東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2012年10月 アーカイブ

2012年10月02日

テーマ学習発表会10/16

TCSテーマ学習発表会のご案内


東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動が行われていきます。
(発表までの6週間、子どもたちが学んできた様子の詳細は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。)

テーマ学習の成果を発表するテーマ発表会では、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。(ご希望の方は、下記要領にてお申込みください。)

子どもたちは、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか・・・。
ぜひ、直接子どもたちの様子を見に来てください。


               記

【日時】 2012年10月16日(火) 9:30~11:30頃

【会場】 セシオン杉並  2階 第一二和室
     東京都杉並区梅里1丁目22−32
     (東京メトロ丸の内線「東高円寺」駅より徒歩5分、地図はこちら
     ※車でのご来場はご遠慮ください。

【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール
 E-mail:school@tokyocs.org
 TEL:03-3313-8717
 ※迷惑メール防止のため、「@」を全角にしています。お手数ですが、半角に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、
   件名に、「テーマ学習発表会参加希望」とし、
   本文に、以下の事項をお知らせください。
     1.参加者氏名(すべて記入ください)
     2.(保護者の方は)お子さんの現学年
     3.E-mailアドレス
     4.電話番号(最も連絡のとりやすい番号)
     5.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     6.質問事項等(あれば)


2012年10月05日

街を仰視する


[1・2年生]


本テーマも折り返しに入りました。
一軒一軒を歩いてみて、そして写真で振り返った子どもたち。
全体をまた異なった視点で見るために、タウンページを参考に建物を機能ごとに色分けして表してみました。
「この辺りに、赤(グルメ)が5軒も続いてる!」
「ピンク(健康・医療・介護)は2軒隣同士になっている!」
「白(不明・その他)がこの辺りに多い!」
見方を変えて全体を見てみるとまた新たな発見が見えてきました。


これまで街を俯瞰してきて、街にはさまざまな機能の建物があることに気付かされた子どもたち。
すると、「これは何をしている建物だろう?」「行ってみたい!」などの理由から気になる建物が出てきました。
じゃあここから、気になった建物を各自調べてみよう!


けれど、ここでもう一つ、建物を調べる時の大事な観点を加えて伝えます。
それは「街にある建物は、自分の生活にどう繋がっているだろうか?」ということ。
街にある多くの機能(建物)はなぜあるのか、それは自分の生活に関係していると言えるのか、その点についても考えるために調査を開始しました。


その建物がどんな機能を果たしているのか、予想をたて、
実際に訪れたりインタビューすることで調べてみることに。


「“ひつじ座”って(牡羊座っていうから)占いするところ?」
「“東京土建”って“建”てるっていう字が入っているから、家とかを建てる場所かな?」
子どもたちは各自で予想を立てます。


そこでまず一つ、気になった建物を訪れ、インタビューしてみることにしました。
そこは、外に看板はあるものの会社名しか無く、扉も磨りガラス。
見えるのはわずかに開いた扉の隙間から覗く照明と機械。
外からは何をする建物なのか皆目わかりません。
ただ、中には人がいるみたい……
そこで建物の中にいる人に声をかけてみました。
質問してみると、丁寧に応えてくださりました。
そして、食品の製造工場だったことが分かったのです!


子どもたちは帰り際、
「外からは全然想像できなかったねー。」
「不気味って言っていたのは失礼だった。」
と謎が解けスッキリした様子。


この時のようにインタビューしてみないと分からないことだったらその場所を訪れることはとても効果がある。
けれど先に、その建物のことをもっと知れたら、事前に会いに行く約束をすれば更に得られた情報もあったかもしれない。
逆に言うと、インタビューしなくても分かることを尋ねてしまうことは失礼になることがある。
そこで、インターネットを利用し、その建物が何なのか、疑問に思っていることが分かりはしないか、ということを探してみました。
すると、意外にも情報を集めることができて!
来週は、集めた情報を基に更に深堀していこう!



EN

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

都心部発見の旅パート2

[3・4年生]

今週は都心部発見の旅パート2。
皇居の東御苑→靖国神社→イギリス大使館→国会議事堂と回りました。

初めての皇居の中に興奮の様子の子どもたち。大手門から東御苑へ入ります。江戸時代に城と江戸の町を警護していたいくつかの番所を抜けると大きな石垣が目に飛び込んできます。

IMG_0935.JPG

「でっかい岩だなーー!あ!看板に一つ35tもあるって書いてあるよー!どうやって運んだんだー?」   

立派な石垣に目を奪われながら、美しい雑木林を歩いていざ東御苑へ。
目の前に広がる芝生の奥に天守閣跡地があります。看板によると大火事ですべてが消失してしまったとのこと。
IMG_0950.JPG
「えーーー!火事で焼けちゃったんだー。焼け野原ってことかー。でもなんで立て直さないんだろう?」「江戸時代は火事が多かったって書いてあるよ。」   

私「ねー、気になるよね。スクールに戻ったら調べてみようよ。いい疑問だなー。」

天守閣跡に登りかつての城下町をイメージしながら記念撮影。

IMG_0957.JPG

靖国神社やイギリス大使館など皇居周辺にはたくさんの見所が集まっています。
それだけ様々な面で昔も今も重要な地域なんですね。来週はいよいよこのフィールドワークで発見したことを昔と今という時間軸と下町と都心部の場所での機能という二つの観点で比較し違いや変化を探ります!

