東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

ホームTCSの概要TCSの教育入学案内TCSコミュニティNPO法人東京コミュニティスクール

2015年07月 アーカイブ

2015年07月02日

点から流れの一部へ

タイトル:We love 遊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」

[3・4年生]

自分の親・祖父母からもらった手紙は、読むたびに発見や疑問が生まれてきます。
そうした疑問の中から、戦争について知りたいことが増えていき、
先週は、第2次世界大戦がいつ起こり、日本がどのように関わり、終戦になっていったのか、 資料をもとに確認していきました。
では、祖父母たちが10歳のときは、いったい(西暦)何年だったのか。
年表の中に、加えてみます。

IMGP6262.jpg 「戦争が終わった次の年だ。」
「同じ!」
「どんなところで遊んでいたのかな。」
「秩父に疎開してたって聞いたけど、1950年って言ってた。」
「なんで戦後から5年も経っているのに、疎開しているんだろう。」
「週末、聞いてみる。」
「おじいちゃんとおばあちゃんは4歳違いなんだ。」

年表に3世代それぞれ10歳の時期を明示することで、
点だったものが 流れの中にいるという認識へと変わってきているようです。
疑問に思っていることを直接聞いていくことで、どう見方が広がっていくか楽しみです。

何気なく書かれている言葉が、子どもたちにとっては 「何のことだろう?」と思うきっかけになっています。わからないこと、聞いてわかったこと、発見したことを付箋に記録していきます。
こうして集まった記録を証言や写真と一緒に1枚の模造紙にまとめてみます。名付けて「遊史ート」。

IMGP6254.jpg   IMGP6261.jpg

「お母さんはテレビゲームが多いかも。」
「ドッジボールは、みんなやってる。」
「今はガンプラが好きなお父さんでも、子どもの頃はガン消しで遊んでた。
昔のガンプラは、今のと違って動かせないからかな。」
「昔は今みたいにサッカーやってる子は少なくて、野球が多かったって。」
「うちのお父さんも同じこと言ってた。」
「なんで、うちのお父さんはサッカーしてるのかな?」
「おばあちゃんもお母さんも遊ぶのと同じくらい家の仕事もやってた。」

出てきた遊びを自分なりに意味のある分類をしていきます。
「外遊びが多いな。」
「物を使っている遊びが多いかも。」
「親世代は、遊びが少ないなー。」
「男の子の遊びと女の子の遊びで分けてみる。」
これまでの学びを踏まえて、「不易」と「流行」の2つに分類している子もいます。
「ほっぺちゃんは絶対不易だと思うな。」
「だって、すっごくかわいいし、人気があるし、昔からありそうだから。」

ほっぺちゃん。
ネットで調べると、5年ほど前から出てきたキャラクターで、
親が子どもの頃には、まだいなかったキャラクターです。
「シルバニアファミリーは、おばあちゃんもやってたかな?」
いつから発売されているのかを見ていくと、どの時代から人気が出てきたのかがわかってきます。
「そっかー、お母さんは遊んでたけど、おばあちゃんは遊んでないんだ。」
「でも、ごっこ遊びはしてたかも。」

IMGP6271.jpg



放課後、持ってきたシルバニアファミリーの人形と
自分の持っているキーホルダーや人形で遊んでいます。

こうする中で、物が違っていても遊んでいることは同じなのかな?と
予測を立てていけるのかもしれません。
来週も、遊史ートを作りながら、世代・遊び・時代背景を照らし合わせていきます。それぞれの遊びを単独の点として捉えているところから、時代の流れの一部として捉えていくことが、今後の鍵となってきます。

AN

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2015年07月03日

自分の知らなかった自分を知る

タイトル:I am Special,YOU are Special.
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:私たちは世界に一人しかいないかけがえのない存在である。
[1年生]

これまで自分と仲間の目に見える身体的特徴と目には見えない性格的特徴を探してきました。
そして今週は自分たちが知らない自分のことを最もよく知っているお父さんお母さんの視点を加えていくことから始めました。
事前に保護者の方からアンケート協力をしていただきました。

アンケート内容はこちら
・生まれたときの時刻・体重・身長
・おなかの中にいるときの様子
・生まれたときのエピソード
・名前の由来
・生まれてから成長したと思うこと
・我が子のいいなと思うところ

アンケート用紙に記入してもらった言葉をもとに、お父さんお母さんから聞いてきた話を自分の言葉でみんなに説明します。
それぞれに違ったエピソードや、同じような体験など、話は盛り上がります。

「私はね、音楽が流れてる部屋で生まれてきたんだって。それでね、お腹にいるときから家族のみんなが私の名前を呼んでたんだって。」

「お母さんと入院しているときから、お腹をキックするキックゲームをお母さんとしてたんだって(笑)」

「うちね、お腹の中でお父さん座りしてね、指をくわえてかわいかったんだよー。」

「お腹の中であばれまくって、出てくるときにひっかかったんだって。へへへ。」

「自分がそんなに小さく出てきたなんて知らなくてびっくりしたー。でも病院から出るときはみんなと同じくらい大きくなってたんだね。」

赤ちゃんのころから自分ができるようになったことはたくさんあります。その中でも印象的なものを書き出していったり、またこれからできるようになりたいことについて話し合っていきました。

さて、一方で子どもたちはテーマクラスだけではなくアートクラスと連携してプレゼンテーションに向けて等身大の自画像作りも一緒に進めています。



IMG_0075.JPGIMG_0024.JPG

自分たちの見た目をじっくり観察し、”肌色”一つとってもそれぞれに違いがあることを知りました。肌色の絵の具にオレンジとピンクを少しずつ足してみたり、そこに少量の青を加える子もいます。

IMG_0019.JPGIMG_0079.JPG

髪の毛の生え方と同じように生え際を意識して描くことで少しでも本物に近づくようによく観察して筆を運びます。


IMG_0074.jpg

色の塗り方も同じ方向に筆を動かすことできれいに塗ることができることを学んでいます。

来週は今まで発見してきた自分のスペシャルのうち、”自分らしいスペシャル”について考えていきます。

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

何キログラムに耐えられる?

タイトル:築きに気づく
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『構造よく力を制す』

[2年生]

ついにこの時がやってまいりました!
運命の第一回強度実験の日です。

完成した橋が何キログラムのおもりに耐えるのか、実験をしていきます!
さて、最大でどれくらいのおもさに耐えることができるのでしょうか?
用意した2kgを超えるおもりを支えることはできるのでしょうか?

2015_t2_kizuki_wk4_01.jpg 2015_t2_kizuki_wk4_02.jpg
2015_t2_kizuki_wk4_03.jpg 2015_t2_kizuki_wk4_04.jpg
2015_t2_kizuki_wk4_05.jpg 2015_t2_kizuki_wk4_06.jpg
2015_t2_kizuki_wk4_07.jpg

橋について説明をしてもらいます。
・「どんな構造の工夫がありますか?」

・「上の部分がピラミッドみたいになっているのがポイントです!」
・「上がバッテンになっていて、横がギザギザになっているのがポイント!」
・「ここの、横のところの三角をずらす工夫をしました」

さて、それぞれの構造上の工夫について語ってもらったら、ついに実験です!
つるすおもりは、0.5kg、1kg、1.1kg・・・2.0kgまであります!

