東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2015年12月 アーカイブ

2015年12月03日

インターンシップ説明会開催(1/14・17)

説明会は終了しました。個別にご相談ください。

インターンシップ説明会のご案内

東京コミュニティスクールでは、2016年度の教育インターン生を募集しています。
募集に伴いインターンシップ説明会を企画しました。
検討中の方もお気軽に、ご参加ください。

2016年1月14日(木)15:30~17:00
2016年1月17日(日)15:30~17:00
※ 要予約
※ 参加が難しい方は、お気軽にご相談ください
※ インターンの募集要項は、こちらをご覧ください。

【会場】東京コミュニティスクール
 東京都中野区中野1-62-10 (地図
   * 最寄駅:JR/東京メトロ東西線「中野駅」南口より徒歩9分

【お申込み・お問合せ】
東京コミュニティスクール(担当:永易(ナガヤス))
TEL :03-5989-1869
E-mail:npo#tokyocs.org
※メールアドレスの「#」を「@」に直してください
※お申込みを受付後、確認のメールをお送りします。直前の場合や1週間以内に返信がない場合は、お手数ですが、再度ご連絡ください。

 お申込みの際は、
   件名を「インターンシップ説明会参加希望」とし、本文に以下の事項をお知らせください。
     1.参加希望日:
     2.参加者氏名:(フルネームでご記入ください)
     3.e-mailアドレス:
     4.電話番号:(日中最も連絡のとりやすい番号)
     5.今回の募集を知った経緯:(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
       ※差し支えなければご紹介者のお名前
     6.質問事項等:(あれば)

※TCSへのアクセスはこちら







2015年12月04日

「限りある資源、限りなき欲求」~概要~

タイトル:限りある資源、限りなき欲求
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられている。」

[3・4年生]


私たちは、便利で豊かな生活を営むために、多くの物を使い、多くのエネルギーを消費しています。そのもとになる資源には有限なものもあります。特に、電力で使われている化石燃料は有限であり、原子力のウランも有限な資源です。石油危機、原発事故、温暖化、人口増加等々、あらゆるエネルギー問題は、「消費する」という価値観を変える転換を世界中の人々に迫っているともいえます。

今回は、地球にはどんな資源がどのくらいあるのかを知り、同じ地球上で生きている人々の間で、その限りある資源がどう消費されているのか、その現状と問題点を把握した上で、自分たちがどう関わり、行動していくかについて考えていきます。これまでのテーマ学習「We Love 遊」では戦前戦後の歴史に触れ、「信じるカネ?」では人と人との信頼、価値の転移について探究してきました。今回の学びを通して、様々なことが繋がり、発想を深めていくことでしょう。

豊かな暮らしとは大量消費することなのか、確実になくなっていく資源をどう使っていくのか。
節約して使う?使うことをやめる?ほかのものを使う?それとも繰り返して使う?
我慢することは考え方が変わったことにはなりません。自らの欲求を認めつつ、数々の葛藤を乗り越え、豊かさとは何かを考え、私たちはどう行動していけばいいのかを模索していきます。

AN

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「Dear Editor」~概要~

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5年生]

私たちは、情報を受けとるにせよ、発信するにせよ、自分なりのバイアスによって情報を加工してしまうことから逃れられません。自分のバイアスによる情報の加工プロセスこそ「編集」です。したがって、「編集」は、新聞やテレビ、雑誌の制作者だけでなく、私たち自身、生きてゆく瞬間、瞬間にせざるを得ない行為なのです。しかし、普段、私たちはこのことを意識できず、いい加減な情報をうのみにしてしまったり、適当な情報を自ら流していることに無自覚です。そこで、今回のテーマでは、TCSの子どもたちの書いた文章作品を「編集」し、「本」としてまとめる作業を通じて、発信する「価値」のある情報を「編集」によってつくりだし、責任持って発信します。編集方針は、自分たちが心底「面白い!」と思える作品にすること。編集の手法を学び、会議を積み重ね、「価値」ある作品に育て上げる「TCS子ども作品本・編集部」の発足です。

RI

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「人の心を動かすストーリー」〜概要〜

タイトル: 人の心を動かすストーリー
探究領域: 意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。

[6年生]

「人の心を動かすストーリー」では、
探究領域「意思表現」の集大成として「映画」を製作します。

その「ストーリー」、「音楽」、「言語」、「映像」、「演技」、
今までの「意思表現」で実践し探究してきた様々な要素を織り交ぜて、
演出することによって、「映像作品」は創り上げられます。

先人が築き上げてきた様々な技法を学び、
「映画」にはどんな演出の工夫があり、どんな方法があり得るのか?
「映画」を通じて人々に訴えかけたい「メッセージ」は何か?
「映画」で人の心を動かすことができるのか?
など、手を尽くして考えてまいります。

表現技法の追究によって生まれる作品をどうぞ楽しみにしていてください。

TY

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2015年12月05日

「表裏一体」〜概要〜

タイトル:表裏一体
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「禍福は糾える縄の如し」

[1・2年生]

私たちは自然の恵みの中で生きています。

それは生かされているということもできるでしょう。

山・川・海・太陽・雪・風・・・

私たちは自然からどのような恵みを享受し、またどのような脅威に晒されることがあるのでしょうか?

私たち人間は昔からそのような自然と共存しながら暮らしてきました。

では先人たちはどのような知恵を用いて自然と共存し、また活用してきたのでしょうか?

自然の恵みと、自然の怖さは、どちらが裏でも表でもなく、私たちの受け止め方によって変わっていくのでしょう。

「禍福は糾える縄の如し」ということわざに想いを馳せながら、”共存共生”の探究が始まります。

YI

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2015年12月07日

「静かなともだち」〜ふりかえり〜

タイトル: 静かなともだち
探究領域: 万象究理
セントラルアイディア:
見れば見るほど見えてくる。

[1年生]

毎日のように見ているけれども知っているようで知らなかった”葉っぱ”。

たくさんの種類の葉っぱを見比べたり、また一つの葉っぱについてじっくりと詳しく”観察”していくことで見えるようになってきた”葉っぱ”の似ているところや同じところと違うところ。

子どもたちはそれぞれの発見をを生き生きと集まったくれた方たちに語ることができました。

集めてきた葉っぱをみんなで分類して作った”もみじやまこうえんはっぱマップ”も、あれだけたくさんの種類の葉っぱをグループごとに整理することで見やすく一覧することができるという原体験になったようです。

また色や見た目や模様、生え方などの視覚によるもの、また香りや手触りなど様々な観察方法を通していつも見ていた葉っぱたちがこれまでと違う見え方をすることに気がついた驚きと喜びが溢れていたようでした。

このテーマで得た『見れば見るほど見えてくる』という概念を鍵に、身近にあるアレコレについてどんどん見え方が変わってくることがますます楽しみです。

YI

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2015年12月11日

自然の恵みとこわさ

タイトル:表裏一体
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「禍福は糾える縄の如し」

[1・2年生]

今回のテーマ学習は1・2年生が一緒に学んでいきます。
TCSでのテーマ学習を4回経験してきた1年生たちは2年生とのコラボレーションが楽しみなようです。
この複学年だから起こる学びの作用も探究の醍醐味ですね。

さて今回のテーマは「表裏一体」。
このタイトルに1年生たちはもちろんポカーンとしていますが、2年生たちは早速食いついてきました。

「ねえ、それって”いったい”っていう漢字でしょ?ていうことは一つの体っていう意味なんでしょ?」
「その前に書いてある漢字は”おもて”と”うら”だよね!”おもて”と”うら”が一つの体になっているっていうことかぁ・・・ふーーーん・・・」
と何やら考え始める子どもたち。

