東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2016年05月 アーカイブ

2016年05月13日

見て聞いてを繰り返す

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。 」

[1年生]

これまでに見つけたものの中から、さらに深堀していきたいものを選んだ子どもたち。
再び、自分たちの冒険フィールド「紅葉山公園」に出かけます。

自分たちは何を見に行けばいいのか、まずはそれぞれの目的を明確にするために、
これまでの発見とさらに疑問に湧いてきたことを共有していきます。

木に番号がついている!
番号は「1」からあるの?
木にぶら下がっている番号と土に棒で刺してある番号はいくつあるの?
番号がある木とない木があるのはどうして?

ロダン(「考える人」の像)が公園の真ん中にある!
銅像の下には、「昔、この公園は人の家だった」って書いてあるけど、
なんで家がロダンに変わったの?
誰がここにロダンを作ったの?
公園だけど、みんなの意見を合わせたの?

ねこを発見!
ねこのおうちは公園なの?どこにあるのかな?
ねこのことを詳しく知っている人はいるかな?
何匹くらいいるのかな?

仲間の疑問や観察の目的を共有することで、
お互いにどんな発見を持ち帰るか、あとで知るのも楽しみになってきます。
また、途中で合流してみたり、誰かの疑問のヒントになることを発見したりすることも。
今日もまた、予想もしていなかった発見に巡り合うことに。

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「ここに番号があったはずなんだけど。」
「グリーンアドベンチャーって書いてあったら印をつけてみよっと。」
「説明書きがあるのには◯をつければいいかな。」
記録のつけ方を工夫して、あとで見直したときに自分がわかるようにしています。
公園の守衛さんを見つけ、「あ、聞いてくる!」と駆けていきました。
しばらくして戻ってくると、「どうして木に番号がついているのかは、よくわからないって。」
「中野区のカンリカに聞けばわかるかもって言ってた。」
手がかりとなるヒントをもらえたようです。

2016_6_13_atsu_IMGP7676%20%281%29.jpg「ロダンは、裸足だな。」
「あれ?裸!?」
「前髪が寝癖。」
「筋肉モリモリだなぁ。」
何度も見ているけれど、いや、何度も見ているからこそ、
ようやく見えてくるものがあるのかもしれません。

2016_5_16_atsu_IMG_0907.jpg 「何を考えているのか、同じポーズしてみたらわかるかも。」
ほかの子の提案で、格好を真似してみると、、、。
「考えてないかも。下をじっと見てる感じ。」





2016_6_13_atsu_IMGP7678%20%281%29.jpgダンスをする人に大きな音を出さないでくださいとのお願いが書かれています。
「禁止じゃなくて、お願いなんだね。」
公園の守衛さんから次のような話も聞くことができました。
「ここはもともと、文化を発信する場所でゼロって名前がついているからね。」
「ブンカって何だ?」わからないながらも、記録をとっていきます。
これも大きな手がかりとなりそうです。




2016_6_13_atsu_IMGP7680%20%281%29.jpg ねこが見当たらずに、公園にいる人に聞いてみると、
「ねこは昼間は寝ているからいないよ。」と聞くことができ、
記録に収めます。そのときです、
「あ、ねこだ!」とほかの子がねこを発見。
そっと後を追ってみると、
公園の外を出た住宅地に行き着きました。
すると、そこには公園にいたねこのほかにも数匹のねこたちが休んでいました。

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横になってゴロゴロしたり、顔を洗ったりしている姿を観察し、
「寝てないけど、眠そうだね。」
「急いで近づくと逃げちゃうけど、ゆっくり近づくと逃げない。」と
記録をとっていきます。
「ねこは人が好きだから公園に来ているのかな。」
公園を利用しているのは、人間だけではないようです。

2016_6_13_atsu_IMGP7684%20%281%29.jpg記録用紙が濡れてボロボロに。
池でエビを観察。
大きさや形、どこにたくさんいるのかがわかりました。
そして、滑りやすいこと、服や紙が汚れることもわかりました。
「池に入ってはいけないのは危ないからというのは
こういうことなのかな。」




疑問に出てきたことをもっと調べたい!といっても、
どう調べたらいいのだろうという疑問も同時に出てきます。
だけれども、調べることはみんな自然にしているはずです。
1年生はいろいろ物知りで、知ったことをたくさん話してくれます。
「それって、どうやって知ったの?」と聞いてみると、
自分たちの調べ方が浮き上がってきます。
観察して見る。テレビを見る。図鑑を見る。iPadで見る。
おうちの人に聞く。年上の人に聞く。質問して聞く。
本を読む、説明を読む。

目で見ることと、耳で聞くことを徹底していくことで、
自分の中に入っていくことが伝わってきます。

ロダンの「考える人」について、ギャラリートークをしている動画があったので、
一緒に見てみました。
これも「見る・聞く」の調べ方のひとつです。
次のようなことが新たにわかってきました。
「考える人」は、元は「地獄の門」という作品の一部であったもので、
考えているのではなく、門の下を通る人を見ている人であること。
あの姿勢で座っているのは、筋肉美を見せるためという説があること。
観察したり、同じ格好をしたりすることで、様々な見方ができること。

観察してきたこととつながってくることがたくさん出てきました。
見ることと聞くことの繰り返しで見解が広がっていきます。

2016_5_16_atsu_IMG_0922.jpg守衛さんから聞いた「中野区カンリカ」を手がかりに、
中野区のホームページを見てみました。
公園のページに紅葉山公園のことが書かれています。
問い合わせのところに、
木についている番号についての質問を
書いて送ってみました。



場の観察は尽きませんが、わかったことから何が見えてくるか、
来週は、紅葉山公園と自分たちの生活とのつながりを考察していきます。

AN

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「略図」ってどう作るんだ?

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

いよいよテーマ学習も折り返し地点に入りました。
これまで何度もフィールドワークに繰り出し、「中野の街」の位置関係やオモシロイ場所について自分の頭の中の地図がだんだん作られてきている2年生。

これまでに歩いて発見したオモシロスポットを盛り込んだ『略図』を作るミッションに向けて、『略図』を作るポイントについて話し合っていきました。

これまでの学びの経験から子どもたちから出てきた『略図』作りのポイントは

◼︎『方角』・・・まずは、「地図は北が上だよね!」と自信たっぷりの様子
◼︎『目印』となる『大きな道路』(早稲田通り・大久保通り・紅葉山通り・環七通り)を書く
◼︎『目印』となる中野『駅』と電車の『線路』を書く→中央線の線路は東西を知る目印ともなっている
◼︎『大きな目印』と『小さな目印』を書く→サンプラザとドコモビルのような『大きな目印』があれば自分がどこにいるか知ることができる。
またオモシロスポットの近くにある『小さな目印』となるような建物を書くことで目的地にたどり着けるし、迷わない(と思う)
◼︎正確な地図を書くわけではないので『省く』所は大胆に『省く』!
◼︎オモシロスポットは『写真』や『オススメポイント』をのせる

