東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2010年07月 アーカイブ

2010年07月02日

商売って難しいなぁ・・・


順調に売り上げが伸びていった開店1週目。

毎回の開店準備も、効率的に手際が良くなってきました。
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開店してからしばらくは、「なんだろう?」「めずらしいな。行ってみるか?」と思う人がいて、
お客さんは多くくるものです。
しかし、だんだんとそうはいかなくなります。

「売り上げは・・・。」

そんなことが予想しながら、
利益をどうやって上げていくのかを話し合いました。


「もっとクジのあたる確率を上げよう!」
「それはもう少しあとでもいいんじゃない?」
「でも、当たることがわかれば、いっぱい買ってくれるよ!」

「チラシを持ってくる人が少ないから、チラシの効果はあまりなかったね。」
「気づいてない人が多いのかな?」
「離れたところで呼び込みをすればいいんじゃない?」


たくさん買ってもらうにはということを考えると、
値段を下げていくと売り上げが下がるし、お客さんを増やす事を考えると値段を下げることも必要。、お客さんの数を増やすかしかありません。
計算をしていくと、そのジレンマの中でバランスをとらなければならないという商売の厳しさを痛感しました。


ここのところ、だらだらと働いて帰りが遅くなっていました。
残業分の時間から時給に換算して計算してみると、いかに無駄かという事がわかります。

仕事をやっていく上で大切なこと、「タイムマネジメント」時間管理です。
遅くまで仕事をするのではなく、終わる時間を決め、その時間に終わらせるために、
いつ何をしていくかを考え、行動していくことが大切なのです。


データが蓄積して行く事から、具体的な数字で計算をしながら議論をしやすくなり、予想もしやすくなりました。


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お得意様の方たちもできました。
「おばあちゃん、新しいお菓子入ったよ。」
「買っていって!」
いつも会いに来てくれるスクールの目の前にお住まいのおばあちゃん。
すっかりとなかよくなりました。

人との交流を楽しみながら、商売をしていました。

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「駄菓子屋やっています。」
「どんなものがあるかだけでも見てってください!」

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「150円買うとくじができるよ」
「商売がうまいねぇ。じゃぁもう少し買っちゃおうか」


近くの離れたところで呼び込みもやってみました。
声をかけてきてくれる人もいます。
何とか売り上げを伸ばそうと行動です。
「そこで駄菓子屋やっているんで、見に来ませんか?」
こうして数人は来てくれました。
しかし、全体的なもので見れば、大幅に伸びてはいません。


営業が終わると、在庫を調べ、
その日の反省や改善等を話し合いました。
売り上げを見てみると、やはり落ちていました。
売れたときと比べると約3分の2にまでに落ち込んでしまいました。

このままではどうなるのか?とうことを計算して、先の事を考えていかなかればなりません。
残りの営業回数が3日となりました。
在庫は、売り切れそうなものと、売れ残りそうなものを今までのデータを元に
どれくらい売れそうなのか?などを分析し、今後の動きを考えていきました。
売れ残ったら、その分は利益としては計算できなくなります。
かといって、品揃えが悪いと人は来なくなったり・・・

その答えがなくどうすればいいかを話し合って行く事はまさに探究です。


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「この数だとあと3日で売れてしまいそうだ。」
「残りの数がこれだけだとこんなにも売れ残りそうだ」
「どれくらい仕入れればよいのか?」
「大量に仕入れると・・・こんなにも損失が多くなる」

ひたすらに計算機を使い、議論していきました。」

売り上げが下がり、ただ売るだけじゃなく、利益を出さなければいけない現実。
そのことでただ売ればいいとうことではない、仕事の難しさを感じ、工夫を重ねたがうまくいかなく悩んだ1週間でした。


あと営業日は残り3日。
お客さんの笑顔を獲得し、さらに自分たちにも充実感のある駄菓子屋にできるでしょうか?




TK


TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

楽しく節電できるか?

週末のホームワークで子どもたちはスクールの「電灯」の消費電力量をシミュ
レーションしてきました。

「教室は大体どれぐらいの時間使ってるか想像つくんだけど、階段が難し
かった」
「階段って白熱灯だよね」
「階段の電気つけっぱなしになってることが多いんだよ」
「そうそう、だから結構、長い時間ついてると予想したんだよね」

それぞれの子どもが自分なりの根拠に基づいてシミュレーションしてきました。
エアコンのように圧倒的に電力量が多いという結果にはなりませんでしたが、
点灯時間を予想する際に、きちんと「消す」か「つけっ放し」かでシミュレーション
の数値が大きく変わってしまうことに子どもたちは気づきました。

「やっぱこまめに消さないとね」
「わかってるんだけどそのままにしちゃうんだよね」

節電するには、まずは「行動」。そのために、ムダづかいしないという意識の
徹底がまず必要。特に電灯は、スイッチ一つで簡単につけたり消したりできる
のだから、そんなに負担にならないはず……にもかかわらず、徹底できない
のはどうしてか……これから節電計画を立てるうえでの「課題」が浮き彫りに
なりました。

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スクールの電力消費の「実態」を数値化した結果、「エアコン・電灯・冷蔵庫」
の3つの電力量が多いことが分かり、やはりこれらの電力量を減らすことが、
スクール節電計画の中核であることが明らかになりました。そこで、分担して、
エアコン、電灯、冷蔵庫の「省エネ」を図るためにどんな対策が考えられるか
調査することにしました。

「開け閉めの回数と時間を減らして庫内の温度を上げないようにするといいん
だって」

早くも冷蔵庫班の子が、パソコンで調べて得た情報を発表します。

「なるほど!確かにそうだね。ただ問題はどうやって開け閉めの時間と回数を
減らすかだよね。どうやったらできるか想像つく?」

調査する……となると、すぐにパソコンの前に陣取って情報を得て、終わり!と
なりがちです。しかし、調査で大事なことは、調査の目的に合った情報を収集し、
集めた情報を自分たちの主張を補強するために効果的に用いることです。今回
の調査の目的は、「楽しく、賢く節電する方法を見つけること」。なぜ「楽しく、賢
く節電する」のかと言えば、自分たちが率先して実行し続けようと思える対策を
提案し、他者を巻き込むことが必要だからです。たとえば「全部、省エネ家電に
する」というようなアイデアも考えられるでしょうが、コストもかかり、すぐに実行
可能な対策ではありません。まず、ちょっとした工夫の伴う、自らの意識・行動
変革で節電できる方法を考える!それが先決です。

「エアコンの風量と消費電力は関係するかな?」
「高い温度設定にしても風量が多ければ消費電力少ないかも?」
「でも風量が多いってことはやっぱりそれだけエネルギー使うよ」
「専門家に聞きたいねえ……」

探究型の学びを支えるのは「現地」「現物」「現人」。その中の「現人」と出会い、
学ぶ必然性が生じてきました。

「日曜日なら行けるね」

エアコン班の子どもたちは、週末のお互いのスケジュールを確認し、自主的に
インタビュー取材へ出かけることを決めました。早速、ネットで、日本を代表する
エアコンメーカーのホームページを調べ、エアコンのメカニズムに詳しい専門家
のいるオフィスをつきとめ、電話をかけ、アポイントをとりつけることに成功しました。

