東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2014年04月 アーカイブ

2014年04月11日

「「蚕糸の森」見っけ隊」~概要~

タイトル:「蚕糸の森」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:身のまわりには、限りない「!(発見)」と「?(疑問)」がある。

[1年生]

「学」という漢字は、子どもの頭の上に3つのアンテナが立っている。
TCSでは、学のツの部分を「学びのアンテナ」と呼んでいます。
「発見!」「疑問?」「モヤモヤ」
この3つのアンテナが反応することで、
学びのサイクルがぐるぐる回っていくと 考えています。

TCS生活の何もかもが初めての1年生。
初テーマでは、この3つのアンテナをフル活動させていきます。
「何これ!?」「すごいの見っけ!」など
思わず声に出して、すぐにでも誰かに教えたくなる、そんなワクワクするものを
どんどん探し出すこと、そして、それが何なのかをとことん見いだしていくことが
今回のミッションです。

そう、1年生は、見っけ隊に任命されたのです。
見っけ隊員にとっての冒険島は、スクールのすぐ近くにある「蚕糸の森公園」。
探究領域「時空因縁」の始まりとして、彼らが、
「!」「?」「!」「?」を繰り返し、場所の特徴と価値を追究していきます。
ドキドキ、ワクワクしながら追究していくことを楽しんでほしいテーマです。


AN

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「ココドコ」~概要~

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

一年前、「蚕糸の森公園」でたくさんの「!(発見)」と「?(疑問)」を見つけた2年生。
今回は「杉並のまち」にフィールドを広げ、地図を片手にまちへ繰り出します。

この地図記号は何を表しているんだろう?
ここは一体どこなんだろう?
これからどの方向に進むべきなんだろう?

本テーマでは、地図を媒介として、物事を俯瞰する力を養っていきます。

ミッションは、目的地に迷わず行けるようなわかりやすくて正確なスクール周辺の地図をつくること。

さあ、書を捨てよ、町へ出よう!


HY

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「詩人の旅」〜概要〜

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感情が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

人は旅に出ると、心が解放され、自ずと『詩心』が生まれます。芭蕉をはじめ、古人が詩を詠むために旅に出たのも故あってのことでしょう。

今回のテーマで目指すのは、まさにタイトル通り、旅に出て詩を書くことです。感動した気持ちを言葉として凝縮し、他者の共感を呼ぶ表現を生み出すことに挑戦です。

そのために、詩人のワザを学び、旅で生まれた詩情をそのワザを使って書いてみます。そして、自分の発見や感動がより鮮明に聞き手に伝わる詩を書くために、何度も作品を推敲し、より良い表現を追究してゆきます。そのプロセスの中で、仲間たちの詩に触れ、お互いの感性の素晴しさに気づくはず。それは表面的な他者理解を超え、根源的に認めあうきっかけになるでしょう。

子どもたちよ。さあ旅立とう!言葉を磨いてどこまで共感を呼ぶ表現ができるかとことん探究しようではないか!

RI

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2014年04月18日

見っけ隊員、出動!

[1年生]

テーマって何?
国語なら、本を読んだり、ひらがなを練習したりすること、算数なら数えることと
なんとなくやることがわかるけれど、テーマってどんなことをやるの?
もうすでに、頭の中には「?」がいっぱいです。
子どもたちは、知らぬ間にテーマ学習をスタートさせています。

ひとつのテーマは6週間。
テーマが終わるときには、他の学年やおうちの人たちの前で発表をする。
テーマには、毎回タイトルがある。
やりたいことではなく、やるべきことがある。

なんとなくわかったような、わからないような
頭の中はモヤモヤしている様子です。

今回のテーマタイトルは、「蚕糸の森 見っけ隊」。
私たちが目指していくこと、セントラルアイディアは、
「身の回りには、限りない「!」発見と「?」疑問がある。」です。