『略図作りのポイント』についてマイニングしてから、早速それぞれでA-3用紙に『略図』を書いてみようということに。
しかし地図を読めるようにはなってきたものの、いざ自分で誰かに分かるような地図を作ることはむずかしい・・・ですよね。

「あれー、中野駅とブロードウェイの距離が中野駅とTCSの距離と同じくらいのはずないよねぇ。」と『縮尺』の壁に当たっています。

「うーん。あのダンゴ屋さんてこの道だっけ?こっちだっけな?」

細い路地がたくさんある中野北口の迷路に苦戦をしいられています。

「ああ、定規使えるところもあるけどまっすぐな道だけじゃないから線をきれいに書けないなー。」たしかに曲線のほうが難易度高いですよね。

国土地理院の一万分の一の地図を参考にしながら、試行錯誤している内に時間はあっという間に過ぎていきました。

翌日はまだあまり歩けていない通学路がある南口をフィールドワークすることに。
知っているはずの通学路も『ムシの目』で歩いてみるといくつもの発見がありました。

通い慣れたはずの道にある壁画の中に隠された絵を発見したり、お気に入りのワッフル屋さんがGWの内に引っ越して中野駅前の丸井に移ったことを知ったりと早速『学びのアンテナ』がクルクルと動き出します。

「この団地の中に入っても同じ道に出られるんだよ!」
いつもの通学路にある団地へ一歩足を踏み入れると昔懐かしい団地があり、元気な春の花たちがかわいく咲き乱れていました。

団地の中を通って行くと中野駅南口へと続く坂道があり、その辺りを散策してから『犬囲い』の南側を横断する大久保通りを東へ進んでスクールへと戻ってきました。

来週からは『略図』作成に取り掛かります!
彼らの発見したオモシロスポットが反映されたオリジナル略図をどうぞお楽しみに。

YI

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旅の詩を磨く

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

旅に出て見つけたモチーフを詩にします。せっかく旅に出て見つけた素材を詩にするのですから教室にとどまっている必要はありません。TCSの近くに素敵な場所があるのだから、そこに出向いて詩をつくります。

なんとなく遊具のそばに……

池のほとりにたたずんで……

ベンチに腰かけてのんびりと……

直感的にここにしようと選んだ場所で詩をつくります。

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いい風が吹いて、陽射しを浴びて気持ちいいなあ。自ずと「情緒」がゆさぶられます。

あのときもこんな感じだったなあ……

今とはちょっと違うかも……

ああそうか、もしかしたらこういうことか……

モチーフに出会ったときの記憶がよみがえってきます。外に出て書くだけで、気持ちが動くから不思議です。

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出てきた言葉は、素直に書きつづります。こんなこと書いていいかなあと思わず、ひたすら書きつづります。すると……言葉の連なりの中に自分が現われてきます。説明しないで感じたことを書かないとという「しばり」だからこそ浮かび上がる個性。

なんでぼくはハナコに自由がないと見てしまうんだろう……

風のことを書こうなんてどうして思ったのかなあ……

選んだモチーフ自体に自分のクセが現われてしまいます。

おれは、なぜだか同じ言葉をくりかえし使っちゃうんだよなあ。……

私は、フワフワとか、びくびくっていうような言葉が好きなんだな

感じることを表現するときのクセも見えてきます。

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さて、書けた。でも、なんか物足りない。もっと面白くできないかな。

う〜ん、読んでもイメージが浮かばないなあ。

言葉を連ねるだけではまったく人の心を打ちません。どんなに「個性」的であっても、なるほどそういうこともあるのかという気持ちを聞き手 or 読者に起こさせないなら「詩」をつくる意味はないと言えるでしょう。

少なくとも今回、私たちが「詩」のフォーマットで表現するのは、「自分さえわかればいい」「おれがいいと思ってるんだからいい」という独善的な世界に浸るためではありません。一期一会の「特別の体験」を、詩という形式で面白く表現して、そんな見方もあるんだという「普遍的な思い」を誘発することなのです。

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まずはひとつ書いてみた。じゃあ次は別のパターンで書いてみよう。う〜ん、まだ説明しすぎかな。さて、もうひとつ書いてみるか。今度はちょっと削り過ぎか。なんだかよく伝わらないなあ。それに真面目すぎて人をひきこまないぞ。何度も、何度も、書いては、書き直し、書き直してはさらに磨いて、推敲につぐ推敲です。

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推敲のプロセスがとにかく大事。このプロセスの意義を認め、大変だけれどどこまでくいついてくるかです。

彼らのスバラシイのは、一人残らずこの大変なプロセスを黙々とこなすところ。「もう書けた!いいでしょ!」という子が一人もいないのです。

とはいえ、まだまだ稚拙。でも、その原石の良さ、ぴかっと光る感性を磨くには、師匠の出番が不可欠。ということで、不肖おっちゃんは、週末のホームワークで彼らの「詩」に赤を入れます。

彼らに、なるほど、詩とはかくあるべきと思わしめる添削をしてこないといけません。探究教師、詩人ならずんばなるべからず、であります。よしがんばるぞ!

RI

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売り上げの乱高下

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

駄菓子屋を開店してはや4日が経ちました。
今週は軌道に乗り始めたところから、さらに「改善」を続けていきます。

初めはおぼつかなかった準備もだんだんと手馴れたものとなってきました。
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また、接客のコツもみんなで話をシェアしていくと色々なコツが上がってきます。
・「まずは、お時間ありますか?2分でもいいのでもらえますか?」
・「ちょっとそこで駄菓子屋をやっていて、ジュースとかもあるんですけど休んで行きませんか?」

色々な工夫をして、お客様を呼び寄せていきます。

呼び込みはいいものの、裏では間に合っていない会計処理をがっつりとこなしていく役割の人が働いてゆきます。

帳簿を作ったり、前日の会計処理をしたりと、多くのことに追われながらもうまく分担しながら、それぞれの役割を果たしていきます。

さらに、「仕入れ」今週は二回も卸売の「タジマヤ」まで仕入れに行きました。
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こんなものだったら売れるかな?必要としているものが安くなってる!ラッキー! などなどと、受け取った仕入れのための予算の中でうまくやるために即座に計算をしながら、何を買うか、考えていきます。

さて、この三日間できになるのは「売り上げ」です。
売り上げは、実際のところ、どうなっていたかというと・・・
火曜日:3000円
水曜日:9000円
木曜日:4000円

と乱高下してしまっていました。
天候もそこまで悪くないはずなのになんでこうなってしまったのか、不明瞭なところがあります。

毎日の仕事のあと、メンバー全員は「改善提案書」でその日の問題点を振り返り、改善につなげています。

自分たちのお店を改善すること、店員の態度を改善すること、ものの売り方を改善すること、「批判」だったら誰にでもできますが、それでは「他人事(ヒトゴト)」で終わってしまいます。
そのために、自分たちでどうするか考えていきます。
改善提案書の中には具体的に下記のようなものがありました。
・商品の並べ方・POPを作ってカラフルにする
・人を待たせすぎるからその間のつなぎをうまくする
・目立たなすぎるから看板を作る
・協力する!積極的に相手と向き合う。相手の立場を考える。みんなの意見も取り入れる
・値段設定を明確にする
・顔が怖い。営業中は楽しくやればできると思う!
・自分の役目がわかっていない
・味の確認をする
・うまい棒を10円のと15円のとで比較してどっちがよく売れるか実験する。
・お客様の気持ちになってみる。
・自分の仕事をちゃんとやる。
・客前で話さない。

などと、いくつか被っているものもあるなかで、たくさんの改善策・問題点があがりました。
そんな中、店舗を運営していくなかで色々な問題が生じてきました。
・「いつも買い出しに行けるのは6年生じゃないか!」
・「わたしいつも呼び込みをやっている気がする。レジとかやりたいよ。」
・「会計の処理が終わってないから売りたくってもものを売れないよ!」

自分たちが気持ちよく仕事をしなければ、お客様にもそのことが伝わってしまいます。
次週はこの改善案も含めて自分たちもお客様も気持ちよくあることのできる工夫を考えます。
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TY

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2016年05月20日

私のみっけ!はみんなのみっけ!