電灯班は、電灯メーカーのショールームと家電量販店に出向き、話を聞くことに
したようです。子どもたちそれぞれが「楽しく、賢い節電計画」をまとめるために
「自律的」に動き出しました。

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「きちんと質問を決めておかないとね……」

インタビューに行けば必ず実りのある取材ができるわけではありません。相手の
方の貴重な時間を頂戴する以上、つまらない質問は許されません。有益な内容を
聞き出すには、インタビューの目的を明確にし、質問項目をしっかりまとめておくこと。
つまり「下準備」が重要です。さらに、ただ質問するだけでなく、相手の発言を受けて、
それを広げて、深めてゆくと大事な情報が手に入るというところにも気をつかって
ほしい!ボイスレコーダーで録音してくることも大事……
インタビューの基本をしっかり確認し、その日の授業を終えました。

節電は、大変で、苦しくて、面倒くさい、というイメージがある。だから楽しくなんて
できそうにない……

そんな心の揺れが子どもたちの中にあります。「楽しさ」を「犠牲」にしなくても
できるんだ!という提案をまとめる……決して簡単ではありませんが、子どもたち
がどんなアイデアを編み出すか。楽しみです。

RI

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デスクワークへ


『東京発見伝』は4週目に入りました。
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これまでに副都心の都庁、

皇居・官庁街・国会議事堂などの皇居周辺、

浅草橋・浅草・かっぱ橋の下町と

3回にわたり東京の街を歩きました

それぞれの場所へ実際に足を運んだことで

『外観』、『雰囲気』、『人の流れ』などの違いを感じ取り

「東京は同じような所ばかりではない。」

ことを二人とも意識できたようです。

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さて、今週からはデスクワーク中心となります。

二つの課題

 1)東京の歴史、多様性を探る
 2)自分の言いたい事をうまく人に伝える。

に向かって動き出します。

そこでまず、それぞれ、特に気になることや面白いと思ったものを

再度洗い直してみました。

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「何で裁判所の前でビラを配ったり、演説をしているのかな?」

と一人の子は、いまだに気にしている様子。

裁判、裁判所については彼なりのイメージはあるようだが、

それが漠然としていることにも薄々気がついているようです。

ただし、「もっと知りたい。」と思っても、

自分から積極的に動けないようなので、

こちらかの後押しが必要になる。

そこでまず、東京高裁の前と最高裁判所の周りの雰囲気について聞くと、

「・・・・・、最高裁の方は人がいなかった。」

と思い出すのに少し間はあったが、はっきりとした答えが返ってきた。

続けて、「ビラを配っているおじさんや裁判所について自分で調べてみる?」

と誘うと、間髪いれずに

「やってみる。」の返答。

どうやらもう一度現場に出向き、おじさん本人に話を聞いてみることに

乗り気になったようです。

そのためにやるべきことを打ち合わせをする。

「まず、訊きたいことを書き出してみよう。」

ペンを片手にノートに向かう。

「事前にインタビューの練習しておいたほうがいいよね?」

「うん。」

きっといい経験になるはず。頑張ろうね。

<br>
もう一人の子は、

『夢の下町バス』・台東区の『東西めぐりんバス』や

国会議事堂付近で目にした警察車両などの乗り物

全般をお気に入りの筆頭に挙げる。

それにかっぱ橋で写真に収めていた食品サンプル

『生ビールのジョッキ』が続く。

四コママンガのごとく、徐々に傾き最後はテーブルに泡が

こぼれ出るという四つワンセットのサンプル。

「なんでビールがこぼれるの。」

とささやいたコメントはとても良かったよ。

さらに、きび団子、雷門、バンダイのビルと枚挙にいとまがない。

二人が『ニセ花』と呼ぶ造花にも未練があるようす。

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この時点ではまだ絞りきれていないことに

少し不安は残るのだが。

次週からはまとめの作業に集中していこう。



TY


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2つのミッション進行中!

「暮らしを支える機能について詳しく知るため」に先週は、青梅街道沿いにある杉並消防署を見学・インタビューしてきました。


今週はそのふりかえりから始まります。
インタビュー内容を記録したメモを元に、
消防署インタビューで発見したことを挙げてもらうと、多くのことが出てきました。


s-P6296869.jpg「しょうぼうふくにきがえるじかんは10びょう。」


「火を使った訓練をしているのは、東京都では東京消防署だけ。」


「はしご車のはしごの長さは30m。」


s-P6296870.jpg細かい情報も逃さず、後でも見易く記録することは今後の課題ですが、
自分が質問したことを始め、要の情報はメモできていました。


そして、発見したことをきれいに書きなおしをしてまとめる作業も行います。


ふりかえりをしている際、ある子から、


「あの、チョコレートを売っていたお店にインタビューに行きたい。」


という発言が。街について、もっと知りたい気持ちが出てきたようです。


s-P7016961.jpg同時に、青梅街道MAPも作成を続けました。
今週は、見つけた建物を分類する作業です。


分類すると言っても、分け方は多様。
子ども達がどのようにグループ分けするか見ていると、


「交番と消防署で『誰かを助ける』グループだ!」


そこから、お食事チームや会社チームなど、彼らなりの分類をしていきました。
今週、分類できたのはほんの一部。
来週にはマップ完成を目指して頑張ろうね!


そして、もう一つのミッション遂行のため、
外にインタビューへ出かける(そしてそのための準備)のために、動き出そう!


「街には何があるのか、そしてそれらがあることで私たちの暮らしにどれだけの影響があるのか、
それらは暮らしにおいてどんな機能を果たしているのか。」
ここからは、今までのミッションを通して、これらのことを自ら動いて実感する過程へと向かいます。



EN


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2010年07月09日

みなさまのおかげで・・・駄菓子屋閉店!


いよいよ今週で駄菓子屋が閉店になります。
残りの営業は3日間になりました。

どうすれば、もっと売れるのか知恵を絞ります。

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「小・中学生は、そんなにお客さんがこないねぇ」
「一番多く買っていっているのは親子連れだね」
「そういえば、近くの公園に親子連れの人達が大勢いたよ」
「そこに売りに出ればいいんじゃない?」
「そこまで出張していこう!」
「細かいのだと買いづらいから、ふくろに入れてまとめようよ」
「そうすると、量の多いものからいれていけば、在庫も整理できるぞ!こちらも得だ!」
「さらに買った人達にくじ引きもできるように、持っていこうよ」
「そうすれば、喜んでくれてきっと売れるよ」

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さらに、
だんだんと商品数が少なくなってきているので残りの営業日程のことを考えて・・・
「商品が少なくなってさみしいね」
「もっと商品を入れたいけど日にちがあまりない。」
「今、入れて売れ残ると・・・」
そこで計算機を叩きます。
売れ残ると、それだけ利益が出ません。
しかし、買いたいと思うものがなかったら、その分利益が出るチャンスを逃すことになる。
データの分析から予想を立てます。
どうすればよいのか考えました。


その中から結局、この駄菓子屋で主力となっている売れ行き好調なものを、原価が安いので大量に買うことにしました。
その他の細かいものは、原価の高くはなってしまうけれど少量買える仕入先にて買うことにしました。