「あ!なんか分かった!ひょっとしてさあ、それってこの筆箱みたいに表も裏もあるけどでも一つのものになっているっていうことなんじゃない?」
とある子が表裏一体の漢字からひらめいたことを口に出します。

「あ!じゃあ私の手も表裏一体じゃん!」

テーマタイトルの四字熟語を提示しただけで早速盛り上がって頭がグルグルし始める2年生たちを見ながら1年生もニヤニヤしています。

「それで今ちゃん(私のことです)!探究領域は何なの?」

私が共存共生の探究であることを告げると、
「共存共生かあ。あ!ちょっと待って。”共”って”とも”って読むよね。で”そんざい”でしょ。で”ともにいきる”っていうことか。なんか分かってきたぞ〜!」

2年生たちなかなかいい読みをしています。漢字から概念を想像することを楽しんでいますね。

私たちは人間だけでなく、さまざまな生き物たちと共にこの地球に生きていると言えます。
そして私たちはすでに自然からたくさんの恵みをもらっているということも言えます。
では私たちはどのような恵みを自然からもらっているのでしょうか?

1週目である今週は子どもたちが知っている「自然の恵み」と「自然のこわさ」について考えを聞き出していきました。
自分たちが感じていることや経験したことがあることとテレビや人から聞いたことなどさまざまな”恵み”と”こわさ”が出てきました。

”自然の恵み” 動物・魚・虫・葉っぱなどの生きているものが最初出てきましたが、水・川・雪・海・湖・池・森・山・土など自然界にある多くのものへとだんだん話題が移っていきました。

「雪がないと楽しくないよね!雪があるからスキーとかスノボーができるし、雪合戦もできるよね。」
「川も釣りができるし、泳げるし、沢登りもして遊べるもんね。おかげさまだー!」
「土があるから食べ物ができるしね。」
「それに葉っぱが酸素を作ってるって聞いたことあるから、気がないと人間は生きていけないんじゃない?」
「雷も恵みだよ!だって、夜に電気消して雷のピカピカ見るときれいだもん。」
「山があるから川ができて、それが流れて海にいくんだよ。だから全部山の恵みなんじゃない?あれ、でもなんで海の水ってしょっぱいんだろう?」

などなど子どもたちの発言を模造紙に記録していくとあっという間に彼らが考えている”自然の恵み”で埋め尽くされました。
そこでまた質問をしてみました。

「すごいね。これだけ自然の恵みがあるっていうことはぼくたちは生まれたらすでにこれだけの恵みの中に生きているってことなのかな。じゃあ、自然って恵みだけで全然こわくはないのかな?」
と問いかけると、すぐにみんなの手が上がります。
「そんなことないよ〜!だってこわい動物っているじゃん!トラとか蛇とかさ。」
「大波もこわいよ〜!砂浜に座ってたらさらわれちゃうかもしれないんだよ。」
「雷だって人に落ちたら死んじゃうよ。木に落ちたら燃えちゃうし。山火事とかさ。」
「地震もあるよ。ぼくは電車に乗ってる時に地震が起きて線路を歩いて帰ったことあるんだ。」
「雨もこわいよ。ばあばの家の前の道にどんどん水がたまっていって車が浮かんでるの見たことあるんだよ。」
「私もインドで大雨と雷で大変だったことあるよ。高いところに逃げたから平気だったけど、おじさんに”stop!!”って大きい声で言われたもん!」
他にも火山や太陽のこわさ、雪のこわさなどさまざまなことが出てきました。 翌日はその中から地震について取り上げて、より掘り下げて話をし合ったりそのメカニズムについて絵本や図鑑など資料を用いて学んでいきました。

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さあ来週はどんな自然現象について考えていくことになるのでしょうか。

YI

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資源ってエネルギーのこと?

タイトル:限りある資源、限りなき欲求
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられている。」

[3・4年生]

テーマ学習のタイトル名には定番になっているものもあれば、新しいものもあります。
自分たちがどんなテーマを学習していくのか初回はいつもドキドキしています。
さっそく、模造紙にタイトル名を書いていきました。
「何?」「新しいテーマ?」
「長いなー。」
特に、目に止まったのは漢字。ちょうど練習しているものも含まれていて話はそこから 始まりました。
「源ってみなもとの源でしょ。」「源氏の源だ!」「資料の資にみなもと?」
「物のもとになるものが資源でしょ。」
「物は何かからできていて、もとはすべて自然からできているでしょ。」
「資源って自然のもの全部?」
「車も鉄でできてて、鉄は土の下にあるんじゃない?」

資源が何かのもとであるということ、自分たちが使っているものは、もとを辿ればすべて自然のものだということには全員納得している様子です。

「欲求の欲って欲望の欲?」
「テーマと話は外れちゃうかもしれないけど、嘘つくことから人は争うようになったって聞いたことがある。」
「嘘は、隠したいとか怒られたくないとか騙したいとか欲から出てくる。」
欲は誰もが持っているけれど、押し通してしまうことで事態が悪くなってしまうイメージを持っているようです。それが、今回のテーマや資源とどうつながってくるのかは謎のままです。

「資源ってエネルギーのことじゃないの?」

資源とエネルギーは何がどう違うのか一見わかりにくいもの。今回は、そうした曖昧になりそうなことや自分の考えだけで進めてしまうのではなく、様々な資料やデータをもとに検証していくことを繰り返していきます。ここからは、資料をもとに疑問や発見を出し合っていきました。

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エネルギーの種類やエネルギーのもとになる資源について書いてある本を読んでいきます。
「エネルギーって何種類もあるんだ。」
「化学エネルギーのエネルギー資源に化石燃料って書いてあるけど、石油って化石なの?」
「化石って生き物の死骸でしょ。」
「バイオマスってオーガニックのこと?」
石油・石炭・天然ガスが化石燃料と言われる理由、バイオマスとして使われている燃料の種類なども資料や映像をもとに確認していきました。

「バイオマスってごみとか、廃材とか排泄物を使ってるんだ。」
「なんでごみを使うんだろう。」
「じゃあ、化石燃料はこの下に埋まっているのかー。」

そこで、世界のどこに化石燃料、核燃料のウランが埋蔵されているのかを円グラフで見ていきました。世界地図も片手にどこにある国なのか一緒に確認していきます。

「エジプトの周りには石油が多い。」
「クウェートってどこだ?」
「こんな小さいのに石油が埋まってるの?!」
中東に多いことや国土の広さには関係がないことがわかってきます。

「日本がなーい!」
どの埋蔵量のグラフにも日本の名前が載っていないことに気がつきます。

また、資料にはそれぞれ若干の数値の違いはあるものの、埋蔵量とともに可採年数が記されています。
「いつなくなるの?」
「石炭はぼくが死んでもなくならないんだ。」
「石炭は中国やインドでたくさん使っているよ。」
主要国の一次エネルギー構成のグラフを見ていきます。

「昨日、ニュースで中国で赤色警報が出たっていってた。」
「北京には行かない方がいいよ、息が苦しくなる。」
実際に行っている子からの証言には説得力があります。
赤色警報のニュースを一緒に見てみると、説明では寒くなり石炭を大量に使っていることで二酸化炭素の排出が増えていることが原因であると言っています。

「燃えるとCO2が出るんだね。」
「インドは赤色警報出ないのかな?」
「日本は石油を一番使っているけど、燃やしてるんでしょ?」
「埋まってないのに、どうして使えるの?」
「火事も大きなエネルギーなんだね。人の役には立たないけど。」
「悪いエネルギーになっちゃう。津波とかと同じだ。」

事実を知ることでわからないことが次々と出てきます。 素朴な疑問を解決していく中で新しい発見と疑問をこれからどんどん掘り出していきます。

AN

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編集って何だ?