YI

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

厳しい現実

[5・6年生]

まずまずのスタートを切った1週目。
人気商品が品薄状態となり、早速卸問屋に仕入れに出かけたため、店先には
たくさんの商品が並びます。

「今日は肌寒いなあ。」

店番をしていた男の子がぽつりとつぶやきます。
先週までの残暑が嘘のように、今週はすっかり秋の気配です。

近所を回っていた宣伝部隊が困った顔で帰ってきました。

「公園にも通りにも全然人がいないよ。。」

スクール前の通行人が少ないことを薄々感じていましたが、それだけでは
なかったようです。
また、不測の事態はそれだけに留まりません。
急に気温が下がったせいか、一番の売れ線であった棒ゼリーの売れ行きも
激減したのです。

「このままではまずい・・・」

本来であれば、こんなときこそ元気を出して、お店の雰囲気を明るくし、
お客さんを呼び込む必要があります。
ですが、この状況に子ども達はすっかり意気消沈気味。
お得意さんによる大量購入に助けられた日もありましたが、この1週間、
来客数が少しずつ減っているのを実感していました。


20120925wk_03_1.jpg

ただでさえ通行人も減っている状況で、子どもが駄菓子屋をやっているという
物珍しさだけでお客さんをつなぎ止めるのは難しい。
子ども達は厳しい現実に直面していました。


20120925wk_02_1.jpg

「どうすればいいんだろう。。。」

弱気な発言が聞こえてきます。

このままジリ貧になるのか、それとも最終週巻き返すことができるのか、
まさに正念場です。

HY

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2012年10月09日

建物の役目とは


[1・2年生]


テーマ学習も架橋に差し掛かってきました。
先週、新たに分かったことを基に、気になった建物についての情報をもっと集めようと外に出て再び訪れることにしました。


看板に「クリーニング・おかし・たばこ」と書いてあり、
詰まるところ何のお店なのか?本当に全部扱っているのか?一つのお店なのか?と疑問に思ったお店。
行ってみて、外から覗く……中は繋がっていて人がいるようだ……
思い切って中に入ってみると!


なんと、本当に一つのお店の中でクリーニング・おかし・たばこ、さらには飲み物まで扱っていることが分かりました。
そのお店の方からお話を聞くと、
「私がお嫁に来た時は乾物屋でね、」
「近くにスーパーマーケットができたから売り物が変わったのよ。」
「お菓子も昔はびんとかに入れて売っていたのよ。」
最初から今のような店にはなっておらず、街の変遷に合わせてお店の様子も変化することを実感できました。


また、コンビニを覗きどんなものが売っているか調べてみました。
「ゲームも売ってる!」
「洗剤もあるんだ。」
「クレジットカードも使えるんだ。」
食べ物や飲み物だけでなく多様なものがあることに気付かされました。


クラスの時間外も使って、調査は続きます。
グッドタイミングで、調査中の建物主催の祭や舞台といったイベントに参加することができたのです!
そこで働く方にお会いしてお話ができたり、建物の内部まで見せていただくことができました。
この経験により、子どもたちにとっては
「地域の人のために動いてくれる。」
「楽しい気持ちになれる。」
と、街にある建物が自分のためになっていると感じていたようでした。


さぁ、動くことでたくさんの情報を集めることができたし建物の存在価値も実感することができた!
さてここからは、注目した建物が何のためにあるのか、それが自分の生活とどう繋がるのか、考察を深めていきます。


EN

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発見を振り返ろう

[3・4年生]

今週は今まで発見してきたものをまず模造紙にまとめました。下町と都心部で発見してきたことを掲示し、地域の特色について対比してみます。

「都心部には会社がたくさんあって、下町にはお店がたくさんあった。」
「下町には人形屋やサンプル屋、鍋屋など同じようなお店がたくさんあった。(問屋のことを表現している)」
「浅草には浅草寺があって、都心部には靖国神社があった。雷門と鳥居って何が違うんだろう?」
「農林水産省や警視庁、国会議事堂は都心部にしかない。」
「浅草は江戸時代からやっている古いお店が多いし、食べ物屋もたくさんあって楽しい。」