営業開始から、すぐに出張販売のにでかけました。
それは、早い時間の方が親子連れの人たちが公園にいることをリサーチして分かっていたからでした。

売り子の子たちがとても笑顔で帰ってきました。

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「いっぱい買ってくれたよ」
「全部売り切った!」
「またこのお店にも来てくれるってさ」

出張売りは作戦大成功です。
このことによって売り上げものびていきました。


しかし、うまくいくことばかりではありません。
アクシデントもありました。
ある日、売り物を落としてしまい、汚してしまい売り物にできなくなりました。
さらに、1度アイスも溶かしてしまい、もう一度凍らせると形が崩れてしまいました。
固まったものの売り物になりません。
その分自分たちの損失になってしまいます。

「売り物にはできないな」
「でも、安くしてお客さんが納得してくれればいいんじゃない」
お客さんに説明をし、「味は一緒で安いからお得だ」
と思ってくれる人が買ってくれました。

アクシデントがあった際にもなんとか、その場の状況を挽回できないかと考えることも学習でした。


「やった売り切ったぞ!」
いろいろなことを乗り越えて、閉店予定の40分前にはすべての商品を売ることができました。
小さい店員たちは、満足した笑顔でとても充実感を感じていました。

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さて、らいしゅうはいよいよテーマ発表会。
題して「仮想株主総会」ということで、
今回の経営のことについて報告します。




TK


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電気に依存する生活の見直し

週末、自主的に調査に出かけた子どもたちにどんなことがわかったか聞いて
みました。

「白熱灯は、省エネ蛍光ランプに比べると安いけど、5年間で比べるとこれだけ
お金が得だし、消費電力も少ないよ」

電灯班の子は、電気店の人から算出方法を教わり、一緒に計算して出した値
に基づいて説明してくれました。

「冷房するときは、フラップを下向きにしてはダメ。それだと冷気が下にたまっ
ちゃうんだ」

エアコン班の子は、設定温度だけでなく、エアコンから出る風を室内で循環させ
ることが重要だと調べてきました。

「冷蔵庫の中にビニールのカーテンをつけて、冷気を外に出さないようにする」

冷蔵庫班の子は、調べた資料を参考にしながら自分なりの提案を考えました。

インタビューし、資料を読み、日常の行動を変えればできる節電方法について、
子どもたちの知識は着実に増え、節電への意識が高まりつつあることがわかり
ます。

s-PIC_1023.jpg  s-PIC_1022.jpg

日々の生活の中で実行すべき節電方法を子どもたちが知り、わかったつもり
が顔を出しかけたところで、

「電気を節約って言うけれど、全く使わないやり方もある!」

という大どんでん返し!那須にある非電化工房(http://www.hidenka.net/)
を訪問しました。この工房を運営なさっているのは、日本でも有数の発明家で、
『愉しい非電化』などの著書でも知られる、藤村靖之博士です。

「きみたち、素晴らしい反応力だね!」

普段、見学に来る大人たちよりも鋭い意見を連発する子どもたちと出会い、
藤村さんは感動し、問いかけます。

「電気ポットって要るかな?」

そう言われれば……要らない!温熱便座もカバーをすれば要らない。「節電」
以前に、「電気なし」でも済ませられるモノまで電化しているのではないか
という疑念がわきあがります。

「電灯に使う電力量の3割は昼間消費されているから、うまく光を採り入れる
ように設計すれば電気は要らない。それに残りの7割も、手元だけ明るくする
だけなら6割は不要だよ」

わかりやすいデータに基づいて静かに説明する藤村さんの言葉に子どもたち
はじっと耳を傾けます。

日本人は「間接照明」に慣れていないから、やたらと部屋を明るくしたがり、
電力もより多く消費している現状を知りました。

「博士の家、灯りつけてなかったのに暗く感じなかった……」

博士のレクチャーを聴いた広間は、自然採光を考えた設計がなされており、
曇天だったにもかかわらず、照明なしでも十分に明るかったのです。また、
20万円で建築可能な、モンゴルのゲル風にデザインされた籾殻断熱ハウス
も、光と風をうまく室内に入れる工夫がなされており、昼間の照明もエアコン
も不要。

「おっちゃん、ここが教室だったらいいな」

という声が飛び出したぐらいの快適さです。

電気なしでも豊かに愉しく暮らせることを目前の現実として示されて、子ども
たちにとって衝撃の一日になりました。

s-PIC_1021.jpg  s-PIC_1025.jpg

室内の温度が上がると、冷蔵庫の消費電力は増える。室内の温度を下げる
にはエアコンを使う。でも……そもそも冷蔵庫自体が室内に放熱している。
その熱が室内にこもるなら、室温が上がり、エアコンを使わざるを得ない……
何か変だなあ?

うちのトイレには窓がない。真っ暗だから電灯が必要。でも窓があれば昼間
から電灯をつける必要はない……何か変だなあ?

節電のためにムダづかいしない工夫をしないといけないけれど、電気を使わ
ざるを得ない「仕組み」を変えないと根本的な解決にはつながらない……
まるで「電化製品」という“おもちゃ”を「家」という“おもちゃ箱”に乱雑につめ
こめるだけつっこんでゴチャゴチャしているみたい……そんなイメージが浮か
び上がってきました。

「でも、スイッチ押すだけで、時間がかからないでできるから便利なんだよな」

ある子が電気製品のとりこになってしまう理由をつぶやきました。忙しく、あわ
ただしく生活するスタイルを続けている限り、電気に依存した生活から脱する
ことはできないでしょう。

「お金さえ払えれば、電気をいくらでも使っていいと思う?」

そう問いかけると

「う~ん、なんかそれは違う気がする」
「だって自分たちの環境が悪くなるよ」

「自分たちの都合が悪くなるという理由で節電が必要なんだよね?」

さらなる問いかけに「???」しばし無言。

節電についていろいろ調べて、やるべきこともたくさん見えてきたのに、なんで
そんな質問をするの?と言わんばかりに子どもたちは私をにらみ、ため息を
ついて顔を下に向けます。

ただ家電製品の節電方法を知ればよいという学びでは、「共存共生」を目指す
追究にはなりません。電気を安易に使うことに慣れきっているライフスタイルを
見直すという「視点」を持たずに、節電アイデアを考えるだけでは、問題の本質
に迫ることはできません。テーマ発表に向けて最後の難関を迎え、熟考モード
に突入です。

RI

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東京を巡る独自のバスツアー

テーマ「東京発見伝」の5週目です。

皆で、東京の街中を巡る独自のバスツアーを検討。

そのためのお出かけもします。

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子供たち、特に男の子は乗り物が好き。

わが東京発見伝チームの二人もご多分にもれず。

都心の街中では様々なバスに出会う。

「ねえ、あれ見てあれ見て!」の声に振り返ればバス。

もちろん通常の路線バスではなく、彼らの熱い視線の先は

『スカイバスやはとバス』であったり、『東京夢の下町バス』であったり。

しかし、そんなことから観光客用のバスが都心でも下町でも、

とても多いことに気づかされることにもなりました。

「観光バスが結構たくさん走ってるね。」

とそのことについて彼らに一度コメントしておきました。

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『東京発見伝』をどのような形でまとめるかを決定する上でこれが役に立ちました。

