椅子作りの納期がすぐそこまで迫ってきた追い込み段階の七選工房です。
まずは、作業前の職人の心得の唱和から始めます。
「職人の心得!一つ、手を抜かない・・・一つ、段取り八割・・・一つ、良い加減・・・」
唱和が終わった後、
「私、見ないで言えたよ!」とある子が報告してくれました。
このように子ども達は暗唱できるようになりました。
頭の中にはしっかりと叩き込まれました。
その後は、いつものように作業に取りかかります。
ひたすら切った木の長さをそろえるというずっと単調な作業に
「つかれた~」
「のこぎりで切るときにずれてしまったから、直すのが大変だぁ」
と弱音もぽろぽろと口にする子も出てきました。
しかし、疲れたといっても完成させなければいけない。
やめるわけにはいかずに気持ちを切り替えて、また取りかかる。
そんな作業のひたすらくり返しです。
仕事には見た目のかっこよさだけではなく、裏ではとても根気のいる大変な作業があることを実感していました。
組み立てまでにこんなに時間がかかるとは・・・
まさに、「段取り八割」
みんな、それでも投げ出すことなくよく頑張ってしました。
やがて、長さがそろった子から、組立作業に入りました。
木ねじとインパクトドライバーを使って、そして、場所によっては釘と玄能を使って、木材同士をくっつけていきます。
設計図に合わせて正確に線を引くことに始まり、のこぎりで正確に切ること、釘をまっすぐ打つこと・・・などなどでもずれると、椅子の座りごごちが違ってきます。
一つ一つの作業の「手を抜けない」ということはとても大切なことというのが結果に表れます。
うまくいったときにはとても感動の大きいものになりました。
しかし、うまくいった子だけではありません。
残念ながら、組み立ててみたものの、ひどくがたつきのある椅子になってしまったものが出てきました。
「一生懸命にやったのに・・・」
しかし、このままでは商品にならないということで、原因を追究して、修正をしていくために気持ちを切り替えて取り組みました。
さて、テーマ発表会にて、これらの出来上がった商品を納品ということになっています。
そこで、今回は、品評会として、多くの方に、見てもらい、実際に座ってもらい、評価をしていただくことにしました。
品評会では、あえて誰が作ったということは告げずに判断してもらうことにしました。
そこは、いくら苦労をしたといっても出来上がりのよしあしのみで判断される厳しい世界です。
果たして、お客様の満足というものを獲得できるでしょうか?
TK
これまで4人の方にインタビューを行い、「働く」とは何か考えてきました。
いよいよ最終週となった今週は、「仕事術」や「働くってなんだ」という本の著者であり、
長年「働く事」について研究をなされている森清先生のお宅に
インタビューに伺わせていただきました。
まずは子ども達がこれまでのインタビューをまとめたものや、インタビュー後考えたその時の自分が思った「働くとは何か」を森先生に見ていただきました。
その後、質問タイムとなるわけですが、今回はいつもと少し違いズバリ「働くとはどういう事なのか」聞いてみることにしました。
子ども達が今までのインタビューから感じたり考えたりした事と一致する事や
新しい発見はあるのでしょうか?
森先生はこの質問にまず「生きている事だ」と答えてくださいました。子ども達は何かしらいつもと違う感じを受け取っているような顔でメモを取りはじめました。
「楽しいから」「人の役にたつから」とかの理由は後から考えるとそう思うだけで、
「しなければいけない事をちゃんとやる!」ごく普通のことなのだ。
仕事には必ず相手がいて、その人に迷惑をかけず嫌な思いをさせない。
そうすると相手が満足し、自分も満足する。
一生懸命にメモをとっていると、逆に質問を受けた。
「仕事と遊びどっちが好き?」2人とも「遊び」と即答。
すると、森先生は「遊びは自分の思い通り・自由になるからみんな好きなんだよ。
仕事も楽に、自分の思うようにできるようになると自由に近づいて、
仕事で遊ぶことができるよ。でもそうするには努力が必要で、それを積み重ねる事が
大切。その結果、自由を獲得できるんだ。」と話してくださいました。
スクールでは、これまでのインタビューを踏まえて「働くとは何か」考えてみました。すると、「自分や相手のため」「努力」「感謝」「幸せ」「自由」という共通点がみえてきました。
これをもとに、来週の発表に向けて最終的に自分が今思う「働くとは」をまとめていきます。
果たしてどのような発表になるのでしょうか?