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。 」

[1年生]

100個以上の「みっけ!」から「これは!」と気になる、深めたい発見を選び、ひたすらそれにまつわる「?」を掘る1週間になりました。

?を掘る作業は個人ではなく、?を掘るときの重要な観点を共有するという意味でも、全体で協力しあいながら行います。

ここでいくつか子供たちが選んだテーマと、それにまつわる今週の大発見を紹介したいと思います。

紅葉山公園に存在する木や草などの植物に、よーく見ると実はナゾの番号が付いていることを発見したTくん。しかも、その番号札は『グリーンアドベンチャー』という不思議な言葉が書かれたものと、全く何も書かれていないもの、また、そもそも番号札が付いていない木もあることに気づき、番号にはどんな意味があるのか、またなぜ札が付いているものと、付いていないものがあるのかについて探究することに。

4週目に行ったフィールドワーク中に、通称「公園の人」である警備員さんに出くわしたので、このナゾの番号札について聞いてみると、
「あー、番号の付いている木には説明があるはずだよ。これで、この植物の特徴を知ることができるはずなんだけど。。。あれ、説明がないものもあるね、中野区の公園管理課が知ってるはずだから、聞いてみるといいよ!」
と教えてくれたのです。

そこで、Tくんと一緒に中野区のホームページの中にある、公園管理課のページを見てみることに。電話番号のほかに、お問い合わせフォームがあったので、ここでTくんの疑問をぶつけてみることにしました。

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メールを送り、さぁ終わり。ではないのがみっけ隊。そのホームページには、公園の概要と設備の説明が書いてあったのですが、なんとそこに気になる記述が。。。
公園にある設備の中に、<滝>があるとのこと。みっけ隊員たちは見たことも、音を聞いたことすらありません。そもそも、そこに滝はあったのか?

そこで、スタッフが紅葉山公園に併設されている図書館に情報を集めに、足を運んだところ、公園の設計時に作成された計画書を発見。
そこには、どんな経緯で、どんな目的でこの公園がつくられたの記載と、完成イメージ図があり、なんとそこには「滝」がきちんと描かれていたのです!

次の授業で、すぐさまこの計画書を配布し、「滝」があったことを報告すると、全員が驚愕し、すぐに現場である公園に滝の場所を確認しに行きました。
すると、池にある毛虫がたくさんいる「崖」について探究しているKくんが、「もしかして、僕が登っている崖、もしかしたら、、、、滝だった?」と気づいてしまったのです。

Tくんの探究活動が、Kくんの発見につながった。。。!
誰が何を考え、どんな発見をしたかを全体が知っておくことで、お互いに発見を助長しあうことのパワーを見せつけられたかのようでした。


その日の午後、昨年同じ場所でみっけ隊を行っていた2年生に話を聞くと、「去年は滝があった!でも流れている時と、流れていない時があった!」との情報を入手。

今回は、思い切って、この滝の真相を公園管理課に電話で直撃することに。
担当者の返答は
「滝はありますが、今ゴミが詰まってしまっていて、故障していて、水が流せない。再開の見込みは立っていない。」
とのことでした。

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あ、あの池に溜まっているゴミが原因で詰まってしまったのかな? 子供たちの発見の連鎖は止まること知りません。

どのようにすれば?が解けるのか、道筋や手立ては見せたり、導くものの、そのプロセスを全て子供と共有することで、彼らもやってもらった、やらされているという受動的な姿勢を持たないと感じています。

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さぁ、来週は最終週。これらの発見を、いかに「私たちの生活、誰かの生活が見えてくる」に繋がげていくか、探究はまだまだ続きます。


AN ES

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オリジナル地図を作ろう!

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

今週から今まで街歩きして発見した中野の「オモシロスポット」を盛り込んだ中野駅周辺の『略図』を作っていきます。

今回『略図』として描く範囲は、江戸時代に『犬囲い』となっていた北は早稲田通り・東は紅葉山通り・南は大久保通り・西は環七通りという約5.2kmのエリアに決定。
これを模造紙2枚に作り込んでいくというのがプレゼンテーションでのアウトプットとなります。

まずは鉛筆で目印となる大通りを描いていきます。
真っ直ぐの線は定規を使って綺麗に引くことができますが、曲線に思いの外苦戦する2年生たち。

書き始めて少し経ち、慣れ始めてきたところで北口と南口を2チームに分けてそれぞれに作業を進めていくことになりました。

「みんな、書ける地図記号はマークで書こうね。いちいち全部ことばで建物の名前とか書いてたら字ばっかりになっちゃうから。」
「電車区は電車のも描こうよ!Hくん書ける?」

慎重に描き始める子どもたち。そしてみんなやり始めて思ったようです。

「地図作るのすごく楽しい!!!」

4週間歩き回って自分たちの頭の中にも中野の地図ができあがり始めた頃に、地図の使い方などを思い出しながら描く『略図』の面白いこと!

「ああ、どの”発見”を載せようかなぁ。全部は載せられないもんね。写真も載せていいんだよね?」

細かい道を全て網羅したような正確な地図であればすでにあるので必要ありません。
あくまで子どもたちがこのテーマで目指すのは「自分たちの発見を盛り込んだオリジナルの略図」。
ですから伝えたい情報に優先順位をつけ、この際必要のない情報(道も含む)は潔く省いていきます。

そして「オモシロスポット」については写真とコメントを貼り付けていくことにしました。
限られたスペースでおすすめのコメントを書くのですが、ここでも伝えたい情報やメッセージを凝縮することに頭をグルグルさせています。

できた!と思っても清書する段階でレイアウトや行替えの位置や内容などについても頭を悩ませることに。。。

このようにオーセンティックな場面だからこそ「個」と「和」での「知」を総動員して一つのアウトプットを完成させていくためにお互いを磨き合わざるを得ない状況に自然となっていきます。

5週目もエンジン全開で飛ばしましたが、これはなかなか6週目がしんどくなるぞ、と略図作りの進捗に焦りもやや感じずにはいられません。

さあ、いよいよ残すところあと1週間だ〜!