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5年生]

「編集ってどういうことだと思う?」

この問いかけから探究はスタートしました。

「わるいところを直すことでしょう」
「いらないところを削ることだよ」
「逆に、よくなることを足すんじゃないかな」

立て続けに考えが集まりました。子どもたちにとって、「編集」という言葉は、むしろ「耳慣れた言葉」のようです。

「だって、映画とかテレビとか編集するじゃん。ぼくたちだって i-pad で動画編集するしさ」

テレビを見れば、「これ編集してね!」とタレントが両手をカニのはさみのように動かして「カットして」というようなしぐさをします。都合の悪いところ、まずいところを切りとるという意味で「編集」が使われています。また、どうしたら面白い動画になるか考えてシーンを組み合わせてゆくかも「編集」だと実感しています。この場合はよりよくするために何を付け加えるかというのが「編集」です。

「編集」の意味については、すでに了解しているのですが、問題は、いかに「編集」がなされるか?ということ。そこで、こんな問いかけをしてみます。

「じゃあ、映画とかテレビとかi-padとかじゃなくて、普段、いつでも、どんな瞬間でも『編集』しているっていうことについてはどう思う?」

すると、子ども達の顔は

???

そこで、ちょっとした実験をしてみました。君たちの後ろのスペースでは、他のグループのテーマ学習が行われている。その様子を、今から5分、よく観察した後で150字以内でまとめてみようという課題を出しました。150字というとツイッターの文字サイズとほぼ同じ。とりあえずこれだけの字数があれば描写は可能なはず……ということでみな真剣に取り組み始めます。

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「150字って結構長いなあ……」
「どう書こうかな……」

みな、ぶつぶつひとり言をこぼしながらも必死に書いています。さあ、書き上がったものをみんなでシェアします。

すると……

ある子は、子どもたちが楽しそうに話し合っているところを注目し、別の子は、誰かがスタッフに注意されているところを注目した。また別の子は、子どもの様子を中心に描き、また別の子は子どものまわりにいる見学している大人の様子を描いた。

「そうかみんな無意識に事実を選んじゃってるんだ」

「無意識に」というところがポイントだということに子どもたちはすぐに気づきます。スクールで子どもどうしのトラブルが起きるときはいつでも「無意識に」何かをしてしまうことが原因になっています。無意識は意識的にコントロールしにくい……だから始末におえないんだよな……ということを日頃から痛感している子どもたち。「編集する」ときも同じ。「無意識に」情報を選んで、場合によっては知らず知らず脚色して、でも、それが起こったことのすべてであるかのようにレポートしてしまう。そんな「無意識的編集」という側面について今回初めて認識したのでした。

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では、私たちは無意識に編集してしまう存在なのだということを意識して、いかに編集を行ったらよいのだろう……これこそ今回の探究テーマです。

「自分が見たいことだけみないようにしなくちゃいけないよな」
「でも、どうしたらそんなことできるの……」

そこで「編集方針」を考える必要があるということを伝えます。

「ただ自分の好きなようにまとめればいいのではなく、全体としてどうしたいかという方針が必要ということ、それを決めないと本はできない」

今年も、このテーマ学習でのアウトプットは、TCSの子どもたちの書いた作文を「編集」しブラッシュアップして「作文集」をつきりあげることです。硬く言えば、TCSキッズ作文集編集委員会ということになるでしょう。

子どもの作文のどんな点をアピールしてゆくのか、対象となる読者は誰か、といったことを考えてゆく。それが編集方針を決めてゆくということです。

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編集方針は、そのまま本のタイトルにもつながっていきます。また章立てや作文を紹介する順番にも関わってきます。どんな編集方針にするか……実際の編集作業は、冬休みにホームワークとなります。その前に、じっくり編集会議をして、どんな本にするか編集会議の末決定し、「方針」とし、また、どんなふうに編集作業を行うか、技術的なことも理解しないといけません。そのためにまず、来週までに、自分の作品を、自分なりに「編集」してみることからスタートしました。

簡単にサクサク「編集」のコツがつかめるわけがなく、まずは、自分がどんな書き方をしていて、どうしたらもっと面白くなりそうか考えるところから始めます。とはいえ、これだけでもとても難しいし、大変な作業です。ところが「仕事」としてやり抜くという Responsibility が子どもたちに満ち満ちていて、全然、やらされる「宿題」という感じがありません。

よいものをつくらなきゃな、そのために締め切り含め、いい加減な仕事はできないな、自分の行動がみんなに迷惑をかけることになる……プロジェクトワークのよきストレス&緊張感を抱きつつ、Dear Editor 発進です。

RI

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どんなストーリーに心動かされる?

タイトル: 人の心を動かすストーリー
探究領域: 意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。

[6年生]

「人の心を動かす」

今回のテーマでは、5年間で積み重ねてきた「意思表現」の探究の総決算として、「映像作品」での表現を追究します。

「人の心を動かす」とは、どのようなことを指すのでしょうか。
今回のテーマ「人の心を動かすストーリー」の参考書籍でもある高崎卓馬著の『表現の技術 ーグッとくる映像にはルールがある』には、こう書かれています。


ー感情を動かすために絶対必要な要素、それは「オドロキ」です。
ーすべての人は笑う直前に驚いているのです。


人の心が「動く」ためには、その人の感情の振り子をまずは動かす必要があるということです。

たった一人の6年生、意思表現の探究ということで、まずは、「今までに心を動かされた映画、映像作品」について語ってもらいました。

彼が選んだのは「フォレストガンプ」です。

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フォレストガンプはまず「バスを待つ主人公が自分の人生について、バス停で会う人に語る」そんな回想をしてゆくまでのシーンから始まります。

ストーリーの内容は、

・「上手く立てずいじめられていた幼少期にあった少女との出会い」
・「青春時代にラグビーで活躍すること」
・「ベトナム戦争で上官を救うヒーローになる」
・「野戦病院で卓球をし続け、卓球の世界チャンピオンになること」
・「エビ漁を始め、なかなか上手くいかなかったものの、親友と再会し大成功すること」
・「反戦運動としてアメリカ全土をマラソンし、仲間が増えること」
・「そして最終的には、やればできる、ということを気づかせてくれた発端をつくる少女が大人になり、彼女との幸せな家庭を築くこと」

それらの詳しいストーリーについてあらすじを追って語ってもらいました。

「フォレストガンプ」のどこに心を動かされたのか、それは、

「やりたいことをやろうとおもうととことん追究する人生」

である、そこに響いたと教えてくれました。
そこで使われている様々なストーリーを描くための工夫、例えば、
・「回想でポイントを絞って描いていること」
・「急展開を起こす登場人物の出現」

など、ストーリーの描き方の要素も幾つかあがってきました。

では、ストーリーの幕構成にはどのようなものがあるのでしょうか?
『表現の技術』そして『ハリウッド・ストーリーテリング』にはほぼ同じことが書かれていました。

ー すべての映像作品はおよそ3幕で構成されています。
ー ・問題の提起(発端)
ー ・問題の複雑化(葛藤)
ー ・問題の解決(解決)