LM
「キツネ・マーク会社」は、TCSの新しいマークをみんなに提案するために大忙しです。
みんなに伝えたいTCSのイメージを話し合うために
メージマップに言葉をどんどん書き込んでいきました。
そこからマークのアイディアを描きおこしていきます。
3人合わせて15近くの案が出されました。
さあ、次は会議をしてみんなのアイディアをまとめる
・・・ここが一番の山場、大変だけど、子ども達が、「会社はチームだから
みんなで協力して話し合っていかないと良い物は産まれない。」
という事を実感できる場面です。
「これとこれを合体させればいいんじゃない?」
「この字は赤の方がいいよ」
「ううん、オレンジがいい」
「でも赤の方が目立つよ」
自分の意見をしっかり伝える。
友だちの話に耳を傾ける。
自分の意見と友だちの意見をすり合わせ、
そこから新しい物を考えつく。
3人とも自分の立場や意見ばかりを主張するのではなく、
お互いの話を客観的に聞き入れて自分の意見を少しずつでも
変えてゆこうという経験をしています。
もちろん、1,2年生ですから簡単には話し合いは進んでいきませんが、
こういう経験こそが大切だと思っています。
T君は他の二人から、自分が書いた作品の分かりにくさをアドバイスされましたが、
その作品を諦めたり、意固地になったりせず、
「じゃあ、(みんなの意見を取り入れて)もう一回描いてみる」
と、前向きに取り組み、見事他の2人の賛同を得ました!
さあ、そしてやっと固まった案を「ていねいに集中して」
作品として仕上げていく段階です。
これもまた今回のテーマで学んでいる大切な内容です。
それぞれが自分の作業に没頭して取り組んでいます。
来週の発表が楽しみです。
YT
椅子の納期にあたるテーマ発表会。
前の日まで残業に追われた七選工房。
その成果が問われました。
今回のテーマ発表会は、『品評会』
言葉でみんなに学んだことを伝えるのではなく、
「職人はその腕こそすべて。結果がすべて。」
自分達が作ったものですべてを語ります。
家具を作る仕事で言えば、選ばれるか選ばれないかだけで判断されます。
厳しい世界です。
その厳しさを少しでも感じるのが趣旨です。
作品は誰が作ったもの分からないように違う人が持っていくという工夫をしました。
緊張のあまり「僕のはきっと選ばれないよ・・・」
など、マイナスの発想をする子どもも中にはいました。
お客さんの品定めの様子をドキドキしながら見ていた子ども達。
自分のものの評価が気になるところです。
見ていたところ、子どもから
「作ったときにはグラグラしなかったのだけど、ここではなぜかグラグラするよ」という声。
下がじゅうたんという会場だったので、公平さに欠ける面が多少あり、
また、最後デザインにこだわりたいけれど、道具が故障してしまったことにより、
できない場面もありました。
これは考える余地ありです。
しかし、結果は結果ということで、
他の学年の発表も終わり、集計した結果を発表しました。
選ばれた子どもは素直にその場は喜んでいました。
選ばれなかったこの中には、苦労しただけに、結果をとても残念に思っていた子どももいました。
現実の結果は結果。受け止めてられることが次につながります。
「どこか直したいとか足りないと思ったところはある?」
という会場からの質問には、
「この脚の作りがよくなかった。」「ここがグラグラしてしまう!」
など、自分の作品の欠点を認めているところは、次につながるものでした。
リフレクションでは、
「時間を見ながら行動するのは難しい」「もっとヤスリをかければよかった」
「仕事って大変なんだ」
苦労した分思い入れの深いものになりました。
6年生まで壊れずに大切に使っていければと思います。
次の日には家具工房のケン師匠のところで木工の体験があるので
都合つく子で出かけました。
そこで、今までお礼を伝え、手紙を渡しました。
「うれしいね。この工房に貼っておくよ」と喜んでくださいました。
今回のテーマ学習で
「手を抜かない」「段取り八割」「良い加減」