子どもたちが感じる地域の特徴の違いが少しずつ見えてきます。 それから、合羽橋を例に取り上げて合羽橋の歴史を探ってみました。すると、地名の由来やフィールドワークで発見した金色の河童像にまつわる話が出てきました。
自分たちが足を運んで発見したことを深堀りすることにのめりこむように興味津々の子どもたち。
発見したことから気になるものを一つ見つけ、そこに疑問を持ち深堀していくという型を実感したあとは同じように子ども主体での深掘りの開始です。

それぞれにフィールドワークをして更に疑問に思っていることや、興味を持った発見についてインターネットや電話インタビューなどを通して探究していきました。

しかし、ここでのポイントはただ面白いことを深堀りするということではないという点です。ただの調べ学習にならないように、このテーマ学習のキーコンセプトであるCHANGE(変化)とFUNCTION(機能・役割)を意識して調べていくことが大切です。
”なぜ変化したのか?””どう変化したのか?””どんなターニングポイントがあったのか?””昔と今の機能・役割の違いはあるのか?”といった視点で自分で選んだテーマについて色々な切り口で疑問を持って探究していくことでバラバラの情報が昔と今というつながりのあるストーリーになってきます。

子どもたちはそれぞれ、”忍者と警護” ”江戸城と皇居” ”かっぱ橋道具街の今と昔”というテーマを選び、様々な情報収集を行いました。

来週は、今まで集めた情報を元にオリジナルの今昔物語を作ります。どんな物語に仕上がるか楽しみです!

YI

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「駄菓子の家」閉店!

[5・6年生]

駄菓子屋営業もいよいよ最終週。
このままじり貧で終わる訳にはいかないと子ども達も必死になって知恵を
絞ります。

「駄菓子の家」が抱える課題は大きく分けて2つありました。
一つは、大量の在庫を抱え、売れ残りが予想される商品をどう処理するかと
いうこと。
もう一つは、減ってきた来客数をどう増やすかということ。

この課題を解決すべく子ども達が考えたのがくじ引き式ゲームの導入です。


20121002wk_01.jpg

何がもらえるかわからないこの紐吊り駄菓子は子どもだけではなく、大人の方にも
大好評でした!!

次第に店も活気を取り戻してきて、子ども達の表情にも明るさが戻ってきます。
店の雰囲気が明るくなったからか、通りがかりの人も気軽に店を覗いてくれるという
好循環が生まれていました。


20121002wk_03.jpg

最終日は開店早々、お客さんが次々に来店され、嬉しい悲鳴。
店頭から商品がみるみる無くなっていきます。完全に品薄の状態。
店側としては在庫ゼロを目指し、売り切り作戦に出ていたため、せっかく来て頂いた
お客様に欲しい商品を提供できないということも。
商売の難しいところです。。

結局、想定より早く商品が完売してしまいました。この時点で閉店時間まであと1時間も
残っていました。

まだまだお客様が来店しそうな雰囲気の中、緊急会議を開き、急遽、ニコニコロードの
駄菓子屋で商品を仕入れることに。
利益を度外視した値付けで、商品を店頭に並べます。
来て頂いたお客さんをこれ以上がっかりさせたくないという想いからの判断でした。

そして、それらの商品も売り切り、ついに閉店を迎えます。
結果的に、最終日の来客数は営業日の中で最高の37人!

「風邪で長い間休んじゃったけど、最終日にこんな想いを味わえるなんて嬉しすぎる!!!」

子ども達も喜びを爆発させます。

3週間に及ぶ駄菓子屋営業はついに終了しました。
いよいよ来週は事業報告会に向けて、活動内容のまとめに入ります。

HY

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2012年10月12日

建物の機能と自分との繋がり


[1・2年生]


「Thank you very 街」も残り一週間。
建物の機能と自分との繋がり_01テーマ発表会に向けて、ラストスパートです!
まず、自分が調べた建物と自分との繋がりについて考えて文章に表します。


最初、その建物についてどう予想をしたのか。
実際に調べてみて何が分かったか。
分かったことからどんなことを考えたか。
建物の機能と自分の生活がどう繋がるか。


「どう書いたらいいのかな?」
「ホームページに書いてあることをただ書くだけでは足らないし…。」
子どもたちは、悩みながら言葉を紡いでいきます。


「なんでコンビニには食べ物以外も売っているんだろう?スーパーマーケットとどこが違うのだろう?」
「どんな人が使う(機能)のだろう?」
新たに出てきた疑問については、予想を立てたり電話をかけて尋ねてみることで内容を膨らませていきました。


