東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2009年09月 アーカイブ

2009年09月04日

ロストエナジー

日常生活を漫然と送っている限り、便利で豊かな暮らしをただ享受するだけで
「地球人」としての「意識」は芽生えません。

地球上のすべての人々が豊かな暮らしを送れるような世界を作ることは可能か

持続可能な社会を築くためにわたしたちの暮らしをどのように変えたらよいのか

ということについて探究を進めてゆくのが探究領域「共存共生」の目標です。
この「目標」に到達するためのテーマとして「エネルギー問題」を取り上げます。

ロストエナジー_01 ロストエナジー_02

いつも通り、「エネルギー問題」について知っていること、聞いたことがあることを
イメージマップにまとめることからスタートします。

エコカー、ハイブリッド、石油、二酸化炭素、太陽光発電、バイオ燃料……

前回の「裁判」のときと同様、子どもたちからすいすいと「言葉」が出てきます。
世の中は「エコブーム」。グリーンニューディールが提唱される時代。
CMやニュース、テレビ番組でもエネルギー問題はしょっちゅう取り上げられます。
このため、子どもたちの頭の中に、知らず知らずのうちに「情報」が蓄積された
のでしょう。

「すごいな。よく知っているね。でもね今回のテーマの目指すところは
自分たちが知ったことの大事さをいかに伝え、みんなを動かすかなんだ」

エネルギー資源をどのように活用しているか、その結果どんな問題が起こっているか
知ることは「入口」に過ぎません。実現可能な解決策を見出し、普及する方法も含めて
提案することが求められます。
「なるほど、そうなったらいいな、私たちも協力しよう!」
と思わせ、多くの人々を巻き込むようにアピールすることが重要な課題なのです。
みんなが共感し、みんなが動くからこそ「共存共生」できると言えるでしょう。

みんなの「意識」を揺さぶり、みんなを「行動」に導く提言をするためには
エネルギー問題の「本質」を知らなければなりません。そのヒントを得るために
夏休みの課題図書としていた
『調べてみよう エネルギーのいま、未来』(槌屋治紀著岩波ジュニア新書)
を読み直すことからスタートしました。

ロストエナジー_03 ロストエナジー_04

「熱を住宅の外へ逃がさなければ、小さな暖房ですむ」
「薪やろうそくを燃やして光を得るのは、とても効率の悪い方法」
「ハイブリッドカーは、これまでの内燃機関の自動車の二倍の効率」
「大型発電所では、化石燃料を燃やしてできる熱量のうちおよそ40%しか
電力にできません」

キーワードは……「効率」

「エネルギーを使わないっていうわけにはいかない」
「石油の代わりに太陽光を使えばいいというほど単純じゃないよね」

作ったエネルギーをいかにムダなく使うか……
それもこまめに電灯を消せばよい!というようなレベルではなく
エネルギー効率のよい技術を開発し、それを普及するような社会の仕組みを作り
そのうえでライフスタイルの見直しを図るという総合的な対策を考えていかなければ
なりません。

「エネルギー問題」という「テーマ」が「エネルギー効率をいかにあげるか」という
「課題」へと落としこまれました。子どもたちは「みんなを動かす提言をする」
というところに既にやりがいを感じ始めています。そのためにどんな「追究」をしたら
よいか、次週は具体的な活動計画を立てる作業からスタートします。


RI

身と土?

今回のテーマ名は「身土不二」
この名前を発表すると、子どもたちの頭に?マークが・・・。
「いったいなんだろう?」「身と土が関係あるの?」
という疑問を残し、新しいテーマ学習が始まりました。

今回は「土」について探究していきます。

土について身近なものなので、知っていることとしていろいろ出てきますが、
まずは、『触ってみないと分からない。』
ということで体で思い出すことから始めました。
『近くで土ってどこにある?』
「さんしのもり!!」
すぐ近くの公園へスコップを片手に出かけました。
掘ってみると・・・

身と土?_01

「下に行くとやわらかくなるよ」
「あっ、ミミズだ!」
「こっちにも虫がいるな」
「何かの幼虫が出てきたぞ!」
いろいろな言葉が聞こえます。
「かたいところとやわらかいところがある」
まだ9月なので蚊と格闘しながら、つちいじりをしていました。

自然は肌で感じることが大切なのです。

翌日は、土に触ってみて感じたことを出していきました。
「土の中に生きものがいた」
「下の方のやらかいところは、虫がいなかったよ」
「下の方は乾燥していた」
「上の方はかたかったな」

