先週まで、資料を調べて
エンジンがどんな仕組みで動力を生み出すか?
燃費を向上させ、汚染物質の排出量を減らすための工夫は?
どんな発電の種類があるか?
それぞれの発電の特徴は?
発電した電気を無駄なく利用するための工夫は?
ということについて知識を深めてきました。しかし、まだ知識を頭の中に
つめこんだだけでなんとなくわかったような未消化の状態です。
このままでは時間がたてば失われてしまう「使えない知識」です。
エネルギー効率を上げることが持続可能な社会づくりのために不可欠だ
ということを訴える「提言」をまとめることが今回のテーマ学習の目標ですから
自分たちの主張を推し進めるために知識を利用しなければなりません。
自分たちが獲得しつつある知識を「実感」とともに「理解」するために、今週は
「現地」に出向き、「現物」に触れ、「現人」と出会って学びました。
「発動」について横浜市の日産エンジンミュージアム、そして「発電」について
東京電力品川発電所を訪れて学びを進めましたが、特に品川発電所では
今回の学びの目標に直結する貴重な「情報」を得ることができました。
「発電効率を1%上げるにはスペースシャトルを作るぐらいの技術力が必要なんだよ」
発電所の方が思わずつぶやいたこの言葉を聞いて、子どもたちは、社会の要請に
応えてゆくために必死になって知恵を絞り、工夫と努力を積み重ねていることを
実感しました。磁石をコイルの間で回転させることによって発電するという原理は
自転車のライトも大型発電所の発電機も同じで、極めて単純です。ところが、
手回し発電機でたった2個の豆電球を点灯させるだけでも、抵抗が生じ、重くなり
すぐに手が疲れてくる上に、安定して回し続けられないので明るくなったり、暗くなったり
してしまいます。
「電気が強くなったり、弱くなったり安定しなかったらどう?」
発電所の方からの質問に、実際に発電機を手回しして「実感」したばかりの子どもたちは
電気製品がうまく作動しなくなるだろう……と容易に想像がつきます。ずっと発電機を
回し続けることの大変さを「体感」し、家庭用の圧力釜から発する蒸気を噴射して
タービンを回し発電する模型を見た子どもたちは、高速で発電機を回し続ける「仕掛け」を
どう作るかがポイント!ということを「実感」しました。
「あまり電気が使われない夜間と多くの人が活動し電気を使う昼間とで必要な電力が
違ってくるんだけど、むだなく柔軟に対応し、電力があまりすぎたり、足りなくなったり
しないようにしなくちゃならないんだ」
二酸化炭素の排出量という観点から目の敵にされやすい「火力発電」は、クリーンと
言われる「水力」や「原子力」にはない大きな特長があります。それは、需要に応じて
柔軟に発電量を変えられるということです。もはや日本で新たに「ダム」を作れるところを
見つけるのは困難で、「水力発電」をどのように行うか新たな知恵が必要です。また
原子力は、「放射性廃棄物」をどうするか、厳しい「安全管理」の必要性という問題を
抱えています。では、再生可能なエネルギーと言われる風力や太陽光発電はどうかと
言えば、風が吹かず、日が照らない場合、利用できませんし、発電量が小さいという
問題点を克服しないと実用化はできません。
どの発電方法が一番よいかではなく、いかに「効率」よく発電方法を組み合わせてゆくかだ!
ということが見えてきました。個々の発電方法の「熱効率」を高め、「汚染物質排出量」を
減らす工夫をしてゆくことと、電気の需要に対応して供給量を確保してゆくために複数の
発電方法を効率的に組み合わせることを同時に考えてゆかなければならないのです。
「おっちゃん、みんなが電気自動車に乗ったら電気を使う量がすごく増えるよね」
エンジンについて調べていた子どもの発言は、別々だと思っていた「発電」と「発動」
との間のつながりがなんとなく見えてきたことによって生まれたものでしょう。電気を
どう確保するかを考えておかなければ、電気自動車を普及することはできないし
燃料電池車がどんなにクリーンだと言っても、水素を供給する場所を新たに設置し
なければなりません。エネルギー効率を「総合的」に上げるには、技術面だけでなく
社会のインフラ、システム、そしてライフスタイルをすべて連動させて「チェンジ」して
ゆかないと、ひずみが生まれてしまうのです。
さあ次週から、今テーマの「後半」に突入。これまで学んだことをふまえて、どのような
ストーリーで、みんなの心に響く「提案」をまとめてゆくかという学びにシフトします。
RI
エンジンがどんな仕組みで動力を生み出すか?