建物の機能と自分との繋がり_02そうして出来上がった文章を基に、マップ作りも最終段階に入ります。
マップには子どもたちが作った文章を要約して書き加えるとともに、
「シールの色が何を表しているのか書いたほうがいいよね?」
「どの建物の種類がいくつあってどのくらい多いのか分かったほうがいいと思うから、グラフ作らない?」
と、子どもたちから出てきたアイデアを活かして制作しました。


そうしてマップを見つめていると、新たな発見に至ることもありました。
「ラーメン屋がなんでこんなに多いのだろう?」
「ぼくの家の近くには少ないのにな。」
「ラーメン屋っていろいろなメニューがあるから食べられる人が多いから人気があって、だから多いんじゃない?」


「警察署、少ないね。」
「家の近くで、お巡りさんが居たの見たことある。」
「そっか、建物が無くても移動すればいいのかな。」
「青梅街道だったら、すぐ移動できそうだね。」
そうした発見も織り込んでマップ作りを進めました。


そして、迎えたテーマ発表会。
マップの内容や工夫に加え、一人ずつ建物の機能と自分との繋がりについて述べていきます。


関心を持つ剣道の道具を売っている武道具屋さんについて、
「趣味を支えるのも店の大きな役割。趣味は人のやる気を出します。」


劇団の練習や公演等に使うフリースペースについて、
「おもしろい劇が見られる。笑いを覚えられるし、楽しい気持ちになる。」


東京の建設労働組合について調べた子は、
「地震などで建物が壊れた時に直してくれる。それも地域住民のために活動していると聞いて、僕も実際に会って僕のために動いてくれたことがあって君子だと思いました。」


伝えたい相手の方を向いて話すことや、更なる考察の深堀も課題ではありますが、
それぞれが自分のことばで機能との繋がりを発表することができたと思います。


EN

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オリジナル今昔物語を作ろう!

[3・4年生]

今週は発表会に向けてそれぞれにフィールドワークで発見したことから選んだテーマについて今昔物語を作り、それを講談調で面白く語れるように練習します。

子どもたちが選んだテーマは“江戸城と皇居”、”忍者とS.A.T”、”合羽橋道具街の今と昔”。

このテーマについて先週から引き続き、昔と今を対比したり変化が起きたターニングポイントについて調べながらああでもないこうでもないと何度も構成を編集してきました。
また調べたことをつなぎ合わせるだけの発表にならないように、面白おかしくする工夫についても子どもたちは精を込めて行いました。

プロの講談を映像で視聴して、一人で物語を面白く語るということにも触れました。最初は「これって老人のお笑いでしょー?ぜんぜん笑えなーい。」などと言って真剣に見ていませんでしたが、やはり上手な講談師のお話には気づけば引き込まれ、結局集中してよく見ながら話し方の工夫について注目していました。

そしてまたじっくりと自分の物語と向き合って話の流れや笑いの工夫を考えます。
みんなそれぞれの物語についてしっかりとターニングポイントとなった事柄と昔と今の変化について理解することができているのでだんだん面白い今昔物語が出来上がってきました。

さあ、本番はどんな講談になるでしょう?乞うご期待です⭐

YI

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事業報告書を作成しよう!

[5・6年生]

今回のテーマもいよいよ大詰め。
週明けのテーマ発表会に向けて、事業報告書の作成に取りかかります。

「事業報告会の質問タイムでいっぱい突っ込みが来そうだなあ。。。」

大荒れとなった昨年の事業報告会の様子を覚えている子ども達には少し緊張の
面持ちが見られます。

まずは、報告書に記載する内容についてみなで意見を出し合います。

「店のコンセプトとしてうたったリピーターの獲得については外す訳には
 いかないなあ。」
「過去の駄菓子屋と比べても、工夫したことが多いんだから、アピールした方が
 よくない?」
「良かった点に加え、反省点も正直に書いた方がいいね。」

見る人の印象に残る資料を意識して、効果的なグラフの使用を心がけました。
また、活動の雰囲気が伝わるように、写真もふんだんに取り入れることに。

天気のテーマの際にkeynoteを使用した6年生の2人がリードしてくれた
おかげで、資料の作成そのものはスムーズにいきました。

けど、もっと肝心なのは、今回の駄菓子屋運営自体を一人一人がしっかりと
ふりかえっておくこと。

実際に事業(ビジネス)を行ってみて一番楽しかったことは何だろう?
逆に、一番大変だったことは何だろう?
事業(ビジネス)を行う上で一番大切だと思う事は?
私たちは本当にお客様の笑顔を獲得できたと言えるだろうか?
稼いだお金の使い道として具体的にどういうことが望ましいだろう?
・・・

単なる駄菓子屋ごっこで終わらせないためにも、6週間を通じて感じたことや
気づいたことを自分なりに咀嚼し、自分の言葉で言えるようになっておくことが
重要です。
そして、ふりかえりの内容も資料に反映し、報告準備も完了。