「あっ、!と?だ」 「学びのアンテナだ!」
「!」と「?」のマークを見て、子どもたちがこれまでのモヤモヤから
飛び出し、うれしそうに反応します。

%E5%AD%A6IMGP3594.jpg 入学式で校長先生から教わった「学」という漢字が浮かんできたのです。

TCSでは、学のツの部分は、学びの3つのアンテナを意味します。
「あ、すごい!」と発見するアンテナ
「これ、なんだろう?」と疑問に思うアンテナ
答えがないものにモヤモヤするアンテナ



1年生は、見っけ隊員となり、
蚕糸の森公園で「!」「?」「モヤモヤ」をいっぱい見つけ出すことが
今回のミッションになります。

スクールのすぐ近くにある「蚕糸の森公園」は、TCSキッズの楽しい遊び場です。
1年生にとっては、まだどんなものがあるか知らないことだらけの冒険の場。

「だんご虫いるかな?」「土を掘ってみる?」
「クシュクシュって音がしたけど、カブトムシの音かも?」
「金色のコイが3匹いたよ。まだいるかな?」
「犬が散歩してた。ねこはいるかな?」
「橋があったよ。秘密基地になりそう。」
「探検したい!」

『エルマーのぼうけん』のエルマーのように、
見っけ隊員たちは、蚕糸の森へ出かけました。

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「!?のマークが両方かいてある!」
「怒ってるマークもあるよ。」

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「ここから、滝の後ろが見えるよ。」




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「じゃがいもみたいな土」


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「すっごくぶっとい木」
「どのくらい太い?」




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後ろ側に2人います。





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「踏切?」
「遮断機?」




今週見つけた「!」や「?」は、22こありました。
「蚕糸の森は広いからなぁ。」
「50個は見つけたいな。」「100個は?」

蚕糸の森には、どんなものがあるのか、
来週もワクワクしながら探していきます。


AN

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この地図記号はなんだろう?

タイトル:ココドコ
探究領域:時空因縁

[2年生]

新テーマ「ココドコ」が始まりました!

2年生達と一緒にテーマ学習に取り組むのは初めてなので、こちらもドキドキワクワクです。

早速、「地図」という言葉からどんなことを連想するか、知っていることや思いついたことについて尋ねてみると・・・

「場所がわからない時に使う。」
「地図はごちゃごちゃしていて、どれが道かわからなくなる時がある。」

と真反対の感想が聞かれます。
スキー場のゲレンデ案内や展望台の眺望図を連想する子もいました。

「では、この地図からいくつの地図記号を見つけられるかな?」

子ども達前に地図を広げ、地図記号さがしを始めると、全員のテンションは最高潮に。
次々にいろいろな地図記号を見つけていき、模造紙に書き込んでいきます。

20140418.001.jpg 20140418.002.jpg

ただ、それと地図記号の意味を知っているのかは全く別の話。
歩いていてよく見かける文マークや形から予想がつきやすい鳥居マーク以外については、

「卍は避難場所かなあ。」「いや、リサイクルでしょ。」
「Xは危険マークじゃないかな。きっと、そこに何か危ないものが埋まってるんだよ!」

なんて声も聞こえてきます。

「この地図記号が何なのか、確かめに行こうよ!!!」

居ても立ってもいられなくなった子ども達と一緒に地図記号ハンティングに出かけることにしました。

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昨年度、交通安全の問題をスクール全体で何度も話し合った子ども達。
指示を出さなくても、地図を持っている人を先頭に自然と隊列を組む様子がうかがえます。

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JRの線路沿いに変電所を発見!

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なんだ、◎マークは区役所だったのかあ。

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小さな小さな神社を見つけ、みんなでお参り。

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道に迷いそうになった時も通ってきたルートをふりかえり、現在地を割り出します。
近所に目印となる交番があると予想し、見事それが的中。
なかなかやるじゃないか!