おもりをのっけたら10秒カウントして、耐えることができたらクリアー、耐えられなかったらその前のおもさを記録とします。

2015_t2_kizuki_wk4_08.jpg 2015_t2_kizuki_wk4_09.jpg
2015_t2_kizuki_wk4_10.jpg 2015_t2_kizuki_wk4_11.jpg

「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10」
緊張の10秒を固唾を飲んで見守る子どもたち、
一回目の実験では、なんと!全員が「0.5kg」をクリアーすることができました!!
さらに、「1.9kg」をクリアーしてしまう橋も現れました!!!
惜しくも「1kg」に耐えることができないものがありました。


では、実験のあとは、どんな構造が強かったのか、どんな構造が弱かったのか、振り返っていきます。

・「よく耐えたけど、この橋は重かったよね」
・「重いのはちょっとゆがんでからすぐに落ちた、軽いのはゆっくりどんどん潰れてから落ちていったよ」
・「一気に全体を作ると軽いけど弱かったなぁ」
・「微妙につくりがずれていたからうまくいかなかったのかな」
・「ちゃんと名前をつければよかったな。。。重くなるんじゃないかと思ってスカスカにしたんだけど、あんまり耐えなかったよ」


そんな、振り返りをしていくなかで・・・

2015_t2_kizuki_wk4_12.jpg

・「この三角形のモデルは強いでしょ?でもね、この四角形はすぐぐちゃぐちゃになっちゃうんだよ?」

・「ほう、もう少し詳しく言うとどういうこと?」
・「この三角形は投げても壊れないでしょ?でもこの四角形は投げるとぐにゃってなっちゃうの」

・「そうか、じゃあ三角形は強くて四角形は強いってことなのかな?」

・「そう!だからね、”A”の形とか、”∧”の形とか、”X”の形も強いの!」

・「そしたらさー、”N”とか”Z”も強いんじゃない?」
・「もしかして”W”、”M”も強いんじゃない?」
・「”U”、”V”もあるんじゃない?」
・「”B”もある!」
・「もしかしたら漢字も強い形かもしれない!」

どんな形が強いか、について話していたら、いつの間にか、「文字で表す」ことに繋がっていきました。
さて、また来週は今週のリフレクションを生かした2つめの橋を作成していきます。
子どもたちの考えはは、どのような橋へと変貌するのでしょうか!?


TY

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

意味のある停滞

タイトル: 銀河鉄道に乗って
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:創造の原動力が想像である。

[5・6年生]

ストーリーの骨は決まったもののこれからがいよいよ正念場。「骨」に豊かな「肉」をつけてステキな「かたち」にしていかなければなりません。限られた時間で状況をいかにリアルかつ面白く伝えるか。削るところは削り、ふくらませるところはふくらませる。とても複雑な作業です。

「わかりやすく」しなくてはならないけれど、ただわかりやすいだけだと「つまらない」。とはいえ「ありきたり」にならないようにすると、今度はあまりにも突飛になり過ぎてついていってもらえません。まさにこの塩梅がストーリーのうまさを決めます。これが簡単にできたら、わざわざ学びをする必要はないわけで、この難しいプロセスに挑むことが探究なのです。

IMGP5282.JPG  IMGP5292.JPG

科学知識にたけたチームは、宇宙を航行する乗り物を設計し、どんなルートで進むうちにどんな現象に出くわすか、科学的に裏づけて考えてゆきます。

「機内で重力を得るようにしないと、長期のフライトだと身体に影響が出てくるよね」
「ロケットなんだけど、地球を出るときと、宇宙を航行するときでは、用いる燃料が変わるはずだよ」
「どんな燃料だったら宇宙で補給できるかな」

ホワイトボードで設計図を書きつつ、科学的な根拠を調べつつ、宇宙を旅する乗り物が姿を現します。

「どこに時空のねじれがあるのかな」
「ブラックホールや量子テレポーテーションの使い方がリアルじゃないとね」
「宇宙で気圧が抜けるときとかどうなるんだろう?」
「すごく難しそうなことばかりじゃなくて、ごくごく当たり前のように見えても地球と宇宙でこんなに違うってことを示したいよね」

宇宙でどんな「現象」と出くわすかについての根拠もまとめられてゆきます。

IMGP5294.JPG  IMGP5352.JPG

もう一方のチームでは、物語自体の「肉づけ」が進んでゆきます。

「時間が10分ぐらいしかないんだから、ただダラダラと描いていたら絶対中途半端で終わっちゃうよ」
「そうだね、でも、今は、劇で見せるところだけでなくて、全体のストーリーがどうなのかをより詳しくしておくべきじゃないかな」

ほお、なかなかよくわかっているじゃないですか。より豊かなイメージをつくりだしておくということは、話に描かれ、実際に劇で演じられる部分だけでなく、その背景となるところまでしっかり考えておくことが重要です。そうでないと、人物も、ストーリーも、薄っぺらになってしまいます。主人公のキャラクターは生育歴やそれまでの出会いによっても変わりますし、地球が置かれている状況が具体的にどんなところまで追いこまれているのかがはっきりしないと、なるほど!こりゃあ大変だ!と劇を見ている人たちに共感してもらえません。

いつも「書く」の時間にやっているのと同じ要領で、模造紙にどんなストーリーの浮き沈みがあるのか、そしてクライマックスと結末がどうなるのか、アイデアをまとめてゆきます。ポストイットの枚数が増えるごとにストーリーが豊かになっています。

IMGP5354.JPG  IMGP5356.JPG

なんとなく順調に、淀みなくコトが運んでいそうですが、探究&創作がそんな簡単にゆくわけがありません。順調なのは、自分が知ってる範囲、わかっている範囲でなんとなくお茶を濁している証拠。もっと面白い展開はないのか、よりリアルな感じを出すには、どんな知識が必要なのか、考えつくしていないからです。5年生に求められるのは、この壁にぶち当たってみることです。なんとなくこんな感じでいいだろう……で済ませず、もっといいアイデア、もっと面白いストーリーがあるはずだと試行錯誤することです。そこで今回初めてと言ってもいいぐらいの、探究プロデューサーの出番がやってまいりました。

「う〜ん、なんとなく無難におさまってるかな〜。君たちが考えぬいたという感じがまったくないなあ〜。まだ面白くない」

と「挑発」して、つきかえします。

子どもたちは、絶句。困ります。でも、ここで奮起しないと、成長はできないということは、ここまで探究を積み重ねている子どもたちは百も承知。とはいえ、発想が出てこない。

「う〜ん、どうしようかな」

意味のある停滞期に突入です。ただつくるのではなく、つくりこむ醍醐味はこれから。もちろん、私も Generator として「共憂」し、「共悩」し、それを「共遊」してゆく先頭にたちます。さあ、いよいよこれから本番なり。残り2週間、怒濤の勢いでまいりますぞ!