「カブトムシの餌は、葉っぱなんだよ、土はやわらかくないと育たないんだ!」
幼虫を実際に飼っている子はとても熱く語ります。

『じゃあ、葉っぱがいっぱいあるといい土なのだろうか?』
『植物にとっては?』
畑をやった経験のある子どもから、肥料という言葉も出てきました。
「昔は畑やっている人は、人間のうんちを肥料にしていたんだって」
「動物のフンも肥料になるんだよ」


肥料は、栄養。栄養のある土はいい土っていえるのでは?という言葉が浮かんできました。
「湿り気」「やわらかさ」「生きものがいること」「フンがいっぱいある」など、
キーワードがあがってきました。

夏休みの課題図書で「土をつくる生きものたち」という本をあらかじめ読んでもらっていたので、
イメージも湧きやすかったようです。
身と土?_02

みんなで読み直しました。
雑木林では、土は、様々な生きものが噛み砕いていったり、フンをしたりして作り出しています。
そして、栄養を作り出していることが分かりました。土の中にいる微生物も大きく関わっています。
いろいろな生物が土を作り出していて、そこから栄養を植物に与えています。
しかし、子どもたちは実感がわかない様子です。

さて、来週は、いろいろな土を調べていく中で、いい土かということを調べていきます。
そして、実際に農業をやっている方のお話を聞きにいきます。


TK

砂に夢中!!

道ばた・公園・河原・・
身の回りに普通にある「石」。
今回はその「石」がテーマです。


子ども達とはまず「岩・石・砂・泥」についてイメージしてもらいました。
「この4つの違いはなんだろう?」
「岩はゴツゴツ!」「石は岩の子ども」「砂はサラサラ」「泥はドロドロ」
「岩は山と石の合体だ!」「砂は石が少ないんだよ」「小さいって事かも」
その後、辞書で定義を調べてみました。
子ども達のなかで大きさの違いで名前がつけられているのではないか。
という事がわかってきました。


そこで、ほんとに大きさの違いだけなのか 
今週は「石が少ない→砂」を蚕糸の森の色んなところで集めてきて
観察してみる事にしました。

砂に夢中!!_01
まずは、集めてきた砂をふるいにかけます。
残ったのは礫で落ちてきたのが砂です。
アスレチック・杉十のグラウンド・和田北公園・川の中
4種類の砂を採取しました。

それではいよいよ観察です!!虫眼鏡を使ってよぉ~く観察します!
砂に夢中!!_02砂に夢中!!_03砂に夢中!!_04

「なんかキラキラしてるのがたくさんある!!」
「色んな色のやつがあるんだね」「なんか石みたいにみえてきたぁ!」
キラキラを3つ探す子。面白い形を探す子。
子ども達はすでに砂に夢中です。


砂に夢中!!_05
大興奮の子ども達にお気に入りの3つを選んでもらい
ノートに貼り付けて名前をつけてもらいました。
「ミニミニ富士山」「翔太」「あかちゃん」
など思いおもいの名前をつけ満足そうです。


来週はいよいよ石の調査に多摩川に出かけます!!
調査隊には石の大きさ・数・種類を調査してもらう予定です。
調査結果を乞うご期待!!



LM

葉んてぃんぐ!

「いっぱい落ちてるから、カラスとちがってすぐに見れるね。」

今回のテーマは「静かなともだち」私たちの身の回りで静かーに
生きている木々や葉や花や実。
よく観察しているとなかなか奥深いものです。
まずは、葉っぱの絵を思い出して描いてみます。
しかし・・・意外と出てこない。同じ形の大きさ違いが並びます。
「これが、世界で一番大きい葉っぱ!(15cmほど)」

葉んてぃんぐ!_01では、実際に葉っぱを集めに行きましょう。
どこにたくさんありそうかな?
「蚕糸!(の森公園)」
歩き始めてすぐに、
2人の顔よりもずっと大きい葉っぱに遭遇。
実際の葉っぱの世界は想像もつかないような
複雑な形、大きさ、色などにあふれています。

葉っぱを陽に透かしてみると・・・「この線(葉脈)だけ光ってるみたい!!」
「枯れないうちに家に帰ろう。」
「葉っぱは生きてるから、このままだと枯れちゃう。」
そこで、集めてきた葉っぱを押し葉にして保存することになりました。
「この厚い葉っぱも押し葉になるのかな。」「がんばれ!」
この日から毎日、間に挟んでいる吸い取り紙(新聞紙)を取り替え続けています。