とは言え、ここまではまだまだ序の口。
いよいよ来週からは「まちなかオリエンテーリング」に挑戦します。
地図を片手にスクールまで戻ってこられるかな?

HY

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詩って知ってる?

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現

[3・4年生]

言葉とイメージ。言葉と感覚。言葉と感情。この間には大きな隔たりがあります。その深い間隙をなんとか乗り越えようとつむがれるもの。それが「詩」ではないかと私は思います。

「パトス」の動きを「ロゴス」でとらえる。しかもそれは単なる「客観的説明」であればいいというものではなく、書き手と読み手との間に深い「共感」が芽生えることを目指している。はっきりと分断されて、つながることが不可能である「我」と「汝」との間になんとか橋をかけるために書かれた表現が「詩」になるのでしょう。

いきなりの哲学チックな文に当惑なさったかもしれませんが、「詩」を書くことの根源をおさえずして、なんとなく子どもらしいメルヘンチックな世界が描かれればよい……というのなら、あえて「詩人の旅」などという探究を行わなくてもよいでしょう。感情を言葉としていかに凝縮できるか考え続けるところにこの学びの本質がある。このコンセプトを探究教師がしっかり胸に抱いてともに子どもと学ぶことが大事だ!ということをまずはお伝えすることからスタートしたかったのです……

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いつものようにメタメタマップを使って、子どもが「詩」についてどんなことを「知」っているか探るところから学びはスタートしました。

「詩というのはね、ほんとうは聞こえないことを書くと思う」
「しゃべらないはずのものの気持ちとか書くんじゃないかな」

おいおい、君たちはなんということから語り始めるのかね。いきなり「詩」の本質に関わるようなことが飛び出してきてしまいました。

「詩の書き方はふつうの文と違う気がする」
「でもどう違うのかわからない……」

詩の表現「形式」への疑問も上がってきました。

子どもたちが今、「詩」について「知」ってることが見えてきたところで、表現したい!という「詩心」を誘発すべく、早速、春の息吹あふれる外へ飛び出すことにしました。プチ「旅」として選んだ場所は新宿御苑。スクールからほど近く、この時期はまさに百花撩乱です。

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八重桜がまだ咲き誇り、ツツジが咲き始め、ハナニラが可憐な白いじゅうたんをしきつめます。濃淡いりまじるさまざまな新緑とあいまって、まさに「色とりどり」です。

詩作のための題材を選ぶ……そのための詳細な観察記録をつける……そんなのはあとあと!せっかく平日で訪れる人も多くない開放感ある空間に来たんですから、まずはのんびりと午後の昼下がりを過ごすことから。すると自ずと心も解放されます。

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一段落つくと、自然な衝動として、広い公園をあちこち探検したくなります。どうぞ、自由に行ってらっしゃい。そのときにもしこれは詩になりそうだというものがあったら見っけもんだね……ぐらいの「ゆるゆる」の指示(というほどのものでもないが……)だけ出して送り出します。

これだけ花が咲いているんだから花を題材にするかな……と思いきや、紋切り型の「花見」を楽しむ大人たちは足を踏み入れない雑木林の中に、子どもたちは魅力を見出します。「花より団子」ならぬ「花より雑木林」です。チャンバラしてみたり、重い石をみんなで動かしてみたり、ただ遊んでいるだけで、とても詩の題材を見つけにきたようには見えません。

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ところが、不思議なことに突然

「おっちゃん、詩ができたかも。書いていい?」

遊びをピタッとやめ、心地よい芝生に寝転がり創作し始めます。

(芝生でくつろぐって気持ちいい!芝生の気持ちを詩にしてみたいな……)
(あそこに忘れられたようなベンチがある。あのベンチはどんなこと考えてるんだろう)
(林に落ちている枝の生涯は……)