という事に関して、実際の体験を通して身にしみた子どもたち。
今回経験した『いい仕事をする』ということを日常にも生かしていってもらいたいと思います。
TK
今週はテーマ発表会です。
今まで学んできた事を発表します。
3年生にとってはいつもと違うスタイルで行った事が
自分達の中で少し自信につながったようです。
発表の流れも自分達でアイディアを出し考え、
インタビューでの話→感想→自分が思った「働くということ」
という流れで行く事になりました。
「僕が面白いなぁと思ったのは仕事を続けられる理由を聞いたときです。
『私じゃないとダメという人がいる』なんてどんなにうまいんだろうと思いました。」
「私が面白いなぁと思ったのは伝えたいことはありますか?と聞いたときです。
『子どもを育てるように木を大切に』なんて本当に木の事が大好きなんだなと思いました。」
など、子ども達がそれぞれのインタビューで感じた事を話し、
4人の人にインタビューをした結果、自分達なりに考えた「働くとは」という事を発表しました。
女の子は『自分や人のために努力を重ね、人を幸せにする。
良い仕事をして人に感謝され、自由に近づくこと』とまとめました。
男の子は『皆のために努力をして、皆を幸せにし、自由を獲得し、人に感謝される事。
それこそが仕事だ!そして人生や遊びの事だ!人を嫌にするのはけしていけない!』です。
その後、自分達の夢を発表しました。
女の子の夢は『女優か声優』です。キャラクターを作り出すのが面白そうなのだそうです。
男の子の夢は『映画監督』です。すでに考えているアドベンチャーなどの好きな映画を
撮れるからだそうです。
2人ともテーマが始まる前とは違う新たな夢を目指し始めました。
発表のあとはふりかえりです。
質問にあった「ボランティアと仕事の違い」など、また新たに話し合うことがたくさんありました。
そして、インタビューに協力していただいた方に御礼の御手紙を書きました。
ありがとうございました。
子ども達はまだ3年生。
働くまでまだまだ時間があります。
今回学んだことを今後活かして自分の夢に向かって進んで行ってほしいと思います。
LM
今週はいよいよテーマ発表会。
子ども達は今まで学んだことを「キツネ・マーク会社」として
TCSの新しいマークを提案するという形で発表しました。
それぞれ自分でデザインした会社のマークを胸につけ、
発表です。担当のマークについて説明しましたが、
3人のTCSに対する思いは
ちゃーんとみんなに伝わったようです。
ふりかえりシートには、そんなみんなからの嬉しいコメントがたくさん書かれていました。
「マークの色や形にはメッセージがこめられている」という、子ども達自身が学んできたことを
見てくれた人たちにも伝えることができ、大成功の発表だったといえるでしょう。
あとは、目指せ!「練習の時と同じくらい堂々と、大きな声ではっきりと!!」
でも、3人それぞれが確実に発表を重ねるごとに上手くなっています。
そんな成長が今後も楽しみです。
それでは最後に子ども達のデザインしたTCSの新マークの案をご紹介します。
①真ん中が2100年で、未来に向かって内側に進んでいくイメージ。
その時、TCSが存在する確立は99.999・・・% オレンジは元気、緑は優しい心。
2色のマッチがバッチグー!!
②三角形の形の中に上に向かって矢印が隠されています。未来に向かってびゅーーんと
飛んでいくイメージです。たくさんの横線は、TCSにみんながどんどん来て欲しいっていうこと。
4色はきれいだから選びました。丁寧な塗り方がアピールポイント!!
③お家の形はTCSのアットホームさを表しています。中のデザインはマーク集めの時、
いいと感じたあるお店のマークが参考です。黄緑色は草のように元気な子ども達!!
④黄色い光の形です。6本の線の太さが違っていることに注目してください。
これ、1年生、2年生・・・6年生と、学ぶ内容が多くなっているのです。
真ん中の水色は青空のように広い心を表しています。未来へ向かってGO!!