次は、2日間かけて集めた葉っぱの名前を調べます。
葉っぱの写真、木につけられているプレート、本を手がかりに
確実な物に名前を記入していきます。
葉んてぃんぐ!_02  葉んてぃんぐ!_03
写真を見ながら判断しているのですが、大きさが分からないので
結構難しい作業です。しかし、かえって細かい部分にまで目を向けるという
感覚が育ってきました。そして、本を見ながら葉っぱについての色々な情報が
自然と子ども達の中に入っていきます。
「ずっと緑色っていう最強の葉っぱもあるんだ。」

そして、週末に向け、きちんと押し葉の吸い取り紙(新聞紙)を取り替えて
押し葉の出来具合に期待しつつ今週のテーマは終了です。



YT

2009年09月11日

「本質に迫る問い」を返す

キーワードは「効率」。
作ったエネルギーを無駄なく使うにはどうすればよいか「追究」するという方向性
は決まりました。目指す「山頂」はきまったわけですから、次に考えるのは
どんな「登山道」を通って登るかということです。

「おれエンジンやりたいんだよね」
「私は省エネ家電に興味がある」

子どもたちの関心は高まっています。ここが今後の「追究」が意義あるものに
なるかどうかの分かれ目です。子どもたちが調べたい「課題」を見つけることは
とても大事ですが、ただ漠然と調べさせればよいわけではありません。

何のためにそれを調べるのか?
それは今回のテーマで目指す「山頂」につながっているか?

という見通しを持って、調べる内容を決めるのだ!と意識づける。
それが、子どもたちに「追究の仕方」を学ばせるということです。
そのために、教師は「タイミング」を見極めて「本質に迫る問い」を返すのです。

「本質に迫る問い」を返す_01  「本質に迫る問い」を返す_02

「エンジンか。いいねえ。どんなこと調べるの?」
「ガソリン車とハイブリッド車と燃料電池車」
「なるほど……で、何のために調べるの?」
「……」
「そういうときは、今回の学びの目的に立ち帰って考えてみれば」
「え~っと……エネルギーを効率よく使うこと」
「そうだよな、じゃあ、どんなことを調べたらいいだろう?」
「……効率のいいエンジン」
「そうそう」
「どうやって効率よくなったか」
「いいねえ、それから?」
「廃棄物を出さないためにはどうするか」
「ほほう!いいねえ」

子どもは放っておくとただやみくもに調べるだけです。
かといって、こういうことを調べなさいと手順を示してしまったら、ただ教師の誘導に
従うだけになります。何のために調べるのか、そのためにどんなことを調べるのか
ということを常に意識して調べる内容を決める。そうすると、集めた資料の中で
どの情報を取り出せばよいか次第に見えてきます。子どもたちがこのような追究の流れを
身につけられるように、適当なタイミングで「今、どうしてそれをやっているの?」と
「メタ認知」を刺激するために行うのが「本質に迫る問い」と言えましょう。

ただエンジンを調べるのではなく、発動効率を高めるにはどうしたらよいか調べる。
家電製品について調べるよりも先に、まず、発電効率をどう高めるかについて調べる。

「本質に迫る問い」を返す_03  「本質に迫る問い」を返す_04

目的がはっきりし、資料も手に入れた子どもたちは調べる作業に熱中します。

「なあんだ。火力も原子力も熱で水蒸気作ってタービン回して発電するのは同じじゃん」
「火力発電は60%以上もエネルギーを失うけど太陽光はほぼ100%だよ」
「水力発電のHPは水力ほめてるし、原子力はきっと絶対安全って書いてあるよね」
「それぞれいい部分も悪い部分もあるはずだからどれがいちばんって単純に言えないよね」

調べていくうちにどんどん価値ある「気づき」が生まれてきます。
次週は、調べた内容と新たに生まれた「疑問」を持って、エンジンミュージアムと発電所を
訪れます。「現地」と「現人」に触れてさらに「追究」を深めてゆきます。


RI

作物が育つ土って・・・

夏休みの課題として、旅行行った先の土を取ってくることになっていたので、
『場所によって土はどんな違いがあるのだろう』
ということで、色、触った感じ、粒の大きさ、におい、水に混ぜるとどうなるかということの
違いを調査しました。