観察用紙を片手に義務的な題材ハンティングをしてもまったく見えてこない詩の題材が次々に浮かんできます。開放的かつ開放的な気分になったとき、実感とともに自然にわいてきた詩心に従って、気負わず、詩らしきものを書き残し始めました。「詩」とはどんなものなのかはっきりしたイメージは持てていませんが、その前提として必要不可欠な「詩心」を子どもたちは実感しました。

IMG_2769.JPG  IMG_2770.JPG

翌日、詩に書いてみたい題材を見つけた子どもたちに、どんな「形式」や「技」を詩人は使っているのか知る学びを行います。工藤直子さんの『のはらうた』を面白がらない子どもはまずいませんが、メタメタマップで子どもたちが予想した「ものの気持ちになりきる」という大事な要素が詩にはあります。対象として客観的に眺め、観察し、説明するのではなく、対象の中に没入して、まさに「主観的」に語るのが詩です。

この他にも…… 同じ音を繰り返したり、擬音語・擬態語を利用したり、同じ言葉から別の意味を連想させたり、二つの言葉を対比したり、漢字を分解してみたり、ダジャレにしたり、いろいろな工夫をして、面白く!心に直撃するように書くのが詩なのかも……という意識が子どもが生まれてきたようです。それよりなにより、「詩って面白い!」という思いが満ちあふれ、早くも詩作の面白さにはまってしまいました。

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旅に出て詩心を揺り動かされたものを、技を使って表現してみると、心を動かす「ことば」が生まれる。それが「詩」……ということで最初の旅は、「小江戸」川越へ。詩人の旅の始まりです。

RI

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天気はどうして変わるんだ?

[5・6年生]

新年度が始まり、実際に経過した時間としてはそんなに経っていないはずなのに妙に発言や行動に上級生らしさを感じさせる新5・6年生たち。意識の力はすごい!
1週目のスクールウォーミングウィークでも下級生を引っ張りつつも自らが一番おバカに弾けまくり、またディスカッションの場面ではシャープで本質をついた発言や見本を見せる所はしっかり見せてくれ、みんなを思いきりリードしてくれました。

そして2週目からはいよいよ授業の始まりです。
5・6年生の1ターム目のテーマ学習は『明日天気になーれ!』です。
私たちが意識・無意識にかかわらず、毎日影響を受けている天気。
この身の周りにある気象現象について探究し、なぜ天気は変わるのか?という疑問を解明しながら天気予測についても追究していきます。

まず初日は子どもたちが知っている”天気”に関することをどんどん出していってもらいました。

「高気圧と低気圧って知ってるよ。高気圧は青で低気圧は赤だよね。それが何かは知らなーい。」
「テレビで天気図ってあるじゃん。白いウネウネがあるよね。ぜんぜん読めないけど。」
「あのね、雨のマークはおかしいんだよ。傘の下に雨が降ってるんだから。」
「カエルが鳴くと雨が降るっていう迷信?みたいな話があるんだよ。」
「そしたらね、ツバメが下を飛ぶと雨が降るっていうのもあるよ。あと猫が顔を洗うと雨が降るともいうみたいだよ。理由は知らないけど。」
「雲がなんでできるかっていうと、海から水蒸気が上がってくるんだ。」
「晴れの日が続くと乾燥するよね。特に冬の晴れの日は乾燥してる。おれ結構敏感なんだよ。」
「あ、あと花粉と天気も関係あるんじゃない?晴れだとよく飛ぶんだよ。」
「なんで?」
「雨だとさ、水がつくから花粉が下に落ちるけど、晴れだと風で飛ぶんじゃない。」
「靴飛ばしで天気占いするのもなんでだろう?」
「台風と言えば沖縄だよね。台風の経路みたいだよ。」
「雪も場合によっては路面凍結したり、この前の大雪みたいになると大変。」
「ぼくの家に前に雷が落ちて、PCだけ感電して壊れちゃったんだよー!!!」
「雷が落ちる時って木の近くにいると木を通ってから人に伝わってくるから木から離れなきゃ危ないんだって!」
「前のテーマで非電化工房で昔に発明された天気を当てる装置があったよ。何かの結晶を分析して天気を当てるんだって。」
子どもたちの発言が教室のメタメタマップに書き上げられて初日は終了。

