をしているのか抽象化してゆきます。

「気をつける系」と初めにカテゴリーを定めてしまうのではなく、一つ一つの、個体の集合から全体を作り上げていく、そんなマッピングのしかたから自分の今まで見えていなかったものの見え方、考え方があぶり出されてゆきます。

グルーピングをした後はそのグループに名前をつけてゆきます。
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・「どんな名前がいいかな〜」
・「これはこういうことだろう」

それぞれが名前をつけてゆき、最終的にはそのグループどうしをくっつけ、さらに中グループを作ります。
そのなかで、自分は「こんなものの見え方・考え方」をしているんだ、ということに気づいてゆきます。自分と対話し自分にはどんな見え方があるのか、振り返ってゆくことで、見えていないところが自然に「ものの見え方・考え方MAP」に現れてくるのです。

来週はついに最終週です!自分のものの見え方・考え方を「広げる」ための口癖を考えてゆきます。自分に言い聞かせる「合言葉」としての「口癖」、どんな言葉が登場するのでしょうか?

TY

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人それぞれの判断基準

タイトル:To Be or Not To Be
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「意思決定とは行動を約束することである。」

[3・4年生]

先週は、自分ってどんな人なのか、自分の強みと弱みについて分析をしていきました。
いよいよテーマ学習終盤に入ります。
今週と来週で、なりたい自分に向けての「自分宣言」を考えていきます。
なりたい自分のする行動と今の自分の行動とのギャップを捉え、
それを埋めるためにはどうしたらいいかを考えていきます。

これまで、自分の行動を振り返る際、状況・意思決定・理由を考えていきました。
その中で、特に悔いの残ってしまった行動に着目し、同じような後悔をしないためには、
どう行動したらいいか、どんなふうに行動していきたいかを考え、
何を優先して考えていけばいいのかという判断基準も含め、
様々な場面ごとにシートに記録して、なりたい自分の特徴を見つけ出していきました。

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「何かをしない」と我慢する行動では、判断基準は変わっていないことになります。
「ついついみんなに怒ってしまう。怒らないようにしたい。」と思っても、
何がしたいのかが語られていません。怒ることをしないなら、何をするのか。
どういう行動をする人になりたいのかを考えるのは、
これまでの価値観を変えることになるため、そう簡単には考えつきません。

そこで、2つのことを参考にすることにしました。
ひとつは、これまでも読んできた『半パン・デイズ』のヒロシの行動。
一緒に読み進めていく中で、ヒロシのおかれた状況、行動から見える意思決定や
その裏にある判断基準を共有していきます。

集団下校班の長である6年生のヒロシが一人の下級生の横暴を注意できずに悩みます。
なぜなら、その子は足に障害をもっていてヒロシは「かわいそう」だと思ってしまっているから。
しかし、その判断基準が、差別にすぎないことに気がついたとき、
その子に自分の気持ちをぶつけることができるようになっていきます。
どうするかという行動の前に、どう考えるかという判断や意思が
重要になることが浮き彫りになっていきます。

もうひとつ参考にしたことは、子どもたちには内緒で進めていた企画でもありました。
自分の親の書いた「私の判断基準」と題した手紙を読むことです。
保護者の方に、これまで生きてきた上での体験をもとに、
ご自身の判断基準を子どもたちに向けて書いてほしいとお願いをしていました。
自分の身近な存在であり、多くの経験をしてきた大人から、
どんな判断基準のもとでどんな意思決定をしてきたかを語ってもらい、
それを知ることで、勇気づけられたり、考えるヒントになったりすると考え、
子どもたちと同じように、数週間ご自身について振り返っていただいていたのです。

自分の本心を表に出していくことは結構大変なことです。
私自身も子どもたちと同様、自分について振り返り語ってきた中で、
その難しさを感じてきました。
テーマ学習にひたむきに挑む子どもたちの前向きさもすごいですが、
保護者の方の手紙もまた真剣さが伝わるものであり、
子どもたちにとって宝物となるものでした。