子供たちと良いアイデアを模索している中で、

「夢の下町バスの走るコースを自分たちでつくってみるのはどお?」

という案を出して聞いてみると、好感触。

「都庁を入れてもいいの?」

「どこからスタートするの? どこに停まってもいいの?」

と話し合いが活気を帯びる。

『停留所は自分たちが実際に足を運んだところ』

という条件をつけて候補をあげてもらう。

東京高裁、雷門、かっぱ橋、造花の店と立て続けに出てくる。

すると一人の子から、

「本物の下町バスに乗りに行ってみたら。」の提案が。

もう一人の子もこれに異存があるはずもなく、

「高裁前でビラ配りをする人へのインタビューに出かけるついでに乗りに行こう。」

とこちらの予定していた日時を告げ、最後に

「乗りに行くのは今後の参考のためだよ。」とその目的を伝えました。

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外出は実りあるものとなりました。

かっぱ橋の食品サンプルの店ではいろいろ話が聞けたし、

前回は途中で引き返した浅草仲見世を通り

浅草寺まで歩くことができた。

ただ、バスツアーの見本とするべく乗り込んだ

夢の下町バスの中では、二人とも興奮しすぎて

あまり目的を果たせずじまいのきらいがあった。

しかし、最大の収穫は高裁前のインタビュー。

子供にとって本命だった『ビラ配りの人』は、この日

来ておらず、『演説の人』に話を伺う事に。

するとこの方は、インタビュアーとなった子が自分で調べた

資料と関わりがある事などが判明。

質問にもやさしく丁寧に答えてもらえたこともあり、

この子にとってたいへん貴重な体験となったようです。


さあこの後は、東京について二人が掴んだであろうものを、

ほかの人にうまく伝えられるかというタスクに向けての

最後の追い込みとなります。




TY


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街にはたくさんの分類がある!

街にはたくさんの分類がある!_01作成を進めている「青梅街道MAP」。今週はその佳境をむかえました。
長い時間をかけた、たてものの分類もやっと終わりました。
そうしたら分類を元に地図に色塗りをしよう!


ただし……「かいしゃチーム」「おしょくじチーム」「ぎんこうチーム」など、19チームに分かれました。
地図に19色で塗っても分かりにくいよね……。
そこで、それらをまた分類することにしました。


「警察署とかは人を助けるグループだ!」
「クリーニングと、ガソリンスタンドと、美容院……、何かをキレイにするよ!」


街にはたくさんの分類がある!_02  街にはたくさんの分類がある!_03
スタッフが想像しえなかった分類が生まれました。
そうして5チームに分けて、早速色塗りを始めました。
色ごとに分かれて塗りましたが、子どもたちは
「◯◯、ここに(『人がはたらくグループ』が)あるよ!」
と教え合う場面が多く見られました。


また、今週はインタビューにも出掛けました。
MAPを作っていると。子どもたちから、
「□□にインタビューに行きたいよ。」


じゃあ、自分たちの力でインタビューをしに行こう!
インタビューの約束を取り付けるところから挑戦してみました。


お店は、荻窪駅から歩いて10分ほどのところにある、生チョコレート専門店『プチ・ガナッシュ』。
(食べてみましたが、口の中でとろけて本当においしい!)


お店に着くと、シャッターが降りていて、
「お休みかなぁ……どうしよう……。」


と思っていたところ、


「前にも、来ていましたよね?」
まだ、お店の方が近くに居て、私たちに気づいて声をかけてくださったのです!


そこで、早速インタビューのお願いをします。
「私たちは、東京コミュニティスクールから来ました。私たちは街について調べています。
このお店について知りたいのでインタビューさせていただけませんか?」
緊張しながらも、練習を活かして言うことができました!


街にはたくさんの分類がある!_04そして、無事インタビューの約束を取り付け、翌日にインタビューをすることができました。
インタビューに答えてくださったのは、店長の藤原さん。
笑顔の素敵なとても優しい方で、お忙しい中、子ども達の質問に答えてくださいました。


街にはたくさんの分類がある!_05
どんなお客さんが来るのか、店員さんは何人か、商品の材料には何を使っているのか、どうしてこの場所でお店を始めたのかなど、子どもたちからはたくさんの質問が出ました。
歩いた街にこのようなお店もあることは、子どもたちの印象に残ったようです。


さて、来週は最終週。
今まで調査して集めたデータから、発表会に向けて動き出します。
自分なりの気づきを導き出し、その発見を伝えよう!



EN


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2010年07月10日

写真の達人

今年は春から、その道のプロから学ぶ“達人”シリーズが続いています。
その内の一つ、『写真』の達人。
講師は以前から、TCSの写真を撮り続けてくださっているカメラマン今村拓馬さんです。
クラスは、4~6月に渡って行われました。

ゴールデンウィーク中に自身で撮った写真から一枚を選び、
その時の様子や浮かんだイメージを文章にしました。

子ども達の作品、そしてそこに添えられた文章をご紹介します。


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写真の達人_01
ゴミ置き場みたいな所で、
犬が水をほしがっているのかな?
日なたぼっこをしているのかな?
眠いのかな?
あついのかな?
だるいのかな?
犬の気持ちは
ぼくにはわからなかった。
(5年生 男子)


写真の達人_02
注目すべき所
まずこの写真はサッカーボールが大きく見えるよう寝っころんでさつえいした。
寝ながらさつえいした理由は芝がやわらかかったからです。この写真は久々にとった電車の写っていない写真です。ボールが浮いていたらもっとよかったかもしれない・・・。後からそう考えると他の写真も良かったかもしれない。
(5年生 男子)


写真の達人_03
山もきれい
野原もきれい
虫も犬も見ている
太陽も見ている
でも見ると太陽じゃなく赤いてんとう虫が飛んでいるだけだった。
ふと思った。
ぼくは浮いていた!
あの山に行きたいな
小さくなって野原の中を走りたいな・・・
思うとゆめの中
あの時・・・
あの場所・・・
また行きたい
また行きたい
(5年生 男子)


写真の達人_04
真っ青な空、白くてうすくうかぶ雲、白く雪がのこっている山、濃い緑の木々、青々とした草、低い建物、東京の風景とは約正反対に等しい。いつか東京もこの風景に近づくといい。だか今のままだと近づくばかりか遠ざかっている。空の色もちがう、山など、大きな富士山しかよく見えない、どこに行っても木があるわけではない。同じ国とは思えないほど私は美しいと思った。
(4年生 女子)


写真の達人_05
おさないこ
 おおきなたいど
  いばってる

ひとかげの
 いちばんまえに
  すごいひと

のりものが
 あしをだすほど
  ちいさいな

ハンドルに
 こうさであしを
  のせている
(4年生 男子)


写真の達人_06
 この写真は、あんまし好きじゃない。
 なんでこの写真を選んだかというと、他の写真の方が真っ暗で何が写っているかわからないからだ。
 もっとイイ写真がとりたかったのだ。
俺(おらあ)ーもっと楽しーよーな、不思議なよーな、明るいよーな、うるさいよーな写真がとりたいのだ。
 この写真をとった理由は、暗え所から真っ青な空にのぼって自分の手で出てきた感じをとりたかったからかな。
(6年生 女子)