翌日はメタメタマップを眺めながら、”雲”はどうしてできるのか?という雲のcausationについて資料を用いて学習していきました。
読み進めていくとやはりRくんが発言していた通り水蒸気が上昇して雲になると書かれています。

「あっ!上昇気流って空の達人の鈴木さんが言ってた!ハンググライダーで空を飛ぶ時に雲を見つけるとそこに上昇気流があるから目印にして上昇気流から上昇気流に向かって飛び続けるんだよね。」

原体験がここでも学びとつながってきます!これぞ学びの醍醐味◎

また天気予報を見る時は”天気”と気温を見るという子どもたちの話から太陽の高度と”地温”と”気温”と”湿度”の関係性について学び、実際に温度計を使って”地温”、”気温”、”湿度”を測定しました。
少しずつ今まで知っているようで知らなかった天気のメカニズムについて明らかになり始めた第一週でした。



YI

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『明日天気になーれ』〜概要〜

タイトル:「明日天気になーれ!」
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:未来を予測することは未来を創造することである。

[5・6年生]



地球上で暮らしている私たちは常に天気の影響を受けて暮らしています。

雲、風、雨、雪、雷、台風、竜巻、気圧、気温など挙げると沢山ありますが、それらの気象現象は一体どのように起こり、どんな原因で変化しているのでしょう?

みなさんもそのような疑問を抱いたことがないでしょうか?

また気象予報士の方たちは変化していく天気をどのように予測しているのでしょう?

このテーマでは気象現象のメカニズムに迫り、複数の現象やデータを分析し、統合することで自分たちで天気の変化を予測することにチャレンジしていきます。 その上で”予測”が未来に与える影響について考えを巡らせていくことが私たちの目指すところです。



YI

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2014年04月25日

目指せ50個!

[1年生]

テーマの時間、自分たちは、何をするために「蚕糸の森」に行くのだろう。
昼休みや放課後、遊び場として使っている「蚕糸の森公園」。
足を運ぶとついつい遊びたくなってしまいます。
遊びの中から生まれる発見もあり、テーマの時間でなくても、
「見つけたよ」と報告してくれることもしばしば。
でも、テーマの時間は、仕事の時間。
自分たちのやるべきことはなんだろう?
出かける前に、聞いてみると、
「うーん」と悩んでいる様子の1年生たち。
今、頭の中に「?」「モヤモヤ」が浮かんでいれば大丈夫!
アンテナがちゃんと動いているからね。
そう伝えると、次々に「!」とアンテナが揺れ動き、
「不思議だなって思うものを見つける。」
「面白いものを見つける。」
「びっくりするもの、びっくりさせたいものを見つける。」
「誰もみたことのないものを見つける。」と話し始めます。

では、いざ、出発です。
「!(発見)」や「「?(疑問)」を見つけ出すことは、簡単ではありません。
「何かないかな?」水の流れを見つめていると、
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IMG_2113.jpg IMG_2114.jpg「手型ができるよ」「面白ーい」
「面白いもの」発見です。

%E6%B0%B4%E3%81%82%E3%82%8AIMGP3618.jpg「あっ、水がこっちに流れちゃってる。」
「いつもは違うよ。」「雨が降ったからかな?」






IMG_2120.jpg「こんなところにいたんだ。ダンゴムシ。」







%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B%EF%BC%9FIMGP3628.jpg「ここから、何か発見できないかなぁ。」


アンテナは反応せず、移動することに。




%E7%A0%82%E5%A0%B4IMGP3608.jpg「この砂場、誰も使ってないよ。」
「何かないかな。」





%E8%9D%B6IMGP3613.jpg「あ、発見!!」
「ちょうちょ!」






IMG_2111.jpg「今日は水がないよ。」







%E3%81%BE%E3%81%A0%E3%81%BE%E3%81%A0IMGP3569.jpg「大きな丸は、みんなで手をつなぐと、どのくらいかな?」
6人だけではまだまだ足りません。