⑤黄色に輝く風船の中に子ども達が入って未来に向かって飛んでいくイメージです。
T→TC→TCSと文字が増えていくのは、子どもの数が増えていって欲しいという願いです。
YT
タイトル:源自物語
探究領域:時空因縁
源「自」物語。
自分とはどういう存在なのだろう?
自分は今どのような世界に生きているのだろう?
父母・祖父母の人生の節目となる写真を元に
その頃の様子をインタビューし、世の中の動きと
リンクさせて学んでいきます。
こうして家族の歴史を辿ることで、世の中の移り変わり、
今自分の置かれている境遇が見えてきます。
LM
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
今回は暗号についてのテーマ。
暗号の中でも、数字に置き換えられるサイファーというものに関して探究していきます。
数字が鍵になっているものは、今の社会では欠かせないものになっています。
鍵になっている数字を法則を見破り、計算して解読していきます。
そして、自分達でそれらの数字を使い、秘密がバレないように、しかし、伝えたい人には解読しやすいような、鍵を開発することができるでしょうか?
TK
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
新しいテーマは「ありがとうにありがとう」自分の生活を細かく振り返っていく作業を通して、
自分の生活がどれだけ誰かや何かのお世話になっているか、
自分の生活はたくさんの「ありがとう」に囲まれているということに意識的になって欲しい。
そして、自然に「ありがとう!」という言葉が出てくるようになることを目指します。
YT
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
今回の4年生のテーマは「源自物語」。
源氏物語ではなくて、源「自」物語です。
つまりは自分の源を探っていくテーマです。
テーマ最初の日。
テーマ名を発表すると、子ども達からは歓声が。
このテーマは現在中学1年生と現5・6年生が行っていて
自分達もいよいよこのテーマをやる事になったのかという感じだったようです。
さてまずは、このテーマでやっていく事を説明します。
①祖父母・父母に思い出の写真を用意してもらう。
②写真についてインタビューを行う。
③祖父母・父母が生まれたころなどの世の中の出来事をさぐる。
初日はその第1弾として
自分と父母・祖父母の名前や生年月日・仕事などを
プリントに書き込んでみました。
子ども達の中にはおじいちゃんやおばあちゃんの名前や生年月日を
知らない子もいて、「あれ~何歳かはわかるんだけどなぁ」と困った顔していました。
そこで残りは宿題にして、自分達が生まれた1999年・2000年にはどんな事が
あったのか知るために年表を見てみる事にしました。
<普天間基地移設先を辺野古と決定>
この記述を見て子ども達は「え~!?今もニュースでもめてるってやってたよ!」
「10年も経ってるのにまだ解決してないの?」とビックリしたり、
「ロボット犬アイボが発売されたって!」「うわぁ~だんご三兄弟だって」
「三宅島島民全員避難ってのもある!」と自分達の生まれた年の出来事に興味津々!
そして、次の日は宿題にしてあったプリントを発表してもらいました。
発表した事を大きな表に書きいれていくと、
「大体同じ時期になってる!」とか「おばあちゃんがこんな苗字だって初めて知った」
などおもしろい事がわかってきました。
そこで同じ年表を使って自分の父母・祖父母が生まれた年に
何かおもしろい事が起きていないか見てみました。
すると、「おじいちゃん皇太子と同じ誕生日だった!」「ベルリンオリンピックだって!」
「偽札事件!!」など大興奮!
今後は、もっと詳しく世の中の動きを学んで行く事と
インタビュー調査の2本立てで行く事になります。
さぁどのような自分の源がみえてくるのでしょうか?
