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「地図」を頼りに「目的地」にゆく

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

ここまで3週間、かつて犬屋敷のあった範囲の「東半分」の地域、つまり、紅葉山通り、大久保通り、中野通り、早稲田通りに囲まれたところをあちこち歩いてきました。この範囲の中央を、まさに「中央線」が東西に横切っていますが、「中央線」の南側については、かなりはっきりした「頭の中の地図」ができあがってきていることが、先週書いてもらった「略図」を見るとわかりました。ただ、中野の中野らしさをよく表している中野駅の北東部、つまり、中野5丁目のごちゃごちゃした地域については、まだはっきりしていないところが広がっています。

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TCSは、紅葉山通りに面しています。玄関を出て左に進めば、いつも使っている中野駅南口までの通学路です。しかし、右に進んで、中央線のガードをくぐり、しばらくまっすぐ行くとファミレスのある交差点に出ます。そこが早稲田通りです。でも、そこまで行かず、そば屋の前の信号を渡り、右にぐにゃっと曲がった道をちょこっと行けば、天神様があります。天神様の西側でY字に分かれますが、北の方に行けば、やっぱり早稲田通りに出ます。しかし、西の方に行けば、中野駅北口方面に出ます。ただ、この辺りはいくつも西に向かう細い道があります。いったい今、歩いている道はどの道か。それを持っている「地図」で確かめるのが今日のミッションです。

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天神様に面した道には魚屋さん、薬局、写真屋さんなどちょっとしたお店があります。しかし、銭湯はありません。では、銭湯に行くにはこの道ではダメ。どの道を行けばいいのでしょうか。渡したのは1万分の1の地図。そこに銭湯の位置に目印がついています。

「今はここだろ……」
「じゃあここを行けばいいのかなあ……」

ペアで助け合って「銭湯」探します。まだぼんやりしている「中野5丁目エリア」ですが、さんざん歩き回っているので、かなり土地勘ができています。どの道が南北に走っていて、どの道が東西に走っているのか、さらに目印となる「ドコモビル」や「サンプラザ」がどっちの方に見えるのか、なんとなくつかんでいます。駅に近づけば近づくほど飲食店が増えてくるのも知っています。あれ?こんなにお店が増えてきたということはどうも来過ぎたかな……と迷ったかどうかを感じとるセンサーが働くようになってきています。

「この道じゃなければもう一本南かも……」

行き過ぎたら戻り、戻り過ぎたらまた別の道を行き、やみくもな試行錯誤ではなく着実に目的地に近づきます。

「見つけた〜!」

「地図」に描かれている場所と自分の実感とが見事にマッチした瞬間です。ついに「ココドコ!」ということが、虫の目の「実感」と鳥の目の「地図」とをつなげて理解した瞬間です。

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あるペアは、思いっきり迷って、結局、中野駅南口の交番までわざわざ行って、おまわりさんに「この地図の印のついた場所まで行きたいのですが」ときちんと事情を説明し、行き方を改めて教わって、無事、たどりつきました。道に迷っても、どうやってリカバーするか身についてきて、たくましくなってきたな!「迷う」からこそいろいろ理解が深まることもある!ホームワークで中野5丁目あたりの「略図」を書いてもらったところ、今までぼやっとしていたのに、書けるようになってしまいました。具体的体験に基づいて俯瞰&抽象化する機会をいっぱい持つことで「ココドコ!」とわかるようになってきました。

ということで、来週はいよいよ最終試験。いろいろな場所に地図だけを頼りに行ってみることと、突然、たずねられた時点でいま地図上のどこにいるかを当てるワークを行います。

RI

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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