%E2%91%A1IMGP3589.jpg移動しながら測ってみました。 %E2%91%A4IMGP3593.jpg







だいたい30人分くらいでした。

発見したものを振り返って記録していくと、その数は52個になっていました。
中には「?」で終わりにせず、実際に大きさを調べてみたり、
実験や比較をしてみたりと、ちょっと踏み込んだ調査にまで進んでいるものもあります。
アンテナが反応し、発見の中身が〝変″化しています。
また、公園内を散歩している人から、のらねこの話を聞き、
ねこの名前や、なかなか姿を見せない子ねこがいるとの情報を得ることもできました。
目だけでなく、耳や口も発見には大いに役立っています。
来週は、どんな発見があるのでしょうか。楽しみです。

AN

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詩人になる

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現

[3・4年生]

先週は、まず近場で心解放され、自ずと詩心に導かれました。今週はいよいよちょっと「遠出」。行ったことのないまちを、ゆったりのんびり道草しつつ歩く中で、まちの風情・歴史・人情に触れ、おっ!これを題材に「詩」がつくれそう!というものを見つけに出かけます。

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私たちが向かったのは「小江戸」と呼ばれるように「徳川」の名残を色濃く感じるまち川越。 大河ドラマ好き、戦国時代好きの子は、「徳川家康」という名前にテンションが上がります。

「このマークって葵の御紋っていうんだ!」

水戸黄門の「このもんどころが目に入らぬか〜だよ」と言っても、今、10歳前後の子どもたちにはピンと来ません……しかし、なんかすげえエライ人に関係しそうというオーラを感じとっています。

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東照宮のとなりには「五百羅漢」のある喜多院。そこには、今の江戸にはない当時の「江戸城」そのままの「将軍家光生誕の間」に「春日局の化粧の間」がリアルに存在するではありませんか。400年前にタイムスリップです!

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江戸時代そのままの蔵が立ち並び、明治・大正期のモダンレトロなレンガづくりの教会もあります。わあすごい!っていう気持ち全開で歩いていると、地元の博物館で働いている方とたまたま出会ってしまいました。

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川越のシンボルと言える「時の鐘」は、正午になると今も時を知らせます。

「わあ、電気仕掛けになってるんだ〜」

鐘をつく太い棒がぎりぎりと機械によって動き出し、律儀に12回「ゴ〜ン」

それをぽかーんと見つめてしまいます。

とはいえ、旅の醍醐味は「食」。そして子どもの好物はお菓子。お目当ては「菓子屋横丁」です。特産のサツマイモで作った、イモアン団子にイモケンピ。フカシイモに干しイモ。

「うめえ〜」

これは詩的かどうかを超越した「芋菓子」の素朴な美味への感動です!

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さあ翌日は…… 旅の「詩」を書きます。昨日のうちに、書く素材はみんな決めていたので、即座に書き始めます。「まち」の雰囲気を思い出し、自分が選んだ題材に「なりきり」、学んだ「詩の技」を活かして書いてみます。

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書いては直し、書いては直し、あっという間に時間は過ぎてゆきます。

「えっ?もう時間!」

集中力は半端ない!この言葉がしょっちゅう飛び出すのも探究が乗りにのってきた証拠です。

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何度も書き直して、それなりの詩はできあがってきましたが、まだなんとなく物足りません。書く腕前を上げるためにさらに「詩人の技」を知ります。詩人の書いた詩を、声の大きさを変えて読んだり、リズム・ 声色を工夫し、詩に描かれている世界を演じたり、身体全体で「理解」してみます。

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どうしたらもっとよくなるか、何度も詩を読みなおし、話しあい、演じてみることの繰り 返し。面白がっていきいきと没入している姿が頼もしいですね!

