東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2016年04月 アーカイブ

2016年04月11日

「 「紅葉山」見っけ隊」~概要~

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。」

[1年生]

「学」という漢字は、子どもの頭の上に3つのアンテナが立っている。
TCSでは、学のツの部分を「学びのアンテナ」と呼んでいます。
「発見!」「疑問?」「モヤモヤ」
この3つのアンテナが反応することで、
学びのサイクルがぐるぐる回っていくと 考えています。

TCS生活の何もかもが初めての1年生。
初テーマでは、この3つのアンテナをフル活動させていきます。
「何これ!?」「すごいの見っけ!」など
思わず声に出して、すぐにでも誰かに教えたくなる、そんなワクワクするものを
どんどん探し出すこと、そして、それが何なのかをとことん見いだしていくことが
今回のミッションです。

そう、1年生は、見っけ隊に任命されたのです。
見っけ隊員にとっての冒険島は、スクールのすぐ近くにある「紅葉山公園」。
探究領域「時空因縁」の始まりとして、公園という場を舞台に、
観察を繰り返すことで見えてくるものの特徴と価値を追究していきます。
ひとつのものから一体どんなことにつながっていくのでしょうか。
ドキドキ、ワクワクしながら追究していくことを楽しんでほしいテーマです。


AN

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「ココドコ」〜概要〜

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

一年前、「紅葉山公園」でたくさんの「!(発見)」と「?(疑問)」を見つけた2年生。

今回はフィールドをスクールがある中野の街に広げ、アリの目とトリの目を持ち、自分たちの「たんけん地図」をつくるためにフィールドワークへ出掛けます!

地図にはどんなことが表されているんだろう?
ここは一体どこなんだろう?
行きたい場所はどの方角にあるのかな?
どのルートで行けば目的地につけるかな?
どれぐらいのきょり歩いた?
時間はどれぐらいかかった?

ミッションは、たんけんで見つけた「オススメの場所」に迷わず行ける、わかりやすくて「的」確な略図をつくること。

さあ、ひたすら歩いて、感覚を研ぎ澄まし、頭の中に「地図」をつくるぞ!


YI

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「詩人の旅」〜概要〜

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

人は旅に出ると、心が解放され、自ずと『詩心』が生まれます。芭蕉をはじめ、古人が詩を詠むために旅に出たのも故あってのことでしょう。

今回のテーマで目指すのは、まさにタイトル通り、旅に出て詩を書くことです。旅に出ることで「感性」が解き放たれます。旅で出会った何気ないことに「情緒」が揺さぶられます。解き放たれた「感性」と揺さぶられた「情緒」をいかに「言葉」として凝縮するか。そして、他者の共感を呼ぶ表現を生み出すか。それが今回のミッションです。

そのために、詩人のワザを学び、そのワザを使って書いてみます。そして、何度も作品を推敲し、より良い表現をへと磨いてゆきます。そのプロセスの中で、仲間たちの詩に触れ、お互いの感性の素晴しさに気づくはず。それは表面的な他者理解を超え、根源的に認めあうきっかけになるでしょう。

子どもたちよ。さあ旅立とう!言葉の力でどこまで共感を呼ぶ表現ができるかとことん探究しようではないか!

RI

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「お客様の笑顔を獲得せよ」〜概要〜

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:
事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

「事業」を英語にするとBusiness、
つまり「busy + ness」で、「忙しくしていること」「仕事」のことです。
「営利企業」が行うことだけがビジネスというわけでもなく、
ご存知のように、「公共事業」「非営利事業」など、利益を生じずとも、
「何か大きなことをなす」ことにたいして、「事業」や「ビジネス」という言葉を使います。

「事業の目的は?」と聞かれると真っ先に思い浮かぶのが、
・「利益を得ること」
・「社会のためになること」
と答えるかもしれません。

今回のセントラルアイディアは
「事業の目的は顧客の創造である」
です。

このことばは、誰のことばかというと、有名な経営学者、ピーター・ドラッカーの言葉です。
「顧客の創造」とはどういうことなのでしょうか。
また、その目的に達するためにはどうすればよいのでしょうか。
そして、「顧客の創造」の先に、どのような社会がまっているのでしょうか。

探究領域「社会寄与」の集大成のテーマでもある「お客様の笑顔を獲得せよ」。
今までの社会寄与のテーマでは、
多くの人々に支えられていることを知り、
他者のためにできることを実行して考え、
「お金」の仕組みから「信頼」を得る難しさを知り、
「仕事をする」ということに求められるハードルの高さを体感し、
そして「集団を治めることの難しさ」を実感する、
「社会に寄与する」ためにはどうすればよいか、思考と行動をもって探究してきました。

それらの知識を総動員し、5・6年生は「新規事業」に挑戦します。

TY

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2016年04月15日

紅葉山で見っけ隊!

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。 」

[1年生]

入学して4日目。テーマ学習がスタートしました。
スクールの近くにある「紅葉山公園」で思い切り探検をしていきます。
探検に必要なのは、それぞれが持っている3つのアンテナです。
スクールの玄関にも大きく描かれている、あのアンテナのことです。

2016_4_17_atsu_IMGP6183.jpgすごい!と発見すること、
何?どうして?と疑問に思うこと、
そして、なんだかすっきりしなくてモヤモヤすること、
この3つのアンテナを頭の上で立てていき、
紅葉山公園を自分たちの「学びの場」にしていきます。



紅葉山公園を普段から利用している子や行ったことのない子もいます。
でも、名前を聞いてすでにアンテナが動き出しています。

「紅葉山って紅葉しかないってこと?!」
「山って何だろう?紅葉公園でいいじゃない。」
「紅葉のベット作りたいな。」と声があがってきます。

どんなものが見つけられるか予想を聞いてみると、
「ビービーダン見つけたいな。」
「保育園の子たちがいるかな。」
「写真とってるおじさんがいそう。」
「秘密基地のできる場所見つけたい。」などなど、
植物、物、人、場所といったいろいろなものが出てきました。

「早く行きたい!!」7人の見っけ隊員たちが意気込み満タンで出発しました。

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「ダンゴムシ、いっぱい見っけ!」「ダンボール発見!なんでこんなところにあるの?」

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大きな木。よく見ると黒いつぶつぶがある!