親からの思いがけない手紙はうれしいもの。
しかも、初めて知ることが書かれていて、判断に迷いながらも自分の行動には
責任をもっていることが伝わってきます。
お互いに見せ合ったり、蛍光ペンでラインを引いたりして読んでいます。
中には、自分の幸せや安全のためを最優先にして行動していたことを
初めて知って涙する子も。

両親、友達のお父さん、お母さん、一人ひとりの大切にしている判断基準は、
それぞれが異なるものでした。
人のために優先することもあれば、自分のためになるかを考えることもある。
自分が気持ちいいかをいちばんに考えないと自分を嫌いになってしまう。
自分の悪いところを直そうとすると自分のよいところもなくなってしまう。
自分を好きにならないと人も好きになれない。
こうした生の声は、子どもたちの思考の助けになっていきました。

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「怒るって悪いことだけじゃないよね。それだけパワーがあるってことだよね。」
「人への注意で怒るのをやめたら、リーダーシップできるよさはなくなっちゃう。」
機嫌を悪くすることが問題点だということが見えてきて、
「怒るのをやめる人」から「落ち込んだときには前を向く人」という
なりたい自分が見えてきました。

どう判断するかは自分次第。これが正解という判断基準があるわけではありません。
自分がいいと思った判断ができる人になっていくためにも、
「自分宣言」はじっくり考えていきたいところです。

今週末に私はこういう人になります!という自分宣言の第一弾を考え、
来週の1週間で磨いていきます。どんな宣言へとなっていくのでしょうか。

AN

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私たちの人権宣言

タイトル:Borderless World
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「人権は自由、正義及び平和の基礎である。」

[5年生]

テーマ学習「治の力」のときに、憲法が私たちの民主政治の礎にあることを学びました。人が支配するのではなく法の支配に委ねるのが立憲主義の基本です。人が守るべき大原則を、人の上におき、権力を行使できる立場にある者が権力を濫用できないように見張るのが「憲法」の存在意義です。だからこそ、なんだかんだもったいをつけて権力側は「憲法」をないがしろにすることを狙うのです。

憲法を変えないで解釈でもなんとかなるぞ!
もし、それに文句があるなら憲法を変えさせろよ!

こんな狡猾な政治を許していいのか……明らかにおかしい政府のスタンス。にもかかわらず、権力者にすりより、力を発揮しないテレビ、新聞などのマスコミ。

でも、メディアのレベルは市民のレベルと言われます。私たちがしっかりしないとメディアもしっかりしません。大人がどうだ……世の中がどうだ……と言っているだけでは何も始まりません。まずはぼくたちから動き出そう!

ということで、私たちの人権宣言を考えます。

これまで話し合い、調べてきた結果、私たちが高らかに宣言したい!としぼったのは、

・権力者を見張るために権力者と反対する意見を表明できる
・私たちは秘密を持つ権利がある。勝手に個人の趣味をのぞきみるようなことは許さないというプライバシーの権利
・死刑ははたして犯罪を抑止するか
・法律は憲法に従うもので、好き勝手に政府の都合に合わせて変えることはできない
・偏見や差別によって犯罪捜査が影響されてはならない
・住むところを行政や政府の都合によって立ち退き命令は出せない

という領域。これらの領域について、さらに調べを進め、考えをまとめます。

みんな一生懸命調べます。そして調べて事実が明らかになると「熱く」語り出します。

「おっちゃんひどいよ!こんなことがあるなんて」

語る前の「枕詞」です。

中にはテレビのニュースでなんとなく聴いたものもまじっていますが、自分の身近なところで「人権」に違反する事件が起き、「人権」を脅かそうとする事態が進行しているのです。

特にみんながあぜんとしたのは「緊急事態条項」を政府が押し進めようとしていることでした。国を揺るがすような事態、国民が危機に陥りそうな事態が生じたときは、政府が法律を超えて決定ができる!というものだ。彼らの論理からすれば、
「東日本大震災のときを思い出してください。あのとき政府が迅速に動けなかったのはさまざまな法律に縛られたからですよ。もし、緊急事態ということで柔軟に動けたら、被害を減らせたかもしれません。私たちを信じてください。悪い使い方はしませんから!」