作物が育つ土って・・・_01 作物が育つ土って・・・_02

作物が育つ土って・・・_03

「この土には虫がいっぱいいるよ」
「水と混ざらないな」
「はっぱのようなものが浮いてきた」

違いを見ると、それぞれの土がどういう特徴を持っているか明確になってきました。

次の日には、農業をされている荻窪の武井さんという方の畑へ体験をしに行きました。
杉並区で体験農園というものを請け負って、昔から農業をやっている武井さんです。

まず挨拶をし、早速土を触らせていただきました。

作物が育つ土って・・・_04
「何かサラサラしているな」
「虫がいない」
「落ち葉も全然ないぞ」

『この辺りは掘ると黒い土だよ。深く掘ったら赤い土になるよ』とお話を聞き、
掘ってみたいということで、実際に畑の隅をスコップで深く掘らせてもらいました。

作物が育つ土って・・・_05
50cmぐらい掘ったところで
「赤い土になってきた」
「でも虫はいないな」
なんとミミズが一匹出てきただけでした。

「根っこもいっぱい出てきたぞ」

次の日、畑の体験を振り返ります。
「牛ふんとか鶏ふんを混ぜていた」
「栄養がないと育たない」
「落ち葉や木の枝がなかったよ」
「作物は、肥料で育っている」
「土ってふんなのかな?」
「虫がいた方がいい土だと思ったけど・・・」
「カブトムシにとってはいい土って落ち葉がいっぱいあってやわらかい土だ」
「でも虫がいない土でも野菜は育つ」
「いったいいい土ってどういうことなんだろ」
・・・

今まで学習してきたことと畑の体験と振り返るとよくわからなくなり、「?」が多くなりました。


そこでいったん整理をするために疑問に思ったことを意見していきました。

「落ち葉や虫たちも虫になるの?」
「土が悪いと植物はダメになるの?」
「人工のものは、土にならない?」
「土ってふんのかたまりなの?」

来週は、これらの「?」を探究していきたいと考えています。



TK

石の調査 in 御嶽

今週の2・3年生は「石の調査」です。
まずは石の採集に御嶽に向かいます。

現地での調査ポイントは3つ!
①半径2メートル以内の石の大きさ調査(20個)
②1メートル四方にある石灰石の数
③お気に入りの石を集める


石調査隊の3人は早めにお昼を済ませ、早速調査に取り掛かります。

石の調査 in御嶽_01 石の調査 in御嶽_02

石の調査 in御嶽_03


「結構大きい石が多いなぁ」「白い石スゴイ多いよ!100個こえちゃうもん!」
「ねぇ見て!この石重い・・・!」
「この石もいぃなぁ。リボンみたい!」「この石しましま!!地層だ!地層だ!」
「これは魔法石。だって濡らすと色が出るんだよ!」

子ども達は石の持つ魅力にすでに引き込まれ、夢中で石調査を行いました。


次の日からは、スクールでの調査です。
まずは、子ども達が好きなように仲間分けをしてみました。


石の調査 in御嶽_04 石の調査 in御嶽_05

石の調査 in御嶽_06


「つるつるグループ」と「ザラザラグループ」と触った感じでわけた子
「黒グループ」「灰色系グループ」・・と色で分けた子
「ビックリ灰色」「太陽グループ」・・とおもしろいネーミングをつけた子
1回ではなく色んな見方で分類をしてもらいました。


次の日は実は石には名前があるんだ!
という事で今度は科学的な分類を行います。

使ったのは、地学団体研究会から「河原の石のしらべ方 多摩川の石」です。
この本には実物大の石の写真と色・粒の大きさ・釘でこすった時どうなるか?
という事と、チャート式で石の見分け方ができるページがあり、
石の分類を行うにはピッタリなのです。

早速、自分達の集めた石と本を見比べて調査を行います。

石の調査 in御嶽_07「これは・・色は白っぽくて、粒は見えないし、傷がつく・・」
「石灰岩だ!!」「これは全然傷つかないよ!!」
「それは・・チャートだ!!」「これ難しそぉ・・」

子ども達は本と石を交互に見比べながら一生懸命に分類していきます。
そして集めてきた石の名前が判明!!

石の調査 in御嶽_08 石の調査 in御嶽_09

石の調査 in御嶽_10


「この白いのは石灰岩ってゆぅのかぁ」
子ども達は自分の石の名前がわかり嬉しそう!