2016_4_16_atsu_IMGP7466.jpg空き缶、傘、カップラーメン。
ごみがたくさんあるなぁ。






2016_4_16_atsu_IMGP7475.jpg 「橋に「ありがとうございます」って書いてある。
なんでかな?」
「渡ってくれてありがとう?」
「ルール守ってくれてありがとう?」
その後、この橋を「ありがとう橋」と呼ぶようになっていきました。




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物だけでなく、書いてあることにも何だろう?とアンテナが働きます。
自分たちが読めないところは何て書いてあるの?と聞いてきます。
戦後に建てられた慰霊碑だと話すと、
「そしたら、ここをお墓にすればいいのに、なんで公園にしたんだろう?」
ひとつ知ることで新しい疑問が湧いてきます。

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中に人がいる!ここは会社で、こっちは本屋?

公園内にある地図を頼りに入り口を探して中に入ると、そこは会社のようなところもあれば、食事をするレストランもありました。また、別の入り口から入ってみると、本がたくさんあります。本屋?図書館?意見が分かれ、人が並んでいるカウンターをじっと観察してみることに。
本を持ってきた人が手続きを済ませ、お金を払うことなく、本を受け取っています。
「ここは図書館だね。」その声にみんな納得。
誰でも入れる場所、本を借りたり、読んだりできる場所。静かな空間に子どもたちも自然とそれに合わせていきます。図書館から外を見ると、さっきまでいた紅葉山公園が見えます。

外に出て見ると、一人が不思議そうに言いました。
「ここは何階?」
公園から見たときは、高いところにあったのに、出て見ると1階?
「公園の入り口に階段の1段目と道が同じところがあったよ。」と
別の子が言い出します。
高低差に着目して、公園内を歩いてみると、坂や階段があることが見えてきます。
「ここって小さな山がいっぱいあるよ!」

2016_4_16_atsu_IMGP7558.jpg「ここも坂になってる!」
石の上に見つけたビービーダンを置くと、
コロコロと転がっていきます。
「だから、紅葉公園じゃなくて、紅葉山公園なのかな。」
でも、紅葉だけじゃないことにも気づき、モヤモヤしてきます。



2016_4_16_atsu_IMGP7563.jpg 「あれ?こんなの昨日はなかったのに。
何だろう?」
「見っけ隊が中に入ったからかな?」
「探検するには、入った方がいいよ。」
「どうして入っちゃいけないんだろう?」
「公園の人に怒られるから?」


公園の人というのは、公園を守っている人だと言います。
見かけるときとそうでないときもあるようです。
また、「昨日と同じおじさんが同じところにいた!」という発見もしています。
最初、子どもたちから出てきた予想にもあったように、物だけでなく、
植物や人、建物や地形にも目を向け、様々な気づきや疑問が出てきました。

2016_4_16_atsu_IMGP7567.jpg

まだまだ紅葉山公園にはたくさんの何かがありそうです。
来週も引き続き、公園という場の観察を続けていきます。


AN

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中野を歩き回ろう!

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

2年生たちは1年前に”紅葉山見っけ隊”のテーマ学習でスクールの近くにある紅葉山公園を徹底的に歩き回り、「!(発見)」と「?(疑問)」が身のまわりに沢山あることを知りました。

そしてあれから1年経った今回はフィールドをグググっと広げてスクールが位置する中野の街をとことんフィールドワークします!

気になるフィールドワークの目的は・・・
「ムシの眼」になって街を歩きまわり、また地図というアイテムを使い「トリの眼」で街を俯瞰し、自分たちのオリジナル中野MAPを描くこと!

既存の「地図」を読めて、使えるようになることにフォーカスするよりも、まずはある決まった範囲を徹底的に歩き回って、「地図」で表すことを「感覚」でつかみ、自分の頭の中に「地図」を描けるようになることを目指します。
このミッションを通して私たちのモノの見方・とらえ方・あらわし方がどう広がっていくのでしょうか?

翌日には早速中野の街へ繰り出しました。
子どもたちに示したミッションは、「アリの目」と「トリの目」を持って江戸時代に「犬囲い」のあった「範囲」を歩きつくし、面白い発見のあった場所を書き込んだ「オリジナル地図」をつくること!

「縮尺」という言葉をまだ子ども達は知りませんが、地図は実際の「距離」を縮めて表現していることは理解しています。
ですがその「縮尺」・「方角」・「目的地」と「自分の体感」とがつながっていないのです。

地図上の「長さ」は実際だとどれぐらいの「きょり」なのか、その「きょり」をどれぐらいの「じかん」で歩けるのか……
「目的地」へ向かうにはどの方角を目指し、どの道をどう進むのか?
自分は今地図上のどこにいるのか?

「実感」するには、実際に測定してみるしかありません。
そこで秘密兵器(?)であるタイヤをころころ転がすと「メーター」が10cm刻みで距離を表示してくれる「ロードカウンター」と「ストップウォッチ」を持って街へ飛び出しました。

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みんな自分が「ロードカウンター」をコロコロしたくてたまりません。
そこで「300mおきに交代しよう!」ということで一同納得。

ちょうど中野駅をほぼ中心として、南は大久保通り、西は環七、北は早稲田通り、東は、スクールの前を走っているもみじ山通りに囲まれた広大な範囲が「生類憐れみの令」で集められた野良犬が収容されていた「犬屋敷」だったのです。

それがいったいどれぐらいの「広さ」なのか、しっかり「きょり」と「じかん」を測定しながら実感します。
300mおきに交代しながら子どもたちは、計測してゆきました。

「あ!この中野通りとぶつかる道を左だ!五差路って書いてあるよ!」

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「この環七を左だよね。」

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「え!!右でしょ!?」

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「今、3000mだ!!」

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「スクール出発して50分になるよ!」

ぐるりと一周して再びスクール到着!
さあ注目の「メーター」の数値は……5244……ということは約 5.2km。時間は75分。
1km 15分以内のペースで歩き通したこともあり少し疲れた様子もありますがまだまだ元気が余っています。さすがです!
なんとなく「地図」の「長さ」と歩いた「きょり」の「実感」とがつながり始めましたがまだまだこれからです。
これから何度もこの範囲をあちこち歩き回りますよ。 その度に「きょり」「時間」「方角」をいろいろな器具や方法を用いて調べ、毎度、毎度、地図で確認してゆきます。もちろん「!(発見)」と「?(疑問)」のアンテナをクルクル回転させながら。