ということでしょう。でも、この法律を悪用して緊急事態だから俺の言う事をきけ!と好き勝手に権力を濫用する者に歯止めがかけられません。なんとも危険で際どい法律なのです。とにかく、憲法をないがしろにするような法律を設けた後に、悲惨な歴史をたどったことを過去は示しています。二度と同じことはしません!われわれは学びました!と口では言うものの、いまだ人類の歴史において、過去に学んで未来を変えた例はないのです。

一方、NIMBY Not In My Back Yard のように、みんなに必要な大事なものだけれど、自分がなんとなく「気持ち悪い」と感じるものは近くにあっては困るという問題もあります。ゴミ処理場をどこにつくるかというような問題で必ず直面します。原発はいらない。反原発だというけれど、核の処分場をどこにつくるかとなったら誰かに押しつけないといけない。そこで必ず誰かの人権がないがしろにされる危険性があるのです。

政府によって人権が脅かされる問題、みんなにとって必要な負担を誰かにだけ押しつけてしまう問題、そして、もうひとつ忘れてはならないのは、恵まれない人をどう支えてゆくかという問題です。個人の努力だけではどうにもならない格差があるとともに、生活保護をもらいながらパチンコ三昧の人もいます。基本的に「性善説」で想定されている権利を悪用する人が出てくる時点で、人権の制限が始まります。

それにしても、この子たちは、どうしてこんなにも積極的に、わがこととして「人権」について考えているのでしょう。時代の雰囲気を、子どもの純粋な感性が感じとっているのかもしれません。ぼくたちの「人権」を守ろうと意識しないと危ういぞと……。

さあ、残り1週間。悩んで、考えて、知って、調べて、思いついた「われらの人権宣言」をまとめ、発表用模造紙をつくります。

RI

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2016年03月18日

2015年度春休み課題

【課題図書】

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自分にはどんな”お蔭様”ができるのだろう?

タイトル:おかげさま
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「私たちはみんなのおかげで生きている」

[1年生]

今週末に迫ったプレゼンテーションに向けてラストスパートをかけていきます。
アウトプットである”お蔭様MAP”に磨きをかけつつ、今まで学んだことを第三者に伝えるにはどうすればいいか考えていきました。

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「なぜ”お蔭様”を”保守”・”運動”・”創造”に分けたんだろう?どんな良さがあったかな?」
「モヤモヤが分かりやすくなった。」
「それってどういうこと?」
「例えば”保守”だったら、野菜を一口の大きさに切っているのはぼくが食べやすいように口の大きさに合わせてきってくれているから”保守”だし、焼いた卵を最後にクルクル巻いたのはそれをそのまま食べるんじゃなくて卵焼きを創りだしているから”創造”だとか。」
「なんのためにやってくれていたことか分かりやすくなったってことかな?」
「そういうこと!」

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「お蔭様ってぼくたちはどういう意味で捉えているのかな?」と私。
「蔭は人目に届かないところっていう意味だから、気づかないところでこんなことしてくれててありがとう!っていう意味で、だから”お”+”蔭”+”様”になって、”お”と”様”っていう二つの丁寧語がくっついているんじゃないかな?」

一つ一つの認識を改めて言葉にしていくことで自分たちの仮説がはっきりとしていきます。

「”保守”・”運動”・”創造”ってお弁当と給食以外にはあてはまらないのかな?他の世の中の仕事をこの3つに当てはめることってできるかな? 」
「はい!できると思う!たとえば学校の先生。”運動”は子どもたちに何かを教えるときに体動かすでしょ?”保守”は子どもたちが色々なことを分かるようにって授業考えたり、怪我しないようにって守ってたりすること、”創造”はテーマ学習とか色々な授業を考える!」

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「あ!私はタクシーの運転手でできそう!”保守”は車をいつもきれいで気持ち良く保ってるでしょ。”運動”は運転するときにハンドル回したり体を動かすこと、あと”創造”は色んな道からお客さんの行きたいところにどう行くか選んでる時に創造してるんじゃないかな?急いでるから高速道路にするみたいに。」