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2015年07月06日

サマーキャンプ2015

今年もTCSでは、サマーキャンプを実施いたします。

summercamp15.jpg

2015年07月08日

2015年度夏休み課題図書

  【1年生】           【2年生】
            


 【3・4年生】        【5・6年生】
      


    

アマゾンのアソシエイトに参加しております。 TCSに紹介料が入りますので、教材・商品をご購入の際は是非こちらから!!

※TCSのウェブに掲載されていない商品を購入する際にもご利用ください。商品リンクよりは低率ですが、TCSに紹介料が入ります。




2015年07月10日

自分らしさってなんだろう?

タイトル:I am Special,YOU are Special.
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:私たちは世界に一人しかいないかけがえのない存在である。
[1年生]

5週目となる今週はいよいよ来週末のプレゼンテーションに向けて、自分らしさが伝わる”スペシャル”を6つの項目で選んでいきます。

今まで自分で発見した”見た目の特徴”や”性格”、友達や両親から”気づかせてもらったスペシャル”、そして”できるようになったこと”と”できるようになりたいこと”。

自分の性格について、自分らしさが伝わる特性ってどんなものでしょうか?

おこりっぽいのも自分だし、こわがりな自分も知っている。きれい好きなところもおしゃべりが好きなのもいろんな人と仲良くなるのが得意なのも自分です。

そのようないろいろな特性が合わさってできている”自分らしさ”からこれぞ自分らしいところかな、と思う特性について少し詳しく掘り下げていきます。
隣の子が自分の”きれい好き”な性格についてひらめいて語り出すと、ついつい「私も”きれい好き”にしよう!」と引っ張られてしまいそうになることもあります。
しかし、その度にそれが一番”自分らしさ”を表す性格なのか考えてみるように促したりみんなで話し合ったりしていくつかの視点で”自分らしさ”について考えていきました。

IMG_0142.JPG

「ぼくは”おしゃべりで口がかるい”性格について書くことにした!いつも頭の中で考えてることをつい話したくなるし、朝の会でも”こういうことかな?ぼくはこう思うんだけど”って発言したくなっちゃうから。
あと秘密のことでも話しちゃうから口もかるいんだ〜。(笑)」とニコニコと嬉しそうなHくん。

「”できるようになったこと”はいっぱいあるけどなんでもいいの?」
「これも自分らしい”できるようになったこと”なんでしょ?どんなことだろう・・・」
「自転車に乗れるようになったのはどうかな?」
「うん。それもすばらしいことだけど、例えば”自分でご飯が食べられるようになった”とか、”歩けるようになった”とか、”スキップできるようになった”とかできるようになったことって沢山あるよね?そういうことと比べてどうしても”自転車に乗れるようになった!”って書きたい理由ってあるのかな?」と私。

IMG_0143.JPG

すると「うーーん。そう言われるとあんまりないな。でも逆上がりができるようになったのはすごくがんばったてできるようになったことだからいいんじゃない?」
「私はね、もっと小さいころは虫がこわくて触れなかったんだけどね、今は虫も好きになって触れるから”観察”できるようになったんだ!」
「私はね、3歳のころから水泳してて、5歳の時にクロールできるようになったんだ!」
"My SpecialとYour Special"についてアレコレと考えぬいて5週目。

等身大自画像作りも大詰めを迎えて一層はりきっている1年生たち。来週もがんばるぞ〜!

IMG_0131.JPG



IMG_0139.JPG



IMG_0137.JPG

IMG_0138.JPG

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

構造はどうして必要なの?

タイトル:築きに気づく
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『構造よく力を制す』

[2年生]

「アルファベットが強い」という意見がでてきた先週。
では、なぜ、「三角形」や「ばってん」、「ZやX、Aなどのアルファベット」は強いのでしょうか?

なぜ、まっすぐな「棒状」の橋は隅田川にはなく、「構造」を持っているのでしょうか?

2015_t2_kizuki_wk5_01.jpg

・「力を分散するからじゃないかな?」
・「構造があったほうが、潰れてキャッチできるんじゃない?」
・「中に形がないと動いちゃうよね」

「強い構造」について振り返りながら、
その振り返りをさらにいかして、次の橋の製作に取り掛かります。

・「僕は今回はあえて四角が多い橋を作ってみる!」
・「今回はね、お神輿って、強いと思ったんだけど、お神輿みたいな形にしようと思う」
・「私も、机に引っ掛ける形にしたい!」
・「軽くするにはどうすればいいかな〜、多分細かすぎると重くなってしまう気がするんだけど」
・「前回はつなぎ目が取れちゃったけど、ピンでさせばしっかり繋がるんじゃないかな?」
・「やっぱり上と下はばってんが少なくても大丈夫なんだけど、横面はばってんか三角形が必要ってことなんじゃないかな。」

それぞれで、橋の「構想」を練って設計図に取り掛かっていきます。

今回は特に、「前回よりも軽く強い橋を作る」ことを念頭に置いています。
初回の実験では、軽くて最も耐えた橋は、34.43gの橋で、1.2kgに耐えました。
30g台での1kg越えはその一つしか達成されておらず、今回は30g台の橋で1kg越えを目指します。

2015_t2_kizuki_wk5_02.jpg 2015_t2_kizuki_wk5_03.jpg
2015_t2_kizuki_wk5_04.jpg 2015_t2_kizuki_wk5_05.jpg
2015_t2_kizuki_wk5_06.jpg

前回の設計図に比べさらに精密に描くことができるようになってきました。

2015_t2_kizuki_wk5_07.jpg 2015_t2_kizuki_wk5_08.jpg
2015_t2_kizuki_wk5_09.jpg 2015_t2_kizuki_wk5_10.jpg
2015_t2_kizuki_wk5_11.jpg 2015_t2_kizuki_wk5_12.jpg
2015_t2_kizuki_wk5_13.jpg 2015_t2_kizuki_wk5_14.jpg

実験は来週の火曜日です。果たして、「軽くて強い橋を作る」ミッションにこどもたちはクリアすることができるのでしょうか。そして、どんな構造とデザインの橋になるのでしょうか。
そして、来週はいよいよ最終週です。「実験」に「全員の橋の設計」に「プレゼン準備」に、来週はどのような「力を制する構造」を考え出すのでしょうか?