LM
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
「この鍵を開けたいのだけれど・・・」
おもむろに二つの南京錠を渡しました。
「針金みたいなので開ける人を見たことあるよ」
「えっ、鍵がなければ、開かないよ」
「鍵があれば簡単じゃない!」
そこで、鍵を渡すとすぐに開きました。
当然のことですが、二つの南京錠は、お互いの鍵では開けることはできません。
どこが違うかということを見ていると、鍵の形がそれぞれ違います。
「鍵の形が違うし、南京錠の鍵を入れるところも違うんだ!」
「倉庫とかに使われているよ」
「こういう鍵でダイヤルがついているのがあるよ」
そこで、今後は番号をダイヤルで合わせて鍵を開けるものを渡しました。
「ダイヤルが鍵になっている」
「数字を覚えていないと開けられない」
「でも、時間をかければ開けられるよ」
「この鍵の数字はいくつ?」
「忘れてしまいました」と伝えると・・・
「でも、開けられるよ!」
というわけで、
始めは、いくつぐらいなんだろうかとあたりをつけて、やり始めていましたが、
それでは、結局のところ時間がかかってしまうことに気づきました。
1つ1つ数字を確かめていく作業は、地道で結構大変だと感じたようで、
途中投げ出しそうになりました。
少しでも負担を減らすために、効率のことを考えて上の数字から小さくしていく方法と、
下の数字からだんだん大きな数にしていく方法で2人で分担して行っていました。
。
「1000から700までにはないな」
「下から500までにはないよ」
だんだんと二人の数の距離が近づいていきます
そして・・・
「あっ外れた、やったぁ!!」
「何かおもしろいね」
しかし、
「タイトルのあなただけに伝えたいってどういうこと?」と
子どもたちの声。その疑問だけが残りました。
次の日には、昨日のことを振り返ります。
「数字がかぎになっていた」ということから、
どのようなところに使われているか考えてみると・・・
マンションに入る入り口、携帯のロックを解除するとき、
金庫、クレジットカード・・・などなど身近なものであることが感じられます。
なぜ、そのような数字の鍵が使われるのかを考えました。
「バレないようにするためだ。」
「数字の鍵は、金属の鍵を持ち歩かなくてすむ」
「でも忘れると大変じゃない?」
「いずれは鍵開けられるよ」
「簡単に数字を変えることもできるよね」
「秘密がばれると大変だから、鍵は必要なんだろうな!」
いろいろな長所と短所、そこから必要性が見えてきました。
知られたくないということを隠すにはどちらがよいのかということで、
4つのダイヤルの鍵と3つのダイヤルの鍵どちらが開けやすいか?
ということを考えます。
3つダイヤルがある鍵は、各ダイヤルに0~9までの数字を合わせていくものです。
しばらく考えて・・・
「10×4=40通り?」
ある子は、何とか計算で出してみようとします。
いい視点です。
「そんな少なくないな」
「そうだ!999通りと000の組み合わせだから1000通りだ!」
「ってことは、10×10×10=1000ってことだ」
実際に組み合わせがあっているのか、1~3の数字のダイヤルが3つある場合を考えました。
すると、確かに3×3×3=27で27通りになっています。
「ってことは・・・6×6×6×6=・・・1296通りだ!」
「こっちの方がバレづらいんだ!」
もう一つの4つのダイヤルの鍵は、各ダイヤルが1~6の数字になっています。
数字の鍵についてはいろいろ分かってきましたが、
相変わらず、タイトルとの今までやってきたことは、つながらないままです。
今回の最後には「“かをる”ヒントは-1」
と、これもまたおもむろに黒板に書きました。
「えっ!なに?」
「意味が分からないよ」
いろいろ頭をめぐらせてみます。
すると・・・、しばらくしてから、
「わかった!!あいうえおで一文字ずつずらして、“おわり”だ」
そうなのです。
今回は暗号についてのテーマ。
暗号の中でも、数字に置き換えられるサイファーというものに関して探究していきます。
まさに数字が鍵になっており、計算したり法則を見つけて、解読していきます。
自分達でそれらの数字を使い、バレないように鍵を開発することができるでしょうか?