自分の「感覚」と「地図表現」とのつながりが確かなものになっていけば頭の中に「地図」ができ、その結果行きたいところを的確に伝えることのできる「略図」ができるはずです。
そんな「仮説」を確かめるべく次週も「距離感覚・時間感覚」を研ぎ澄ますフィールドワークに繰り出します。

YI

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詩人の旅に出る……

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

言葉の表現力を磨く。これは教育の究極の目標と言えるかもしれません。人を受け入れられないのも、人から受け入れられないのも、言葉の表現力がうまくないことが大きく影響しています。とはいえ、言葉で表現できなければダメかというとそうではありません。ノンバーバル・コミュニケーションで言葉以上に思いが伝わることがあります。以心伝心というやつですね。

でも、だからといって感情や感動を直にぶつけるのは衝突のもと。自分の認識を深めてゆくこともできません。ということで、言葉が必要になってくる……しかし、言葉をただ使えばいいわけではない。どんな言葉を選び、紡ぎ、思いを形にしてゆくかが問われるのです。そもそも言葉知らなければ表現できないわけですが、どんな言葉を選ぶかを左右するのはその人の持つ「感性」と「情緒」です。あるものを、あることを、ある現象をどう切りとるかは、どんな「感性」を持っているかによって変わります。そしてそこから何を感じとるかは、どんな「情緒」を持っているかに影響されます。

詩人の旅という学びは、とにかく外に出ること。旅に出ます。そして「感性」を素直に作動させます。こうして、鋭敏に観察し、言葉を駆使して思いを組み立てようとする「情緒」を育ててゆくのです。

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「詩」として表現する第一歩は、感性を磨いてゆくこと。自分の「感性」をゆさぶるにはどうするか。それは、多くの詩人・文学者が言う通り、対象になりきることです。なりきりによる詩と言えば、工藤直子さんの『のはらうた』。子どもたちに「なりきり」の詩を読み聞かせ、何になりきっているかを当てます。

おう なつだぜ
おれは げんきだぜ
あまり ちかよるな
おれの こころもかまも
どきどきするほど ひかってるぜ
おう あついぜ
おれは がんばるぜ
もえる ひをあびて
かまを ふりかざす すがた
わくわくするほど
きまってるぜ

「かまきりだ!

すぐに何になりきって書かれた詩かわかります。

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なりきるって結構面白いじゃん!と子どもたちの「感性」アンテナが動き始めたところで、早速、旅に出ます。
「のはらうた」というぐらいですから、広い「はらっぱ」。中野の近くで「はらっぱ」は……というと、この季節、桜を始め、美しい花々で彩られている新宿御苑です。

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「わあ、高い。私、あの木にする」
「木だったら、池に枝がくっついちゃってるあの桜の木にしよう」
「池にいるこいがいいかな」
「私はつつじ」

というように、自分がこれ!と思う対象が見つかります。

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せっかく来たのだから思いっきり芝生をかけめぐって、ゆったりした時間をとって、豊かな気持ちでスクールに帰ります。

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戻ったら、いよいよ詩作。なりきり詩を書いてみます。

なりきるということは対象の気持ちになること。いったい花はどう見えているんだろう、感じているんだろう。精一杯、書こうとしているところがほほえましい。

「できた……」

と私に作品を見せにくる。おお、最初にしては悪くないと正直思う。子どもの素直な感性が、素直に発揮されているから悪くない。と同時に、課題もすぐに見えた。対象になりきっていると言いながら、自分の思いを対象にかぶせすぎ。自分と同じような気持ちを対象が持っているかのような表現になってしまっているのだ。自分を捨てて、対象を見ることができていない。でも、一作目ですから。持てる「感性」を最大限発揮して、ちょっとしたところに気づくことができるか。詩人の旅が始まりました。

RI

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事業の目的は?

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

「事業」とはどのようなことを思い浮かべるでしょうか。
まず、「事業」とは何か、ということで子どもたちと盛り上がりました。
「公共事業」かなぁ?
「何か仕事をするってこと?」
「工場とかがあるってこと?」

などなど、「何か仕事には関わる」という頭の中のもやもやとイメージが広がっていきます。

辞書を使って「事業」とは?と調べてみれば、
「社会のためになる大掛かりな仕事」

とありました。
「”業”だったらいろいろつくの知ってるよ!例えば卒業とか!」
「じゃあ業とつくものは他にどんなものが知ってる??」

と話がどんどん盛り上がっていきます。
農業・業者・企業・自営業・業務執行妨害・企業・飲食業・工業・林業・商業・開業・営業・・・
たくさんの「業」のつく言葉ですが、すべてがなんらかの「仕事」に関わってきます。

では、セントラルアイディアの提示、ではなく、まず、「事業の目的は」と聞いてどんなことを思い浮かべるか、みんなで事前の知識を掘り起こしていきます。
「事業の目的は」
「お金を稼ぐことなんじゃないかな」
「お客様の笑顔を獲得することじゃない?」
「成功させることだよ!」
「みんなのため、社会のためだよ」
「金銭に限らずなんらかの利益をえることだよ」

いろいろな意見が出てきますが、今回のセントラルアイディアは
経営学者、ピータードラッカーの言葉である、
「事業の目的は顧客の創造である」

です。
「顧客」ってなんなんだろう?「顧客を創造する」ってことは、そういう人をつくっちゃうってこと?
いろいろな疑問が湧き上がりつつも、今回はスクールの一角でビジネスを実践するテーマ、「顧客」にどんな人がなりそうか考えたくもあります。

「じゃあさ、コカコーラの自販機の隣で安くコーラを売ったら売れるんじゃない?」
「子供が売ってるから買ってくれるんじゃない?」
というアイディアも出てきましたが、その話の流れで、
「どんな人がいるかまず調査したいな」

というアイディアが出てきました。
では、どんな人がいるか、足を使って情報を手にいれよう!
ということで、インタビュー項目を作り、近隣の方々へ突撃インタビュー!

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見事、人海戦術で40名強の回答を得ることができました。
来週は今回の結果を分析し、事業のコンセプト作りをしてゆきます。

さてどのようにして、「顧客を創造する」ビジネスモデルにしてゆくのでしょうか?