子どもたちは”保守”・”運動”・”創造”のフレームワークで社会を見てみることに大分慣れてきたようです。

こうして考えてみることで様々な仕事が何のために、どんな考えや思いで行われていたのか今まで気づいていなかったことがどんどん見え始めてきたようです。

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またプレゼンテーションでは自分たちがさまざまな人やものの”お蔭様”で生きていることに気づいておしまいにするのではなく、自分たちが誰かにとっても”お蔭様”になることもできるのではないだろうかという思いで、自分にできるお蔭様についてもスピーチすることになりました。

それぞれに自分ができること、そしてそれがどのように誰かのためになるのか考えていきました。

さあ本番のプレゼンテ−ションデイではどのようなことを語ってくれるのでしょうか?乞うご期待です。

YI

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「おかげさま」〜ふりかえり〜



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この6週間”お蔭様”について考え続けてきた1年生たち。
まずは身の回りには”お蔭様”がたくさんあったということを知るために元気な体を作ってくれている”お弁当”と”給食”についてどんな仕事をしてくれているのか調べ、発見したことを”保守”・”運動”・”創造”というフレームワークに分類してみました。

そうすることで見えてきたお父さんやお母さんによる”お弁当作り”と救世軍による”給食”作りの特徴と違い。
それは一人の人のために一人の人が作ってくれた食事とたくさんの人のために何人もの人がチームワークで作ってくれた食事の違いとも言えます。

その比較から浮かび上がってきた特徴や工夫のどれもが実は食べる人のことを様々な面で気づかってくれているとてもありがたいものでした。

その働きの中心には食べる人のことを想ってくれる”やさしい力”があったんだと子どもたちは生き生きと自分たちが感じたことをお手製のアウトプットと共にプレゼンしてくれました。

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「私は音楽で人を楽しませたいし元気づけたい。だからギターをこれからもやめるもんか〜って思っています。」



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「私は今まであまり食事について考えたことなかったけど、こんなにたくさんのことをしてくれてできてたことを知って、残さないようにしようと思ったし食べるスピードも速くなりました。」

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「私は料理を続けて、お母さんの手助けをしたり新しい料理も練習していつかフェスティバルでもみんなに食べてもらいたい。」

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「ぼくは人のいいところを見つけるのが得意だから、それを人に伝えていきます。そうすれば元気ややる気が出るはずだから。」

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「ぼくは大好きな造形をいろんな人とやって作る楽しさを広めたい。自分で造ったもので遊ぶのも最高。思い出も愛情もたっぷり。」

子どもたちはプレゼン後のリフレクションでは「知らない人たちも”蔭”で気づかないところで自分の役に立つことをやってくれているのが”お蔭様”だからぼくたちもだれかの”お蔭様”になっているかもしれないよ。」と話していました。

『自分も誰かの”お蔭様”の一部になれるかもしれない』、そんな思いを持つことができれば私たちが見ている社会は大分見え方が変わってきますね。


YI

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自分に言い聞かせることば

タイトル: 目からうろこ
探究領域: 自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。

[2年生]

先週からずっと「ものの見え方・考え方MAP」を作りこんでいるキッズたち。
今週はここで出てきた自分のものの見え方、考え方をどのようにすれば「広げる」ことができるか、そのための「口癖」を考えます。

そもそも自分の考え方・見え方を「広げる」とはどういうことなのでしょうか。
一人で自分のものの見え方、考え方を広げることはできるのでしょうか?
テーマ「目からうろこ」の序盤では「目はどのようにものを見ているのか」について知ったり、体感しました。その中で「盲点」や「錯視」というキーワードが出てきました。

人間には、自分の「見えないところ」や「見ていても歪んで見えているところ」があります。
そして、より抽象的に自分のものの見え方・考え方には度々「盲点」があったり、「錯視」が起こってしまいます。