写真の達人_07
 私はウサギです。みんないっしょに集まって、楽しいお話すすめてる。なになに?と入ってきても、話がなんかずれちゃうんだよね。なんだかね。でも、別にさみしくないからね。だってウサギってコトはいっしょだもん。
(5年生 女子)


写真の達人_08
   木木木木木・・・・・は木
 木は木なんだ。
 40年前30年前20年前10年前にできた木も木は木なんだ。
 でもなんかホテルの庭に植えられている木・・・
それでも木はみんなに見られているからうれしいのかも。
 やっぱりどこにはえてもうれしいのかも。
 やっぱり木は木は木なんだ。
(5年生 男子)


写真の達人_09
松の根本からの光
 松の根本に太陽の光が降り注ぐ。
 葉のすき間を、光が通る。
 葉の多いところと、少ないところがある。
 光の注ぎ具合がいろいろちがう。
 葉のこい緑のところと、黄緑のところで、
 光の当たり方がちがう。
 この松の下からの、光や景色や、葉の色にたくさんの種類がある。
(6年生 男子)


写真の達人_10
おかしのアンパンマン。
一人でいたずらしながら食べていく。
パクパクパクどんどんアンパンマンがかけてくる。へってくる。
だけどアンパンマンを食べてもふつうの味がする。
それはきっと一人で食べているから。
みんなで食べたらもっとおいしく、感じるのだろうか。
(5年生 女子)


写真の達人_11
 竹やぶの写真
 さらにでっかく見るともっときれい。
もっと大きく見るともっと楽しい写真になった。だからおもしろい。それを見ると、そこに入るように思えます。竹が太陽の光で、もっと緑の竹がきれいで、それにちっちゃい竹のこがあってかわいいしきれい。さらにでかい写真だとそのきれいな竹も、もっと見やすいし、ちっちゃい竹のこもちっちゃいのによく見えてかわいい。
(6年生 男子)


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2010年07月16日

株主総会、開催!

[6年生]

テーマ発表会が迫ってまいりました。
今回、駄菓子屋という事業をやってきました。
『仕事』をしてきたのです。

そこで、今回は事業報告ということで、テーマ発表会は『株主総会』を行うことになりました。
そのことをみんなに伝えました。

P7093295.jpgP7133298.jpg

「株主総会って聞いたことはあるよ」
「どういうことを言わなければいけないんだろう?」

調べてみると、グラフなどが多くカラフルで

実際のプレゼンを考えるために、営業においてやってきたことや考えてきたことを出していきました。
「仕入れは工夫したよね」
「袋売りが売れたことは、」
「総仕入れ値は?」
「どれだけ人が通るかを調べた」

今までやってきたことが多く出てきました。

イメージマップに描いていくと、いろいろ自分たちがやってきた軌跡が改めて分かりました。

今回はプレゼンテーションは、パワーポイントを使うことにしました。
スクリーンで大きく映して、説明を加えていきます。

P7143323.jpgP7153331.jpg

「見たことあるよ」
「ごちゃごちゃしていると、見づらいよね」
どこかで見たことあるようで子どもはよく知っています。
「伝えることを絞っていこう!」

『ワンシートにワンメッセージ』ということがプレゼンテーションの基本になります。
たくさん意見が出てきたことから、絞っていくことにしました。

そこで「自分たちのお店で自信を持って、アピールできるウリってなんだったかな?」
と問うと、
途中、営業の業績が悪化してきたときに、考えて行動した「袋売り、出張販売」が思い浮かびました。

このようにイメージマップに最も伝えていきたいことをピックアップし、色をつけていきました。
そこから、考えを整理するために、書いた項目のつながりを考えました。

そうすると、自然にストーリーになっていきました。

「アイスが溶けたり、ガムを落としてしまったことがつながっているのは・・・」
「そこから経費のことを考えていった」
「テーブルクロスをダメにしてしまったのも経費だね」

「調査したことと違って、小中学生が意外と来客が少なかった」
「そうそう、ターゲットが変わっていったね」
「あと、雨だとアイスも売れないし、お客さんも減ったから、袋売りに繋がっていったね」

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自分たちが経験して試行錯誤してきたことは、感心するほど子どもたちの記憶に残っていました。

そこから自然と株主総会のプレゼンテーションの話しになっていきました。

みんなで分担して、一枚一枚のイメージを作り、その紙を並べ見て、足りないところはないか?変わりづらいところはないか?並べ替えた方が良いのではないかと推敲をひたすらに繰り返していきました。

残りは時間との戦いです。締め切りは待ってくれません。最後の最後、本番寸前まで、これでいいのかという練習は続いていきました。


いよいよ本番。今回は株主総会ということで、みんなフォーマルな服装で、ビシッとして臨みました。
大画面に自分たちのプレゼンテーションが、映し出され、話し出しました。
練習してきたように、ゆっくりと大きな声で、丁寧に話をしていきました。

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次に質疑応答に移りました。

「今回は、前回経営した時より利益がおちたという事ですが、どのようなことが原因だったと思いますか?」
「株主総会では、利益分をどうするのかを報告するのですが、今回は報告がありませんが、どのように処分をするのですか?」
「自分たちの時給のことは考えてみたのでしょうか?」
さすがに株主総会といった感じで、厳しい意見が飛んできました。
子どもの学びに関して、真剣に刺激を与えようと言う気持ちが見えました。


しかし、自分たちの意見を根拠を持っていけたことはさすが6年生であったと感じました。
果たして、自分たちの事業に対する思いは、伝わったのでしょうか?
質疑応答も終わり、無事になんとか株主総会を終えることができました。



TK


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人間の限りなき欲求

[4・5年生]


「人間は楽な方がいいから、ガマンする省エネプランはダメだと思う」

ある子がつぶやきます。

「電気を消したらポイントをもらえるっていう節電ゲームをすればみんな
楽しめるかな?」

別の子が提案します。

「明るくないと本当に目が悪くなるのかな?」

さらに別の子が疑問を出します。

「冷蔵庫は余り物を入れるものって考えると、余り物を近所の人と分け
合えばいらないかな?」

またまた別の子が意見を出します。

電気の節約方法を提案するだけでなく、人間の限りなき欲求をどう制御
するか熟考は続きました。

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冷蔵庫班の子どもは、さっそく冷蔵庫を動かし、周囲に十分スペースを
作り、放熱によって温まった空気が流れるようにしました。電灯班の子
どもは、昼間使う必要のない電灯のスイッチに目印のテープを貼って、
使わないように警告しました。自分たちの立てた省エネプランの実行に
向けて子どもたちは動き始めました。

「また、つけっ放しじゃない」

「まったく……ちゃんと消してよ!」

スクールのエアコンや電灯のつけっ放しについて、言われてではなく、
自ら気づき始め、注意し始めたところは学びの成果の一つです。ただ、
子どもたちが、電気をムダづかいしなければいいのだ……というところで
とどまってしまったら、学びは浅いものになってしまいます。調べた省エネ
プランを自ら実行し、協力をみんなに訴えてゆくことは大事ですが、それで
よし!では「共存共生」の学びにはなりません。

