[5・6年生]
今週の初日は雲のメカニズムを再現すべく、簡単な雲発生実験からスタートしました。空気には熱を受けずにふくらむと温度が下がる性質があります。
この性質を思い出しながらペットボトルの中に雲を作ってみました。
用意するのはペットボトルと線香とぬるま湯だけ。
①ペットボトルを水で洗う。(中が湿るので水分が十分入る)
②ペットボトルに線香の煙を入れる。(”雲のタネになる”)
③ペットボトルのキャップを締めて手でボトルを強く握る。(圧力が加わり、温度が上がることで水蒸気が増える)
④握った手を放す。(飽和水蒸気量が減る→水蒸気が水になりペットボトルの中が白くなる。)
⑤再びボトルを強く握る。(圧力が加わり、温度が上がることで飽和水蒸気量が増える→ペットボトルの中が透明になる。)
④⇔⑤は何度でも繰り返せる。
この実験を通して水蒸気の性質が実感できた子どもたち。
「サマーキャンプで野宿したときに朝露がすごくてビショビショに濡れたのも気温が下がって飽和水蒸気量が減ったからだったんだー!」
「寒い時に窓ガラスが露で濡れるのもこういうことだったんだー。」
と原体験と理論がつながった様子。
今まで意識していなかった事象の背景に疑問を持ち、理論が存在することに触れていくことこそ万象究理の学びの始まりです。
翌日、子どもたちと天気図を見ながら明日の天気を予想していると天気図に不思議な前線のマークを発見しました。
「なにこのマーク!低気圧の真ん中から出てるし、2種類の前線が一緒になってるよ。なんかやばそう。(笑)調べてみよう!」
ということで前線について資料を読み込んでいくことに。 前線の種類や特徴、また天気が変化していく大きな要因の一つとされる”風”についても学んでいきました。 日本が位置する中緯度地域には常に偏西風が吹いていること、そしてそこには必ず”コリオリの力”と呼ばれる自転から影響を受けた力が働き、風向に力を加えていることが分かりました。
「ふーん。だから天気図は西から移動して変わっていくんだー。」と合点がいった様子の5・6年生。
しかし、常に西から天気が移動してくるわけでは無いのが気象の面白さ。
日本では季節によって風向が変化する季節風の影響も受けているわけです。
冷たい空気が暖かい空気のところへ移動する空気の性質が夏と冬の風向を変える季節風となり、偏西風と相まって日本の気象に影響を与えているというなんとも予測が難しそうな条件が重なっていることが分かりました。
金曜日にはサイエンスの時間に風を作る実験を行ないました。
水槽の中で温度差を作り、実際に風が起きるかどうか試してみます。
水槽内に土で陸地部分と皿に入れた水で海をイメージした環境を作り、季節風と同じようなメカニズムを再現しました。
空気の流れを止めた水槽内に火のついた線香を入れるとどうでしょう?
煙はくるくると循環し、冷たい水の上から暖かい土の上に気温差によって風が起きる様子を目の前で確認することができました。
また低気圧と高気圧、そして前線の種類や風の影響など気象を変化させる要因(causation)とそのしくみ(function)について学んできたこの2週間。知らなかったことを知るとますます疑問が増えてくるものです。
そして来週は気象庁を訪問して天気予報を行なっている現場見学をしてから色々と質問をしに行ってきます!
さあ、自分たちで天気予測できるようになるためにがんばるぞ〜◎
YI
※TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。