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旅の詩を磨く

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現
セントラルアイディア: 感性と情緒が凝縮された言葉は人の心を結びつける

[3・4年生]

旅に出て見つけたモチーフを詩にします。せっかく旅に出て見つけた素材を詩にするのですから教室にとどまっている必要はありません。TCSの近くに素敵な場所があるのだから、そこに出向いて詩をつくります。

なんとなく遊具のそばに……

池のほとりにたたずんで……

ベンチに腰かけてのんびりと……

直感的にここにしようと選んだ場所で詩をつくります。

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いい風が吹いて、陽射しを浴びて気持ちいいなあ。自ずと「情緒」がゆさぶられます。

あのときもこんな感じだったなあ……

今とはちょっと違うかも……

ああそうか、もしかしたらこういうことか……

モチーフに出会ったときの記憶がよみがえってきます。外に出て書くだけで、気持ちが動くから不思議です。

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出てきた言葉は、素直に書きつづります。こんなこと書いていいかなあと思わず、ひたすら書きつづります。すると……言葉の連なりの中に自分が現われてきます。説明しないで感じたことを書かないとという「しばり」だからこそ浮かび上がる個性。

なんでぼくはハナコに自由がないと見てしまうんだろう……

風のことを書こうなんてどうして思ったのかなあ……

選んだモチーフ自体に自分のクセが現われてしまいます。

おれは、なぜだか同じ言葉をくりかえし使っちゃうんだよなあ。……

私は、フワフワとか、びくびくっていうような言葉が好きなんだな

感じることを表現するときのクセも見えてきます。

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さて、書けた。でも、なんか物足りない。もっと面白くできないかな。

う〜ん、読んでもイメージが浮かばないなあ。

言葉を連ねるだけではまったく人の心を打ちません。どんなに「個性」的であっても、なるほどそういうこともあるのかという気持ちを聞き手 or 読者に起こさせないなら「詩」をつくる意味はないと言えるでしょう。

少なくとも今回、私たちが「詩」のフォーマットで表現するのは、「自分さえわかればいい」「おれがいいと思ってるんだからいい」という独善的な世界に浸るためではありません。一期一会の「特別の体験」を、詩という形式で面白く表現して、そんな見方もあるんだという「普遍的な思い」を誘発することなのです。

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まずはひとつ書いてみた。じゃあ次は別のパターンで書いてみよう。う〜ん、まだ説明しすぎかな。さて、もうひとつ書いてみるか。今度はちょっと削り過ぎか。なんだかよく伝わらないなあ。それに真面目すぎて人をひきこまないぞ。何度も、何度も、書いては、書き直し、書き直してはさらに磨いて、推敲につぐ推敲です。

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推敲のプロセスがとにかく大事。このプロセスの意義を認め、大変だけれどどこまでくいついてくるかです。

彼らのスバラシイのは、一人残らずこの大変なプロセスを黙々とこなすところ。「もう書けた!いいでしょ!」という子が一人もいないのです。

とはいえ、まだまだ稚拙。でも、その原石の良さ、ぴかっと光る感性を磨くには、師匠の出番が不可欠。ということで、不肖おっちゃんは、週末のホームワークで彼らの「詩」に赤を入れます。

彼らに、なるほど、詩とはかくあるべきと思わしめる添削をしてこないといけません。探究教師、詩人ならずんばなるべからず、であります。よしがんばるぞ!

RI

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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