TY

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2016年04月22日

「?」が「!」が変わる瞬間…

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。 」

[1年生]

1年生たちが入学してから、早くも2週間。
テーマ学習も2週目に入りました。

今週も、先週に引き続き、TCSから徒歩3分ほどのところにある紅葉山公園で、それぞれが「?」「!」「もやもや」を発見するべく、隊員たちは毎日元気に探検にくりだしました。

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先週は30コたらずの「みっけ!」が、今週の木曜には70コを超え、1年生たちも「100コ見つけよう。おー!」と気合十分です。

中にはこんな「みっけ!」もありました。
『きのうは、この砂場走りやすかったのに、今日は走りにくいのはなんで?あ、きのうは晴れていて暑かったけど、今日は曇りで涼しいから、天気と気温が関係してるのかな?」

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今週は、先週の「みっけ!」をじぶんたちで発見するだけでなく、公園に来ている人たちに「なんでこの公園に来たのか?公園のどんなところが好きなのか?」をインタビューするという任務も増えました。

どきどきしながら、恐る恐る子供たちは、公園でそれぞれの営みをしている人たちに話しかけていました。
インタビューの結果、こんな公園の人の声を聞くことができました。

本を読んでいたお兄さん:「最近このあたりに引っ越してきました。お休みの日はよくこの隣にある図書館にきます。さっきそこで『鉄の本』を借りてきて、ここで読んでいるんだよ。」

ベンチに座っていたお姉さん:「この近くのスポーツクラブに通っています。月〜水曜日は、外にも走りに来て、よくこの公園で休憩しています。」

ダンスをしていた5人組のお兄さんたち:「来月の終わりライブに向けて、ダンスの練習をしているよ。僕たちはお笑い芸人で、お金がないから、公園で練習しているの。公園はタダで場所が使えるからね(笑)」


こどもたちは、どんな人が、同じ公園をどんな使い方をしているのか、その違いに驚きを受けていました。
インタビューはまだまだ続きます。
公園を使いに来ている人たちだけでなく、『公園の人』(警備員さん)にもお話しを聞くことができました。
先週「みっけ」た、『ありがとうございます』と書かれているシールが貼られた、通称『ありがとう橋』について、なぜそんなシールが貼られているのか、その真相を聞くべく、質問をしました。
すると、こんな返事が返ってきました。

公園の人:「あ。ほんとだ!みんな、いつも綺麗に公園を使ってくださって、ありがとうございます、っていうことだと思うよ。」

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TCSキッズ:「あ〜〜〜!やっぱりそうだったんだね!!!」

人に話を聞くことで、今まで「?」だったことが、「!」に変わる瞬間。
「聞く」という観察が、様々な人々の生活の姿をあぶりだす。
着実にセントラルアイディアである、「場の観察から私たちの生活が見えてくる。」に近づいていることを実感しました。
そんなアクティブな学びの醍醐味を味わった1週間でした。


ES

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「ムシの目」になる

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

先週はこのテーマで歩き回る範囲にあたる「江戸時代」に「 犬囲い」があった場所の周囲をグルリと一周しました。
スクールに戻って歩いた道のりを「地図」で「トリの目」になって確認し、「早稲田通り」・「大久保通り」・「環七」・「紅葉山通り」など目印となる「通り」や駅の位置関係また歩いた距離などを実感しました。

今週はその約5.2kmのエリアについて「ムシの目」になって歩き回り、肉体感覚として距離感や方向感覚を自分の中に持つことで頭の中に地図が描かれていくことを目指します。

中野駅南口からスクールまでの通学路については地図上でも位置を理解することができますが、北口となると細かい道が網の目のように広がり、一本違う道に足を踏み入れるとなかなか目的地にたどり着くのが難しいかもしれません。

スクールの正面にある紅葉山通りを少し北上し、通りを渡って西へ進むとすぐに「北野神社」があります。

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するとそのまま「天神商栄会」(商店街)が始まります。
さらに西へ向かい、まずは中野駅北口の「ライフ」にたどり着き、地図記号やオモシロイものを見つけながら「四季の森公園」を目指していきました。

北野神社へ到着し、せっかくなのでフィールドワークの安全を願ってお参りをすることにしたのですが早速子どもたちは何やら見つけたようです。

「あ!!すごいもの見つけた〜!」
なんとお稲荷様のきつねが洋服を着てさらにアクセサリーも身につけています。

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「だれがなんで洋服を着せたんだろう!?神様だから寒くないようにしてるのかな?」

「わあ!すごく古い石像があるよ!なんて書いてあるの?」
読んでみるとここに置かれている3つの石碑は江戸時代のものでした。
当時新井薬師へお参りに訪れた人たちが目印とするために道に置かれていたものをこちらの神社へ移してきたとのこと。
こんなところにも江戸時代とのつながりが未だに残っていました。

「すご〜い!なんでこんなところにネギが生えてるんだ!みんな来て〜!」
神社の敷地内の雑草に紛れてなぜか一際背の高いネギが生えています。
非常食にしよう!と盛り上がる子どもたち。

今までに何度もお参りに来ていた「北野神社」でさえも「アリの目」になって見てみると発見がいくつもあります。

歩いているとすぐに何かがアンテナに引っかかり、「!(発見)」や「?(疑問)」があふれ出てくる2年生たち。

「クリーニング屋さんがもう3件目だよ!なんで小さい商店街にいくつもあるんだろう?」
「あっ!畳屋さんだ。初めてみたなあ。手作りしてるんだ!」
「リサイクルのお店だ!わあ、この棚1500円だって!安いよね!?」
「え〜。高いでしょ〜?(笑)でも欲しいな!」ととにかくテンションが高く盛り上がっている子どもたち。
「魚屋さんからいいにおいがする〜!いろいろなおかずもおいしそうだね!こんにちわ〜!」と魚屋さんと挨拶を交わしています。

「すごいお店発見!コインランドリーシャワーだってー!コインランドリーは家の近くにもあるけどシャワーも浴びれるお店なんて初めて見たよ!」
「すごい!100円で4分だって。じゃあ洗濯している間にシャワーにも入れちゃうんだね。すごいね。お家にお風呂ない人がたくさん住んでるのかな?」
「しかもこのお店店員さんはいないよ。全部機械にお金を払うようになってるもん。」
「なんか中野ってめずらしいお店とか古いお店多いよね?」
「たしかに!」と子どもたち。

中野の街を駅前だけではなく色々と歩き回っているとこの街特有の面白さをそれぞれ感じるものです。
雰囲気や特徴など。たしかにこの商店街には昔ながらのお店が多く、新しいチェーン店は全くありません。