YI

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「言葉」を「声」に乗せて

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

できあがった詩に赤を入れる。もちろん子どもの想い・意図・個性を考えて赤を入れる。必死になってホームワークをこなしました(私がです……)。

俳句にせよ、和歌にせよ、赤を入れてもらう中で表現の仕方を学びます。赤の入れ方が不適切であれば、子どもの詩はよくなりませんし、もともともっていた感性にふたをされてしまいます。なんとも責任重大!探究教師のふんばりどころです。

どんなところを意識して赤を入れたかというと……

まず、詩のリズムという点。詩は「韻」文と呼ばれるのですから、内容以前にまずリズムがないといけません。せっかく面白い内容でも、説明的になってしまうのは、選んだ言葉をリズムにのせて表現していないから。同じ音で始まったり、終わったり、決まった音数で進んでいったり、読みながら身体が動いてくるようなものにすることが基本。ということで、リズムが出るように赤を入れます。

ある子は蝶をモチーフに詩を作りました。

ひらひらひらと飛んでいる
花の近くをあちこちふらふらと

「ひらひら」と「ふらふら」という擬態語をせっかく使っているのに、もったいない!そこでこんなふうにしてみます。

ひらひらひらと飛んでいる
ふらふらふらと飛んでいる
花の近くを飛んでいる

こうすると一行の音数が同じになり「七五調」になります。また、「飛んでいる」という言葉繰り返されます。こうして自ずとリズムが生まれます。

次に、描いている対象のイメージを表現していること。ああなるほどと思われるイメージとそうかそんな見方もあったのかとゆさぶるイメージと両方が必要です。このバランスがとれないと、「月並みすぎてつまらない」か、「まったく何が言いたいのかわからない」かのどちらかになり、心に響きません。

ハトをモチーフに詩をつくっている子がこう書いていました。

クックックッ空を飛ぶ
どこまでも自由に

鳥が自由に空を飛んでいる。それをそのまま言葉にした。その「想い」はよくわかります。ただ、それを直接的に表現しても読み手・聞き手は

「へえそうなんだ」
「それって当たり前だよね」

と感じるだけで、共感はしないでしょう。

自由に飛んでいる……どうしてそう見えたの?どこでどんなふうに行動していたの?
自由に飛んでいる……ハトは本当に自由なの?空を飛べていれば自由なの?

赤を入れる前に、このことを「詩の作者」にたずねます。すると

「首を動かしてベンチのまわりをぐるぐるまわっていたの。たぶんぼくがエサをくれると思ったんじゃないかな。でもなかなか空に飛んでいかないんだよね。いったん飛んでもまた戻ってくるし」

ほらほら、そんな「想い」があるんじゃない。じゃあこの「想い」を言葉に凝縮してみよう……ということで「師匠(笑)」のアイデアを示す。

クックッ首を動かして
クックッ食いものクッくれよ
たまには空に飛び立つが
クックックルリとすぐもどる

「どうだ。君が書いたクックッという音でリズムをつけながら、想いをちゃんと表現してるだろう」

あくまでも自分の詩がベース。さらに自分の「思い」が表現されているのですから、子どもたちは驚きとともになんとなく誇らしげ。

(そうか……詩の言葉ってそういうことなのか)

なんとなくコツをつかんでゆきます。こうしなさい!では伝わらない。だからと言って自由にやって!でも変わりません。型を示し、型の使い方を示し、でも、その型をどう使うかは本人がいろいろ試行錯誤して習得してゆくしかありません。それが詩のようなワザを身につけるときの学び型でありましょう。

こうして詩が形になってきて、いよいよ朗読してどう伝えるかという段階に入ります。先にも述べたように、詩は「韻文」であり、リズムがある。さらには「詩」は「うた」と読めるように「歌」なのです。文字で表現されてはいるものの音として、声として伝えるものです。

「言葉」を「声」に変えるということはただ「音読」すればよいということではなりません。それじゃあまさに「棒読み」。どんなに面白いことが書かれていようとそれでは伝わりません。特に今回、私たちが目指す詩は、人々の心をつなぐ詩。共感を呼びおこす詩です。シュールで難解な詩ではありません。自分の想いを適度のボリュームの言葉に凝縮して語ることを目指しています。

少な過ぎたら伝わらない。多すぎるとクドい。この度合いは、声に出して読んでみるとよくわかります。あまりに漠然としているとなにを伝えたいのか、モチーフは何なのか、まったく伝わりません。一方で、聞き手が長いなと感じるようなら、説明的すぎるのです。

早口だったり、声が小さかったり、抑揚がなかったり、まだまだですねえ。間がないんだよねえ。もったいないなあ。そんな読み方では相手の心に届かないぞ……

残りはあと1週間。テーマプレゼンでの「詩の柔道」に向けてトレーニング開始です。

RI

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改善に次ぐ改善

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

「協力」の第一歩はもちろん各の持ち場をしっかりと理解し、「責任」を果たすことが必要とされます。
ただし、自分に与えられた役割を果たすだけでは本当の意味で協力できたとは言えず、
結果として因果関係はさておき、お客様が来てくれたり、来てくれなかったりと、先週のように売上にばらつきが出てしまいました。

5、6年生のクラス名は「最協」です。10人で三つの力を合わせて協力していく、
そんな意味が込められた名前にした「意味がなくなってしまう」という改善提案書を書いていたキッズもいました。

今週はどんな方略で顧客の創造を実現するのでしょうか?
今週の改善点は1.「呼び込みノウハウの共有」2.「店舗レイアウト」3.「うまい棒の値段」の三つです。
まず、今までも「呼び込み」でいかにお客さんに来てくれるかを考えなければなりませんでした。呼び込みのうまい子はどんなことを意識しているのか、
そんな中で上がってきた秘訣は
・話を聞いてくれそうな人を選ぶ(スマホ、イヤホン、自転車、サラリーマンはあまり聞いてくれない)
・まずは「お時間ありますか?」と話しかけてみてダメならすぐに次にいく
・聞いてくれそうだったら「1分でも2分でもいいので、そちらで駄菓子屋をやっているのでよっていってください」と提案してみる
というものでした。周辺を歩いている方々、なんども見かけたことのある方や、後で時間があるから、という方、いろいろな方が来てくれるために、あの手この手でコミュニケーションして、うまくお客さまを呼び込んでいきます。
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つぎに、着手したのは「店舗レイアウトの変更」です。
・従来は一番奥に駄菓子を並べて、手前に休むところ、椅子が置いてあるレイアウトでした。
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これでは一見何をしているのか、暗くてわかりにくくあります。