では、古典のストーリーがどのような3幕でできているのか、を分析していきます。

例えば、シンデレラは?サルカニ合戦は??
卒業生が作ってきた映像にも、サルカニ合戦を別のコンテキストで描いたものがあり、卒業生のものを見ながら分析しました。

来週は、「好きな映画」はどのようなストーリーになっているのか、3幕に分けて分析するところから始めます。

ストーリーを構成する秘訣とはどんなものか?そして、その映画のシーンで使われている表現技法、音楽、セリフ、映像には、どんな工夫が凝らされているのでしょうか?考えてまいります。

TY

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2015年12月15日

水の”恵み”と”こわさ”について考える

タイトル:表裏一体
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「禍福は糾える縄の如し」

[1・2年生]

先週は地球では毎日1000回以上起きていると言われている”地震”に注目し、「地震はどうして起きるのか?」という疑問について資料や図鑑を読んで学び、また「自分が地震で経験したこと、知っていること」についてみんなの考えを出し合っていきました。

さて、今週は子どもたちが週末にA-3用紙にまとめてきた”地震について学んだこと”についてシェアし合うところから始まりました。

地震のメカニズムと”こわさ”と”恵み”の両面が書かれていて、”こわさ”と”恵み”について対比させて見やすくする工夫も見られます。
図も使い慣れないコンパスを一生懸命使いながら丁寧に描いていていきました。

地球のプレートが動き、その運動によって地殻が動くことが”地震”であり、その地殻の上に生きている私たちはその影響を”こわさ”として受けとめることもあります。

ですが同時にその地震活動によって育まれ、変わり続けている大地の上で様々な恵みを享受しながら暮らしているのですね。

また今週は私たちが生きていく上で欠かせない”水”についてもその”恵み”と”こわさ”について考えていきました。

「私のおばあちゃんの家の前の道が前に水浸しになって車が浮いたんだよ!」
「そういうの、最近テレビで見たことがあるよ。鬼怒川って言ってたかな。大雨で堤防が壊れて川の水が町にドバーってあふれ出たんだよね。車も家も流されちゃってたんだよ。」
「そういうことを”洪水”って言うんだよね。」
「”洪水”ってさあ、”台風”の時にも起きるよね!」
「”台風”ってどういうものかみんな知ってる?」と私。
「すごい嵐と風だよね。」と子どもたち。

そこで”台風”について資料をみんなで読み合わせました。

すると”台風”とは熱帯の海で生まれる、もくもく雲の集まりのもくもくもく雲で、地球の自転によってグルグル回りながら凄まじい風と雨を撒き散らしながら動き続け、日本を縦断していくということが分かりました。

しかも”台風”の力によって”高潮”を起こしたり、場合によっては”洪水”が起きたりするとてつもない力を持った自然現象だということに子どもたちもビックリ。

「そっか、”台風”ってただの大雨どころじゃないんだな!」
「たしかに台風で電車とかバスが止まったりするもんなあ。」
「前に台風の後に蚕糸の森公園で木が何本も倒れてたこともあったよね。」
「でもさ、渦巻きのグルグルが南半球と北半球では反対になるからトイレとかお風呂の水も流すと反対の渦巻きができるって面白いね。見てみたい!」
「この赤道ってところの周りが熱いところなんだな〜。」br>と世界地図を見ながら色々なことに興味津々な子どもたち。
「でもさ、沖縄とか九州って毎年台風が通りやすいのに、そこに沢山人が住んでるってすごいよね。」
「台風の時、どうしてるんだろう?」

自然災害という人間としては”こわさ”でもある一面がありますが、その環境の中で人々はたくましくしなやかに暮らし続けています。その暮らしを通して、人々はどのように自然と関わり知恵を磨いてきたのでしょう?

このテーマでは自然の持つ”禍福”、つまり”災い”と”恵み”だけでなくそこで生き続けている人間たちの知恵についても想いを馳せていきます。
来週はどのような自然の”禍福について考えることになるのでしょうか!?

YI

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欲求って限りない!?

タイトル:限りある資源、限りなき欲求
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられている。」

[3・4年生]

自分たちが生活の中で何気なく使っているエネルギー資源。
利用しているエネルギーには種類があること、その資源は化石燃料が大半を占めていること、しかし、日本にはその資源がほとんどないことを知り、今週も新たな資料を読み解いていきます。

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「世界の中でエネルギーを多く使っているのは中国なんだ、22%でアメリカの16%より多い。」
「それは、中国の方が人口が多いからじゃないの?」
「世界の人口は中国が19%で、インドが18%。そんなに違わないんだ。」
「でも、インドのエネルギー消費量は6%でアメリカより少ない。」
「エネルギー使ってないってこと?」
「アメリカは世界の人口の4%だから、エネルギーはたくさん使ってることになる?」

世界の人口とエネルギー消費量の円グラフを見ると、中国のエネルギー消費量が多いのは人口が多いということにつながることがわかると同時に、人口の多さと消費量が必ずしも一致しないことがわかってきます。

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一人当たりの一次エネルギー消費量を見ると、中国よりも日本の方が消費しているが見えてきます。
「やっぱりインドは使ってない方なんだ。」
「カナダとかアメリカとかロシアは自分の国に化石燃料が埋まってるから多く使ってるんじゃない?」
先週、化石燃料の埋蔵量を確認して主要な国を覚えていた子がつぶやくと、「そうだっけ?」と資料を読み返す子が出てきます。それぞれが自分の目で確認しながら、意見を言おうとしていることが伝わってきます。

埋蔵量がつながってきたところで、エネルギー自給率やOPECについて確認していきました。
日本のエネルギー自給率は、原子力を含めなければ4%と書かれています。
「96%は外からもらってるんだ。」
「ロシアは100を超えてる。」「化石燃料が埋まってるからだ。」

こうなると、日本はエネルギー資源がないのに、その消費量は多い国ということになってきます。ただ、日本にも石油や石炭、天然ガスのとれる場所があることも見ていきました。炭鉱に関しては、北海道と九州に多くありましたが現在では北海道に一ヶ所だけになっています。
「炭鉱は危ないから減ったのかな?」
「日本も昔は石炭をたくさん使ってた?」

日本の原油輸入量のグラフとともに、海外からの化石燃料依存度の変遷を見ていきました。 経済成長とともにエネルギー消費量も増え、2回の石油ショックを受けてエネルギーバランスを考えるようになります。ただ、なぜこれほどまでにエネルギー資源を消費してしまうのか、子どもたちもモヤモヤしているようです。

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「OPECは、石油のとれる国が損しないように作られたのに、そのOPECが値上げするって やっぱり自分たちの欲を考えてるんじゃないの?」
「音楽のとき、下のパートは上のパートにつられちゃう。上の方が楽だから、みんな上のパートがいいっていうんでしょ。」
「楽しいことしかしなかったり、楽したかったりするのって人間の欲求だよね。」
「人間は便利が好きなんだ。」

「アフリカで電気を使わない工夫をしている人たちがいるって聞いたことあるよ。」
「サバイバル生活遊びは楽しいよ。」
「歌の練習だって、難しいのも楽しいよ。」
「手作りも楽しいけど、作ったものを買うのも楽しい。」
「ロボットが作った方がミスしない。信頼できる。」
「電気を使った方が火事にならなくて安全。」

工夫する楽しさも知りつつ、やっぱり便利な方がいいし、楽できるなら楽したいのも本音。自分たち自身の中にもある「限りない欲求」を認めざるを得ない現状に直面します。

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毎週末、その週に学んだことをA3用紙1枚にまとめる作業をしています。
そこには、わかったこと、わからないこと、思いや疑問も書かれています。

「ぼくたちは、なんでエネルギーをたくさん使うんだ?
 気にしないでいるから?
 欲求かな?
 エネルギーを無駄に使うのはよくないと思うけど、エネルギーは必要だと思う。
 でも、それはだんだん欲求になるのかな?
 いっぱい使うと欲求になっちゃう。」


来週は、自分たちが日々の生活の中で実際どれくらいのエネルギーを消費しているのかを探っていきます。

AN

TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2015年12月16日

2015年度冬休み課題

【課題図書】
<1年生>


<2年生>


<3・4年生>


<5・6年生>





その他課題

【1~6年生】





アマゾンのアソシエイトに参加しております。 TCSに紹介料が入りますので、教材・商品をご購入の際は是非こちらから!!