「堂々と発表しよう!」

やるべきことはやったという思いを実感したからか、子ども達の表情は
事業報告書作成当初に比べ、いくぶんすっきりしていました。

これで6週間に及ぶ今回のテーマもついに終了です。
どんな報告会になるか今から楽しみです。

HY

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2012年10月16日

TCSフェスティバルのご案内(10/19-20)

今年も、TCSフェスティバルの季節がやってきました。
TCSキッズが4つの班にわかれて、楽しい2日間を演出します☆

<プレイ>
楽しさ集ってます!ボールすくいや射的、ボーリングそしてパチンコで楽しい思い出づくり。

<フード>

今回のテーマは「カラフル」。メンバーの半分が一年生!特製豚汁やパフェも食べられるよ!^。^

<パフォーマンス>
大変人大集結。コーヒー飲んでいっぱい笑うべし。最後はいっぱい拍手ちょーだい!!

<エキシビジョン>
休憩所にはだまし絵が、廊下にはハロウィンや秋らしいものがかざってあります!ぜひ見てね。


土曜日にも開催いたしますので、ご家族、親戚、お友達、ご近所、みなさまお誘いあわせの上、 ぜひお越しください!!

【日時】 10月19日(金) 9:00~15:00
       10月20日(土) 9:00~14:00

【場所】 東京コミュニティスクール
      住所 : 東京都杉並区和田3-37-5 第5鴨下ビル
      最寄駅 : 東京メトロ丸の内線「東高円寺駅」徒歩4分
      スクールへのアクセス
      ※ 駐車場、駐輪場はございませんので、公共の交通機関をご利用ください。

【入場料】 無料!

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2012年10月19日

『Thank you very 街』〜ふりかえり〜


[1・2年生]


街を歩き一軒一軒に注目する中で街にある機能について考えた本テーマ。
最初にイメージしたものよりたくさんのものが街にあることも分かり、
関心を持ったものをインタビューなどを通して追究し、自分との繋がりを発見することができたと思います。
見たはずの街だけれども、「こんなものもあったんだ。」「よく見ると、何をしている建物か分かってきた」と、観察したことで気付くこともありました。
いつも何気なく通り過ぎていた街並にもいろんな発見ができることに気付けたでしょう。


今後も、そのものが持つ機能について考察する機会はあると思います。
テーマ発表会の質疑応答でも調べたいと挙げていた子もいましたが、区役所や警察署など一見その機能が分かるようで分からないものにも考察を広げていって欲しいと思います。
今回のテーマを基に、歩いた青梅街道だけでなく自分の住む街や新たに訪れた街でも、自分の暮らしを支えるためにさまざまな機能があることを実感してくれることを願います。


EN

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『東京発見伝』〜ふりかえり〜

[3・4年生]

テーマ発表会では子どもたちがそれぞれじっくり考えた物語を講談調に語りました。

3人の子どもたちが、”江戸城と皇居”、”忍者とS.A.T”そして"合羽橋道具街の昔と今"というテーマについて変化が起きたターニングポイントを強調して、深堀りしたことで見えてきた興味深い話を真面目な情報だけでなく笑いも織り交ぜながら表現してくれました。



フィールドワークをすることで初めて見えてる発見と疑問、そしてその疑問から広がる更なる発見の連続。また疑問を解決するための様々な調査などを通し、正に目に見えない発見をこのテーマでし続けてきました。


そうして集めることができた情報を昔と今、下町と都心という時間と場所の軸で比較し、その変化についてターニングポイントを明確にして一つの物語にしていくことで自分たちの理解も深まったようです。


理解するためのフィールドワークの必要性を肌で体感することができたことはこれからの探究でもきっと活き続けていくことでしょう。

子どもたちにテーマ発表後に聞いてみるとみんな緊張したと話していましたがとても堂々と語り、集まってくれたお客さんを楽しませてくれました。

これからも自信を持って様々な学びにチャレンジしていってほしいです。

YI

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『お客様の笑顔を獲得せよ』~ふりかえり~

[5・6年生]

今回の駄菓子屋では、「明日も行きたい楽しいお店」のコンセプトを
掲げ、「いかにリピーターをつくるか」に注力してきました。

9日間の営業を通じて、子ども達はリピーターづくりの大変さを
味わうと同時に、何度も来店してくださるお客様のありがたさを
実感したようです。

事業報告会でも触れたとおり、途中、商売が順調でない時もありました。
週が変わって気温が急激に下がり通行量自体が減ったり、売れ線商品が
ある日からぱたりと売れなくなったり。
売上や来客数がジリジリと下がる中、工夫してそれを乗り越えたことが
最終日の達成感につながったのでしょう。

一方で、反省点がなかった訳ではありません。

まず、売上&在庫管理で数字が合わない日が何日かありました。
何度も計算機を叩き直し、在庫数を確認しても誤差がなくならない状況で、
胃がきりきりと痛むような思いをしました。