来週は多摩川中流の宿河原に行って調査を行います。
上流と中流ではどんな違いがあるのかな?
調査隊の調査結果が楽しみです!!



LM

葉脈の地図

葉脈の地図_01今週は、課題図書を
みんなで見ることから始まりました。
先週気になっていた葉っぱの線は
「葉脈」と呼ぶことが分かりました。
子ども達は写真だと思っていたのですが、
実はこの葉っぱたちは
全て手描きで描かれています。
しかも、愛情たっぷりです。

葉脈が地図に見えて仕方がない男の子は、
「ヒイラギナンテンの葉脈は田舎の町みたい!こっちは大都会だ!」と興奮気味。
そのヒイラギナンテンをちゃんと覚えていた女の子は、
このテーマを既におこなった3年生の女の子から蚕糸の森公園の
ヒイラギナンテンの場所を教えてもらって伝えてくれました。

葉脈の地図_02 葉脈の地図_03
じゃあ、私たちもみんなが本物と間違うくらいの葉っぱの絵が
描けるかな? と、いうことでそれぞれがお気に入りの葉っぱを
選びました。

葉脈の地図_04 葉脈の地図_05

さあ、よーーく見て描きましょう。
改めて葉脈をじっくり観察してみると、色々なことに気がつきます。
「葉っぱが分かれてるのと一緒に葉脈も分かれてるよ。」
「裏から見ると、葉柄から葉脈につながってるよ。」
1枚の葉っぱの中に奥深い世界が広がっています。
子ども達も葉っぱと向き合い、対話する経験が出来ました。

葉脈の地図_06今週は、押し葉を紙に貼って
自分達の図鑑を作る作業も開始です。
がんばって吸い取り紙(新聞紙)を
取り替え続けた成果あって、
いい具合に押し葉が出来上がっています。
これを透明セロファンテープで紙に貼り、
名前を記入していきます。

1年生にとっては難易度の高い作業ですが、スタッフの手も借りつつ、着々と作業は進みます。
しかし!!ここで問題発生。「名前が分からない葉っぱが多い!!」
緊急会議が開かれ、葉っぱの採集の仕方にちょっとした工夫をします。

葉脈の地図_07 葉脈の地図_08

「ぼくが葉っぱを取るよ。」
「私は名前描き。」
仕事を分担し、
本日採集した葉っぱの種類、
34種類なり!!

さあ、蚕糸の森公園には、
一体何種類の葉っぱがあるのでしょう・・・

(次週へ続く・・・)


YT

2009年09月18日

「効率」を高める工夫を「実感」

先週まで、資料を調べて

エンジンがどんな仕組みで動力を生み出すか?
燃費を向上させ、汚染物質の排出量を減らすための工夫は?
どんな発電の種類があるか?
それぞれの発電の特徴は?
発電した電気を無駄なく利用するための工夫は?

ということについて知識を深めてきました。しかし、まだ知識を頭の中に
つめこんだだけでなんとなくわかったような未消化の状態です。
このままでは時間がたてば失われてしまう「使えない知識」です。
エネルギー効率を上げることが持続可能な社会づくりのために不可欠だ
ということを訴える「提言」をまとめることが今回のテーマ学習の目標ですから
自分たちの主張を推し進めるために知識を利用しなければなりません。
自分たちが獲得しつつある知識を「実感」とともに「理解」するために、今週は
「現地」に出向き、「現物」に触れ、「現人」と出会って学びました。

「発動」について横浜市の日産エンジンミュージアム、そして「発電」について
東京電力品川発電所を訪れて学びを進めましたが、特に品川発電所では
今回の学びの目標に直結する貴重な「情報」を得ることができました。

「効率」を高める工夫を「実感」_01  「効率」を高める工夫を「実感」_02

「発電効率を1%上げるにはスペースシャトルを作るぐらいの技術力が必要なんだよ」

発電所の方が思わずつぶやいたこの言葉を聞いて、子どもたちは、社会の要請に
応えてゆくために必死になって知恵を絞り、工夫と努力を積み重ねていることを
実感しました。磁石をコイルの間で回転させることによって発電するという原理は
自転車のライトも大型発電所の発電機も同じで、極めて単純です。ところが、
手回し発電機でたった2個の豆電球を点灯させるだけでも、抵抗が生じ、重くなり
すぐに手が疲れてくる上に、安定して回し続けられないので明るくなったり、暗くなったり
してしまいます。