TY

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

発見を共有する

タイトル:We love 遊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」

[3・4年生]

遊史ートを作りながら、見つけ出した疑問や発見は、すぐに誰かに伝えたくなるものです。
スタッフに伝えにきたり、近くにいる友達に伝えたりしていますが、全員には共有されていません。 そこで、一度作業を止めて、自分がどこまで進んでいるかも含め、これまでに疑問に思ったこと、それを尋ねてみてわかったこと、プレゼンで発表したいと思っていることなどの報告を一人ずつしていくことにしました。

  IMGP6277.jpg

「お母さんもおばあちゃんも家の前で遊んでる。でも、私は、外なら公園とか、遊ぶ友達はTCSの子とかで、2人とは違う。家の前は車が通って遊べない。」
「うちのお父さんも山とか、原っぱって書いてある。」
遊び場という観点でみれば、2世代との間に大きな違いがあるようです。
どうして違いがあるのだと思うかを聞いてみると、
「車が通っていなかったから?」
「車がなかったからじゃない?」
「戦後は焼け野原だったから、広い場所がいっぱいあったんじゃない。」
「おばあちゃんは、焼け野原でがらくたがいっぱいあったって言ってた。」
「戦後は、何もなかったって書いてある。」
車・家・お風呂・食べ物・お金・カメラ・テレビ・おもちゃなど、
なかったと聞いて自分たちが驚いたものを次々にあげていきます。
「お風呂がなかったから、髪の毛洗えないから、女の子はおかっぱで男の子は坊主だったんだって。」
「おばあちゃんの写真に写ってる女の子たちはみんな同じ髪型で短い。」
「でも、シラミができちゃうと今でも男の子は坊主になるよね。」
「幼稚園のとき、流行ったことある。」
「カール人形で髪型変えられるのが楽しいって書いてある。自分じゃ髪型変えられなかったからかな。」
実際に、自分たちが経験していることと重なったり、
『ガラスのうさぎ』『半分のさつまいも』など戦後の子ども時代を描いた物語の一部を紹介したりすることで、写真や証言がさらなる裏付けとなっていきます。

「団地がどんどん増えていったから、野山がなくなっていった。」
「建物が植えて、空き地がなくなった。」「公園が増えていった。」など、
どうして変化していったのか考えられる根拠を一緒に探っていきます。

手紙には、たくさんの根拠となる元が詰まっています。
”車が少なくて道路で遊べた。”
”そろそろ車が走り始めて、信号が少なく広い道が危ないから、車の通らない路地で遊んだ。”
“お父さんがいた頃の団地は、まだ建物の数も少なくて人の手の入っていない野山があった。”
“田んぼでオタマジャクシをとって遊んだけど、高校生の頃には住宅街になってしまった。”

発見とは思わないで口にすることはしなくても、それぞれ自分がもらった手紙は読み込んでいます。 そのため、誰かの発表した話が自分の読んだことと繋がったときには、聞いている側から意見が飛び出してきます。ひとつの話題から見方が広がっていきます。また、書いてあっても気がつかない場合は、私の方から「誰かの手紙にこんなこと書いてあって気がするけど・・。」というと、一斉に手紙を読み直し、見落としていた部分を発見したり、こちらが意図していないところで「あ、こんなこと書いてある!」と新たな発見が生まれたりしていきます。

「おばあちゃんもお父さんもぼくもテレビの真似をしてた。おばあちゃんはおそ松くんのイヤミで、お父さんとぼくはガンダムが好き。」
確かにテレビの影響は大きいことがどの子の遊史ートからも見えてきます。
「お父さんたちのときは野球が大人気だったから、サッカーしてる子は少なかったって。」
「なんで、Tくんのお父さんはサッカーやってたのかな?」
“野球観戦が好きで、野球選手の真似をしてボールを投げてヒーロー気分になってた。”という文面があることから、野球とサッカーの関係にもテレビが関わってきていそうなことが予測できます。

「インベーダーゲームが好きだったお母さんにどこが面白かったのか聞いてみたら、ゲームオーバーしないように気をつけるところが面白かったって言ってた。」
「でも、アーケードゲームって何かわからなくて、まだ聞いてない。」
アーケードゲームは、家庭用ではないゲーム機の総称です。つまり、遊びに行った先で遊んでいたことになります。 お金を使ってゲームをするとなると、ゲームオーバーしないことが重要になってきます。 手紙には、「喫茶店などによく行っていってやっていた記憶があります。」と書かれています。
アーケードゲームの話を受けて、別の子がお父さんに質問をしてきたようで、
「うちのお父さんは、50円で1時間くらいしてたって言ってた。」と言います。

親世代の子どもの頃は「ファミリーコンピューターの発売」が遊びを大きく変えたことも手紙のあちこちで見えてきます。
“ファミコンを買ってもらってから、ゲームばかりになってしまった。”
“友達はファミコンを持っていたけど、うちにはなかった。
でも、このころから家の中で遊ぶようになった。”
“ファミコンと同じ頃からシルバニアファミリーが流行り、家に持ち寄って遊ぶようになった。”

全員の話を聞いて、自分の遊史ートを見直していきます。分け方を変えたり、発言はしたけれど書いていなかったことを加えたりしています。

IMGP6279.jpg    IMGP6258.jpg

来週は、いよいよ最終週。プレゼンテーションでは、紙芝居仕立てで発表します。一人ひとりの発見を1枚ずつ合わせていき、ひとつのストーリーを作っていきます。ほかの人の発見をどう繋げていくか、そこに世の中の動きを絡めていきます。 遊び場、遊ぶ物、テレビ、これらの変化を流れの中で結びつけることで、「歴史」と自分を近づけていきます。

AN

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

宇宙 SF 劇

タイトル: 銀河鉄道に乗って
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:創造の原動力が想像である。

[5・6年生]

科学的な知識もたくさん頭に入ってきて、ストーリーの流れについても、ああでもない、こうでもないと複数のアイデアが出てきました。ただ、まだ一貫したストーリーはまだ構築されていません。面白いエピソードの断片が山のようにたまってきましたが、残り2週間しかありません。そろそろ清水の舞台から飛び降りた気持ちで「えいやあ!」とまとめる決断をしなければなりません。

先週、意味のある停滞期の中で、さんざん悩んだおかげで、糸口は見えてきました。糸口が見つかれば、そこから糸を伸ばしてゆけるはず。ということで、実際に演技しながら、ストーリーの糸を伸ばしてゆくことにします。

IMGP5387.JPG  IMGP5389.JPG

大半の演技は、宇宙空間で繰り広げることにする。しかし、いきなり宇宙空間に出たシーンからだと、どうしてここに脱出してきたのか観客にわからない。さらに、登場する人たちが、何らかのミッションを帯びたプロフェッショナル宇宙飛行士なのか、宇宙移住のためにロケットに乗り合わせた一般人なのかによって、話の展開が変わってくる。

「主人公は、プロの宇宙飛行士たち。第二の地球を探すというミッションがあるということにしよう」

この「糸口」をきっかけにとりあえず、宇宙の場面から「即興」的に劇を始めます。7人の子どもたちが、勝手にそれぞれのキャラクターを演じてゆく中で、メインキャラクターを誰が演じ、そこにどうサブキャラクターがからんでくるか決まってきます。

こうして演じてゆくうちにあら不思議。面白いアイデアがたまたま生まれて、それを組み込みながら一つのシーンができあがります。

シーンが1つできあがると、そこからちょっとずつ「整合性」をつけながら前後にストーリーをのばしてゆくことができます。

なぜ宇宙に出てきたのかがこのシーンの前に必要。地球を脱出しなければならない必然性をこのシーンの前で見せないといけない……さあ、どうするか、みんなで作戦会議です。

「ここはナレーターにした方がいいね」
「うん、そうすれば、見ている人に伝わるしね」

上演時間は15分間しかありません……とはいえ、しょぼいお話にはしたくない。スケールの大きい話にしたい。ただ、あれもこれも盛り込みすぎると、あっという間に時間オーバー……そこで、ナレーターによる流れの説明を効果的に入れて、うまくモンタージュして、前後のシーンをつなごうという算段です。