そんなことを理解しているだけでも、他の人のものの見え方、考え方を「取り入れよう」という意識は高まってゆきます。

まず、週末のホームワークで考えてきたファーストバージョンをみんなの前でまず披露します。

それぞれがまず、ものの見え方・考え方をピックアップしその見え方を広げるための「口癖」を披露します。

・「わからないところ、質問したいところ」
・「自分だったらこんな見方をする」
・「こんな見方・考え方もあるんじゃないか」

そんなことをフィードバックしてゆきながら、自分の見え方を広げる「ことば」を磨いてゆきます。

自分の頭の中からたくさんのアイディアを出しながら「ことば」を磨いてゆくには必然的に時間がかかってしまいます。
そんな時間のかかるプロセスをギリギリまでじっくりとおこないます。

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つくっては壊し、考えては崩し、「試行錯誤」を行い続けてことばを磨いてゆきます。
なかなか大変でもあり楽しくもあるプロセスにひたすら取り組んでゆきます。

今週末はプレゼンテーションです!自分のものの見え方・考え方MAPを披露し、その見え方を広げるための「口癖」を発表します。
自分の見え方・考え方が固まっちゃったな、広がらないな、というときにふと立ち止まって使える「ことば」にはどのようなものがあるのでしょうか!楽しみです。

TY

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「目からうろこ」〜ふりかえり〜

タイトル: 目からうろこ
探究領域: 自主自律
セントラルアイディア:私たちはみな、違う世界が見えている。

[2年生]

今年度最後のテーマ「目からうろこ」では、自分に語りかける「ことば」を考えてきました。
真剣に自分を振り返ることは「楽しく」もあり、「辛く」もあることです。
プレゼンテーションの最後に質疑応答がありました、その時に「今回のテーマで最も印象に残った、楽しいと思ったことは?」という質問について、真っ先に皆手が上がり、「錯視」のことや「いろいろなアイディアを出した」ことを取り上げていました。

ものの見え方・考え方を今回のてまで完全に知ることができたとは言い難いかもしれませんが、その片鱗に触れることはできたのかもしれません。

ものの見え方・考え方は「状況」にしたがって変化してしまいます。
「こんな考え方をしやすいな・・・」ということに意識的になることによって、自分をふと「思いとどまらせ」たり、「もっともっと後押し」したり、そんな「ことば」を今回考えました。
これから三年生になっていく彼らは、テーマ学習でさらに「メタに振り返る」ことが必要とされます。

「本当に自分はこんなことをしていていいいんだろうか」
「違ったものの見え方、考え方はできないだろうか」

そんな「抽象的な考え方をする」ためには、成長するにしたがって、自分の考え方の「枠」や「思い込み」に客観的になる力がついてゆくことでもあります。
子どもたちのまずは「いろいろ書き出してみる」「やってみる」という力がテーマ学習の端々で現れました。実はその「最初の一手がなかなかでない」ということがTCS全体の課題であったのですが、そういった状況になれば、人はそのように振る舞うことができるのだ、ということがよくわかる例となりました。
自分の考えをとりあえず書き出してみる、そしてとりあえず書き出してみるだけで終わるのではなく、その後いろいろ考えてみる、そんな二つのことをやっていく力がある中で、今後は「習慣」にすることとその力を伸ばしてゆくことが大切です。

TCSのテーマ学習はすべて「終わりが始まり」です。テーマ学習だけで「ものの見え方、考え方」が完全にわかったとも、変えられるとも限りません。テーマ「目からうろこ」で発見した自分のものの見え方・考え方を広げるためには?、「メタ認知」の芽生えをどのようにいかしてゆくのか?自分に「客観的になる」にはどうすればよいか?
「もやもや」といろいろ考え続け、学び続けてゆきます。

TY

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自分宣言!