北口駅前付近に着くと、またさらに子どもたちのアンテナはクルクル回転していきます。

「ねえ!なんでここにたくさん自販機が集まっているんだろう!?証明写真?ここで写真が撮れるんだ!500円だって。撮りたい〜!」
「奥にはコインロッカーもあるよ!なんでこんなところにあるんだろうね?目立たなそうだよね?」
「わあ!!見てみて!”一夢千円”だって!!”あなたの夢が叶うかもだってよ!”千円で夢買いたい〜!」
なんとも心くすぐられてしまう自販機が街の片隅にありました!
しかし「一夢千円」とは・・・
さすがTCSキッズ、オモシロイものは見逃しません。

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 もちろん後ほどこの自販機を再訪し、”一夢”買ってみたのは言うまでもありません。
ちなみに中身はプラスチック製のいかにもチープな貯金箱・・・
さすが中野です。考えさせてくれます。

それから駅前にある区役所や税務署、また「犬囲い」の跡地に佇む犬の銅像や四季の森公園を探索しました。

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するとビルの上にたくさんのハトたちが規則正しく待っているのが見えました。
近づいていってよく見てみるとビルの上でハトに向かって旗を振っている人が二人います。
なんとあのハトたちはCMや映画のために飛ぶ訓練を受けているハトたちだったのです。

「すごいね、一羽も休んでないし同じ飛び方してるね!あのおじさんたちもすごいなあ。誰がやっても言うこと聞くわけないもんね。すごい仕事だな。こんなの初めて見たよ!」

子どもたちにとってはまるで迷宮のような中野北口。
まだまだ一部分を歩き回ったに過ぎませんがオモシロイ場所がいくつも見つかりました。

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また歩きながら常に目に入る「中野サンプラザ」と「ドコモビル」が駅前の目印となることも分かりました。

こうして街を歩き回って得ることができた実感と地図による「トリの目」を合わせてみることで少しずつ自分の頭の中に「オリジナル中野地図」ができてくるはずです。
来週もフィールドワークは続きます!

YI

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旅に出て観察する

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

今週は井の頭動物園へ旅に出ます。旅に出ると言っても今回の旅は出会う目的が決まっていました。詩の題材となる動物を見つけ、それをじっと観察するのです。

平日の動物園は、ガラガラです。落ち着いて動物を見ることができます。まずは、ひと通りめぐって、自分が気になる動物を探しました。晴れたうららかな日。動きが少ない動物が目立ちます。

「たいくつそうだね」
「ぜんぜん動かないや」

カピバラの夫婦は、近くで人がのぞいているのをまったく気にすることなく、悠然と眠りこけています。

一方、その近くにいるアライグマは、せわしなく歩きまわっています。うろちょろうろちょろ同じルートを歩き、くるっと反転するとき、首を妙にかしげるような独特の姿勢をします。

「なんか考え事してるみたい」

確かに、周りのことを気にせず思索にふけているように見えますね。

井の頭動物園でいちばん有名な動物と言えば、なんと言ってもゾウのハナコでしょう。70歳近い高齢ですが、最近、さらに神経質になってきたのか、外の運動スペースにもあまり出なくなってしまったようです。歯もほとんどなくなり、流動食しか食べられなくなっているとも書いてありました。鉄格子に囲まれた暗い部屋の中で、左の前足を少しあげて身体を規則的にゆらしています。時折、荒い鼻息を発し、何かを訴えているようにも聞こえます。

「どうして外に出ないのかなあ」
「逃げようとして溝に落ちて大けがしたことがあるんだって」

ハナコを見た子どもたちはとても複雑な気分になっています。狭く、暗いスペースで見世物のために閉じ込められているように見えるからです。外に逃げ出そうとしたエピソードを読んで、そりゃあ逃げたいと思うよなあと、ハナコの行動に自分の心情を重ね始めています。この瞬間こそ「詩心」が動き始めた瞬間でしょう。

どの動物も檻に閉じ込められているのは同じ。なのに、ハナコはなんでこんなにつらそうに、つまらなそうに見えるのだろう……サル山のサルは生き生きと遊んでいるように見えるし、リスは楽しそうにあちこち飛び回り、ひょうきんな姿を見せています。動物それぞれの動きの違い性質の違いが明らかになってきて、自分の心に響く動物が現われてきます。

ひととおり見てまわるとちょうど昼食タイム。さくっと腹ごしらえした後は、詩の題材としたい動物のところへいってただひたすら観察します。

実際の手触り、ぬくもりを膝に感じながら、ただモルモットを抱いている子……ハナコの目をじっと見ている子……アライグマの行く方向に一緒になって走ってゆく子……昼寝しているリス、エサを食べているリス、せわしく穴を掘ってエサを隠すリスとリス百面相を追い求める子……各自が、自分の選んだ動物をひたすら観察します。

観察のポイントは2つ。1つは、外見・行動を細かく見ること。もともとその動物について抱いていた先入観に縛られず、目の前にいる動物をよく見て、特徴をつかむことです。そして、もう1つは、相手の視点に自分をおいてなりきってみること。詩をつくる主語が自分ではなく、動物になることです。

詩は対象を見て自分がどう感じたかを書くものです。ただ、自分がどう感じたかということが、自分の見方だけに閉じていたり、おれはこう感じたからいいだろうと表現されていると、読み手・聞き手の心はまったく動きません。自分の感じた思いが、みなにも通じるだろうと思えて初めて、あるいは、相手の思いに自分がちょっとでもつながったと思えて初めて、共感を呼ぶ詩になります。旅に出るのは、自分というよろいに閉じている自分が、旅で出会った対象によって自ずと開いてゆくからです。

「おれがモルモットだったら、こうしていろんな人に抱かれていたらやだなあ」
「でもどうしてかみついたり、逃げたりしないんだろう」
「あきらめているのとは違うよなあ……」
「ひざにのっているときはおとなしいけど、どんなこと考えているんだろう」

おれだったらこうなのに、なんであいつはという発想

自分のよろいがとれ始めましたね。

もしかしたらあいつはこう考えてるのかなあ

相手の心の中に入り始めましたね。この後、ただ相手の心の中に自分の思いを侵入させるのではなく、相手の立場になりきって自ずと出現する言葉をつむぐことができるか。そうなったら一気に、芭蕉やワーズワースの末席に仲間入りです。

「おれ書くこと決まった。はやく書きたいなあ」

さて、明日は、旅に出てゆさぶられらた詩心を形にする作業に没頭しましょう!

