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最後の追い込み

タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現

[5・6年生]

発表会がいよいよ来週の水曜に迫ってきました。

子ども達は最後の追い込みに余念がありません。
何度も全編を通して見て、違和感のある部分がないかを確認します。


5年生のある男の子は刑事裁判を中心にした映画を制作していまし
た。
冒頭で発生した事件がストーリー展開の鍵を握り、観る側を作品に
ひきつける効果を狙います。

相手の心ない言動に我を忘れ、思わず犯行に及ぶ主人公。
その際に使われる凶器として当初はナイフを想定し、後の場面も撮
り進めていた。

「もともと殺意があった訳ではないのに、ナイフを持ち出すのって
変じゃない?」
「うーーーん、確かに。」

路上でのやりとりをきっかけに事件が発生するとなると、そこら辺
にゴミとして捨ててあった空き瓶を鈍器とする方が自然なのでは。
そう考え、再度シーンを撮り直します。

しかし、部分に注意がいきすぎると、全体が見えなくなるのはよく
ある話です。
改めて全編を通して見直すと、裁判シーンでの台詞との整合性が取
れていないことに気づきました。

「これじゃあ、だめだ・・・」

クラスメイトにも協力してもらった長時間に及ぶ裁判シーンを撮り
直すのは残された時間を考えると現実的にはかなり厳しい状況。
別の凶器はないか頭をフル回転させ、何とか冒頭の事件のシーンを
再撮影する方法を考え抜きます。

20140124_6.JPG

6年生のある男の子はさえない青年が夢に向かって努力するストー
リーを撮り進めていました。

そんな彼がいまいち納得いっていなかったのが、一般企業に勤めて
「全うな」社会人となった昔の友人と再会するシーン。
近況報告する中で役者の夢を馬鹿にされ、奮起して演技の練習に励
む様子を表現したいのですが、そのままでは普通で何もインパクト
がありません。

海外のコメディ作品が好きな彼は何とかそのシーンをもっと面白く
できないか悩んでいました。

「練習内容を段々とありえないもの変えていってみたら?」
「そっかー。途中から演技に関係なさそうなことを必死に練習した
ら面白いかも。」

たった一言のアドバイスをきっかけに、頭がグルグルしだします。

20140124_3.JPG 20140124_2.JPG

毎日、それぞれが撮影と編集を重ね、ようやく作品が完成。

「やっと、できたーーーー。」

子ども達からは安堵の表情が伺えます。

6週間かけて制作した作品を観客はどう評価するのか。
ドキドキの発表会を迎えます。

HY

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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