タイトル:To Be or Not To Be
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「意思決定とは行動を約束することである。」

[3・4年生]

いよいよ今週末はプレゼンテーションディになります。
週末に考えてきた自分宣言を磨いていきます。

ポイントになることは、
自分の強みを活かし、弱みを克服していける内容かどうか、
何かをしない人ではなく、何かをする人になっているかどうか、
言葉が大きくなりすぎず、現実離れしていないかどうか、
そして、簡単にはできない挑戦になっているかどうかです。

「すごいって人になりたい。
 でも、“リーダーシップをとれる人になります。”じゃないんだよねー。」
なにかが違うと悩んでいます。

「リーダーって前に出てみんなをひっぱる感じがしちゃうけど、私がなりたいのは
Communicatorsで、みんなの意見を聞いて、それをまとめて自分の意見をいっていきたい。」

話を聞いていると、自分は先読みできることが強みだけれども、
説明が下手だから話さない方がいいと悪い先読みをしてしまい、
自分の意見を出せなくなってしまうことが弱みだといいます。

目先にとらわれずに何が大事かを考えられるよさがあるのならば、
それを信じて、まずは自分から意見を出す挑戦をしてみるのもいいのではというと、
「うーん、考えてみる。」と席にもどっていきます。

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自分はすぐに怒ってしまう。度がすぎて暴力を振るってしまうことも。
克服したい部分を宣言に盛り込みます。
「人をかまない人になります」

かまないなら、何をする人になるの?と聞くと、
「怒らない人」と返って来ました。具体的なイメージは持っていないようです。
なぜ怒るの?と聞くと、「ママに怒られるとムカついて、すぐ怒る。」とのこと。
「ママに怒られない人になります」とも考えてきていました。

そんなママからは先週手紙をもらっています。
本人がどんな判断基準で行動しているか、もう一度、手紙を読み返してみると、
人のためになることと自分のためになることを優先して考えていることが書かれています。
ママが自分に怒るのは自分のためを思ってのことであり、
ママ本人の気持ちも大切にしていることではないかと手紙を見ながら
受け入れていっている模様。

怒るのは、それだけ熱いエネルギーがあるということ。
怒ることを使ってみるのもひとつです。
自分に怒ったことってあるの?と聞くと「ない」と言います。
いつも他者の行動に目が向いてしまっているようです。
怒られないようにするのではなく、自分の行動を自分で振り返る人になると考えれば、
宣言につながっていきそうです。

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自分の判断基準はかっこいいかどうかが多い。
興味があることには、かっこよさやもっと上手くなることを目指していけるのに、
関心が向かないとすぐに諦めてしまう。
自分のやりたいことじゃないと、すねてしまうこともある。
どんなことにも興味が持てればいいんだけれど・・・。

最初に考えてきた宣言は、
「自分の意見が採用されない時、すねてしまう自分を相手の意見に乗っていけるような人になる。」
というものでした。

「いけるような人」とボンヤリ書いているのには、本人なりの苦悩がありました。
人の意見を聞きすぎて、自分の意見に自信がもてなくなってしまうと言います。
そう、克服していきたいのは、自分の意見を押し通すことではなく、
興味の向く方向に偏りがあり、それ以外を見ようとしないところ。

興味があるときにはどんなふうに考えていけるのか、
自分が好きなことをやるときの考え方を振り返ってみました。
「どうすればもっとよくなるかを考えて、現状を振り返り改善点を見つけ出せる。
 練習して努力することもできる。でも、興味がないと、これでいいやと終わらせちゃう。
 これって、学びの軌跡にも書かれてた。」

わかっていても実行できていないのは、表面的に聞こえているだけで、
自分の心の中にまでは響いていないからなのかもしれません。
自分に自分で言い聞かせる。自分との約束を考える。これもまた自分宣言の特徴です。

しばらくして、
「“betterを出せる人になります”これなら、チャレンジしていけると思う!」と言ってきました。

何度も練り直し、自分はどうなりたいのかを考え、
どうすればいいのか具体的な方法も考えていきました。

人に言われたからやるのではなく、自分でやることを決め、
自分でやっていこうと奮起するための宣言を決定するときがやってきました。

あとは、大勢の人の前で、思いっきり宣言するのみです。fight!!