RI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

開業前夜の醍醐味

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

先週のアンケートから一週あけて、まさに「仕事」をガシガシと進めてゆきます。
まずは「調査」卸売の「タジマヤ」さんまで足を運び、みんなで卸売を探検します。

「駄菓子がこんなに安い!」
「こんな駄菓子あんまり見ないな、これは売れるんじゃないか?」
3,000円の融資を受けたTCSキッズは「自分がこれだ!!」「これは絶対売れるはず!」という駄菓子をチームで一つ買って行きます。

さあ、直感的に買った駄菓子は売れるのでしょうか?

そして、調査の翌日は、今までのインタビュー結果、調査結果をまとめながら「顧客の特性」について考え、ターゲットを絞り、どのような価値を提供するのか、経営会議を開いて考えました。
2016_T1_G5-6_business_W1_01.jpg
・経理関係では帳簿をつけなきゃな。
・仕入れは仕入先の調査と何を仕入れるか、ターゲットも考えてやらないと。
・ポスターとかいろいろなところに張ってもらわないと。ポスターはこんな感じで・・・
・事業計画書も仕上げたいと思うんだけど、事業コンセプトを話し合って決めようよ

まさに「オフィス」的な空気が流れ、会議は進んでゆく中で、問題が起こりました。
「じゃあ、俺の部分は終わったからもう作業に入っていいかな?」
「え!事業コンセプトはみんなで決めないといけないんじゃないの?」

それぞれの仕事を分担する中で、「自分の仕事についての報告は終わったからいいや」となってしまいがちです。
しかも、今年度から「MacBook Air」をTCSでは導入しているのですが、
やはり「新しいツール」は使いたくなる!みんなで話し合うより、PCでいろいろ調べたい!

そんな気持ちが伝わってきます。
それでも、みんなで決める重要なことはちゃんと決めたいところ。

話し合いながら、「お・や・つ」というコンセプトが生まれました。
「お・や・つ」の
「お」は「おいしい」の「お」
「や」は「やすい」の「や」
「つ」は「つかいやすい」の「つ」

でした。 それぞれ、懐かしいながらも美味しく、懐を気遣った安さ、そして優しく店員が対応したり、便利さが高いという意味での使いやすさこの三つこそが、今回の事業コンセプトです。

さぁ、練上げたらどんどん準備をしていこう!!
事業をする中では準備することもたくさん。
リストに上げていったらきりがありませんが、見事にGoogle Spreadsheetを活用して、タスクをあげていったり、帳簿を作成したり、Google Docsで事業計画書を共同編集したり、Keynoteでポスターを作ったり、
現代の企業ではPCがなくてはならなくなったことと同じように、今回のビジネスでもPCが大活躍します。

せねばならぬことはたくさんありますが、忙しくも仕事をこなして行ける感覚は達成感を積み重ねて楽しくもあります。
残業をしながらも準備はめまぐるしいスピードで進んでいきますが、無事、水曜日に開業を果たすことはできるのでしょうか?

TY

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2016年04月27日

2016年度GW課題

【課題図書】

<1年生>


<2年生>


<3・4年生>


<5・6年生>





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2016年04月29日

心踊る発見!

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。 」

[1年生]

今週でいよいよ「紅葉山」見っけ隊のテーマも、折り返し!
週の前半は引き続き、「!」「?」「モヤモヤ」をひたすら見つけて、言葉にして、共有するということを行いました。

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その数、3週間で集めたものすべてを合わせると、なんと「104」コ!
子どもたちもその数には、満足げでした。

今週の発見は、お天気もよかったこともあり、池の中や周辺、また生き物に集中。

「なんで、くものすがいっぱいあるの?池の橋の下にもあるよー!」

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「池に中に落ちてるたくさんの葉っぱたち。じっと見ていると葉っぱが動いている。葉っぱの下にはザリガニがいたんだよ!」

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「先週は、あんなにたくさん咲いていたアキグミのお花が、ひとつも咲いていなかったよ!」


3週目に入ってから、子どもたちの観察力も増し、変化や移り変わりを感じ取り仮説を立てる力が向上して来たように感じました。

しかし、ここで終わらないのがTCSの探究学習の醍醐味。
見つけっぱなしでは、探究が深まりません。
セントラルアイディアに立ち戻ると、場の観察が、わたしたちの生活の中にある秘密や不思議をあぶり出す鍵になる。

そこで、週の後半は、この3週間でどんなものを見つけたかを振り返り、その中から3つ「これは、もっと深く知ってみたい!調べてみたい!」と思うものを選び、またその選んだものに対して、知っていること、不思議に思うことを書き出すということを行いました。

IMG_0704.jpg 「見つけたねこちゃん。小さかったから子どものねこちゃんだと思う。近づいたら、近寄って来たから、人には慣れてそうだったけれど、なんで逃げちゃったんだろう?どこに行っちゃったんだろう?」

「『ありがとう橋』(子どもたちが名前を付けた池の橋)に貼ってある「ありがとう」のシールは、誰が、いつ、なんで貼ったんだろう?」

「公園の隅っこでダンスを練習していたお笑い芸人のお兄さんたち、何回も見るけれど、いつ来てるのかな?なんで、いつも来ている人と、来ていない人がいるんだろう?」


まだ習いたてのたどたどしいひらがなで、文章にすることに苦戦しつつも、どんどん彼らは書き進めていました。
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その一方で、「あ、ぼくもそれ同じ!」とじぶんなりのこだわりのある発見がなかなか見つからない子もいます。
他の友だちが面白がったものを、じぶんも面白がれる。これは決して悪いことではありません。 でも、それが本当にじぶんが面白いと思ったものなのかという疑問はあります。

「それでもいいよ」ではなく、「本当にあなたがこれは、面白い!!とじぶんの心から思えること、思い出してみよう。絶対見つけているはずだし、もう一回探しに行ったっていいんだよ」と伝えました。

 じぶんの心が躍らなければ、探究は深まっていかない。
探究の最初の通過儀礼に直面した彼。この悩みや戸惑いが、ある種探究の成長痛のようなものでもあるかもしれません。

ただ、「紅葉山公園でいちばん好きなところはどこ?」と違った質問をぶつけてみると、
「崖のところ」といいます。
もうすでに友達の発見とは異なっています。
「崖のどういうところが好き?」と聞くと、「うーん」なかなか言葉にならない様子。
でも、記録にはきちんとじぶんの言葉を残していました。

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「なんで紅葉山の池には崖が必要なの?」
友達と同じではない「じぶんの面白いもの」に対して、一度は戸惑いを見せながらも、
じぶんなりの疑問を生み出し始めたようです。




IMG_0681.jpg ゴールデンウィーク明け、また紅葉山公園に戻り、
心躍るじぶんのテーマに対する深い観察の日々が始まります!