燃費を向上させ、汚染物質の排出量を減らすための工夫は?
どんな発電の種類があるか?
それぞれの発電の特徴は?
発電した電気を無駄なく利用するための工夫は?
ということについて知識を深めてきました。しかし、まだ知識を頭の中に
つめこんだだけでなんとなくわかったような未消化の状態です。
このままでは時間がたてば失われてしまう「使えない知識」です。
エネルギー効率を上げることが持続可能な社会づくりのために不可欠だ
ということを訴える「提言」をまとめることが今回のテーマ学習の目標ですから
自分たちの主張を推し進めるために知識を利用しなければなりません。
自分たちが獲得しつつある知識を「実感」とともに「理解」するために、今週は
「現地」に出向き、「現物」に触れ、「現人」と出会って学びました。
「発動」について横浜市の日産エンジンミュージアム、そして「発電」について
東京電力品川発電所を訪れて学びを進めましたが、特に品川発電所では
今回の学びの目標に直結する貴重な「情報」を得ることができました。
「発電効率を1%上げるにはスペースシャトルを作るぐらいの技術力が必要なんだよ」
発電所の方が思わずつぶやいたこの言葉を聞いて、子どもたちは、社会の要請に
応えてゆくために必死になって知恵を絞り、工夫と努力を積み重ねていることを
実感しました。磁石をコイルの間で回転させることによって発電するという原理は
自転車のライトも大型発電所の発電機も同じで、極めて単純です。ところが、
手回し発電機でたった2個の豆電球を点灯させるだけでも、抵抗が生じ、重くなり
すぐに手が疲れてくる上に、安定して回し続けられないので明るくなったり、暗くなったり
してしまいます。
「電気が強くなったり、弱くなったり安定しなかったらどう?」
発電所の方からの質問に、実際に発電機を手回しして「実感」したばかりの子どもたちは
電気製品がうまく作動しなくなるだろう……と容易に想像がつきます。ずっと発電機を
回し続けることの大変さを「体感」し、家庭用の圧力釜から発する蒸気を噴射して
タービンを回し発電する模型を見た子どもたちは、高速で発電機を回し続ける「仕掛け」を
どう作るかがポイント!ということを「実感」しました。
「あまり電気が使われない夜間と多くの人が活動し電気を使う昼間とで必要な電力が
違ってくるんだけど、むだなく柔軟に対応し、電力があまりすぎたり、足りなくなったり
しないようにしなくちゃならないんだ」
二酸化炭素の排出量という観点から目の敵にされやすい「火力発電」は、クリーンと
言われる「水力」や「原子力」にはない大きな特長があります。それは、需要に応じて
柔軟に発電量を変えられるということです。もはや日本で新たに「ダム」を作れるところを
見つけるのは困難で、「水力発電」をどのように行うか新たな知恵が必要です。また
原子力は、「放射性廃棄物」をどうするか、厳しい「安全管理」の必要性という問題を
抱えています。では、再生可能なエネルギーと言われる風力や太陽光発電はどうかと
言えば、風が吹かず、日が照らない場合、利用できませんし、発電量が小さいという
問題点を克服しないと実用化はできません。
どの発電方法が一番よいかではなく、いかに「効率」よく発電方法を組み合わせてゆくかだ!
ということが見えてきました。個々の発電方法の「熱効率」を高め、「汚染物質排出量」を
減らす工夫をしてゆくことと、電気の需要に対応して供給量を確保してゆくために複数の
発電方法を効率的に組み合わせることを同時に考えてゆかなければならないのです。
「おっちゃん、みんなが電気自動車に乗ったら電気を使う量がすごく増えるよね」
エンジンについて調べていた子どもの発言は、別々だと思っていた「発電」と「発動」
との間のつながりがなんとなく見えてきたことによって生まれたものでしょう。電気を
どう確保するかを考えておかなければ、電気自動車を普及することはできないし
燃料電池車がどんなにクリーンだと言っても、水素を供給する場所を新たに設置し
なければなりません。エネルギー効率を「総合的」に上げるには、技術面だけでなく
社会のインフラ、システム、そしてライフスタイルをすべて連動させて「チェンジ」して
ゆかないと、ひずみが生まれてしまうのです。
さあ次週から、今テーマの「後半」に突入。これまで学んだことをふまえて、どのような
ストーリーで、みんなの心に響く「提案」をまとめてゆくかという学びにシフトします。
RI