・そこから、レイアウトを大幅に変えて、お店のある駐車場に入ってきた時まず「駄菓子屋だ」とわかるようにレジと駄菓子を配置し、入ってくるお客さまに見えるように配置しました。
・ポップなどを設置して商品を売り込み、お客さまに魅力を伝えられる工夫をしました
・「飲食店を経営されているプロの方」がご来店して、「いいお店は裏が綺麗」「ディスプレイはお客様に見えるようにして、いっぱいある、という印象を与えた方がいい」という貴重なアドバイスをいただきました。
・それに加えて飲み物などをコップで提供するので、机も配置して休んでいただけるようなお店の作りにしました。
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最後に、うまい棒の値段です。
今回、実験的に15円の場合と10円の場合でどのくらい売れるのかを比較しました。
実際に15円の時と10円の時では選んでくれる率に違いがでました。
それを計算するために、
「うまい棒を買ってくれた人数」÷「その日来た人数」
でうまい棒を選んでくれる率を計算しました。
15円の時は20%程度、10円の時は30%程度で、10円の時の方が1日で来てもらった人数が少なかったにもかかわらず、うまい棒を買う人が多かったのです。
選んでくれる率が高いということは10円の方がより「売れる」ということでしょう。
利益についても計算してみると1日に100人来たとしても同じ売れる率であれば、10円の方が利益が多く出ることがわかり、買ってくれる人も多ければ利益もあがり、実験の結果として10円の方がよりよい値段設定だということがわかりました。
みんなの前で資料まで作成してきてプレゼンをしてくれました。
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以上のことを加味して今週は三日間営業しました。
結果として売上は・・・
・火曜日:8,465円
・水曜日:8,635円
・木曜日:10,265円
と売上1日1万円の大台にのせることができました!
もちろん、TCSの保護者の方や、キッズの売上も入っていますが、売上1万円を単価が10円〜150円の中で作り上げるのは簡単ではありません。
来週はついに最終週!火曜日が最終営業日です。
「駄菓えもん」は売上目標を達成することはできるのでしょうか?
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TY

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2016年05月25日

プレゼンテーション5/27(金)

TCSプレゼンテーションのご案内

東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動を行っていきます。
※テーマごとの6週間の学びの様子は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。

テーマ学習の成果を発表するプレゼンテーションでは、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。 (ご希望の方は、下記要領にてお申込みください。)

TCSの子どもたちが、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか、ぜひ直接その様子を見に来てください。

               記

【日時】 2016年5月27日(金) 9: 30~11:50頃 

【場所】 東京コミュニティスクール 校舎
     (東京都中野区中野1-62-10)地図
     ※JR・東京メトロ「中野駅南口」より徒歩9分     
     ※車・自転車でのご来校はご遠慮ください。
【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール(担当:永易・若林)
 TEL:  03-5989-1869
 e-mail: school#tokyocs.org
 ※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、件名を「プレゼンテーション見学希望」とし、
   以下の事項をお知らせください。

     1.見学希望日
     2.見学希望者氏名(すべて記入ください)
     3.お子さんの現学年(保護者の方)
     4.e-mailアドレス
     5.電話番号(日中最も連絡のとりやすい番号)
     6.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     7.質問事項等(あれば)

2016年05月26日

ワークショプ 6/26
「探究を探究する」
〜「型」をきわめる〜(1)

探究する学びをデザインする指導者のためのワークショップ
「探究を探究する」〜「型」をきわめる〜(1)
※満席の為、キャンセル待ちにて承ります。

子どもたちの好奇心と自立心を大事にし、思考力・表現力を高める学びの必要性が高まる中、その方法論は混迷の度を増しています。子どもの学びたい気持ちを尊重し、知識をただ教え込むやり方からの脱却は必要だけれど、子どもに調べさせたり、議論させたりするだけではアクティブにはならない…。

「学びてときにこれを習う」というように、面白そう、変だ、なんでという「学び」の感性を発揮しながら、柔軟に思考することを可能にする「習い型」というのがあるはずです。そこで、本年度のTCSワークショップでは、探究する学びを支える「型」について探究していきます。

第一弾は、考え「型」を追究します。ことばで遊び、ことばでつなげ、ことばで発見する、自由な発想や思考を誘発する「型」を学び習います。明日からのあなたの授業が、仕事が、生活がきっと変わる「思考スタイルの型」を実感するとともに身につける絶好のチャンスです。

以前に参加経験がある方も初めての方も、探究する学びに興味関心のある方なら、どなたでも参加できますので、奮ってお申込みください!
【テーマ】「探究を探究する」〜「型」をきわめる〜(1)
【日 時】 2016年6月26日(日)9時30分~17時
【会 場】  東京コミュニティスクール(アクセス)
          東京都中野区中野1-62-10
          Phone: 03-5989-1869
【WSリーダー】 市川 力(いちかわ ちから)
※プロファイルは下記をご参照ください。
【対 象】 教育関係者、一般
【定 員】 25名(要申込)
【参加費】 9,000円(資料代、昼食代込み)
【申込方法】 指定の入力フォームhttps://goo.gl/D5CSqT)より
*受付が完了したら、参加費のお支払についてご案内をお送りします。

*以下をご確認いただきお申込みください。
>> 利用規約
>> 参加費ならびにキャンセル料の取扱いについて
(ご注意)
※お申込後3〜4日経っても受付確認および参加費支払のメールが届かない場合は、お電話にてご確認くださるようお願いします。
※支払のご案内を送付させていただいた時点で参加費が発生します。
※できるだけ多くの方に参加していただきたい思いがあるので、万一キャンセルの場合は、早めにお知らせいただけますと幸いです。
★ 情報交換会のお知らせ ★
 毎回恒例となっているワークショップ(WS)後の情報交換会です。引き続きTCS校舎にて行います。様々な学校で働く教育者の他、 諸業界で活躍なさっているプロフェッショナルが集いますので、日頃出会うことのない方々との貴重な情報交換の場になることは間違いありません。
 遠方からお越しの方など、一部参加も可能ですので、参加していただけるとその意義を感じていただけることと思います。奮ってご参加ください!
● 日 時: 2016年6月26日(日)17:30〜20:00
● 参加費: 3,000円(当日受付にて) *領収書発行します
● 申込期限:2016年6月13日(月)
 *WS申込時に(上記URLより)ご予定をお知らせいただきます。
 *不明の方は、期限までに、別途ご連絡くださるようお願いします。
お問合せは、
 東京コミュニティスクール セミナー事務局 まで
TEL:03-5989-1869  FAX:03-5989-1649
e-mail: seminar#tokyocs.org

※WSのお申込みは入力フォームよりお願いします。
※メール送信の際は上記「#」を「@(半角)」に変更してください。

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主催: 特定非営利活動法人東京コミュニティスクール
後援: 株式会社グローバルパートナーズ
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WSリーダー プロファイル

市川 力(いちかわ ちから)
Riki_classroom_small_up2.jpg東京コミュニティスクール 校長
探究プロデューサー

 米国にて13年間日本人駐在員の子ども対象の学習塾を運営。現地の学校で行われていたプロジェクトベースの学びに触れ、『学び続ける力』を育てる教育実践に強い関心を抱く。2004年8月東京コミュニティスクール初代校長に就任。自ら現場に立ち、探究する学びの研究・開発・実践を行っている。
 主な著書は「探究する力」(知の探究社);「先生」(池上彰編・岩波新書);「英語を子どもに教えるな」「教えない英語教育」(ともに中公新書ラクレ)。
講演多数。