「電気が強くなったり、弱くなったり安定しなかったらどう?」

「効率」を高める工夫を「実感」_03  「効率」を高める工夫を「実感」_04

発電所の方からの質問に、実際に発電機を手回しして「実感」したばかりの子どもたちは
電気製品がうまく作動しなくなるだろう……と容易に想像がつきます。ずっと発電機を
回し続けることの大変さを「体感」し、家庭用の圧力釜から発する蒸気を噴射して
タービンを回し発電する模型を見た子どもたちは、高速で発電機を回し続ける「仕掛け」を
どう作るかがポイント!ということを「実感」しました。

「あまり電気が使われない夜間と多くの人が活動し電気を使う昼間とで必要な電力が
違ってくるんだけど、むだなく柔軟に対応し、電力があまりすぎたり、足りなくなったり
しないようにしなくちゃならないんだ」

「効率」を高める工夫を「実感」_05  「効率」を高める工夫を「実感」_06

二酸化炭素の排出量という観点から目の敵にされやすい「火力発電」は、クリーンと
言われる「水力」や「原子力」にはない大きな特長があります。それは、需要に応じて
柔軟に発電量を変えられるということです。もはや日本で新たに「ダム」を作れるところを
見つけるのは困難で、「水力発電」をどのように行うか新たな知恵が必要です。また
原子力は、「放射性廃棄物」をどうするか、厳しい「安全管理」の必要性という問題を
抱えています。では、再生可能なエネルギーと言われる風力や太陽光発電はどうかと
言えば、風が吹かず、日が照らない場合、利用できませんし、発電量が小さいという
問題点を克服しないと実用化はできません。

どの発電方法が一番よいかではなく、いかに「効率」よく発電方法を組み合わせてゆくかだ!

ということが見えてきました。個々の発電方法の「熱効率」を高め、「汚染物質排出量」を
減らす工夫をしてゆくことと、電気の需要に対応して供給量を確保してゆくために複数の
発電方法を効率的に組み合わせることを同時に考えてゆかなければならないのです。

「おっちゃん、みんなが電気自動車に乗ったら電気を使う量がすごく増えるよね」

エンジンについて調べていた子どもの発言は、別々だと思っていた「発電」と「発動」
との間のつながりがなんとなく見えてきたことによって生まれたものでしょう。電気を
どう確保するかを考えておかなければ、電気自動車を普及することはできないし
燃料電池車がどんなにクリーンだと言っても、水素を供給する場所を新たに設置し
なければなりません。エネルギー効率を「総合的」に上げるには、技術面だけでなく
社会のインフラ、システム、そしてライフスタイルをすべて連動させて「チェンジ」して
ゆかないと、ひずみが生まれてしまうのです。

さあ次週から、今テーマの「後半」に突入。これまで学んだことをふまえて、どのような
ストーリーで、みんなの心に響く「提案」をまとめてゆくかという学びにシフトします。


RI

どうなるかな?実際に確かめてみよう!

前回は、作物を育てる畑の土と生きものがいっぱいいる公園の土との差を比べることにより、
疑問が多くなりました。
そこから、具体的に疑問についてひとつひとつ探究していきます。

「落ち葉や虫も土になるの?」
「何が土にするのか?」という疑問を考えました。

「土の中に何かいるんじゃないの?」
「水分も関係あるんじゃない!」
「落ち葉とかもどれくらいでなくなるのかな?」
「確かめてみよう!」と実験を考えてすることにしました。

どのように実験すると土の働きがあるのかを話し合いました。
そして、
①土のある、なしでどうなるのか?
②虫がいる、いないのではどうなるか?
③土がしめっている、しめっていないのでどうなるのか?
という条件を変えて、行うことにし、その差を見比べることで土の働きを考えます。
どうなるかな?実際に確かめてみよう!_01どうなるかな?実際に確かめてみよう!_02

調べると空気もある程度通し、よさそうなので、ダンボールを使って行うことになりました。

どうなるかな?実際に確かめてみよう!_03
落ち葉を敷き詰め、土をいれ・・・手作りの実験器具が完成。
果たして結果はどうなるでしょう?どうやら長い時間がかかりそうです。

「土が悪いと植物が育たないのか?」ということを深く追求していきました。
そこで『植物が育つのに必要なものは何か?』という問いかけ
に「土」「水」「太陽の光」「肥料とか栄養」
ということがすぐにあがりました。