IMGP5390.JPG  IMGP5394.JPG

こうして、まるでジクソーパズルのように、ワンピースずつシーンが埋まってゆきます。すると……

「ねえ、これ本当にこうなるの?」
「前の部分と合わないよ」
「ここなくてもいいよね」
「セリフがこうなるはずだよ」

それぞれ気づいたことをタイミングよくぽんぽんと出しながら、何度も演じ直してみます。演じ直すだけでなく、改めて「科学的事実」を確かめてみると……いくらフィクション的要素が強いと言っても荒唐無稽すぎる。これだとなんかただのお子ちゃまはちゃめちゃ劇で、リアルな感じが出てこない。さあ、どうするか……

「じゃあ、おまえこれ調べてみて」
「よし、じゃあおれは別のこれに当たってみる」

それぞれが有機的に自分の役割を果たし、動きます。

「ひらめいたあ!」

ホワイトボードの前に集まり、ひらめいた子の説明に耳を傾けます。熱心に説明されるアイデアに、「だったらこうしたら」というアイデアが加わったり、「それっておかしいところがあるかも」という修正が入ったり、なんとも熱い、熱い激論が交わされます。

そして……

「じゃあ、やってみよう」

新たなアイデアによってシーンを組みかえ、演技開始。またまた「即興」的にセリフを発してみます。

「それいいじゃん!」

思わず口に出てしまったセリフが見事にその場の状況を現す迫真のものになっているじゃないあですか。これはねえ、本人が言っているんじゃない。「場」が言わせているんですね。降りてきたっていうやつですよ。

やがて、またまた1つのシーンが見事に出来上がり、パチリとピースが埋まります。こうなるとますます盛り上がってきますねえ。でも、時間もおしている……果たして間に合うのか。

「大丈夫、うちでまとめ直してくるから」

おお、率先してホームワークですか。すばらしい。さあ、残り1週間、怒濤の最終週をいざ突っ走ろう。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2015年07月13日

プレゼンテーション7/17

TCSプレゼンテーションのご案内

東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動を行っていきます。
※テーマごとの6週間の学びの様子は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。

テーマ学習の成果を発表するプレゼンテーションでは、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。 (ご希望の方は、下記要領にてお申込みください。)

TCSの子どもたちが、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか、ぜひ直接その様子を見に来てください。

               記

【日時】 2015年 7月17日(金) 9:45~12:00頃 

【場所】 東京コミュニティスクール 校舎
     (東京都中野区中野1-62-10)地図
     ※JR・東京メトロ「中野駅南口」より徒歩9分     

【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール (担当:戸嶋・若林)
 TEL:  03-5989-1869
 e-mail: school#tokyocs.org
 ※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、件名を「プレゼンテーション見学希望」とし、
   以下の事項をお知らせください。

     1.見学希望日
     2.見学希望者氏名(すべて記入ください)
     3.お子さんの現学年(保護者の方)
     4.e-mailアドレス
     5.電話番号(日中最も連絡のとりやすい番号)
     6.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     7.質問事項等(あれば)

2015年07月14日

2015年度夏休み課題図書

2015年07月17日

いよいよプレゼン!

タイトル:I am Special,YOU are Special.
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:私たちは世界に一人しかいないかけがえのない存在である。
[1年生]

いよいよ今週末に迫ったプレゼンテーションに向けて”My Special Sheet”作りに励みます。

等身大の自画像製作とそこに貼る自分らしさを表す”見た目の特徴”、”性格”、”両親から聞いた自分のスペシャル”、”友達から聞いた自分のスペシャル”、”できるようになったこと”、”できるようになりたいこと”の6項目について学びたての”ひらがな”を使って丁寧に作りこんでいきます。

IMG_0141.JPG

IMG_0063.JPG

今までで一番たくさん字を書いた、とみんなが口を合わせて言うのがよく分かるほど真剣に自分らしさを表す言葉を文章にしていきました。
まずはエンピツで書いてから、その上をマジックでなぞることでアウトプットを見やすくしていきます。 
はみ出さないように集中〜◎

IMG_0144.JPG

こだわって作ってきた等身大自画像もいよいよ完成間近☆TCSに入学して初めてのアウトプット製作。レイアウトにも力が入りますね!

IMG_0145.JPG

IMG_0147.JPG

プレゼンテーションは自画像をオーディエンスに見せながら”自分のスペシャル”について6つの観点で語ります。
どの観点での発見もただシートを読み上げるのではなく、ストーリーがつながって自然な話となるように心がけ、内容をふくらませたり絞ったりしながら試行錯誤しました。
みんなの共通する目標は大きな声で堂々と話すこと。
今までになく一生懸命やってきた成果をあとは思いきって楽しく伝えるのみです。

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

プロジェクト「トコ連橋」

タイトル:築きに気づく
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『構造よく力を制す』

[2年生]

先週一週間でなんとか橋を仕上げた子供達。
今週はまず実験からスタートします!
br_01.JPG br_02.JPG
br_03.JPG br_04.JPG
br_05.JPG br_06.JPG
br_07.JPG

二度目の橋は、「軽く、そして強い」ことを目指し作りました。
今回も、多くの橋が目標の1kgを越えたのですが、特に、30g台で1kg越えが2つ、20g台で1kg越えが1つと、なんと、20g台で1kgに耐える橋が現れました。
では、どんな要素を持つ橋が「軽く、そして強い橋」だったのでしょうか。
明日から全員の知恵を絞り作る橋のために、実験を振り返ってゆきます。

・「やっぱりトラス橋が成績を残したよね?」
・「それって周りの枠以外資格がないからなのかな。」
・「三角形だと力を分散するから強いんじゃないかな」
・「中にばってんが入っていると真ん中で抑えられるから強いんじゃないかな?」
・「ただのばってんだけだと弱い気がするよ」
と、ストロー二本をばってんに組み合わせて試してみます。
IMG_5219.JPG

・「ばってんに縦横があると強くなるんじゃないか?」
・「ばってんにすると三角形がいっぱいできるから、強くなるんだよ!」
・「逆の三角形だと、地面についている部分が少ないから、曲がったり折れちゃったりするね」
・「みんなで助け合いできる形が強いんじゃないかな?」
・「それってどういうこと?」
・「えっとね、のっかったところだけじゃなくて、他のところの力も使えるということなの。」

強い橋の要素はやはり、力を分散させるために、「ばってん」にするか「三角形」を作るかが重要である、という結論に至りました。


そして、二日目は、全員で設計した橋を作るプロジェクトに入ります!
今までの構造についての議論を振り返って、どんな構造にするかを考えて行きます。

まず、橋の全体像!、そして今までは25cmだった橋を架ける幅が50cmになることから、全長についても決めなければなりません。

・「連続トラス橋がやっぱりかっこいいよ!」
・「トコトコチャレンジのクラス名のトコをとって、トコ連橋がいいんじゃないかな?」

ということで、これから作る橋は、「トコ連橋」と命名されました!
全員が「トラス橋」で同意しましたが、橋の幅を何cmにするかで悩みます。

・「軽くて強かった橋は、35cmだったよ!」
・「30cmの橋はすぐに片側から落ちちゃったかな。両側で乗せられるのは5cmしかないや。」
・「え、2.5cmじゃない?」
・「てことは、35cmのときは両側5cmか。」
・「じゃー50cmの場合には5cmにするのがいいのかな?」

比率を考えると・・・5cmの場合では、両肩に乗る長さが短くなってしまいます。
結局両側に10cm乗ることを考え、全長70cmの大きな橋とすることになりました!