※TCSのウェブに掲載されていない商品を購入する際にもご利用ください。商品リンクよりは低率ですが、TCSに紹介料が入ります。




ミラクル・ハイパーステージ12/20(日)開催

「ミラクル・ハイパーステージ(MHS)2015冬」開催!

今回は冬開催のスクールコンサートです!TCSキッズ&スタッフ&保護者&卒業生による大ステージ。日頃磨き上げた技能が披露されます。どうぞお楽しみに!

日曜日の夜の開催にて、ご多忙とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご来場ください!
     ※一般の方の参観可。ご希望の方はご一報いただけるとありがたいです。

                 記

【日 時】平成27年10月20日(日)
    19:00~21:00頃(18:30開場)

【会 場】中野区野方区民ホール(東京都中野区野方5−3−1)
   ※地図 https://goo.gl/maps/ixKj2pT34cy
   ※西武新宿線野方駅より徒歩3分(野方駅までバスのアクセスあり)
   ※車での来場はご遠慮ください。

【お問合せ・お申込み】
東京コミュニティスクール(担当:永易・若林)
TEL:03-5989-1869
E-mail:school#tokyocs.org
※お手数ですが、「#」を「@」に変更してから送信してください。
  メールの件名を「ミラクル・ハイパーステージ見学希望」とし、
  本文に以下の事項をお知らせください。
   1.見学希望者氏名:(すべてご記入ください)
   2.お子さんの現学年:(保護者の方)
   3.E-mailアドレス:
   4.電話番号:(最も連絡のとりやすい番号)
   5.TCSを知った経緯:(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
   6.質問事項等:(あれば)

2015年12月17日

ワークショップ 01/31
「探究を探究する」
〜How アクティブ(3)

探究する学びをデザインする指導者のためのワークショップ
「探究を探究する」〜How アクティブ(3)
※満席にて受付終了しました。

 新しい時代に必要となる資質や能力の育成が求められ、学びの重点が「何を教えるか」から「どのように学ぶか」にシフトしている中、切札として注目されているのが「アクティブ・ラーニング」(課題の発見と解決に向けて主体的•協働的に学ぶ学習)です。
 アクティブ・ラーニングでは、従来の評価とは異なり、動的なものを評価する必要性があります。前回までは、アクティブとはどういう状態かを学習者の立場で体感し、アクティブな学びの場を指導者として実際に計画しました。今回は、アクティブ・ラーニングにふさわしい評価の仕組みとは何か、学びをactivateする評価とは何かについて考えていきます。
 新しい時代に必要な資質や能力の育成のカギになるアクティブ・ラーニングにおける評価について、創立以来10年間実践し続けてきたTCSの「探究する学び」の世界を実感しつつ理解する絶好の機会です。
 以前に参加経験がある方も初めての方も、探究する学びに興味関心のある方なら、どなたでも参加できますので、奮ってお申し込みください!
【テーマ】「探究を探究する」〜 How アクティブ (3)
【日 時】 2016年1月31日(日)9時30分~17時00分
【会 場】  東京コミュニティスクール
      東京都中野区中野1-62-10 Phone: 03-5989-1869
【WSリーダー】 市川 力(いちかわ ちから)
※プロファイルは下記をご参照ください。
【対 象】 教育関係者、一般
【定 員】 25名(要申込)
【参加費】 9,000円(資料代、昼食代込み)
【申込・支払期日】2016年1月18日(月)

【申込方法】 eメールにて、下記までお送りください。
 メールの件名を「参加希望ワークショップ0131」とし、
参加を希望するすべての方について、以下の事項をお知らせください。
    1.氏名(ふりがな):
    2.所属:(勤務先会社名、学校名等)
    3.e-mail(PC)アドレス:
    4.日中の連絡先(緊急用):
    5.講座を知ったきっかけ:(ホームページ/知人/新聞・雑誌/SNS等の名称)
    6.NPO入会状況:(会員/非会員)

お問合せ・お申込みは、
 東京コミュニティスクール セミナー事務局 まで
TEL:03-5989-1869  FAX:03-5989-1649
e-mail: s15#tokyocs.org

※メールアドレスをコピーする場合は、
「#」を「@(半角)」に変えてください。

(ご注意)
※お申込後3〜4日のうちに受付確認および参加費支払のメールが届かない場合はお電話にてご確認くださるようお願いします。
※受付確認をさせていただいた時点で参加費が発生します。
※参加費ならびにキャンセル料の取扱いについては、「参加費取扱い規定」をご覧ください。
※お申込キャンセルの場合、規程のキャンセル料との差額分をクレジット扱いにて、次回以降の参加費に充てさせていただきます。
※申込締切日(上記)以前のキャンセルについては返金を承ることもできます(振込手数料をご負担いただきます)。ご希望の際はご相談ください。

※できるだけ多くの方に参加していただきたい思いがあるので、万一キャンセルの場合は、早めにお知らせいただけますと幸いです。


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主催: 特定非営利活動法人東京コミュニティスクール
後援: 株式会社グローバルパートナーズ
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WSリーダー プロファイル

市川 力(いちかわ ちから)
Riki_classroom_small_up2.jpg東京コミュニティスクール 校長
探究プロデューサー

 米国にて13年間日本人駐在員の子ども対象の学習塾を運営。現地の学校で行われていたプロジェクトベースの学びに触れ、『学び続ける力』を育てる教育実践に強い関心を抱く。2004年8月東京コミュニティスクール初代校長に就任。自ら現場に立ち、探究する学びの研究・開発・実践を行っている。
 主な著書は、「探究する力」(知の探究社)、「先生」(池上彰編・岩波新書)、「英語を子どもに教えるな」「教えない英語教育」(ともに中公新書ラクレ)。講演多数。

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会場案内 東京コミュニティスクール
住所) 東京都中野区中野1−62−10
Phone) 03-5989-1869
URL) www.tokyocs.org
TCS-Map-FL%20%284%29.png
交通のご案内
JR中央総武線/東京メトロ 東西線「中野駅」南口より徒歩9分
※車・自転車でのご来校はご遠慮ください。

2015年12月18日

編集してみる

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5年生]

いつでも、どんな場面でも、何か「情報」を受け取ったときに私たちは、無意識のうちに自分たちなりの「編集」をして「情報」を受け取ってしまうことを知りました。文章や映像を「編集」するのは「意識的」な作業。しかし、そこに「無意識の編集作用」が影響してしまうのです。したがって、私たちは「無意識の編集作用」を「意識」して、質の高い「編集」を目指さなければなりません。

とはいえ、小学生にいきなり「質」の高い「編集」を「意識」しろ!と言っただけでできるようになるなら苦労しません。では、こういうやり方で「編集」しろ!と「手法」を教えれば編集できるようになるかと言えば、それも無理。

じゃあどうするのよ?

はい、だから「本」を編集するのです!