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「ああ、早く書き直した〜い!」

本格的な旅の詩は、ホームワークでじっくりと。どんな詩ができあがってくるか、楽しみ!楽しみ!

RI

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天気のメカニズム

[5・6年生]

今週の初日は雲のメカニズムを再現すべく、簡単な雲発生実験からスタートしました。
空気には熱を受けずにふくらむと温度が下がる性質があります。
この性質を思い出しながらペットボトルの中に雲を作ってみました。
用意するのはペットボトルと線香とぬるま湯だけ。

①ペットボトルを水で洗う。(中が湿るので水分が十分入る)
②ペットボトルに線香の煙を入れる。(”雲のタネになる”)
③ペットボトルのキャップを締めて手でボトルを強く握る。(圧力が加わり、温度が上がることで水蒸気が増える)
④握った手を放す。(飽和水蒸気量が減る→水蒸気が水になりペットボトルの中が白くなる。)
⑤再びボトルを強く握る。(圧力が加わり、温度が上がることで飽和水蒸気量が増える→ペットボトルの中が透明になる。)
④⇔⑤は何度でも繰り返せる。

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この実験を通して水蒸気の性質が実感できた子どもたち。

「サマーキャンプで野宿したときに朝露がすごくてビショビショに濡れたのも気温が下がって飽和水蒸気量が減ったからだったんだー!」
「寒い時に窓ガラスが露で濡れるのもこういうことだったんだー。」
と原体験と理論がつながった様子。

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今まで意識していなかった事象の背景に疑問を持ち、理論が存在することに触れていくことこそ万象究理の学びの始まりです。

翌日、子どもたちと天気図を見ながら明日の天気を予想していると天気図に不思議な前線のマークを発見しました。

「なにこのマーク!低気圧の真ん中から出てるし、2種類の前線が一緒になってるよ。なんかやばそう。(笑)調べてみよう!」

ということで前線について資料を読み込んでいくことに。 前線の種類や特徴、また天気が変化していく大きな要因の一つとされる”風”についても学んでいきました。 日本が位置する中緯度地域には常に偏西風が吹いていること、そしてそこには必ず”コリオリの力”と呼ばれる自転から影響を受けた力が働き、風向に力を加えていることが分かりました。
「ふーん。だから天気図は西から移動して変わっていくんだー。」と合点がいった様子の5・6年生。
しかし、常に西から天気が移動してくるわけでは無いのが気象の面白さ。
日本では季節によって風向が変化する季節風の影響も受けているわけです。
冷たい空気が暖かい空気のところへ移動する空気の性質が夏と冬の風向を変える季節風となり、偏西風と相まって日本の気象に影響を与えているというなんとも予測が難しそうな条件が重なっていることが分かりました。

金曜日にはサイエンスの時間に風を作る実験を行ないました。
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水槽の中で温度差を作り、実際に風が起きるかどうか試してみます。
水槽内に土で陸地部分と皿に入れた水で海をイメージした環境を作り、季節風と同じようなメカニズムを再現しました。
空気の流れを止めた水槽内に火のついた線香を入れるとどうでしょう?
煙はくるくると循環し、冷たい水の上から暖かい土の上に気温差によって風が起きる様子を目の前で確認することができました。

また低気圧と高気圧、そして前線の種類や風の影響など気象を変化させる要因(causation)とそのしくみ(function)について学んできたこの2週間。知らなかったことを知るとますます疑問が増えてくるものです。

そして来週は気象庁を訪問して天気予報を行なっている現場見学をしてから色々と質問をしに行ってきます!
さあ、自分たちで天気予測できるようになるためにがんばるぞ〜◎



YI

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2014年04月26日

まちなかオリエンテーリングに挑戦!