では、次は「トラス橋」の構造をどうするか考えて行きます。
「ワーレントラス」と「ハウトラス」の二つのどちらにするかですっぱりと子どもたちは意見が割れました。

・「ハウトラスはすべての斜めの柱が外側を向いているから、力を外側に分散するんじゃないかな?」
・「ワーレントラスは力が上に行ったり下に行ったりするから力が分散されやすいと思う」

なかなか、一つの考えにまとまらない子どもたち、
設計図を描く時間は今日のテーマの時間しかありません。
・「そういうことなら、上と下の部分はハウトラスにして、ワーレントラスを横にしたらいいんじゃないかな?」
・「それって単純に合わせただけなんじゃないの?」
・「うーん・・・ハウトラスの時は、一つの接合点に柱が一つだけついているのが、3点、二つ柱がついているのが、16点、三つ柱が付いているのが1点でしょ?、でもワーレントラスの時は、柱が一つついているのが11点、三つ柱が付いているのが9点でワーレントラスが横の方がバランスがいいと思うんだよね」

そこまで考え抜き、設計図を原寸大で作っていきます。
IMG_5226.JPG IMG_5227.JPG

「できた!、色もこの設定通りお願いね!」
「構造」も「デザイン」もカラフルなトコ連橋の設計図が完成しました!
tokoren.JPG

さて、プレゼンテーションデイ前日、明日はプレゼンテーションです。
プレゼンテーションでは「強い形と弱い形、そしてなぜ強いのか、なぜ弱いのか」についての解説を入れて、プレゼンテーションの構成をしていきます。

・「導入では全体のことを話して・・・」
・「私は強い形について例を話したいな」
・「なぜ強いかについてはやっぱり、力を分散させること、そして助け合える形になっていることを説明する必要があると思う」
・「この前のばってんの話、使えると思うんだ〜」

実験も含めプレゼンテーション全体では25分しか時間がありません。
なので、なんとか、一人1分で終えられるように、短いけれどわかりやすく伝えるプレゼンテーションのためにリハーサルをしてゆきます。
IMG_5253.JPG IMG_5254.JPG

・「トラス橋の模型があった方がやりやすいなー」
・「三角形のモデルと立方体のモデルがあると、説明しやすい!」
・「発表用に小道具を作ろうよ!」

プレゼンテーションのリハーサルを繰り返していくうちに、小道具を使ったり、解説の仕方について工夫を始めました。

じゃあ全員通しでやってみようか!時間は大体一人1分で、そのあとは実験に残しておこう!

今までの試行錯誤の結果を明日皆さんの前で披露します。
どのようなプレゼンテーションになるのか、お楽しみください!


TY

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

自分ごととして捉える

タイトル:We love 遊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」

[3・4年生]

一人ひとりの発見をつなげて、ひとつの“写真紙芝居”をつくっていきます。
それぞれ、伝えたい発見は決まりました。
いよいよ、発表者11人がどの順番で話をしていくかを考えていきます。

IMGP6301.jpg 発表しないことも含め、これまで手紙や写真、話を聞いて得た情報を 1枚の模造紙に整理してみました。

つながりがありそうな事柄を近くに配置することで、それを参考にしたり、 あるいは別の見方が出てきたり、順番を決める足がかりなればと思い作成したものです。


4年生は率先して誰と誰の話がつながるか、どんな話から始めたらいいか、
終わりをどうしようか、考え、つぶやき始めます。
一方、3年生は、「きっと誰かが決めてくれる」そう受け止められてしまうような
素知らぬ雰囲気・・・。

IMGP6303.jpg
一人一案は出すことにしてみると、一変。
どうしようか、自分ごととして考え出しました。





3・4年生での話し合いでは、最終的に4年生がまとめることが多いのですが、
すべてを任せてしまうとやはりうまくいきません。
誰かの意見に乗っかるのでも、自分の意見があるのとないのとでは、発表に込める思いが変わってきます。自分がどう考えているか、どう迷っているのかをお互いに出し合っていくことで、ひとつのものができあがっていくこと、 それを面白がれるようになってほしいところでもあります。

自分の意見を持ち寄り、話し合い再開です。
「もともとある物を使っていた遊びから、おもちゃを買ってもらって遊ぶようになった話は、 2人いるから、くっつけた方がいいと思う。」
「物が増えていって、いっぱいガン消し買った話につながるんじゃない?」

なぜ、ある物を使って遊んでいたのか、そうせざるをえなかったのはどんな時代だったからなのか、世の中の動きにも目を向けていきます。
「戦争で何もなくなった。」
「家もお金もお風呂も。」
「なんで日本は戦争で負けて何もなくなったのに、物が増えていったんだろう?」
「高度経済成長って、ベトナム戦争や東京オリンピックのおかげでしょ?」
「戦争で使うものを売ってお金儲けしたって、なんか変な感じがする。」

「物が増えたけど、輪ころがしみたいな面白そうな遊びはしなくなった。」
「遊び場がなくなっていったからだ。」
「お父さんの多摩ニュータウンの話につながるかな。」
「習い事で遊ぶ友達が少なくなった話にもつながる。」
「お母さんは習い事の塾が嫌で僕には通わせたくなかったんだって。」
「その塾、問題間違えたら、ぶたれる塾だって。」「えー!!」
「うちのお父さんも学校で忘れ物したらビンタされたって。」
「ランドセル屋上から投げられたこともあるって。」

話に出てくる親の年代は、だいたい1980年前後に10歳になっています。
それまでの詰め込み教育からゆとり教育へ転換されていった時期になるものの、
塾ブームで「通わせられていた」と語る親が何人かいることが窺えます。
「その話、遊史ートに書いた?」と尋ねる子に、
「あ、書いてない。」と答えています。
遊びの話ではなくても、子どもたちは、親から子どものころの思い出話を聞いているようです。
ふとしたきっかけで、これまでの話にも手紙にも出てこなかった新たな情報が出てきます。

「習い事なら、ぼくの発見は3世代とも楽しかったことに習い事が入ってる。」
習い事が好きにできるようになったこと、食事の手伝いをしなくてもよくなってきたことから 核家族、少子化の話に。また、世界での戦争が絶えないことやテロ事件にも触れていくことに。 こうして3世代を比較すると、やっぱり今の時代がいちばんいいと子どもたちは言います。自分の自由な時間がたくさんあるとのこと。