IMGP7390.JPG

「編集」について理解してゆくには、まず、他の人の文章を手直ししてみることからです。自分たちも含めて、TCSキッズ 29名の「作品」を5年生6名で分担して「編集」するには、一人あたりだいたい5作になります。

「good & better が編集の基本だよね!」

「編集」の根本にある思想から伝えます。「編集」は、「ふりかえり」の一種ととらえることができます。書いたものを読み直して、つまり、ふりかえって、何を書こうとしたのか、それが伝わる書き方になっているか「ふりかえり」ます。その時にまず頭に入れておかないといけないのは「good & better」ということ。ロジカルライティングではなく、面白い物語を紡いだ文章に手を入れるのですから、ただ言いたいことを伝わりやすくすればいいわけではありません。まず、面白さを見つける!面白さとは自分が読みたい!と思う事。次に、その面白さと書き手の個性とをつなげてみる。今回の書き手は、毎日、ともに生活している、勝手知ったる仲間だ。

「あいつらしいなあ!」

という特徴が出ているところは活かさなければならない。その good な部分が、うまく表現しきれていないとき、どう修正したらよいか、それが better。こう考えて、仲間の作文を眺めることからスタートです。

IMGP7391.JPG  IMGP7392.JPG

自分の作文を添削されても、すっと流しがちなのに、他者の、それも下級生の作品となると、「面白くするもしないも先輩たる自分たちの腕にかかっている」という、強烈な「使命感」がわきでてくるから不思議ですね。どうです、みなすごく集中しているし、真剣に「赤」を入れています。

その子らしさを活かしつつ、より面白い作品にするにはどうするか……

ポイントを伝授します。大きなポイントは2つ。

① 文章の3大要素である「会話」「心情」「情景」のバランスは?

② ストーリーを展開させる順序をどうするか?、さらに、ストーリーを面白く展開させるために欠けているピースがあるとしたらそれはどんなピースか?

この2つのポイントで作品を読んでみるように促します。いつも「書く」の学びのときに指摘されているポイントですから、彼らにとって耳新しいアドバイスではありませんが、他者の作品を添削する立場で実践するとなると、また全然意識が異なるようです。

傍目八目

ということわざがぴったり。自分の作品を読み直してもなかなか気づきにくかったことが、他の人の作品をふりかえると見えてくるのです。

「わあ、会話しか書いてないじゃん」
「いきなり終わっちゃった。ここで切れちゃうの」
「最初からネタバレじゃん。最初は謎めいて、最後にバーンとわかる方がいいよね」

正直、あまりうまくない文章、欠点だらけの文章だから、いろいろはっきり見えてくるのです。と同時に、そんな文章を俺たちの手で面白いものにつくりかえてやるぜ!という「意気込み」があるから、先生だったら、本音で言えば、わあ、これ読みたくないな〜なんていうような文章も、しつこく、丹念に、読み直して、丁寧に「赤」を入れて、面白い作品に仕立てあげようとするのです。

IMGP7393.JPG  IMGP7394.JPG

先生から声がかかったときは「あっ……忘れちゃった!」という子が数人は出るのに、先輩から頼まれたら、全員が期限までにきちんと提出してしまいました。そのうえ、先輩に直してもらえばいいや!ではなく、自分でもなるべく「編集」しておきたいという意識が出てきて、写真のように、いつも以上に真剣・集中・没頭。これぞ「相乗効果」。

IMGP7405.JPG

冬休み前、残り1週間。まずは、作文用紙に手書きで書かれた「作品」を、キーボードで打ち込んで「電子化」して、休み中の編集をどう行うか話し合います。

RI

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ストーリーを分析する

タイトル: 人の心を動かすストーリー
探究領域: 意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。

[6年生]

映画にはどのような演出がなされているのでしょうか?
映像?セリフ?BGM?

そういった表現方法に加えて、今回のテーマでもある、「ストーリー」もその要素として欠かすことができません。

そして、それぞれの細かい要素が独立してあるだけでは「映像作品」ともいえない、というところが難しくもあり、映画作りの面白味でもあります。

今週は彼が土日休みの間に観てきた、「ぼくらの七日間戦争」という映画をピックアップして、どのような映像表現がされているのか、どのようなストーリー展開のなのか、を分析して行きました。

nanokakan_war.jpg

〜「僕らの七日間戦争」あらすじ〜
「インチキな大人に宣戦布告!!」青葉中学1年A組の生徒8人が、ある日突然、姿を消した!?あわてふためく大人達。しかし彼らは町外れの廃工場に立てこもっていた。先生達は連れ戻そうとするが、生徒達は奇想天外な作戦でこれを撃退する。ついに怒った大人達は機動隊を出動させるが…。 果たしてこの勝負、どちらが勝つか?迎え撃つ子供達の運命は?史上最大のイタズラが今、爆発する!
アマゾンビデオより引用)
有名女優宮沢りえの映画デビュー作でもある本作は、学園モノ、というよりは、お硬い「学校」に反抗期の中学生が反抗し、一泡吹かせる、という痛快で爽快なストーリーになっています。

では、この作品、どんな演出・工夫がされているか、実際の映像を見ながら振り返ってゆきました。
まずやはり映画で最も印象に残るのは「セリフ」の工夫でした。

・学級委員長の女の子が硬い言葉を使いながらも、権力への反抗と自由を求める、まさに「独立宣言」のような言葉
このセリフによって、説明的ではなく、映画の趣旨全体を見通すことができるようになったり...

・親や個人に非行の原因があるんじゃないか、と責任逃れをするような教頭の一言
このセリフによって、学校のスタンス、体制、というものが透けて見えたり...

などなど、セリフの工夫は多く伺われました。

ただ、この映画の工夫どころはセリフだけだったのでしょうか?

いえいえ、BGMの工夫もありました。
楽しんでいるシーン、場を盛り上げるシーン、様々なシーンで使われていますが・・
ある一つのことを発見しました。それは...

「重要なセリフ、掛け合いのところでは BGMがならない!!」

このBGMとセリフと映像の動きの緩急こそがストーリーを引き立てているのでした。

では、どのようなストーリー構成になっていたのでしょうか?

まずは、「ハリウッドストーリーテリング」の方法を使いながら、どんな工夫がされているか、分析をしてゆきます。
映画は三幕に分かれ、「発端」「葛藤」「解決」それぞれにうまく分かれました。

第一幕「発端」:主人公たちは「非日常である廃工場での共同生活」に発端である出来事「杓子定規な先生のインチキ」を期に、足を踏み入れます。
第二幕「葛藤」:そして、廃工場に立てこもりますが、やってきた先生と母親たちに反抗し追い返すなど来るところまできてしまいます。その中で「戦車」まで発見してしまい、機動隊を呼ぶまでの騒ぎになってしまいました。
第三幕「解決」:そこで、一泡吹かせるために、最後の作戦を練ります。色々な戦いの中で「暴力教師」「杓子定規」をやっつけ、廃工場を抜け出し、フィナーレで大人たちをあっと驚かせます。

この「僕らの七日間戦争」も方程式に沿って、このような構成がされていました。
「売れるストーリーには法則がある」と「表現の技術」でも言及されていましたが、まさに、この法則を学ぶにはもってこいの題材でした。
「僕らの七日間戦争」、宮沢りえの演技も光りますが、なかなかの爽快なストーリーですので、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

TY

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2015年12月20日

教育インターン説明会開催1/14・17

説明会は終了しました。個別にご相談ください。
2016年度、教育インターンの募集を開始いたしました。
募集に伴いインターンシップ説明会を開催します。

以下のページをご参照の上、お問合せ・ご応募ください。
NPO法人東京コミュニティスクール インターンシップ説明会のご案内

2015年12月24日

プレートの不思議

タイトル:表裏一体
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「禍福は糾える縄の如し」

[1・2年生]