「自分たちが省エネするしかないじゃん」

という子どものもっともな発言を受けて

「それはその通り。でも、人間の限りなき欲求を見直さないと問題の根本
解決にはならないよね」

と、ライフスタイルの見直しまで掘り下げてみるように促しました。

「ピンとこないなあ……」

電気を用いないライフスタイルが「楽しい」というイメージはわいてこないと
正直に戸惑いを明らかにする子がいます。

「便利になって時間がいっぱいできても、その時間をやらされる仕事に使う
のはどうかな」

電気の使用によって生まれた“時間”を有効に活用するというと聞こえがいい
ものの、じつは仕事に追われてあくせくしているだけ。働かないとお金がない
というけれど、そのお金で不必要な電化製品を買っているなら、それが本当
に豊かな生活なのか……鋭い発想をする子も出てきました。

s-PIC_1032.jpg  s-PIC_1033.jpg

テーマ発表では、自分が考えた節電プランと、電気をなるべく用いないライフ
スタイルについて自分の見解を述べることにしました。

「冷房は、部屋を涼しくするためにあるんだから、部屋が涼しければ冷房は
要らないんだよね」

エアコン班のひとりの子がアイデアを述べると、すかさず別の子が、社会で
習った「ヒートアイランド現象」について語り始めます。そんな話し合いを通じて
空気が通り抜ける家の構造にするとともに、涼しい風を生み、気温を上昇させ
ない街づくりをすることが必要だと気づき、そのことを訴えようと決めました。
壁面緑化が気温低下に効果があるように、木々や植物が周囲にあれば、節電、
省エネに効果があるだけでなく、人間が活き活きと暮らせる街となるでしょう。

窓を大きくしたり、空気の通りをよくすると、冬場、すきま風に悩まされるのでは?
いやいや、吉田兼好が徒然草で「家のつくりやうは夏をむねとすべし。冬は
いかなるところにも住まる。」と言っているように、今年の猛暑を考えても、
夏涼しく暮らす道を考えることが先決だ……子どもたちとアイデアを語り合い
ながら、自分自身、いろいろなことを思い悩みました。

人間の限りない欲求と「共存共生」を意識した楽しい暮らしとの両立。
追究すればするほど悩みは深まります。

RI

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ツアーで巡る「東京発見伝」

[3年生]


「東京発見伝」ツアーバスで都心・下町を紹介


いよいよ最後の週になりました。
土曜日の発表会に向けてラストスパート。
発表のスタイルについては


『仮想バスツアーというかたちで』
『撮った写真や動画をスライドで流しながら』
『停まる場所は7箇所ぐらい』
『それぞれの場所で感想や意見を入れる』


ことなどを決めたものの、停まる場所、停まる順番という
基本的なことでお互いが譲らず、
全ルートの決定は最後まで難航。
一人の子から出ていた、
「タイムスケジュールを盛り込んだ簡単なチラシを作れないかな。」
というアイデアは立ち消えになってしまった。


ルートが決まらずともやるべきことは山積。
こちらであらかじめ、スライド用の写真の選定作業をしていると、

「ルンルルルルル、山手線、真ん中通るは・・・線」

と鼻歌まじりの動画がデジカメから。

先週、夢の下町バスに視察乗車した際、
興奮しすぎ、はしゃぎまわっているだけかと思っていたら
しっかりと仕事をこなしていてくれた。  
思わず心の中で(でかした!)と叫んでしまった。


この子は、雷おこしの実演販売の動画もしっかりと
カメラに収めていて、その姿を思い出し
あらためて頼もしさに気づかされました。(感謝!)


発表が近づくにつれ、ルートについてお互いが、
だんだんと譲歩しはじめ、また、
「この場所については自分が話をしたい。」
といった意地の張り合いも消えて
何とか発表のかたちは整いました。

【TCSから浅草橋、かっぱ橋へ、その後浅草から東京地裁と国会を通り、最後は都庁】

と巡るルートが決まりました。
そして、コメントを一人だけで担当する場所と
二人で協力して行う場所も決めました。


しかし、発表の練習をする時間はあまり残っておらず、
少なからずの不安を抱えて本番を迎えることとなってしまった。


ところが発表当日、二人はあわてることもなく
「足を棒にして得たことを、うまく伝えることができるのだろうか。」
というこちらの不安をよそに、なかなかのパフォーマンスを見せてくれました。

TCSからスタートしたツアーバスを、順調に最後の目的地都庁へと走らせ、
無事任務を果たしました。
伝えたいこともあるていど皆さんに伝わったようです。

二人にとって、きっと自信へとつながる経験となったことでしょう。




TY


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街には多くの機能がある!

[1・2年生]


街には多くの機能がある!_01『Thank you very 街』最終週。
先週から進めていたマップの色塗り(分類)も“ほぼ”完成に近づきました。
“ほぼ”というのは、何軒かどんな建物か分からず(思い出せず)に、
どのグループに入れたらよいかわからなかったからです。


では、確認しに行こう!


ということで、最後の調査隊を行いました。


街には多くの機能がある!_02すでに歩いた街をもう一度歩くことで、


「あー、(ラーメン屋の)○○だー。」
「(見学・インタビューをした)“杉並消防署”から救急車が出ていくよ。」
「ここ、行ったよね!」
「この近くに、(インタビューをした)“プチ・ガナッシュ”があるよね?」


などなど、以前の調査のことを思い出し、街への関心を高めていることを感じました。


そして、最後の調査を終えて、やっと『青梅街道マップ』が完成しました!


調査中も、完成したマップを眺めている時にも、子どもたちはいろいろな発見をしていました。


街には多くの機能がある!_03「荻窪駅の近くにも郵便局はあるのに、どうして駅から離れた場所にも郵便局があるのかな?」
「どうして、同じ会社の駐車場がすごく近くに2つもあるのかな?」


良い気付きをしていても、まだ、それを発見だと気づいていない子どもたち。
その発言を活かして、それは大切な発見であると伝え、
その疑問の答えを考えてみる機会を設けました。


街には多くの機能がある!_04  街には多くの機能がある!_05
テーマ発表会では、その発見を伝えること、
そして、マップを作る際にどのようなグループ分けができて、
そのグループにどんな意味があるのか伝えることに挑戦しました。


テーマ発表会本番では、大きな声で堂々とこれらの伝えることができていました。
質問には、まだ答えられなかったこともあったけれど、
その経験とふりかえりを活かして、次に繋げよう!


今回のテーマを通して、街に何があるかを調べることで、
街には多くのものがあることに気付いた子どもたちでした。


EN


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2010年07月17日

2010年度夏休み課題図書up

東京コミュニティスクール2010年度夏休み課題図書をUPしました。
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2010年度夏休み課題図書

2010年07月22日

富士山登頂!