お客様が減った時に、店員の元気がなくなってしまったこともありました。
そんな時こそ明るい雰囲気を作って、お客様を呼ぶ込む必要があるにも
関わらずです。

そして、準備に手間取り開店時間が遅れてしまったり、ラストまで残れる
メンバーが少ないことを理由に早めに閉店作業を始めてしまったことも
ありました。
自分が客の立場なら、そのような店には二度と行かないかも知れません。

ふりかえりの中で子ども達から出てきた「責任」という言葉は仕事の本質を
表しています。
自分の果たすべき責任を全うした先に、お客様の笑顔が待っているのでは
ないでしょうか。
事業として取り組んだからこそ、単なる駄菓子屋ごっこで終わらない学びを
得ることができたのだと思います。

HY

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2012年10月22日

「心に響け」〜概要〜

[1・2年生]


タイトル:心に響け
探究領域:意思表現


本テーマでは、身体を使った表現方法を用いて相手に伝わるよう表現することに挑戦します。


そのためにまず、実際に身体を使った表現に触れます。
観察することで、どんな身体の動きをしているか、どんな話し方をしているかなど表現の工夫を発見していきます。
表現の工夫を発見した後には、その発見を活かして自ら表現しよう!
さあ、人の心に響くような表現となるのか?
頭からつま先まで動きに気を配り、表情や間なども研鑽し、自分の表現をこだわって磨きあげていこう!


そうすることで、伝えたいことを自分でもより深く理解し、そして他者に伝わることで相手の共感を得ることを目指そう!


EN


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「からだに栄養・こころに栄養」~概要~

[3・4年生]

タイトル:からだに栄養・こころに栄養

探究領域:自主自律

健康で生活していくことは私たちが生きていく上で最も大切なことの一つです。
では元気で健康な生活を送るためにはどういったことが大切なのでしょうか?

このテーマでは健康な「からだ」を作るために必要な栄養素と消化の仕組みについて学び、健康的なライフスタイルについて考えていきます。

また「からだ」が健康であれば本当に健康と言えるのだろうか?という視点から「こころ」の栄養についてもじっくりと考察します。

真に健康な生活をできるように考え続け、自分自身を律する力を付けていこう!

YI

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「個の尊厳」~概要~

[5・6年生]

タイトル:個の尊厳
探究領域:自主自律

私たちはみな個の尊厳を持って生きています。
それは、みんなが「かけがえのない存在」であるということを意味します。
誰であろうと、どんな事情があろうと、個の尊厳を犠牲にすることがあってはならない……
しかし、現実社会は、すべての人々の命の尊さを保つのは無理と言わんばかりに、
競争の勝者のみが生きる権利があるかのようです。

今回のテーマでは、そんな世の中の姿に異議を唱え、
私は、決して私のためだけに生きているのではなく、私たちすべてのために生きている
という「証」を探す「哲学の旅」に出ます。

そのために、まず、私たちにとって不可避な「死」の「現実」を直視します。
「死」とはどういうことなのか?「死」によって私たちはどういう事態に直面するのか?
追究します。

そして、「死」があるからこそ見出せる「生」の意味について考えてゆきます。
「死」は「生」と不可分であり、「死」を「生」の「鏡」とすることによって
人はなぜ生きるのか考える糸口とします。

理不尽に訪れる「死」と同様に、実は「生まれる」ことも自身の選択によって生じた結果
ではありません。しかし、自己の選択を超えた大きな意味がそこにあるからこそ、
何かにとらわれることなく、ただ生きるだけで素晴らしいのだ!
という価値観の構築を目指して、白熱した議論と思索を繰り広げてゆきます。

RI

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2012年10月26日

身体を使った表現方法


[1・2年生]

「心に響け」が始まりました!

子どもたちは「何をするの?」と興味津々。
タイトルと名前をファイルに書いている時にも
「“響”の漢字に音が入っているなぁ。」
「映画作るのかなぁ。」
と想像をめぐらします。


「“心に響く”と聞いてイメージすることは?」とたずねると、
「あんまり聞かないなぁ」
「ホールの中で声が響く」
「感動する」
「ドラえもん。結末がいいんだ」
と、普段使わないことばでありながら、それぞれのイメージが出てきました。


そこで、セントラルアイディア「相手に伝わるよう表現を工夫することでより深い理解・共感につながる。」を示し、
「今回のテーマでは、からだを使って、相手に伝わる表現を目指します。どんな方法で表現するかと言うと、“無声劇”。」
板書すると、“声”という漢字を学んだばかりの2年生から、
「声が無い劇……!?えー!そんなのできるかなぁ……。」
との反応。ことば無しで表現することへのハードルを既に感じている様子でした。


「“表現を工夫する”とあるよね?工夫するってどういうことだろう?」とたずねると、
「んー。“考える”?」
「“人の良いところをぬすむ”?」
そう!今持っているものでは十分では無いから、身体を使った表現を見て面白い/パクりたいと思った工夫を探しに行こうではないか!