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会場案内 東京コミュニティスクール
住所) 東京都中野区中野1−62−10
Phone) 03-5989-1869
URL) www.tokyocs.org
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交通のご案内
JR中央総武線/東京メトロ 東西線「中野駅」南口より徒歩9分
※車・自転車でのご来校はご遠慮ください。

2016年05月27日

私たちの紅葉山公園

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「場の観察から私たちの生活が見えてくる。 」

[1年生]

プレゼンまであと1週間。
1年生は、初めてのプレゼンテーションです。
「ねぇ、プレゼンの練習ってしなくていいのかな。」
いよいよ今週末に迫ってきたこともあり、緊張も高まります。

「私たちの紅葉山公園」と題して、自分が観察してきて発見したことを語っていきます。

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そのときには、1枚の写真を見せることになっています。
これまで、自分たちのiPadを使って撮影してきたものから1枚を選びます。
iPad操作もなかなかのもの。週1回のIT学習の時間にマスターしたことを取り入れて、
撮ったものを「みっけたい」アルバムに収めていきます。
「どれにしようかな。」と迷いながらも「この1枚!」というものを選びました。

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「私たちの紅葉山公園って、なんで私たちなの?」という声に対して、
私たちって誰のことだと思う?と聞いてみると、自分たちのことを指しています。
ほかのTCSキッズは?と聞くと、うーんとどっちかなと首を傾げた感じになり、
公園で本を読んでた人は?と聞くと、「私たち!」「そうそう」と声があがります。
話を続けてみると、紅葉山公園を利用している人たちは、この「私たち」に入るといった
感覚を持っているようです。
つまり、TCSキッズが紅葉山公園を利用していれば「私たち」に入るけれど、
利用してないと、どっちかなと考えてしまうというわけです。

公園は誰でも利用できる。
ダンスをしている人たちは、なぜ紅葉山公園を練習場所に使っているか、
その理由として、話してくれたことは、
近所であること、そして、お金がかからないからということでした。

「遊園地はお金がいるけど、公園はいらないね。」
「中野区の人じゃなくても、使える。」
「この公園も遊園地みたいになればいいのに。」
「でも、走って休みに来ている人もいるし、本を読んでいる人もいるよ。」
「公園の人(警備員の人)が、ここは文化の発信地だっていってたし。」
「心の中の考えたことを外に出すのが文化ってことだったよね。」

これまでの観察を通して、見てきたこと、聞いてきたことがたくさんある中で、
今の自分が心に残っていることを口に出して話す。
これをプレゼンのスタイルを取りながら繰り返していき、
何を話すかポイントを押さえていきました。

自分の興味あるものがここ紅葉山公園にはある。
この公園は自分にとっては、ダンスをしている人たちを見るのを楽しむ場所。
でも、ダンスをする人にとっては、練習する場所などなど、
自分なりに捉えた「私たちの紅葉山公園」を語る準備ができていきました。

初めてのプレゼンにドキドキしながらも、「やるぞ!」という気持ちでいっぱいの様子です。

AN

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

ギリギリまで磨く

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

いよいよ数日後に迫ったプレゼンテーションデイに向けてラストスパートをかけていきます。
まずは略図の範囲を書き直すことから始めていきました。

というのも江戸時代に『犬囲い』があった東西南北を紅葉山通り・環七通り・大久保通り・早稲田通りに囲まれた範囲の内、私たちがフィールドワークしてきたのは主に東側半分であって、西側についてはほとんど歩けていないので地図に書くことがほとんどないのです。

地図としては犬囲いの全貌が分かることで位置関係が分かりやすいということはありますが、「略図」に盛り込みたいたくさんの「オモシロスポット」について考えるスペースはいくらあっても欲しいくらいです。

そこでみんなで話し合い、思いきって新たな模造紙に範囲を狭めて描き直すことに。
西の端側が中野駅になるようにして略図を作り直していきました。

「大通り」や「駅と線路」を描き入れたら、「目印」となるような建物、そして「オモシロスポット」に続く道、「曲がり角の目印」となる建物や地図記号などを書き込んでいきます。

「ああ失敗した〜。ごめん。。。中野の野を間違えた漢字で書いちゃったよー。。。」
「下書きならいいけど、よく見てからペンで書かないとダメだよ〜。」と他の子からツッコミを受けます。

「あれ?サンプラザとブロードウェイが近すぎるんじゃないの?」
他と比べても明らかに「距離」の「縮尺」がおかしいものはやはり直す必要があります。

「あれ〜?ダンゴ屋さんてサンモールの西側だよね?この場所じゃないんじゃない?」
みんなの目でチェックしているとおかしいものが浮かび上がってきます。

「あ!神社のコメントがさ、一つしか書かれてないよ!もう一つのおすすめも書かなきゃ!!でもこのスペースじゃ書ききれないからもっと書くことを絞らないとなぁ。」
ギリギリまで手直しを加え、並行してプレゼンの練習も行います。
ひさしぶりにこんなにバタバタしているっ!!しかしやるしかないぞっ。

今回のプレゼンはオリジナルの『中野オモシロマップ』を元におすすめのルートの一つをバーチャルツアーの如く案内し、会場のみなさまにも街歩きを一緒にした気分になって頂こうというものだ。

ここでポイントとなってくるのは「オモシロ発見」について語るプレゼンではなく、いかに会場にいながらまるで中野の街を歩き回っているかのように地図を頭に思い浮かべてしまうような『街案内』になっているかどうかである。

そのためにはどの道を歩き、どの方向へ曲がるのか、そこに何があるのかなどいくつかの目印がしっかりと繋がっていることなどが求められるのでただ「オモシロ発見」を話すこととは大きく異なる。

しかしだからこそ、このテーマのアウトプットとして相応しいとも言える。『ムシの目』と『トリの目』が試されるというわけです。
プレゼン前日の最後まで慌ただしく練習も行ったが、十分とは言えない。
しかし時間を掛ければいいというわけでもない。
いずれにしてもきっと『今』の状態が表れるだろう。あとは彼らを信じよう。

YI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
 

詩の柔道

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

持ちネタ(?)がいくつもでき始めた詩人たち。声に出しながら

「もっとこうした方がいいかな……」

と細かい表現を修正しています。

詩を身体化しつつ、声にしっくりくるような形で表現を変えます。

こうして磨かれた作品は、詩の柔道という形で発表されます。

詩の柔道とは、詩のボクシングの変形。詩のボクシングとは、ボクシングのように、赤コーナー、青コーナーに分かれて詩を読みあい、観客にジャッジになってもらいどちらの詩が共鳴・共感できたかを競う遊びです。

なぜボクシングではなく柔道になったかというと、個人戦ではなく団体戦で競うためです。先鋒・次鋒・中堅・副将・大将という順に対戦してゆき、合計スコアの多いチームが勝ちになります。

プレゼンを控え、毎日、実践さながらにこのスタイルで詩を読み合ってゆきます。都合のよいことに、スクールにはほぼ日替わりでさまざまなバックグラウンドを持った見学者が来ます。その人たちは、いわゆる「一見(いちげん)さん」。したがって、子どもたちのことを知りません。今はそれが好都合。自分たちのキャラに頼ることはできず、つくりだした「詩」の力を試すことができるからです。