しかし、カイワレ大根などの土を考えると「土なしでも育っている」
では、「土なしでも生きていけるのではないか」
いったいどういうことかと考えていると「そうか、水をスポンジがふくんでいるから育つんだ」
ということに気がつきました。
土の役割として「保水すること」があることが明確になってきました。

そこで、保水力を調べるための実験をし、確認をすることにし今回はそのための準備をしました。
透明プラスチックに穴をあけ、それぞれ“校庭の土”“畑の土”“公園の土”“砂場の土”を入れていきます。

どうなるかな?実際に確かめてみよう!_04どうなるかな?実際に確かめてみよう!_05

どうなるかな?実際に確かめてみよう!_06


次回はそれぞれの土の保水する力がどれくらいあるのかということを計量します。
保水力は土によってどのように違うのでしょうか?


TK

石の調査~in 宿河原~

今週の2・3年生も「石の調査」からのスタートです。
訪れるのは中流の宿河原です。


今回の子ども達は先週とは少し違います。
1回目の石の調査を経て、「ホルンフェルスを見つけたい!」「礫岩を持って帰ろう!」
と目的意識を持って臨みました。

石の調査~in 宿河原~_01
早速調査を始めると子ども達から疑問の声が飛びはじめます。
「ねぇ!なんか御嶽の時より小さい石ばっかりだよ!」
「石灰岩が1個もなぁい!!」「なんでだろう?」
色々と気づくことがあるようです。

スクールに戻って石の大きさの平均値をだしてみました。
すると、河原で子ども達が言っていたように御嶽と10cmほど違いがありました。
「ほら、やっぱり小さかったでしょ?」「なんでだろう?」

石の調査~in 宿河原~_02 石の調査~in 宿河原~_03

石の分類をしてみてもやっぱり河原で出た疑問が出てきます。
御嶽では数え切れないくらい沢山あった石灰岩がない・・
宿河原では砂岩が多かったなど、上流と中流の違いが少し明確になってきました。
石の調査~in 宿河原~_04 石の調査~in 宿河原~_05 石の調査~in 宿河原~_06

そこで、この2つの疑問についてみんなで考えてみる事にしました。
①「なぜ小さい石ばかりなのか?」
 →大きい石は大きすぎて運べなくて上流でストップしちゃって、小さい石はすり抜けて
   下流までいけるのではないか
   川で流されるうちにあたったりして小さくなるのではないか

②「なぜ石灰岩がないのだろう?」
 →石灰岩は流れにくい性質なのではないか
   石灰岩は削れやすいから溶けてなくなってしまうのではないか
   逆にチャートは硬いから溶けずに流されてきたのではないか

さて、来週以降はこうした疑問を解決するために実験をしていきます。
実験結果が楽しみです。


LM

本当に水が通っているんだ!

本当に水が通っているんだ!_01葉んてぃんぐをしながら、子ども達は
どんどん葉っぱの名前を覚えていきます。
歩きながらもさりげなく、
「これ、ユズリハだよね。」
「私もそう思った!」
こちらはハクウンボクの葉っぱで作ったお面です。

今週は久々の実験も体験しました。
葉んてぃんぐをしながらいつも気にしていた葉脈についてです。
「葉脈は何のためにあるんだろう?」
「水が下から葉脈に入って葉っぱが大きくなってく。」
「栄養を根から茎、茎から葉脈を伝って伸び伸び葉っぱが生きられる。」
2人の説だと水や栄養が通る道がねっこから葉脈、葉っぱの先まで
ずっと続いているということになります。
「じゃあ、どんな実験をしたらそれが確かめられるかな?」
「・・・・」
「水は見えないよねぇ。」
「ジュースをあげる!それか染めた水!」
と、いうことで赤インクで色づけた水をセロリにあげてみることにしました。
まずは、セロリを観察して絵を描きます。
本当に水が通っているんだ!_02 本当に水が通っているんだ!_03

そして、2人で協力して色水の準備。
本当に水が通っているんだ!_04  本当に水が通っているんだ!_05  本当に水が通っているんだ!_06

さあ、「葉っぱカルタ」をしながら待ちましょう。
「葉っぱカルタ」は子ども達が蚕糸の森で葉んてぃんぐした葉っぱの写真で作ったカルタです。
似ている葉っぱをスタッフが、「兄弟だ、こっちは親戚だね。」というと、
「じゃあ、親戚で集めよう!」という言葉が。
子ども達の頭の中が自然と分類の方向に流れていきます。
しかもこのカルタの枚数はまだしばらくの間、多くなっていくのです。
はたしてどこまで葉んてぃんぐできるか!