ということで、最初は落語に触れてきました。
なぜ落語かって?
落語家の人は、表現に磨きをかけるために舞踊も学ぶというぐらい、バーバルな表現だけでなく、ノンバーバルな表現も重要な要素となっています。
演芸場を訪れ、実際に目の前で落語を観て聴いてきました。


初めての寄席は大人も多く、椅子も大人用に作られたためか子どもにとっては見えにくい……口調も早く、内容が分からないところもあったかも。
しかし、ところどころの落語家の動きやお噺の決まり文句から面白みを感じていたようでした。
振り返りの時には、どんな表現の工夫を発見したか一人ずつまず書いてみて、発表し合いました。


「扇子と手だけで食べる様子を表現していた。」
「お客さんに話しかけていた。」
「人によって声を変えていた。」
「すする音でそばを食べる音を表現していた。」
「ばかげた内容が面白かった。自分もああいう話をしたい。」
などの工夫が見えました。

身体を使った表現方法_01   身体を使った表現方法_02

そして、もう一度寄席で聴いた有名な噺「時そば」を観ながら、そばを食べる仕草に挑戦。
「大きな口を開けて食べてみよう。」
「熱いからふーふーしてみた。」
「噛む仕草を入れてみた。」
「あー、そば食べたくなってきた。」
など、他の人の表現の良いところを盗みながら楽しく磨こうとする姿勢が感じられました。


さぁ、来週も身体を使った表現に触れて、相手に伝えるための工夫を探してこよう!


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TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

食べたものはどうやって”うんこ”になるのか?

[3・4年生]

今週から始まった3・4年生の新しいテーマ学習は”からだに栄養 こころに栄養”です。
まずは現時点で子どもたちが”栄養”について知っていることをイメージマップに出しました。

「ポテトチップは栄養がないけどベジップス(野菜チップス)には栄養がある。」
「お菓子は食べ過ぎは良くないけどストレス解消にはいい。」
「ファイブミニを飲んでるんだけど、便秘にならないんだよ。」
「牛乳は飲み続けると死んじゃうんだってよ。」
「ミルミルやジョアに入ってる乳酸菌は邪悪な菌を殺してくれる正義の菌!」
「なんでも”すぎる”は身体に良くない!」

他にも沢山のアイディアが出ましたが、かなり的を得たものもあれば、思わず笑いがこぼれてしまうようなものもたくさんありました。
そして中には「ウォーキング」「腹筋」「ウェイトつけてランニング」など、食べ物と違った要素も出てきました。これからじっくりと探究する中で色々なことが明らかになってくるでしょう。



二日目からは「口から入った食べ物がどのようにして”うんこ”のなるのか?」と問いかけ、消化器官についての探究を開始しました。子どもたちはこの題材に大盛り上がりです。やはりみんなこの話題が大好きですね〜(笑)
まずは口から入った食べ物が喉の奥から始まる食道を通り、胃にたまることを資料を順番に音読して読み込みながら、食道と胃の機能(function)について学びます。

そして食道のぜんどう運動について実感するために逆立ちになっても飲み物・食べ物が通過するのかどうか実験を行いました。

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胃の大きさを確認するために風船を使って実際の大きさを体感します。

胃液の働きで食べ物が溶かされ、おかゆ状になったものが腸へ運ばれることや胃では栄養が吸収されないことを知り驚きの様子の子どもたち。

「じゃあゲロはこのおかゆ状のものなんだー!」「まずい。」「すっぱい。」



3日目はそのおかゆ状の食べ物が次に進む十二指腸と小腸・大腸についてです。 6mにもなる小腸のサイズを実感するために簡易的な模型を製作しました。

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「こんな長いものがお腹に入ってるの〜!!!すごーーー!」「うそ〜!長すぎだーーー。」

と実際にその長さを確認することと資料で6mと書かれているのを見るだけとは雲泥の差です。やはり実感することは大切ですね。

今週は理科の実験もテーマ学習とリンクした魚の解剖実験が予定されています。
普段意識することがなかった身体の中のメカニズムに触れる発見の1週目が終わりました。 さあ、次はどんな発見があるのでしょうか?

YI

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私たちは私たちのために生きている?