タイトル:ココドコ
探究領域:時空因縁

[2年生]

地図記号さがしで地図を読むことの面白さが芽生えた子ども達。
今週は、スクールから離れたある地点から、地図だけを頼りに無事スクールに戻ってこれられるか、「まちなかオリエンテーリング」に挑戦しました。

はたして覚えた地図記号は役に立つかな?
そして、制限時間内にスクールに戻れるかな?

第一回目のスタート地点はメトロ中野新橋駅。
子ども達に行き先は告げずに電車で移動します。

「東高円寺は東にあるはずだから、とにかく東に進めばいいんだよ!」
(マンションとマンションの間から見える新宿の高層ビルを指差しながら)「あっちが中野だと思うよ!」

この先一体どうなることやら、そう思わせる発言が飛び交います。
オリエンテーリング中、スタッフは一切口出ししないというルールのもと、地図をしっかり読むことなく、ほぼ山勘で進行方向を決めてしまう子ども達。
駅近くを流れる神田川など目印になる場所は周りにいくつもあるのですが、冷静に地図を見て現在地を割り出そうとする意識が少し欠けていました。

(なるほど、現時点で地図を読む技術はまだこの程度か。これは制限時間内にスクールに戻るのは厳しそうだな。)

列の最後尾につき、前を歩く子ども達を眺めながら、しばらく歩いていると、たくさんの車が行き交う大通りに出ました。

「これ、青梅街道なんじゃないの?」

それほど苦もなく、見慣れた通りを発見してしまい、やや拍子抜けな感じが否めない第一回目となってしまいました・・・

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翌日の第二回目のスタート地点はJR阿佐ヶ谷駅。
今回は「チェックポイントの保健所に必ず立ち寄ること」という達成条件を設けることに。

前回より一層、地図を読む技術が求められる中、進行方向が定まらず、駅の周りをウロウロする一行。

「一体どっちに進めばいいんだ〜」

早くも途方に暮れ、お店の前に座り込んでしまい、時間ばかりが過ぎていきます。

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「30分経過!」

私の一声でハッと我にかえる2年生達。

「このまま座っていてもダメだよ。まずは青梅街道の方に向かおう。」

駅から保健所までの道は目印となる場所がほとんどなく、大人でも迷いそうなまちなみ。
そこで、子ども達は、少し遠回りになるものの、目印となる場所が多い青梅街道を経由するルートを選ぶ判断をしました。
行き当たりばったりな前回とは違い、今回は自分たちなりの作戦を立てて行動する様子が伺えます。

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パール商店街をひたすら南下。途中で何回も止まって、地図を再確認します。

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予定通り青梅街道に出て、東高円寺方面に東進。

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多分、今このあたりじゃない?

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ついに目印となる消防署を見つけ、左折するも、曲がる角を一つ間違えてしまったため、再び迷子。

確実に近づいている気がするものの、なかなかチェックポイントの保健所は見つかりません。

「今、どのあたりを歩いているんだろう・・・」

いつもはおしゃべり大好きで元気いっぱいの女の子も、現在地がどこかわからず、心細くなってしまった様子。

「きっと、こっちだよ!」

地図を持った男の子が力強くみんなを先導します。
二万五千分の一の地図には載っていない細い分岐路にぶつかるも、迷わず道を選択した結果・・・

「あれ、あそこに何かの建物があるよ!」

その建物に近づいてみると、そこには『杉並区立高円寺保健センター』の文字が。

「おっしゃーーーーーー!!!」

苦労した分だけ喜びもひとしお。子ども達に満面の笑みが広がります。

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「俺、途中、もうダメかと思ったよ。」

精神的なプレッシャーに負けず、ミッションをやり遂げた子ども達。素晴らしい!!

そこからの帰り道の足取りは軽く、スタートから1時間40分かけて、ようやくスクールに戻ってくることができました。

「まちなかオリエンテーリング」も来週で最後。
どんなドラマが生まれるか、今から楽しみです。

HY

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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