ES&AN

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中野らしさを感じる

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

まだまだ今週もフィールドワークは続きます。
中野北口の迷路のような住宅街や商店街を地図を片手に歩き回り、オモシロイものを発見しつつ自分の頭の中に地図を描きます。
スクールを出てから住宅街を抜け、中野のランドマークの一つである「中野ブロードウェイ」を目指しました。
スクールから目的地までの道順は子どもたちにお任せ。
ただし、前回通った道は通らないという制約のみ設けました。

「じゃあ、この前行った北野神社よりも北の道から向かっていこうよ。」
「どの方角に?」
「えっとね〜。う〜ん。西!」
歩き出すと男の子が早速何かを発見しました。

「あ!”ご自由にお持ちください”って書いてある〜!なんかダンボールに入ってるよー!」
「この前も他の家の前にこういうのあったよね。中野ってこういうの多いねえ!」
袋の中を覗いてみるとなんとそこにはTCSキッズにも人気があるベイブレードがどっさり!

「わあ!ベイブレードだあ!”ご自由にお持ちください”って書いてあるからもらってもいいのかな?」
「全部もらっちゃ良くないだろうけど、大事に使うんならいいんじゃないかな?」と私。
「やったー!!超ラッキーだぼくたち!でもきっとこの家の人もただ捨てるんじゃなくて誰かに使ってもらったほうがいいなって思ったんだろうね。よし、ちゃんと使おう!」
たしかに住宅街を歩いているとこのように”ご自由にお持ちください”とガレージ前にリサイクル品を出しているお宅をよく見かけます。
こういう文化を住民が共有しているのも中野の特徴の一つなのかもしれません。

「この道は右かなあ?左かなあ?あ、でもドコモビルが左に見えるから右の方向だね。ていうことは北に向かうんだ。」

分かれ道で自信がなくなるとみんなで話し合い、自分たちの位置を確認し目指す方角を考えます。
するとなんとか見覚えがある道へ出てきました。

「あ!この商店街、この前来たところだよー。おっちゃんがこの商店街においしい焼きそば屋さんがあるって言ってたところだ!」
昭和新道商店街に無事たどり着き歩いているとなんとさらに見覚えがあるものが!

「あ!!!また夢の自販機だ〜!」
「すごーい!!こんなところにも夢売ってる自販機があるんだ〜!ねえまた買って〜!」と子どもたち。
その後どうなったかはご想像にお任せします。。。

ちょうど自販機を通り過ぎたところに目指していた「中野ブロードウェイ」がありました。 地下一階にあるSEIYUを抜けるとまた小さなスーパーがあり、その隣には整体。
また隣にはうどん屋、そしてアイス屋やクレープ、また焼きそば屋さんに綿あめ、また有名な唐揚げ屋さんが軒を連ねるというワクワクさせられてしまうラインナップが続きます。
4Fまで散策したい思いはありましたが、タイムアップとなってしまったので続きは次回に持ち越し。

また翌日には新井薬師にお参りして、おいしい湧き水で喉をうるおした後、アイロードを散策してきました。

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まずは新井薬師でお参り。手水の作法もお手の物。

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おいしい湧き水が湧いていることに驚きの子どもたち。

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体の治したい部分をスポンジできれいに擦っています。みんな頭をよく擦っていますね。

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オモシロイお店がたくさんあるアイロード。みそ屋さんに大興奮の子どもたち。

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アイロードで人気のアートキャンディー専門店。目の前でアメを作っていてその場で試食も楽しめちゃう。

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大阪発のおいしいたこ焼き屋さん。お店の中でもゆっくり座って食べられる!

子どもたちに今週のフィールドワークを振り返りながら、これまでの町歩きを通して「中野らしさ」をどう感じているか尋ねてみると、、、

・クリーニング屋さんが沢山ある街
・おいしい食べ物の店と物の店のバランスがいい
・看板に落書きが多い
・色んな面白いお店がいっぱい
・おいしい食べ物がある
・変な店がいっぱいある
・店に色んな色がある
・人が優しい

といったイメージを持ったとのことです。あと残すところ半分となったこのテーマ学習の期間でさらにどのような認識が変わっていくのでしょうか?
乞うご期待です。

YI

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詩作に没頭する詩人たち

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

いよいよ本格的な詩作に取り組みます。小さいながらも詩人である「先生」方は、思い思いの場所を見つけます。机に向かってもよし。寝転がってもよし。一人の世界に没頭できるスペースで書きます。

多くの子どもたちにとってのお気に入りは、窓を開放して外に向かって書くこと。

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隣の子……いや……作家のことなど気にせず、黙々と作品づくりに没頭しています。

しばらくすると、とりあえず書き上げたので見てくれと私のところへ持ってくる。さあ、ここからが真剣な詩作修業の始まりです。的確に Good & Better でフィードバックして言葉のセンスを磨いてゆく「編集者」の腕が問われます。

「基本はまずリズムだな」

詩が詩たるゆえんは、決まった音で表現されるリズムの心地よさが私たちの心を揺さぶるところにあります。どうして詩はあんなに細かく行変えするのかな……それは、テンポよいリズムをつくるため。きみのはふつうに作文で説明しているのと同じ。こんなに書かないで、字数を削ってリズムの出る書き方ができないかな。

ぼくは人のひざの上でうずくまっている
みんながぼくをさわってくる
いいかげんにしてほしい

伝えたいことはわかったよ、じゃあ、これをリズムよくしてみないか。そのためになんとか同じ音の数に合わせられないか……

このアドバイスを聞いて、作家は書き直す。そして再び目にした詩は……

おれはつかまれる
おれはもちあがる
おれはうずくまる
おれはさわられる
いいかげんにしてよ

おお、スゲエぞ。すべて8文字で決めてきた。こうするとリズムが出てくると同時に、誰かのされるがままになって、ちょっとあきらめ気味なモルモットの気持ちが浮かび上がってくるよ。