[5・6年生]

「葬式劇するんでしょ……」

前回行った「個の尊厳」のテーマ発表を見た子どもは、ミラクル
ハイパーステージで行った「葬式劇」をよく覚えていました。

ここで気にかかるのは、

「えっ?おっちゃんが死んだときのことを劇にするの?」

と初めて耳にするのと、

「ああ、またおっちゃんが死んだとして劇をするんだね」

というのは、やはり大きな違いがあるということです。ともすると、
ああ、自分の将来のことを語る弔辞を読めばいいんだなという、悪し
きルーチンワークに陥ってしまう可能性があります。これでは探究
にはなりません。

反面、前回のアウトプットイメージを持ちながら、いったいなんで
あんな学びをするのか、どんな意味があるのか、と考えてくれれば、
その「違和感」が学びを深めるきっかけとなります。むしろ、「葬
式劇」というセンセーショナルなアウトプットにのみ心を奪われる
ことなく、冷静に学びを進めてゆくことが可能とも言えます。その
ために、どうして葬式劇なのか、さらに葬式劇と「個の尊厳」とい
うテーマタイトルがどうつながるのか、というところに子どもが着
目してくれるように仕組むことが大切です。

そこで、今回のセントラルアイデアである『私たちは私たちのため
に生きている』ということが何を伝えようとしているのか考える際
に、こう問いかけました。

「私たち」の部分を「私」に変えてみたらどうなるか?

”たち”を抜いてみると……

”私は私のために生きている”

となってしまいました。

「なんかあたりまえだな……」
「わがままな感じがする……」

「たち」のあるなしだけで、こうも印象が変わってしまうことに
すぐ子どもたちは気づきました。

TCSで守らなければならない3つの約束の中に「自分を大切にする」
という項目がありますが、「私のため」と限定してしまうと、自分
さえよければいいんだという感じになり、どうも「自分を大切にす
る」こととはズレがありそうだという「違和感」を子どもたちは抱
きました。

では、続いて、「私のため」を「私たちのため」としてみたらどう
なるか考えてみました。

”私は私たちのために生きている”

一気に「滅私奉公」というイメージが浮かび上がってきました。
「私たちのため」というのを「お国のため」と言い換えれば、国家
の命令に服従し、自己犠牲も厭わないという思想がちらつきます。
TCSの3つの約束の2つ目、「人を大切にする」ということと
一見重なりそうに思えるものの、「人を大切にする」という目標の
真意は、「I am special and You are special」ということなのだから
大きくズレている。決して、他者だけが大切だとは言っておらず、
あなたはかけがえのない人だけど、あなただけがかけがえのない人
ではなく、他の人もみんなかけがえがない!というのが「人を大切
にする」ということだとはっきりします。

結局、”私たちは私たちのために生きている”ということは、自分も
人もどちらも大切にしないといけない!というごくごく当たり前の
ことを言っているに過ぎない……

いったいこのテーマは何を目指すんだろう?という気持ちが子ども
たちにわきつつあるのを見計らって……

「『生きている!』ということを理解するために死ぬ!とか葬式!
とかについて学ぶなんて変じゃない?」

というさらに「思考を撹拌」する刺激的な問いかけをします。

さあ、子どもたちがこちらが望む、「この人、何、わけわかんない
こと言ってるの?」という顔つきになってきました。頭の中がぐら
ぐらゆさぶられているのが明らかです。

「私たちは私たちのために生きていると言われると当たり前だと思
うよね。でも、それってどう生きることと言われると、実ははっき
りしない。でも、私たち人間に必然である”死ぬ”ということを考え
てみるとより深く見えてくるかも?っていうのが今回の仕掛けだ。
個の尊厳、つまりひとりひとりがこの世に生まれてきた意味も見え
てくるかもしれない……そんなことを追究する旅に出よう!」

と伝えます。死を通じて見えてくる生きることの意味。そしてそれ
は私のためだけでなく私たち全体のために生きることから見えてく
る。そうすることがかえって個の尊厳を明らかにすることにつなが
る……

追究すべき個々の断片は明らかになったものの、どうつながるのか、
子どもたちには見えていません。でも、心の内にわいてきた「違和
感」をなんとかしたい!という気持ちが高まりつつあるようです。

「ではまず、死ぬとはどうなることか考えてみることからスタート
しよう」

マイニングマップによって子どもたちが「死ぬとどうなる?」と考
えているか探ってみました。予想通り、自分が死んだ後、死後の世界
に行くのだろうか……死んだら消えてしまうのか……ということに終始
し、「個」の死が「他者」に与える影響。つまり、私の死が他の人
たちにどんな影響を与えるかは見えていません。また、他者の死が
自分に与えるインパクトについても、ほとんど実感できていません。
これが何不自由なく、幸せに暮らしてきた子どもが「死」について
抱く通常のイメージでしょう。

次週は、この先行知識をふまえ、自分が感じることができる「死」、
つまり「見える死」「他者の死」についてビデオや本を読んで考え
を深めてゆきます。

RI

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