IMGP6314.jpgだいたいの流れが決まり、話す内容に合わせて自分のページを作っていきます。遊史ートで使った写真、あるいは必要なデータや欲しい写真をインターネットから探して貼り付けていきます。keynote操作といえば、上級生はもうお手の物。彼らから教えてもらったことをさらに知らない子に伝授していきます。



IMGP6313.jpg話す練習の最中も、「もっとこうした方がいいかも」と修正に修正を重ねています。プレゼンを何度も経験しているだけに、自分の課題はわかっています。「はっきり話したい」「体をふらふらさせないで話したい」「大きな声で話したい」こんなふうに話したい自分をイメージしながら、自分の言葉で語ることを目指します。



AN

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

Play 劇 で Play 遊ぶ

タイトル: 銀河鉄道に乗って
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:創造の原動力が想像である。

[5・6年生]

私が Tedx Tokyo Teachers で取り上げたのは、子どもとともにつくりあげた葬式劇でした。数十年後に恩師の「葬儀」でかつてのクラスメイトと再会したとしたら、未来の自分が、その場で、どう「生きて」いると語るのか、また、弔辞を述べなければならないとき、バトンを先輩から引き受けた者としてどう生きてゆくと宣言するのか、演じることでまさに「未来」を生きてみるという劇です。こんなシリアスかつ難解なテーマで小学生が劇など演じられるわけがない。かりに演じたとしてもそれは大人がつくったシナリオにのっとってに違いないと思う方も多かったのですが、見事に子どもたちは、未来の自分になりきって、大人顔負けの劇をつくりあげたのでした。

それは「劇 play」という仕掛けが、人の気持ちを「playful」 にし、とことん「遊ぶ play」気持ちを解き放つからです。「遊ぶ」というと何か楽しげなことをするお気楽なイメージをお持ちの方もあるかもしれませんが、実は、まったく正反対です。自由に発想してよいのですが、そこには「制約」があります。何でもありでは「遊び」にならない。「制約」があって、「困難」があって、簡単にはいかないのだが、それをとらわれのない発想と、大胆な行動で乗り越えてゆくのが「遊び play」なのです。まさに真剣勝負。笑いなど一切起こらず、一見すると苦行のように見えながらも、試行錯誤を辞さずしつこく取り組む活動です。

81ouQJl27RL.jpg

「劇」がplay と呼ばれるのは「遊び心」を解き放つ仕掛けの象徴だからでしょう。「もし、こうだとしたら」という「状況」を設定し、そこで「どんなことが起きるか」そこに居合わせた人に「なりきって」シミュレーションするのが「劇」です。それは架空だけれど、なんでもありではない。とはいえ、現実の枠にのみ閉じる必要はない。「リアル」に起きそうなことなのだけれど、それは今自分が生きている「リアル」とは異なるもうひとつの「リアル」。パラレルワールドを想定してそこでの「リアル」を徹底的に想像するのが「ファンタジー」でしょう。「劇」はそんなファンタジックな状況を目の前に見せてくれる仕掛けと言えましょう。

哲学者・科学者の行う「思考実験」、開発担当者やマーケッター、行政に携わる人たちが現状を把握し、未来を予測する際に行う「シミュレーション」は、「劇」と同じです。人が実際に演じてみた思考実験・シミュレーションが「劇」と言い換えてもよいかもしれません。

私たちが将来どんな未来を迎える可能性があるのか、そのとき自分たちはどんな行動をするのか。他人事ではなく、当事者として意識するには「劇」がうってつけ。ゲームなら2次元平面上で繰り広げられるのでしょうが、「劇」は3次元平面上でキャラクターに自分がなりきって動いてみるゲームです。その際に、リアリティが求められるわけですから、裏づけとなる科学的事実を必死になって得ようとするし、それがふさわしいかどうか必死になって理解しようとします。さらに、わからないことや不明なことが出てきたら、あり得そうもないような「仮説」をぶちこむことが可能です。それが「遊び」です。こうしているうちに、ストーリーは自ずと立ち上がって来ます。このストーリーの創発性を、即興で劇をつくりあげてゆく醍醐味を知らない方は理解できないのでしょう。だから子どもたちのイキイキした演技を見て、

「シナリオを読んでみたい」
とか
「セリフ覚えるの大変だったんじゃない?」

というようなとんちんかんなフィードバックをしてしまうのです。彼らは決してセリフを覚えていません。状況や前提条件をしっかり共有し、自分が演じているキャラクターがどういう意味合いを持っているのか熟知しているから、セリフが自ずと口をついて出てきてしまうのです。だからセリフを覚えてはいないのです。これがなりきるということです。

もちろん、ここまで「なりきって遊ぶ」ためには、それまでに集めてきたさまざまな知識や、話し合いの蓄積が利いているです。だから氷山の一角として、ちょこんと浮かび上がるのです。海面下の氷山の大きさこそ、表にあらわれた「劇」の質に直結しているのです。冗長に、徹底的に、あれこれ情報を集め、それについて幾通りもアイデアを練っては捨ててきたプロセスが花開くのです。これが TCS のテーマ学習を「探究」たらしめているのであり、もはや TCS のお家芸ともなりつつある「なりきり即興演劇」を支えているのです。

play で playful に play することで creative になる。その原動力はまさに imagination だった……

最後の最後まで、改訂を辞さず、しつこく磨き続けた結果、面白い宇宙 SF 劇ができあがりました。これは映像で永久保存しておかないといけないな。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2015年07月24日

「I am Special,YOU are Special」〜ふりかえり〜

タイトル:I am Special,YOU are Special.
探究領域:自主自律
セントラルアイディア:私たちは世界に一人しかいないかけがえのない存在である。
[1年生]

このテーマでは自分の見た目の特徴や内面の特徴について様々な視点から仲間とともに観察してきました。

そうした観察を記録に取り、思ったことを共有していく中で、 新たな発見をし、 好きな自分もそうでない自分も、 両方とも「今の自分」であることを知り、 その考えを軸として、それぞれの違いを持つ他者も自分と同じく”スペシャルな存在なんだ”ということを受け入れていくことを目指していきました。

2度目となるプレゼンテーションではみんながいきいきと、発見した自分のスペシャルについて等身大の自画像とともに語りました。
オリジナリティ溢れる自画像は肌の色や髪の毛や眉毛の生え方にもこだわり、それぞれの個性が伝わってきます。

IMG_0149.JPG IMG_0151.JPG IMG_0153.JPGIMG_0155.JPGIMG_0158.JPG

友達や両親から気付かせてもらったスペシャルについて語っている1年生の姿を見て、オーディエンスの皆様からも自分が気付いていない自分に気付くこと、また友達と似ていたり異なっている面を観察してきたことで彼らが入学したころよりもずっと成長していると感じたといくつものコメントを頂きました。