AN

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自由で幸せに生きるための人権

タイトル:Borderless World
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「人権は自由、正義及び平和の基礎である。」

[5年生]

模造紙一枚にまとめてみて感じることは……とたずねてみると、2つのことを子どもたちは答えました。ひとつは、「人権」を侵害されることは自分の身にもふりかかる可能性があること。もうひとつは、自分だけでなく他者の「人権」を守ろうと意識して行動すれば、それが平和への近道ではないかということでした。

「逮捕されるって悪いことしたからとは限らないんだね」

警察に捕まるのは、悪いことをしたことがバレて捕まるものだと決めつけていた子どもたちでしたが、疑いがあるだけで、犯人扱いされ、取り調べもまともにされない危険性があることを知りました。自白を強要したりせず、裁判も公正に行われて初めて、人権が守られた裁きになります。しかし、実は、そんなあたりまえと思えることでさえ、守られない可能性は十分にあり得る……冤罪や不当逮捕は決してひとごとではない……そんな意識が子どもたちの心の中にわき始めました。

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「人権が奪われそうになったらそれをみんなに知らせる必要があるよね。だから表現の自由は必要なんだよ」

不当逮捕されることをも想定して、だからこそ、私たちは何かあったときに、私たちの考えを自由に発信できないといけない。

「法律がおかしく使われることがあったらそれを正すために声を上げる必要があるもんね」

言いたいことが言えるという「人権」がすべての「人権」の基礎になっているということに彼らは気づきました。

「権力者が都合の悪いことをしようとするのを防ぐために、何をしているのか、何をしようとしているのか知る権利があるんだ」「そうそう。知ったら、そのことを表現して、みんなに知らせる必要があるんだよ」

でも、それは権力者の立場になったら、厄介なことです。だからこそ、いろいろな手を使って、私たちに知らせないように手を打ってくる。それはある意味当然のことでしょう。

「知りたいと思っていなかったり、知ろうとしなかったり、他のことを知らせたりして、うまくごまかすんじゃないかな」

さすが。権力者の手口はすぐにわかりますよね。相手の手に乗らないためには、私たちの意識が問われます。しかし、私たちの方が、なんとなく安楽に暮らせているんだからいいじゃんという感覚で、権力者の動きをウォッチしようとしません。

表現の自由があったとしても、その人権を受け取っているものが、真剣に知ろうとする努力を続けない限り、それは制限され、奪われてゆきます。メディアは、私たちの意識を目覚めさせるためにありますが、どうもメディア側も、私たち民衆側も、知らせよう、知ろうという努力を怠っているところに、私たちの抱える人権の危機があるように思えてきました。

「せっかく人権を手にしたのにねえ……」

「不断の努力」という言葉が重くのしかかってきました。手にしただけでなく、手にした宝物を自分のモノにし続けるためには、努力が必要です。しかし、権利は得たらもうおしまいという意識が蔓延していて、これでは他の国の人々のことまで頭が回るはずがありません。

「私たちの人権って、私の人権ということだし、あなたの人権ってことか」
「ぼくたちというのは世界のすべての人たちってとらえないといけないんだな」
「もし、すべての人の人権が満たされたら争わなくなるかなあ……」
「住むところを奪われる、信じたいことを信じる、っていうことと同時に、じゃあ自分の人権が満たされたとき相手の人権は満たされるかって考えたら、今よりはよくなりそうだけどね」

自分が自由で幸せ、相手も自由で幸せ。確かにこの条件が満たされない限り、争いはやまないでしょう。闘って相手をつぶそうとすればするほど、つぶされた相手の憎悪は増し、新たな戦いの芽となる。負の連鎖を永遠に断ち切れなくなる……

勝つことや征服することではまったく解決しない。なんでこんな単純な理屈が、国際政治となるとまかり通らなくなるのか。相手の人権を守る動きをつくりだす覚悟。遠回りに見えて一番の近道だとわかりそうなのに、それができない……

最後の最後にいたっても悩みは深まるばかり。しかし、この悩みを持ち続け、自分たちの手にしている「人権」をいかに守ろうとするか考えてゆくようになることが学びの目的だったのですから、目的は果たしたと言えます。

「終わりが始まりどころか、全然終わらないね」

こう言いながら、毎日のニュースや世界の動きをウォッチしないわけにはいかない、新たな目と認識に開かれた子どもたちがそこにいました。悩み続けること。しかし、自分なりの考えて、責任持って行動すること。その大事さに接近したテーマ学習になりました。