今週は火山について考えていきました。
桜島の噴火など子どもたちも火山についてそれぞれにいろいろなことを見たり聞いたりしたことがあるようです。
まずは子どもたちの火山について知っていることをあぶり出していきました。

「ぼくたちが来年登る富士山も火山だよね?」
「じゃあぼくが思う火山の”恵み”は山登りができること!」
「富士山て水もすごくおいしいんだよ。ミネラルウォーターで売ってるくらいなんだから。だから水も火山の恵みだよね。」
「桜島はね、毎日噴火しているらしいよ。でね、溶岩とか火山灰を吹き飛ばしてるんだって。」
「あ、その話聞いたことあるよ。だから桜島の人たちは白い車は買わないで汚れちゃうからグレーの車が多いんだって。」
「火山から宝石が取れるっていう話も図鑑で読んだよ!」
と図鑑《EARTH》を持ってきてそのページを開いてみんなで見てみると、ダイヤモンドやペリドットなどが火山から産出されると書かれています。

また別の資料をとおして火山について読み進めてみると、火山の噴火はプレートとプレートの間にすき間ができることで起こることが分かりました。

「そっかー!地震と似てるけど、プレートとプレートにすき間が出来ちゃうとそこからプレートの下にあるマグマが吹き出してくるんだ。」
と先週地震のメカニズムを学んでいて知ったプレートがまた火山にも大きく関係していることを知って何かがつながった様子の子どもたち。

「でもマグマってなくならないのかなあ?いつまででもずっとあるのかなあ?」
と疑問もあるようです。

資料をもう少し読み進めていくとその疑問に関することも書かれていました。
プレートとプレートがこすれあって摩擦熱が高まることでプレートの岩盤が溶けてマグマになるとのことです。

「すごいな。じゃあプレートはどうしてできるんだろう?」
「あ!ひょっとしたらさ、ぼくの予想なんだけど火山が噴火して溶岩ができるから、それが地面にもなるし、海の中とかだとすぐに固まってプレートにもなってるんじゃないの?」

今まではテレビで流れる火山のニュースに遠くで起きている出来事としてしか考えたことがなかった子どもたちですが、そのメカニズムを知ることで断片的に知っていたことが繋がり始めているようです。

「そっか、プレートが日本には3枚もあるから日本は地震も火山も多いんだ!」
「この本には日本もそうだけど太平洋の周りの国々は火山と地震が多いって書いてあるぞ。プレートがここにもあるし、そこにもあるもんな。なるほど。」 「温泉があるのも火山があるからだし、火山の熱で電気も作れるんだって。火山すごいねえ。」 「富士山の周りの河口湖とか山中湖も富士山の地下にたまってる水が湧き出てできたんだって。こわいけど、恵みもいっぱいあるね。」

さて、今週でテーマ学習も3週目の折り返し地点となり、子どもたちは冬休みに入ります。
休み中のミッションとして各自が雪・地震・火山・台風・竜巻・津波のうちから一つ選んで、”禍福は糾える縄の如し” つまり良いことと災いとがまるで縄のように互い違いに起きていく様子を紙芝居としてストーリーを描いてみることにチャレンジすることになりました。
2年生たちはちょうどこのことわざを学んだばかりだということで大張りきり。
年明けのプロトタイプが楽しみです。

YI

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電気はやっぱり便利

タイトル:限りある資源、限りなき欲求
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられている。」

[3・4年生]

自分たちは普段どのくらいエネルギー資源を使っているのだろう。
「洋服、筆箱、鉛筆とかの物は、機会で作っていれば電気も石油とかも使うよね。」
「車とかバスは、ガソリン使ってるから石油が資源だね。」
「物を運ぶときに、ガソリン使うってことか。」

IMGP7063.jpg   IMGP7064.jpg
「これって、おかげさまだね。」
自分の持っている物や食べている物、利用している物はもとをたどるとどんなエネルギーを使い、どんな資源が絡んでくるのか、考えていると「おかげさま」のテーマと似ているようにも感じてきます。ポストイットに使っているエネルギーを書いていくと、やはり電気がわかりやすく、かつ多いことが浮かんできます。

では、どのくらいの電気を使っているのか、試しにスクール内の蛍光灯のワット数と本数を調べて、消費量を計算してみることにしました。

IMGP7116.jpg1・2階、トイレの電気も含めて全部で5215W。
1時間全部つけていると、CO2排出量は2130g。つまり、約2kg。
ここは便利な計算サイトに頼ってみました。
インターネットやパソコンもまさに電気を使っています。
1フロア消しておくだけでも230gの削減ができることがわかります。



家の電気料金の明細からもCO2排出量が計算できます。
「冬休み中は家にいないときもあるから、減るのがわかると思う。」
「冬休みに電気使わないようにしてみようかな。」
それぞれの家でのデータが出ると何か発見できることがあるかもしれません。

「静電気ってうまく使えないのかな?」
「こんなに化石燃料に頼っていないで、水力エネルギーも使うといいのに。」
「風力もいいと思う。」
「火を頼っていた時代よりも、火力エネルギーを使ってる。」
「戦争でも火を使ってる。」
「人が減れば、CO2が減らせる。」
「BANE(5・6年)たちがやってた“You do it”みたい!」

5・6年生が「銀河鉄道に乗って」のテーマ学習で仕上げた劇作品“You do it”は人口増加を解消するために人口そのものを減らしてしまおう考えたけれども計画通りに行かず・・と展開していく話です。増えることは悪いことではないけれど、どんどんエネルギー消費量が増えてくるとなるといいことではなくなってきます。

実際に世界ではエネルギーを巡る奪い合いや紛争があるという事実を知ると、自分たち人間の欲求の限りなさに行き当たります。
「人間って本当に自分勝手。」
「資源をみんなが欲しがったら、自然がなくなる。」
「そしたら、人間もなくなる。」

IMGP7112.jpg

1・2年のテーマ「エイリアン・パラダイス」の中で、外来種が池に放たれ在来種がいなくなると最終的に生き残った外来種同士は共食いをしてしまい、最終的にはすべての生き物が途絶えてしまうと本で読んだことが思い出されます。

では、自分たちはこれからどのようにエネルギー資源を使っていけばいいのだろうか。
いっそのこと使うことをやめてしまう。
ほかのものを使う。
節約して使う。
同じものを繰り返して使う。

さて、どうしたものか。地球資源の持続可能性は人間の選択に委ねられているのかどうか。冬休み明けからは、新たなエネルギー資源の活用例を見ながら、自分たちなりの考えを模索していきます。

AN

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2015年12月25日

編集の「質」をあげる

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5年生]

編集すべき原稿もすべて集まり、あとはひたすら原稿の「質」をあげてゆく作業に専念することになります。「質」を上げると言っても、ただ誤字脱字を直し、文法上のミスをなくせばそれで終わりというわけにはいきません。もちろんそれも重要な作業ですが、むしろそれは「校正」と言って、編集作業の終盤、いよいよ出版も間近になってきたときに行う作業です。

「内容をよくするってことだよね……」

もちろん子どもたちも「何をすべきか」は百も承知です。ただ「どう行うか」に頭を悩ませているのです。そりゃあそうでしょう。小学5年生だし、編集者としての訓練どころか、自分でうまい作文を書こうにも一苦労なのですから。そもそもそんな子どもたちに「編集」なんて任せられないんじゃあ……知識&スキル「注入」主義の大人から見れば不安でならないでしょう。学びとして成立するの?と思うに違いありません。しかし、ここが「探究する学び」の大きな特徴。必要に迫られ、なんとかしたいという強い思いがあるから「学ぶ」し「成長」するのです。