さて、30分が経過し、いよいよセロリを切ってみることに。
ドキドキ・・・・すると、綺麗に水の通り道が赤く染まっています!
縦に切っても線が赤くなっている。
下から順に輪切りにしていくと・・・・
「ある!!」「ある!!」「ある!!」・・・
上までずっと続いています。
本当に水が通っているんだ!_07 本当に水が通っているんだ!_08
結局30分で葉っぱの中ほどまでたどり着いていました。
本当にちゃんと水の通り道があるんだね。


YT

2009年09月26日

公開講座9/26
「小学生時代に育てておきたい力とは」終了

終了しました

平成21年8月
東京コミュニティスクール


『探究する力』著者 市川 力の
「小学生時代に育てておきたい力とは」
~ 公開講座のご案内 ~


基礎・基本が大事と言えばドリル学習が大流行。
でも、知識の詰め込みの弊害が柔軟な思考力に欠く人材を輩出してきたはずでは?
解決策は、百マス計算でも、総合的な学習でもありません。
常に知識を更新して生きていかなければならない現代をしなやかに、たくましく生き抜いていくために、また、大人になるまでの長い道のり全体を視野に入れた時、小学生時代に、どのような道筋で、どのような力を育てていけばよいのでしょうか。
なぜ今、意味ある学びが求められているのか、なぜ今、小学生時代を問い直す必要があるのか。
東京コミュニティスクール(東京都杉並区、理事長 久保一之)では、『探究する力』(知の探究社)の著者である市川力(いちかわ・ちから 東京コミュニティスクール校長)を講師に迎え、今の子どもたちが、社会の一員として、また将来を担う人材として、小学生時代に培っておくべき力とは何かを探っていきます。


 【テーマ】「小学生時代に育てておきたい力とは」

 【日時】 2009年9月26日(土)
      13時~15時20分(12時45分開場)
      * ひき続き、15時30分から17時まで東京コミュニティスクール説明会を行います。
      予約制のため、参加ご希望の方はその旨お知らせください。


 【会場】 セシオン杉並
      (東京都杉並区梅里1-22-32)
      (TEL:03-3317-6611)
      * 最寄駅:東京メトロ丸の内線「東高円寺駅」徒歩5分 [ MAP ]

 【講師】 市川 力 (いちかわ ちから)
      (東京コミュニティスクール校長、『探究する力』著者)

 【対象】 保護者、一般

 【定員】 60名(要予約)

 【参加費】 一般:1,000円  NPO会員:無料 

 【問合せ・申込み】
  東京コミュニティスクール セミナー事務局(担当:若林・馬道)
  TEL:03-3313-8717  FAX:03-3313-8790
  E-mail:seminar@tokyocs.org
   ※迷惑メール防止のため、「@」を全角にしております。お手数ですが、半角に変更してから送信してください。

      件名を 「公開講座参加申込」とし、
      本文に以下の事項をお知らせください。
        1.氏名
        2.所属
        3.電話番号
        4.(あれば)FAX番号
        5.E-mailアドレス
        6.講座を知ったきっかけ



chikara_ichikawa.jpg市川 力 (いちかわ ちから)
東京コミュニティスクール校長

米国にて13年間日本人駐在員の子どもたち対象の学習塾を運営。英語環境下での日本語学習指導に携わり、バイリンガルの子どもを育てることの難しさに直面。
グローバル時代を生きる子どもたちに必要な真のコミュニケーション能力を育てることを目指す。また、現地の学校で行われていたプロジェクトベースの学びに触れ、『学び続ける力』を育てる教育実践に強い関心を抱く。
2003年帰国。2004年8月より東京コミュニティスクール初代校長に就任。自ら現場に立ち、初等教育における探究型学習の研究・開発・実践を行っている。
NHK「えいごリアン3」番組企画委員。主な著書は、「探究する力」(知の探究社)、「英語を子どもに教えるな」「教えない英語教育」(ともに中公新書ラクレ)。講演多数。




NPO Tokyo Community School 
特定非営利活動法人 東京コミュニティスクール 


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