「すみません。ぼくたちの詩の判定をしてください」

子どもたちは、プレゼンテーションデー当日と同様のスタイルで、見学者に自分たちの詩を評価してもらうように頼みました。もちろん見学者はそんな面白い誘いを断ろうはずがありません。さあ、真剣勝負の始まり。このシリアスさこそ、ただ楽しいのではない、探究ならではの hard fun の真髄です。

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対戦相手と勝負するわけですが、子どもたちの意識はまったくそこには向いていません。ことばと声と必要最低限の身体表現で、いかに自分の世界を相手に見せ、魅せることができるか。その一点に集中し、演じています。いっぱしのパフォーマーになっちゃっているじゃありませんか。

ゆったりと間をあけ、堂々、朗々と声を出し、メルヘンチックなものから、哲学的なものまで、なかなかの作品がどんどん飛び出します。

見学者は、予想以上に心に響く作品の激突に

「こりゃあ困った。選べない……」

息もつけずにじっと見入っていた大人の審査員は、本気で頭を抱えています。もうこうなると、ワザがどうのとか、リズムがどうのということ以上に、自分の胸に迫ってきたかどうかでしか選べません。問われるのは、子どもたちだけでなく、受けとめる方の感性。選んだ後、子どもたちにしっかりフィードバックを子どもたちに返さなければなりません。

勝った子どもは得意顔になりながらも、さらによくするには同言葉を変え、どう読んだらよいか、早速改善に入ります。負けた子どもも、どこが伝わりにくかったか、どこが共感されにくかったか、声・間をどうするか、とすぐに反省・改善そしてもう一度練習開始です。

本番と同様の緊張感で詩を披露した子どもたちの探究心はどんどん高まります。

「やっぱりぼくこれで勝負しようかな?」
「相手が動物だったら私も動物でいくし、そうじゃなかったら風かな?」

対戦を何度も繰り返すと、相手の手の内がよくわかります。わかるという以上に相手の詩まで覚えてしまうのです。期せずして、自分の個性ではつくりにくいさまざまな詩のスタイルを、この練習を通じて身につけてしまいます。

(あいつはリズムがばっちりだな)
(ああうまい擬声語の使い方だ)

相手のよさを素直に認められるようになるのがこの学びのよいところ。競いあっているのにお互いの作品をリスペクトしてしまうのです。詩をつくることが、お互いの個性をリスペクトし、自信を生み出す。詩人の旅というテーマ学習の裏ミッション(表かも?)は成果を出しつつあります。

プレゼンの日の朝に、くじびきでチーム分けし、そこから発表順をチームメンバーで話し合って決めます。今はまだ誰と一緒のチームになるかわからない。だからこそみんなのレベルアップを図らなければならない……いつになく、いや、初めてといってもよいぐらいの「結束力」でお互いの詩を高めあっているではありませんか。

後は、満を持してプレゼンテーションデーを迎えるばかり。子どもたちのやる気と熱気はアップする一方です。

RI

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事業の成果をまとめる

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

ついに最終営業日がやってまいりました。
今週の火曜日を残すのみとなり、目標は今までの売り上げを超える最高売上高を最終日であげることです。

そこで、開店前に「うまい棒を仕入れるかどうか」で議論になりました。
・「もう在庫は十分あるはず。だから仕入れる必要はないよ。」
・「でも、定番のうまい棒めんたいは買ってくれる人いるんじゃないかな?チャレンジしてみようよ」

二つの意見で真っ二つの駄菓えもんです。
開店時間が近づいてまいりました。
このままでは決まらない、じゃあどうしよう。
そこで、コイントスで決めることに。
もうここまで決まらないんだったら恨みっこなし。天に運を任せる
出た目は「表」!「仕入れる」方でした。
こうなったらもう売り切るしかありません。
今まで培ってきた呼び込みの力、店舗の配置、
出せるものを最後まで出し尽くしました。
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結局売り上げは過去最高の¥13,000を達成!
最後の仕入れの甲斐もあって売上高を伸ばすことに成功しました。

プレゼンテーションまであと二日。プレゼンテーションのために準備するぞ!
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まずは収支の計算をして、そこから自分たちの事業の成果を様々に導いていきます。
株主総会に向けてどんな成果が上がったのか、資料にまとめていきます。
・細かくなっているデータを綺麗にして、来てくれたお客様の属性を分析する
・売り上げの細目からどのような商品が最も売れたのか、ランキングを作る
・いくらの売掛金があって、実際に現金残高はいくらあるのか
・営業日別に来てくれたお客さんの属性はどう変わったのか
・ワンスライド、ワンメッセージで必ず仕上げるようにする
・ワンスライド、スリートピック以上は入れない
・キーワードを強調して見やすくする
・フォントを整えて、見栄えを良くする
・表にまとめて、比較が簡単にできるようにする。

プレゼンテーションの準備は進んで行きます。
果たして、株主総会には間に合うのでしょうか??

TY

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2016年05月30日

「 「紅葉山」見っけ隊」~ふりかえり~

タイトル:「紅葉山」見っけ隊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:場の観察から私たちの生活が見えてくる。

[1年生]

初めてのプレゼンを終えた子どもたちはちょっと放心した感じでした。大勢の人の前で立つこと、視線が注がれる中で話をすることは、それだけ大変なこと。みんな必死にがんばっていました。「本番」というものを体験したことで、次へのステップとなっていくことでしょう。

今回は、セントラルアイディア「場の観察から私たちの生活が見えてくる。」を目指して、ひたすら観察を続けてきました。この6週間で、どんなことが見えてきたかを最後の振り返りの時間に聞いてみると、次のような発言が返ってきました。

いっぱいダンスの人が見えてきた。
「ねこ道」が見えてきた。
2番(番号のついた木)が5週目に見えた。
文字が消えているけど、「ありがとうシール」になってるのを見つけた。
エビがだんだん見えてきた。
ロダンの周りにだんだん花が咲いてきた。

じーっと見ていることで、見えてくるものがあったり、違う日に見ることで、ちょっとした違いに気がついたりと、観察し続けることに面白さを感じていった様子が伝わってきました。また、「私たちの紅葉山公園」をプレゼンに向けて語ってきたわけですが、私たちの紅葉山公園ってどんな公園?と聞いてみると、

考える公園
不思議な公園
いろんな生き物がいる公園
景色を見る、遊ぶ、休む、いろんなことができる公園
ごみが捨ててある公園
崖があって、滝があって、水がある公園

様々な人が生き物がそれぞれの目的で同じ場所を利用し、共有していることが、紅葉山公園を通して、見えてきたことが伺えます。これも、じっと見ることに加え、その場にいる人たちと直接、話をしてみたことが大きな成果につながっていったのだと思っています。「現場を見る」「現人に聞く」、テーマ学習において、私たちが大切にしているこうした一次情報を得ることが、学びを面白くさせる原動力であることを改めて実感した次第です。実際に見て聞いてを繰り返し、広がりや繋がりを見い出していくことをこれからもどんどん続けていってもらいたいです。