IMGP7629.JPG  IMGP7631.JPG

どうして作文技術が十分ではない子ども達に「編集」が可能なのか。それは読んでみて「いいな!」「面白いな!」と判断する感性は持っているからです。子どもはいやらしい分別のついた大人のように世間の評判とか情報に左右されません。面白いと思ったものを素直に面白いと感じます。その「評価眼」を活かすところから編集の「質」をあげてゆきます。

ただ、読んで評価できるということと、実際にそのように表現できるというのは別の次元のこと。「表現するワザ」がまだ十分に育っていないので、いざ自分で文を書くとなるとうまくいかないのです。では、どうやって「表現のワザ」を磨いてゆくかというと、他者の文章を編集してみること。それも「名文」ではなく「迷文」。おいおい、これ何言おうとしているの?というような下級生の作文を磨く作業に取り組むのです。

「編集で大事なのはバランス」

このことはきちんと指摘しておきます。なんでも過ぎたるは及ばざるがごとし。直せばよいわけでありません。うまく、すっきりさせるということは著者の「らしさ」を消してしまうことになります。特に低学年の子どもの文をただ意味が通るように直したら、せっかく垣間見えていた「書き手の感性」が消されてしまいます。とはいえ、言いたいことがまったく伝わらないのでは困ってしまいます。いったいどんな話にしたかったのか、それがどうすれば面白く伝わるようになるか、ここに「編集の質」が問われます。難しいところで、実際、教師が子どもの作文を添削するときの腕の見せ所でもあるでしょう。ただ直すのなら誰でもできる。一方で、子どもらしくて面白いね!と放りっぱなしにすることも簡単。手を加えつつ、角を矯めて牛を殺すことのないよう、よい部分の釘をどんどん伸ばして、文章全体のレベルをあげてゆく。そんな直し方が求められます。

えっ?そんな高度な「編集」を子どもができるの?って。そりゃあ一朝一夕にはできませんよ。もちろん。でも、子どもたちは、仲間の作文。それも年下の子の作文をよくしてあげたいという強いモチベーションを持っています。さらに、普段のつきあいから、その子のらしさも知っています。

「おまえどんなこと書きたかったの?」

空いた時間を見つけては、直接本人にたずねて、書きたい内容を確かめます。

「そうか、じゃあこんな要素を加えてみたらどうだろう」
「順序を入れかえたらうまく伝わるよ」
「会話が足りないから加えてみよう」
「どんな状況なのかわからないからそこを説明しようよ」

子どもたちはなかなか筋のよい質問をしています。なぜこういう質問ができたかというと、彼らは編集のための「判断基準」を持っているからです。その大前提は、とにかく「その子らしい面白さ」を出すこと。そのために、ストーリーの流れをつくること。説明的になりすぎている場合は、削り、逆に、大事な要素が欠けてストーリーが見えない、あるいは、尻切れとんぼになっている場合には加える。シンプルではあるけれど、本質的なこの「基準」をしっかり頭に入れて、編集の「質」をあげようとしているのです。

IMGP7630.JPG  IMGP7634.JPG

(どうしたらもっと面白くなるかな……)
(会話を足すか、情景を補うか、気持ちを表すか……)
(あまりいじりすぎると違う話になっちゃうな……)
(どうしたらあいつの持ち味がでるかな……)

こういった「判断基準」を持って「試行錯誤」です。ただやみくもに「試行錯誤」するわけではないので、知らず知らず「文章の評価眼」が磨かれ、「おれだったらこう書くかな」というメタ認知をばりばりに働かせて「読み、修正する」ようになるので、自分が書くときの腕も知らず知らず高まっているのです。

どうです、これが「探究する学び」の底力ですよ。編集の仕方はこうします。はい、手順通りにやってください。では、なかなかこうは行きません。ワザを身につけるには、「自分なりにやってみる」という「状況判断」と「試行錯誤」のプロセスが不可欠なのです。ただし、この「試行錯誤」は何度も強調するように、好き勝手にやることではない。ハイクオリティが求められる、責任感の伴う課題で、それは「課題」のためではなく、世間に知らしめたいという「社会的欲求」から発したものだからやる気の深さが違う。そのうえ、どうすればよいかの「基準」の中で失敗しつつ試せる。ここで的確にフィードバックし、どう動いたらよいかアドバイスするのが探究する学びのジェネレーターたる指導者のあり方なのです。

そして、冬休み。子どもたちは、自分担当のクライアントの文章を編集してきます。いったいどんな出来映えになるか。年明けが今から楽しみです。

RI

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映画は数学?

タイトル: 人の心を動かすストーリー
探究領域: 意思表現
セントラルアイディア:多様な表現の組み合わせが人の心を動かす。

[6年生]

今まで出してきた、いくつかのアイディアからストーリー作りにとりかかります。

さて、作っていくとしても何から取り掛かっていいか、「どうしよう・・・」となっているとき、OBの先輩がふらっと訪れ、実際に制作時のことを語ってくれました。

「脚本を書きながら、細かいところがだんだん決まってきた」
「冬休みに撮影してみたものは、レゴで作ってみたんだけど、アテレコの下手さ具合に失望して、一回ボツになったんだよ」
「ボツになった後はあんまりアイディアも浮かばなかったんだけどある日、ポーン、ってアイディアが降りてきたんだ、だから心配することない」

なんて頼もしい。。そんな話をしつつ

「書いていいかな?」
と話す本人。今週はアイディアを言葉にしつつ黙々と作業を進める週となりそうです。

映画撮影にはどんな「準備」が必要でしょうか?

*「脚本」*
当然のことながら、映画がどのように進んでいくか、ストーリーを時間・セリフ・文字・動作に分解して、文章に落とし込んだものが必要不可欠です。
どのタイミングで誰が何をするのか、というのが細かに「言語」で表現されていて、時系列で並んでいるものです。

*「地図」*
映画で描かれるストーリーの設計図として地図の重要性が「ハリウッド・ストーリーテリング」や「表現の技術」では語られています。
どんな幕構成になっているのか、主人公はどのようにその中で成長するのか、どんな出来事が主人公を非日常に導くのか、そして、最終的に主人公は日常へと帰るのか、非日常の住人となるのか、決断を迫られ、どのような結末を迎えるのか、
表現される、「人の心を動かすストーリー」の設計図です。

*「絵コンテ」*
映画を作る中でもっとも楽しくもつらくもある要素、それが「絵コンテ」です。
時間の配分とカット割りをうまく作り出して行き、どのような映像効果を使うのか、という表現方法における設計図です。

いままで、「地図」や「脚本」についての話は進めてきましたが、今週は冬休みの間にどのような作業が必要なのか、ガイダンスも兼ねた週でもあります。
「絵コンテ」を作っていく上で、カメラワークや時間配分などを「自分の体」や、「セリフ」などを作りながら、「細かい計算をした上で」考え出して行きます。

アイディア出しの段階で何度か彼は、
「いつも小説を書く上では自分の体で表現して、それを文章に落とし込んでいる」
と述べていました。
今回も体を使ったり、頭の中でカメラワークをイメージして絵コンテ作業を作って行きます。

今回のテーマはマンツーマン。

2015_T5_G6_story_W3_01.JPG

ゆえに、経過する時間をはかったり、シーンを試し撮りに行ったりと、
柔軟に映画の撮影を行うことができます。
冬休みでどのような映画の設計図が出来上がってくるのか、楽しみです。

TY

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