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梅雨があけ本格的な夏。猛暑に突入。
そんな時期にTCSは『富士山登山』に出かけました。

7月21,22日の二日間のスケジュール。
子供と大人総勢40人という大パーティー。
朝7時40分、チャーターしたバスで一路富士五湖へ。
途中でガイドさんをピックアップ。

吉田口ルート五合目に到着は10時半頃。天気はうす曇り。  
そこで1時間半ほどぶらぶらと過ごす。
薄い空気に慣れるという高山病対策の第一弾。
我々はすでに標高2,300メーターに立っていました。
杖を買い込む者、レストハウスの内外を歩き回る者、
テーブルでゆったりと体を休める者、子供たちは
集まりちょっとしたゲームと、過ごし方はまちまちである。
出発時間が近づく。靴紐を結び直し、荷物を再チェックしつつ、
めいめいが心の準備もおこなう。


12時すぎ、ガイドさんを先頭にスタート。
ゆっくりゆっくりとしたペースで歩を進める。
そして、短いインターバルで休憩し、水分と栄養をこまめに補給。
これが高山病対策の第二弾。


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今回利用する吉田口ルートでは、六合目あたりから
砂礫の混じった砂利道がジグザグに続く。
六合目からは、それまでの樹木の多い緑の自然が突然、
背の低い植物の点在する砂地となり、大きな変化を感じる。
そして、それまで横への移動といった感じだったのが、
勾配のついた坂道となり、「本格的に山を登るのだ。」という心構えにさせられる。
七合目の最初の小屋が近づいてくると岩場だらけの道へと変わり、
この後ところどころでこの岩場が出現し苦しめられました。

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低学年の子供にとっては、全身を使ってよじ登らざるをえない箇所もあり、
たいへんハードな運動になったのでは。
大人にとってもあの薄い空気の中ではかなり辛いものでした。

七合目にはいくつもの山小屋があり、休憩を取るとともに
杖に焼印を押してもらうのを楽しみにするメンバーも。


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この日宿泊する鳥居荘は、七合目の中の最後から二つ目の小屋で
文字通り鳥居が目印となっていました。
その鳥居荘を目指し、一日目の行程もあと少しという時、にわか雨に遭遇する羽目に。
これは、みんなの装備がきちんと用意できていたかを試すよいテストだったのかも知れません。

鳥居荘からの夕景
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5時すぎ、全員鳥居荘に入り寛ぎ夕食。明日に向け鋭気を養う。
この山小屋一泊が高山病対策の第三弾。
ここはいつの間にか標高2,900メートルほど。


いよいよご来光
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朝日に輝く山中湖
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『御来光』を拝むことは富士山登山では欠くことのできない大イベント。
翌朝、4時過ぎから少しずつメンバーは起きだし、その時に備える。
何台ものカメラに待ち構えられて恥ずかしくなったのか、
朝日はほんの少し雲の間から赤い顔を出してまた隠れてしまった。
待つことしばし、今度は堂々と雲の上にその姿を現しました。
結果として、二度その美しさを披露してくれることに。(合掌)

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5時過ぎ、山頂を目指し二日目の登山を開始。
高山病対策を講じていたものの、ほとんどのメンバーは
決して体調が万全というわけではなかったでしょう。
八合目になると高さは3,000メートルをゆうに超える。
ちなみに、酸素量は平地の70%程度という話も。
この八合目で一人の子が登ることを断念せざるを得なくなりました。
一度は体調を持ち直したのに本当に残念。
保護者として同行され、自らも登頂にチャレンジされていた
おじい様と一緒に下山の途につきました。


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八合目にもいくつかの山小屋があり、焼印を求めるメンバーは
休憩の合間に杖を持って行列に。
本八合目といわれる所を過ぎると、頂上付近まですっかり
見通すことができるようになった。
「もう少しで頂上だ。」の思いが頭をよぎり励みとなる。
鳥居を一つくぐり、もう一つの鳥居のある頂上までそれほど距離はない。
ゆっくりとあわてず足を運ぶ者、喜び勇んでペースを上げる者。
先に頂上に着いているメンバーの声援が上から降ってくる。
それぞれがそれぞれの感慨を胸に抱きながら頂上の鳥居をくぐり抜ける。

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頂上滞在は1時間弱。
コーラで祝杯を挙げるメンバー達がいれば、
当然はずす事のできない登頂記念の焼印を押し、山頂でしか売っていない
杖用の旗を購入するメンバーがいました。
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昼食後、火口を背景に全員で記念撮影をしてすぐに下山を開始。

下山は六合目まで、延々と続くつづれ折りの砂利道を
だらだらと下りることになり、面白味にかけるという意見が多かった。
また、ひざにかかる負担が大きく、大人の中にはかなり苦戦された方や
名誉の負傷をされた方がいらしたようです。
五合目のレストハウスへ戻り、八合目で断念し先に下山していた子と再開。
すっかり元気を取り戻していてみんなホッとしました。
すっかり予定の時間より遅れていたので、全員揃ったところで
さっそくバスに乗り込み帰路へつきました。
大変な二日間でしたが、皆さん本当にお疲れ様でした。

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2010年07月23日

2010年度夏休み課題図書

【1年生】             【 2・3年生】
       

【1・2・3年生共通】


【4年生】
       

【5年生】
       

【6年生】
       



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「お客様の笑顔を獲得せよ!」~ふりかえり~


株主総会も終わり、今回のテーマの振り返りをしました。
果たして株主総会の反応は?

みんなに書いていただいた振り返りシートを見直します。
「コンビニなどと差別化が図れたことがよかった。」
「資料が見やすく工夫されていてよかった。」
「売り上げ拡大のための改善を進められたのはよかった。」
「プレゼンとしてはとてもよかった。」
よい反応のものがたくさんありました。
子ども達もうれしそうです。

しかし、
「前の経営した先輩のデータを検証したのでしょうか?個数は多く売っても利益目標が達成できないのは経営としてNGだと思います。」
こんな厳しい意見もありました。
仕事としてやってきたことを考えると、まさにその通りです。
以前のデータを分析して、その問題点を明らかにすることの重要性を学びました。

「お得様には、割引をしたのですか?」
「ターゲットの人たちが自由に使えるお金を持っているかどうかを考えましたか?」
「通行量調査に関係なくそもそも駄菓子が売れる客層は決まっているのでは?」
視点としてはなかったことを指摘していただきました。

「あぁ、そうする方法もあったか。」
「でも、割引にしたら、儲けも減るから、そこも考えないと、難しいよね」

「自分の得意(好きなこと、向いている、自信がある)などありましか?」
このような質問もありました。
「お店番するのが好き。」
「在庫整理など計算をするのが得意。電卓でずっと計算していた」
「外に売りにいって、話しかけるのは得意だったよね」
自分の向いている仕事というのもわかってきました。


株主総会の質疑応答で出てきた時給を考えてました。

「時給に換算すると、3人でこれだけの時間働いたから・・・約130円・・・。」
「こんなに安いんだ!」
「実際には、電気代とか場所代とかもかかるよ・・・。」
「うわぁ、これでは生きていけないな」
「・・・商売するって大変だな・・・。」


最後のまとめとして、感想を書きました。
「お金と時間がつながっていて大切なことを学びました。」
「利益から経費を引くとてもとにはほとんど残らなくそれを考えると大変。でも、ありがとうって言われるのはすごく嬉しかった。」
「経営ってむずかしいなと思った。」

最後に利益を分配して、終わりました。


今回、ビジネスの難しさを感じたテーマになりました。
しかし、同時に子ども達は商売をする喜びを感じる事ができ、思い出に残るテーマとなりました。
商売をしているところを見たときに、お金の流れがどうなっているのか、どういうことをウリにしてお店を経営しているのかなどいろいろな視点から見られるようになりました。
社会の中には色々な仕事があり、いろいろな事業が存在してなりたっているので、今後もそんな視点で見て言ってほしいと思います。
さらに、商売をするときに子の経験を生かしていってほしいと思います。