別の子が作品を持ってくる。

アライグマは夢を見ている
どんな夢を見ているかというと自分の住む家のこと
その家でどんなことをしているかということ

そうか、アライグマがうろうろしているのは、自分の夢の世界に浸りきっているからなんだ。そんなアライグマの気持ちを出すために、同じ言葉を繰り返し用いてみるのはどう?とアドバイス。

なにかひらめいたかのように再び書き始め……しばらくたってできた作品は……

あらいぐまの理想 ぐるぐる
家がほしいなあ
あらいぐまの理想 ぐるぐる
野原にあるんだな
あらいぐまの理想 ぐるぐる
窓から野原が見えるんだなあ

いいねえ。うろうろ歩いていながら、理想に思いをめぐらしているのが「ぐるぐる」という言葉でとってもよく表現されているよ。

旅で得た着想が、詩の基本「型」を与えられることでこんなにも素直に「詩」としてまとまるなんて。できすぎのように思うかもしれません。でも、本当にこうなってしまうのです。それは、彼らが旅に出て、観察して、これだとほれこんだものを詩にしているから。それに、詩心というのは誰でも潜在的に持っているのです。それを効果的に表す「型」が与えられるとより凝縮されて表現できるということなのでしょう。「五七五」なんていうのもそういう「型」のひとつですね。思いをそのまま書くのではなく「詩」のフォーマットの「型」に当てはめてみることの面白さに目覚め。ますます詩人の世界に没入してゆきます。

「ダジャレも大事な詩のワザだよ!」

リスの気持ちをリッスんしよう。サルがぼーるをけってフットサル。そんな例を挙げてゆくと、そりゃあ子どもたちは大盛り上がり。詩のワザとは、子どもの大好きな「言葉遊び」なのです。

「ダジャレは、同じ音の別の言葉を用いてつなげることだろ。この他に「連想」っていうワザも身につけたら鬼に金棒だ」

子どもの詩作に合わせて、ワザをどんどん投入してゆきます。

ハナコの目はどこまで言っても底が見えない海のよう

こういうのが「連想」だと例を挙げると、詩心が動いている子どもたちは、ピンとくるようです。

「そうか。おっちゃん、こんな感じ?」

こうもりについて詩をつくっている男の子が自分の詩をこんなふうに書きかえてきました。

おいらはまっくろなぞうきん

スバラシイ!まさにこういうことだよ。つくりたい内容があるところに「型」が入るとこういう化学反応がバシバシ起こるのです。そこで彼にはもうひと超え!ということで、「ぞうきん」が次に連想を引き起こすか?そこまでつながるともっと面白くなるぞ!とゆさぶります。しばらく、詩作ならぬ「思索」に入った後、書いてきたのは……

おいらはまっくろなぞうきん
昼間はおとなしくただ干されているだけさ

なるほど。明るい昼間はただぶらさがって眠っているこうもりの姿を干されているというふうに表現してさらに「連想」を広げたんだな。面白いじゃないか。

自分の思いを「型」にのせて表現する探究を楽しみ始めた一週間でありました。

RI

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失敗をバネにゼロからのスタート

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

水曜日に出店日がせまった5、6年生は「駄菓えもん」出店に向けて仕事を分担し準備を進めていきます。
「ターゲット」を50代〜70代に絞って、その人たちの喜びそうな駄菓子をリストアップしていきます。
また、宣伝の為のポスターを仕上げて、近隣のお店や掲示板に掲示してもらったり、着々と準備が進んで行きます。「仕入れ」のための買い出しでは、タジマヤでお客様の笑顔を獲得すべく品定めを行います。

そんな中、事件が起きました。

出店場所はTCSの駐車場、花壇に水を撒くためのホースを手にとり、水の掛け合いをしてしまった社員がいました。そこまでだったら話は済んだものの、TCSと同じ敷地にあるオフィスに水が入り、大切な資料が濡れてしまったのです。

謝りに行った時には、時すでに遅し。
「駄菓えもん」は一点信頼を失い、TCSの駐車場の敷地を借りることができなくなってしまう、という事態に陥りました。
「社会寄与」の探究のはずが「社会迷惑」となってしまいました。

単純に「行動をこうする」ということでは信頼の回復をはかることはできません。
出店の許可を得る為には自分たちの「行動指針」を明確に「ことば」にして、示すのはどうか、という課題をTCSの理事長から受けたキッズは出店の為に必死で自分たちの行動指針:クレドを考えました。
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そして悩みながらもクレドを話し合い、絞り出しました。

クレド

私達駄菓えもんはお客様の期待に応え
「おいしい」「やすい」「つかいやすい」の
「お・や・つ」をお届けします。

全てのお客様、支えてくださっている皆様への
感謝の気持ちを伝えるために、
全ての方々が和める環境を提供することをお約束します。

お客様とバランスのとれたコミュニケーションを通して
従業員一同、手と手を取り合って落ち着ける場所をつくりだします。

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キッズはこのクレドを朝みんなの前で披露し、出店の許可を得ると同時に、このことを自分たちの行動指針として、自分たちのビジネスに専念することとなりました。
失敗をバネにして自分たちの結束力を高めることとなったのではありますが、まだまだ油断してはいけません。自分たちがようやくスタート地点「ゼロ」に立つことを許されたに過ぎなかったのです。

それぞれがまず「店舗を運営する」ということはどういうことなのか、実践を通して学びます。その中から様々な改善点を炙り出していき翌週からの出店につなげていきます。
とはいえ、「本番」は「本番」。接客や売る商品、価格など、初日からのお客様への対応いかんでは「顧客の創造」につなげられる場合もあれば、お客様が離れてしまうことも十分に考えられます。

お客様と直接関わることで肌感覚で感じることができます。

開店一週目は売り切れ商品が出るほどの好調ではありましたが、「新規」で来てくれるお客様の獲得が難しいポイントでした。

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GW明けは二週間かけて稼働します。その中でのTCSキッズの「改善」は続いていきます。
「広報」、「販売」、「呼び込み」と「在庫管理」や「会計管理」などもさらに徹底し、その上で「戦略」的な店舗運営、ビジネスにつなげてゆきます。
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TY

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