AN

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『ココドコ』〜ふりかえり〜

タイトル: ココドコ
探究領域: 時空因縁
セントラルアイディア:俯瞰と抽象化が理解を深める。

[2年生]

このテーマ学習を始める前はまだ地図の使い方すらよく分からなかった子どもたち。
ですが、プレゼンを終えて”ふりかえり”をしていると今は地図を見ても「自分の位置」がわかり、そして「目的地までの行き方」も自分で考えられるようになったと言います。
『地図』を使いこなすために必要なアイテムをこのテーマで手に入れることができたようです。

◼︎自分の位置を知る
◼︎大通りなどの目印を知る
◼︎東西南北の目印を知る
◼︎目的地までの行き方を知り、曲がり角などの小さな目印を決める

その他にもこのテーマで「縮尺」と「距離」と「時間」というキーワードについても意識し続けてきました。

「中野駅南口からスクールまではだいたい800mで歩いて8分くらいかかるよね!だから1分で100mくらいだ。」

とことん”原体験”となる”街歩き”をしまくったからこそ、「ムシの目」で捉えた『オモシロイ発見』やまたそれがどこにあるのか、この街の大きな目印はなんだろう?自分たちは今地図のどの道を歩いているのか?など「トリの目」で俯瞰することを何度も往来することができ、自分たちの頭の中に『地図』を描くことができるようになりました。

そして初めて自分たちで『地図』を作ることにチャレンジしました。 世界で一つだけの自分たちの発見をまとめた『略図』。
プレゼンテーションデイに来てくださった皆様からは「本当に街歩きを一緒にしたような気分になれた面白いプレゼンでした。
早速オススメスポットにも行ってみたいです。」と嬉しいフィードバックをたくさん頂きました。

これでTCS探究学習の真骨頂であるフィールドワークに安心して出かけられますね、二年生たち!!
さあ、これからますます範囲も広げてたくさんのことを発見し、俯瞰し、抽象化していってくださいね☆

YI

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『詩人の旅』〜ふりかえり〜

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

いよいよ詩の柔道当日。磨きに磨いてきた自信の作品を聴衆に披露すべく子どもたちはやる気まんまん。テンションMAXです。

朝、スクールに来ると12人の子どもたちはくじびきし、その場でチームメンバーが決まります。2チームに分かれたら、先鋒・次鋒・中堅・副将・大将の順を決めます。お互い誰がどんな詩をぶつけてくるかよ〜く手の内を知り尽くしています。そのうえで先に3つ勝つためにどんな順番でゆくか考えます。

そして……本番。対戦が始まります!

審判は5人。「理事長」「保護者代表」「一般聴衆代表」そして過去に「詩人の旅」を学んだ5年生 1名、6年生 1名です。2本の旗を持っていて、「こっちがいい!」と思ったチームの色の旗を挙げてジャッジというところも柔道風。

子どもたちの力作が読まれると……審判団に苦悩の色が……

よくぞここまで磨いたな!どっちもよくて選べないではないか……

困難な選択が続いたものの最後の大将戦で勝ちが決まったかにみえたが、スコアを合計すると同点だ!ということで、決戦を行います。

決着をつけるためにそれぞれのチームからひとりづつ代表が出て2作目を披露します。

読み終わって、ますます審判団の悩みは深まる!おお、こんな作品がまだ隠れていたとは。しかし、サドンデス決着ですので、一方の勝ちが決まります。とはいえ直感で決まっただけなので「優劣」はまったくつけ難しです。

勝った方も、負けた方も、単純な勝ち負けを超えた充実感にひたっていました。

フィードバック用紙にも絶賛の嵐。今回だけは本当に心が動いたので good ばかりで better がありません。いつもは辛口の評価をする人たちも、今回は、素直によかった!と書いてくれています。凝縮したことばで人の心を動かしたという証。見事にセントラルアイデア達成です。

ということで残りの時間は、自分の詩を記憶にとどめるべく、万感の思いを込めてじっくり「清書」しました。文字だけでなく、絵も添えて、思い出に残るものができあがりました。

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あちこち旅をすると、自分の感性にひっかかるものが見つかる。こうして得たモチーフを詩にして磨くと自ずと情緒があふれでる。「感性」を働かせてにじみでた「情緒」を凝縮したことばが、聴衆の心を動かし、さらに、新学期になったばかりのわずか2ヶ月前、ぎくしゃくした感じが、自ずと消え、お互いを認め合える関係へと変化していました。

本当に楽しかった。面白かった。やっぱり「詩人の旅」はやめられません!

RI

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『お客様の笑顔を獲得せよ』〜振り返り〜

タイトル: お客様の笑顔を獲得せよ
探究領域: 社会寄与
セントラルアイディア:事業の目的は顧客の創造である。

[5・6年生]

今回のテーマ「お客様の笑顔を獲得せよ」では、
特に、
・「呼び込み」
・「商品の陳列」
・「価格設定と実験」

の三つに子どもたちのこだわりが見えました。

【呼び込み】
「たくさんのお客様を迎え入れたい」
そんな気持ちとTCSキッズならではの大人との親しみやすさから、
たくさんのお客様を駄菓えもんに呼び込むことができました。

【価格設定】
また、価格設定についても多くの時間を割きました。
仕入れてきたものをいくらの利益を乗せていくらで売るか、
そして、売れる値段はいくらなのか
この二つの間での葛藤の中から
「実験をしてみる」
というアイディアも生まれ、実際に実験をしてみることへと繋がったのです。

【商品の陳列】
お客様が来てくれた時、何があるかよくわからない、
ぱっと見何がオススメなのかわからない、
当初はそんな状況だったのですが、日が経っていくに連れて、改善されていきました。
店に音楽を流したり、商品のポップを作成したり、たくさん並べていっぱいあることをアピールしたり
教えてもらった手法、自分たちで考えた手法、他の商店で使われている手法、
知恵を総動員してお店の改善に臨みました。

その結果、目標とする売上高に達成することもできました。

では、どのようなことがもっとできたのでしょうか。
それは「管理」です。
お金の管理、帳簿の管理、在庫の管理、
本当に時間がない中最大限に頑張りはしたのですが、もっとしっかりとやるということが徹底されるべきでした。
特に始まった当初のデータが少なかったり、お客様のデータが消えてしまっていたり、
そんなところから外部のお客様がどのくらい来てくれたのか、
自分たちのお客様にリピーターがどのくらいいたのか
今ある在庫は本当にあっているのか、残金は本当にあっているのか
細かいところへの配慮がまだまだ足りませんでした。
これからもTCSフェスティバルでは自分たちのお金を管理せねばならなくなります。
また、決算を終えて「利益処分案」を策定せねば、今回のテーマは終わりません。
最後まできちっと仕上げる、それでこその「お客様の笑顔を獲得せよ」です。

TY

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



NPO Tokyo Community School 
特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール 


〒164-0001 東京都中野区中野1-62-10 
TEL: 03-5989-1869  FAX: 03-5989-1649 
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