自分も他者も世界にたった一人しかいないかけがえのない存在であることに気がつくことができた1年生”せかい”クラスのメンバーはこれからより一層自分や友達のスペシャルを認め合いながらどんどん進化していくことでしょう。

YI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「築きに気づく」〜ふりかえり〜

タイトル:築きに気づく
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:『構造よく力を制す』

[2年生]

今回のテーマ「築きに気づく」では、軽く強い橋をつくり、構造を考えることを通して、「構造よく力を制す」ことを探究してまいりました。

プレゼンテーションでは、「今回学んだ構造についての解説」+「作った橋の説明と実験」の二本立てでお送りいたしましたが、こどもたちは本当に元気に、楽しそうにプレゼンテーションしてくれました。そのプレゼンテーションからいかにかれらが遊び、没頭して構造と力について学んでいたかが伝わったのではないでしょうか。

こどもたちは、橋を作ることに熱中し、テーマ学習以外の時間もうまく使いながら、テーマ学習では立体の橋の設計図を精密に書き、そして丁寧に橋をストローと安全ピンをつかって製作していました。その姿は、「アクティブ」というよりも「没頭・没入」している姿でした。

また、プレゼンテーションも、こどもたちは一度原稿を作っていますが、直前で原稿は捨て、通しのリハーサルをしていく中で、「話す内容」を作ってゆきました。
実際にプレゼンテーションの練習に当てられたのは前日のみだったのですが、なんとか前半の「構造についての解説」の形を作ることができました。

しかし、元気なプレゼンテーションとなった反面、参観の皆さまからいただいたフィードバックにあったように、うまく探究した内容、「なぜ強いのか」といったところが伝わらなかった部分もありました。

特に、今回作った「ストローブリッジ」は、コンテストの種類が多く、基準も多様であったため、強度計算を「橋の重量と耐荷重の比から求めていたこと」が原因の一つであったようです。
「築きに気づく」のテーマ学習のために、ストローブリッジコンテストの「明確な基準」をつくりあげる必要があった点が特に今回の反省点です。

さらに、今回は「万象究理」の領域であったため、どの要因が橋の強度を決めるのか、にフォーカスせねばならない側面がありました。
「三角形の高さが低い方が強い」、「四角形よりも三角形の方が強い」、「三角形よりもばってんの方が強い」、「三角形はちからを分散させる」、「橋の全長は長い方がよい」など、要素は出てきていたものの、それぞれについて「変数を統制した実験」を行うことはありませんでした。
立体の橋を作るためには製作期間がかかってしまったのですが、もしかしたら、それぞれの作りたい橋を作るのではなく、どのような「変数」があるかをみんなで考え、それぞれのタイプを実験してみるためにみんなで橋をつくる、という進め方もありえたのかもしれません。

「作りたい」ことと「調べたい」ことの違いが難しい「築きに気づく」のテーマでしたが、こどもたちののめり込む力の凄さと、プレゼンテーションも含めた科学的な学びへの今後の課題が見えたテーマ学習でした。


TY

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「We love 遊」~ふりかえり~

タイトル:We love 遊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」

[3・4年生]

自分の親・祖父母が子どもの頃にどんな遊びをしていたのか。
以前から伝え聞いていた話や今回初めて聞く話・見る写真を通して、
遊びだけではなく、その時代にどんな生活をしていたのか、
学校ではどんなことをしていたのかなど、思い出になるエピゾードまでが話題に出てきました。
それぞれの話を聞いていき、共通している部分、相違している部分を追っていくと、
祖父母世代では、第一次世界大戦、もしくは第二次世界大戦といった、戦中戦後の体験、
親世代では、高度経済成長の影響が浮き彫りになっていきました。

どうして戦争が起きたのか、どこと戦ったのか、
負けたのになぜ日本は豊かになっていったのか、
次々に出てくる疑問を探りながら、歴史をたどっていきました。

日頃、ニュースは天気予報くらいしか見ないと言っていた子どもたちでしたが、
安保法案に関する時事に興味を持つようになり、
戦後からの憲法の流れが今に続いていることを実感するきっかけにもなりました。

プレゼンでは、「これからも変わらないと思うこと、変わるだろうなと思うこと」という質問に対して、
「物を使わない鬼ごっこなどの遊びは変わらず、ゲーム機などの技術は変わっていく。」
と 変わる遊びと変わらない遊びがあるという応答をしていました。
遊びの内容は変わらなくても遊ぶ物はどんどん変わっていくという発見が印象強かったようです。プレゼン後に遊び以外での「不易流行」を聞いてみると、
「戦争は流行になってほしい。」
「自殺はなくなってほしい。ニュースで見るから。」
「男子は暴力ばっかり、やめてほしい。」
変わらないけれど、変えていきたいことがあがり、
変わってしまうかもしれないけれど、変わらないでほしいこととして、
自分たちが今もっている楽しい時間や、今存在している植物や動物が絶滅しないでほしい
と 答えていました。 中には、自分の直していきたい性格を変えたいという意見もありました。

身近な遊びの「不易流行」を見ていくことで、それが社会の動きとつながっていることに
気づいていきました。 大きな流れの中で自分たちの置かれた生活があるということまで視点が広がり、 これからの社会の動きに興味をもてていけたらと思っています。

AN

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「銀河鉄道に乗って」〜ふりかえり〜

タイトル: 銀河鉄道に乗って
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:創造の原動力が想像である。

[5・6年生]

最初から最後まで宇宙の世界にはまりっぱなしでした。映画『インターステラ』のすさまじい影響力を感じるとともに、やっぱり子どもは(特に男子は)スターウォーズを始め、宇宙 SF が好きなんですね。

宇宙についてのマニアックな知識ほど知りたくなる……友達と激論しながら理解しようとする……そして、人類が地球を離れなければならない因縁に思いを寄せつつ、いかにして「第二の地球」を見つけるか妄想する……

こうした学びのプロセスこそ、科学として宇宙を学ぶのではなく、人類の歴史について、さらには、社会の盛衰について考える「時空因縁」領域の学びとして意義深いのです。

それにしても、すばらしい劇の出来映えでした。TCS 史上に輝く!と言っても大げさではないでしょう。考えに考え抜いたストーリーの素晴しさは言うまでもなく、役に真からなりきった演技がなにより素晴しかった。観客は完全に引き込まれていましたね。とても、とても、子どもの劇と片づけられない「本格派」でした。たった15分で壮大な宇宙のストーリーをまとまりある形で示すのは相当大変だったはず。そんな難題をクリアできたのも、子どもたちが本気で探究に没頭していたからでしょう。

興奮さめやらぬタイミングで、NASA が「地球のいとこ」と呼べる、人類が住めそうな惑星を発見したと発表したではありませんか。これってまったくTCS の子どもたちの「劇」とシンクロした内容。いつもながらこうした connecting dots が、さらに子どもたちの探究心にドライブをかけるのです。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



NPO Tokyo Community School 
特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール 


〒164-0001 東京都中野区中野1-62-10 
TEL: 03-5989-1869  FAX: 03-5989-1649 
e-mail: school@tokyocs.org