TK


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『限りある資源、限りなき欲求』~ふりかえり~

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テーマ発表会では、予想通り、大人たちから鋭いツッコミが続出しました。

「エコとはどういうことですか?」
「キャンドルを使った灯りはエコなんですか?」
「示した数値の裏づけはあるんですか?」
「提案したプランは既に実行したんですか?」
「ムダといっても人によって何をムダと思うかは異なると思うんですが」

子どもたちは大人達が投げかける本気の質問に対して、自分なりに考え、
誠実に答えようと努めていました。この体験こそ、高学年におけるテーマ
発表の最大の意義と言えましょう。

「しまった!そこはまだ調べきれていない!」
「ああ、やってなかった!」
と気づいたら、そのことを素直に表明し、これからやってみればよいのです。
また、自分がしっかり考えた末の見解については、ひるまずに再度説明
すればよいのです。こうして、子どもたちは、発表し質問を受けることで、
自分のやったこと、考えたことを見つめ直す機会を得ます。ひとりよがりに
ならず、他者からコメントをもらって謙虚に学ぶ姿勢を身につけてゆくために
テーマ発表と聴衆からの有益なフィードバックは不可欠です。

テーマ発表時には、提案したプランをまだ実行していなかったエアコン班の
子どもたちは、大掃除のときにスクール中のエアコンフィルターをきれいに
しました。そして、消費電力測定計を用いて、清掃前と後で消費電力量に
違いがあるのか調査することにしたのです。

ふりかえりの話し合いでは、大人から得たフィードバックを参考にして、3つ
のことについて考えました。1つ目は、夏休み明けから、スクールのみんな
に「節電」への協力を求め、エアコン・電灯・冷蔵庫の電力量を削減すること
です。提示したプランの実効性がなければ、納得してもらえないことは子ども
たちは自覚しています。だからこそ、支払い料金の削減という目に見える
成果によって自分たちの節電プランが有効であり、きちんとそのプランを実行
したことを示そう!とみんなの意見がまとまりました。2つ目は、もう一度、
「エコ」とはどういうことか考えてみようということでした。「エコ」とは、「エコ
ロジー」という言葉の略語であり、「省エネ」と直接結びつく言葉ではありま
せん。人間を含め、動物、植物を含めた生物全体がバランスを保って共存
していること、つまり、人間だけの視点で自然環境をとらえないということが
「エコロジー」です。したがって、節電すれば電気代の出費が減るというよう
な個人中心的な視点では、どんなに節電に熱心にだったとしても「エコ」
とは言えないということを理解しました。3つ目は、何を「ムダ」と思うかは
人それぞれで、みんなを同じ方向に持ってゆくのは難しいということです。
新しい電気製品を手に入れるのを楽しむ人にとって非電化はあり得ない
ことでしょう。早く便利に済めばよいと思う人には、スローで、手がかかる
ことは苦痛以外のなにものでもないでしょう。個人のライフスタイルの多様性
を許す社会において、「エコ」の視点で人々の生活を規制することは難しい
ということを再確認しました。

自分たちが普段どれぐらいの電力を、何を使うことで消費しているか、それを
どんな対策によって減らすことができるか、調査・実験し、数値を出して把握
しました。そして自分たちが実行可能な節電プランを考えました。しかし、
それは新たな追究の始まりに過ぎません。みんなを納得させ、まきこむこと
を可能にする省エネプランをどう編み出すか、局所的な対策ではなく、全体を
見通した対策をどう考えるか……それは、来年、『ロストエナジー』での学び
に持ち越しです。終わりが新たな学びの始まり。考え、悩む日々は続きます。

RI

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東京発見伝のふりかえり

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テーマ発表会では、二人とも持ち前の頑張りを見せました。
もちろん、全く改善すべき点が無かったわけではありません。
「顔がファイルにかくれたまま」であったり、
「質問していただいた人の方を向いていない」など、
発表での基本的なことを含め課題は残りました。
発表の構成などの詰めが甘いという点は、
指導する側の今後の課題となりました。


テーマ学習全体をふりかえると、
『街歩きに出かけ、好奇心を発揮して、多くの発見をする』
という第一の目標は達成できたと思います。
また、蒸し暑い中を長時間歩き回るフィールドワークを楽しみながらこなせていて、
そのことは発表会で多くの方に伝わったようです。
一つ残念な点としては、記録・情報が写真と動画に偏りすぎて、コメントや
自分たちで調べた情報を付け足すことをせず、せっかく集めた写真と動画の
情報に厚みを持たせることができなかったことです。


子供たちとのふりかえりで嫌だったことを聞いてみると、
「知らない人に話しかけて何か訊くこと。」という返事。
人見知り、あるいはシャイである彼らにはもっともなことである。
しかし、それもだんだんと自然な感じでこなせるようになってきました。
人に何かを伺うということはこの先重要な技術となるはずなので、
これからもどんどん挑戦し上手になってほしいものです。




TY


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「Thank you very 街」~ふりかえり~

「街にあって私たちの暮らしに必要なものは何?」
この問いかけから始まった、テーマ『Thank you very 街』。


「青梅街道調査隊」を結成して、青梅街道沿いを歩くことで街にはどんなものがあるのか、徹底的に調べました。
そして、見つけたものを分類して、図式化。
マップをつくることに意味が無いようにも見えるかもしれませんが、
街のほんの一部でも切り取って細かく見るだけでも、
街にあるさまざまな機能に気付くことができます。


本テーマでは、何度も街に出かけました。
そうしないと、完璧な調査にならないからです。
ときどき寄り道もすることで、
「区役所には、外国の人がいて、ここに住む時とかに来るんだ。」
など、どの場所が何をしているのか知る機会にもなりました。


実際、マップを完成させた子どもたちはとても達成感に溢れていました。
予想していたよりも作成には時間がかかりましたが、決して無駄な時間を過ごしたわけではありません。
建物一つ一つを分類することに力を注ぐことができました。


今回、子どもたちが作った分類は5つ。
『何かを売っているグループ』
『何かをきれいにするグループ』
『人がはたらくグループ』
『人や動物やものを助けるグループ』
『その他』


今回のテーマ学習は、この分類がカギとなりました。


発表前の話し合いでは、
「何かを売るグループのお店だって、人は働いているし。」
「そうしたら、全部が『人がはたらくグループ』になっちゃうよ。」
「どうしたらいいだろう……。」
と、迷う場面が見られました。


分類する上で、ダブりが出てきてしまうことはある。
この学びでは、そこで自分なりにきちんと、この分類の理由を説明できることが重要となりました。


マップが完成した後には、マップから見えてきた気付きや疑問を出し合います。
その疑問も、わからないままにせず、インタビューをするなど調べることができていました。
1枚のマップを完成させること、そして独自の発見をすること。
このような経験をして、このテーマ学習を通してリサーチスキルを磨くことができたと思います。


テーマ発表会後の振り返り。
「このマップにあるものって、全部私たちの暮らしを支えている?」と問いかけ。


すぐ、「無いといけない!」と答えるのではなく、
「郵便局は、遠くの人に荷物を運んでくれるし、スーパーは食べ物を買えるし……」
と本当に必要なのか考えながら、答えを出そうとする姿が見られました。




EN


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