RI

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2016年03月19日

「Borderless World」〜ふりかえり〜

タイトル:Borderless World
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「人権は自由、正義及び平和の基礎である。」

[5年生]

多くの人々に取り囲まれしどろもどろ。一人で仕切るプレゼンってこんなに大変だったんだ……そんな感覚にとらわれた5年生たちでありました。

今回はブースの周りにオーディエンスに集まってもらい、 Exhibition スタイルでの発表でした。自分の学んだことを説明し、まとめたものを説明し、質疑応答に答えるというプレゼンテーションへの挑戦。なかなかタフでした。

考えてきたこと、まとめたことをほとんどプレゼンできずに撃沈してしまった原因は……と探ってみると、まず第一に「緊張」!次に人に説明しきるという覚悟を持って練習できていなかったということが挙げられました。この場合「練習」と言っても、決まった何かを覚えればいいというものではありません。相手が何を聞きたいか、相手にどう説明したらよいか、相手の疑問にどう答えるか、そういったことを想定して行う練習です。

「そういう意味では甘かったかなあ……」

チャレンジしてみて到らぬところを知る。痛い目に合わないようにお膳立てする学びでは得られない貴重な体験をしました。

あんなにみんなで人権について考えたし、人権についても理解したことがいっぱいあったのに……でも、それが本当に自分のものになっていないと、説明や語りは思うようにはできないのです。

「まだまだだね」

当たり前!まだまだどころか、まだまだまだまだっていう感じ。でも学ぶのです。次はどうするか。日々つけるジャーナルをどう工夫するか。どう学んだことをまとめてゆくか。そんなことを日々意識してゆかないと、レベルはあがりませんぞ。でも、きみたちなら、またこのハードルを意気に感じて挑んでくれるでしょう。

新たな学びの道がスタートしました。

RI

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2016年03月25日

「To Be or Not To Be」〜ふりかえり〜

タイトル:To Be or Not To Be
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:「意思決定とは行動を約束することである。」

[3・4年生]

自分宣言は、なりたい自分を目指して「こうなる!」と公の場で大勢の人の前でする宣誓であります。いつものプレゼンのように、リラックスしようとか笑顔で話そうとかいう意識ではなく、どの子も真剣な顔。
聴衆からのフィードバックにも表情がよかったとのコメントを多数いただいたほどであります。

すぐに変われるわけではないけれど、宣言することに意味があり、宣言したからこそ、
これからの一歩が踏み出せるのです。 また、安易に思いつきで出した言葉でなく、
悩んだ末に自分でつくりだした言葉です。
一生ものとして、自分の心の中に生き続けていけるものだと思っています。
今回のプレゼンテーションは午後に卒業式を控えていたこともあり、
聴衆の中には卒業生も多くいました。自分宣言を経験している先輩たちも
あのときのことは忘れないといいます。

これまでの自分を振り返り、何気なくしていた行動にも、自分の真意が隠されていることに気づかされてきました。人は誰にでも、それぞれによさがあることも改めて確認していきました。 失敗ばかりしていると、つい自分なんて・・・と思いがち。でも、クラスの仲間がお互いにそれぞれのよさを引き出していくことで、弱さを克服するだけでなく、よさを活かしていこうと思えるようになっていったように思います。

堂々と立派に宣言した子どもたちに、賞賛と応援の温かい拍手が贈られました。
自分の行動には、自分の意思決定があること、その意思決定は自分の決めた判断基準がもとになっていることを学んだ6週間でした。悩んだことや宣言したときの経験がきっと活きてくることでしょう。これからの彼らの活躍に期待しています。
ここに彼らの宣言を記します。

「自分と戦える人になります」
「今、何するかイメージして振り返る人になります」
「本当にしていいことか、よくないことか見分ける人になります」
「やるべきことを続けられる人になります」
「正直で人にやさしくて自分にもやさしい人になります」
「自分に怒る人になります」
「ひっこまないで、自分の意見をアピールする人になります」
「これでいいやで終わらせずに自分にbetterを出せる人間になります」
「いつも笑って、前を向き、みんなが安心できる人になります」


AN

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