今の社会では、暗号を作るときには数字を使われているんだいうことを伝えます。
次の日には、ひらがなを数字に変えるという方法をみんなで探究しました。
「これだと、数字をひらがなに直すときに時間かかっちゃうよ」
「どうすればよいのかな?」と問いかけると、
次には、語呂合わせで考えてみることになりました。
「“い”は1“ひ”は、11・・・」
なるほど変換しやすそうだ。
しかし、
「全部、表がうまらない」
次には、あいうえお順に1から順番に数をふっていくことになりました。
「探しやすくなったよ」
「変えやすくもなった」
「分かりやすく、“ん”は0にしよう!」
ひとまず変換表は、できましたが、まだまだ工夫、改良の余地がありそうです。
来週からは、さらに分かりづらいものを作るにはということで、どのように工夫できるかということを探究していきます。
TK
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
新しいテーマは「ありがとうにありがとう」
自分の生活がどれだけ誰かや何かのお世話になっているか、
自分の生活はたくさんの「ありがとう」に囲まれているということ
に意識的になって欲しい。そんなテーマです。
普段から、みんなで声を掛け合って、「ありがとう」「ごめんね」などを
お互いにためらいなく言えるように気をつけています。
スクールの中ではだんだん習慣化してきてはいるのですが、ちょっと待って!
家族など周りの人たちに「ありがとう」を伝えられているでしょうか?
1,2年生たちにとって家族など周りの人達にしてもらっていることは
「有り難い」ではなくて、「当たり前」になってしまっていることが多いのです。
無意識の領域です。
だから、それを意識化するために、まずは自分の生活を振り返ってみよう!
と、いうことで朝起きてから夜寝るまでの生活を、
一人ひとり思い出しながら発表し、
スタッフはそれぞれの子ごとに
ホワイトボードに書き出していきます。
これだけでも、
ちゃんと思い出そうとしたら大変な作業。
自分の生活を、大まかにしか意識していない子もいますが、
今回は細かく思い出すことが重要なのです。
そこで、役割分担をして、一日の生活を細かく再現してみることに!
「朝ごはんを食べる」
「お父さんはボクがご飯食べてる頃出かけていく」
「はい、お父さん役の人出かける、お母さん役の人お見送り、
ボクは朝ごはんを食べる。」
いよいよボクのお出かけ。
「お母さんと一緒に出かける。」
そしてお母さん役の人と一緒に出かけます。
こんな風にして、やっと細かくそれぞれの子が自分の生活を意識化していきました。
さあ、ここにどんな人たちがどんな風にかかわっているのでしょうか?
YT
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
今週からはいよいよ本格的スタートです。
世の中の動きを学ぶために現代から少しずつ遡っていく事にしました。
まずは、2009~1945までを一気に遡ります。
地球環境問題・人権の話・核廃絶・地域紛争・・などの
まだまだ解決しなければいけない問題。
そして、冷戦時代。EUの成立。高度経済成長期。
連合国軍の占領。新しい憲法・・・
「なんでヨーロッパはこんな風にグループを組まないとけないと思う?」
子ども達と地図をみながら考えます。
「ん~わかった!ヨーロッパは小さいからだ!」「ほんとだぁ~!」
「グループ組むとどんないい事あるの?」
子ども達はEUに興味深々です。
ベルリンの壁ができた年にはある子のお父さんが生まれていました。
「パパの生まれた年だ!パパに聞いてみよう!」
「地下を掘って逃げた人もいるってTVでやってたよ」
「ドイツに住んでた事あるって言ってたから見た事あるか聞いてみる」
など、子ども達は歴史上の出来事1つ1つに非常に興味があり
年号が出るたびに教室にある父母・祖父母の生まれた年表を
見て、家族の歴史とつなげようとしています。
そして、毎日授業の後半の時間は作業の時間です。
だいぶ写真が集まってきました。
「ママのおじいちゃんとおばあちゃんの銀婚式の写真」
「パパのおじいちゃんで庭の滑り台で遊んでるの」
「お母さんの小学生の頃空港で撮ったらしい」
「パパとママの結婚式の写真」
「おじいちゃんとおばあちゃんの結婚のときの写真だよ」
「ママが大学生の時に仮装パーティしてるとこ」
色々素敵な写真が集まってきました。
子ども達は写真の事を話したくてしょうがありません。
こうして写真を集めて見るだけでも家族のつながりを再確認できるものです。
さて、いよいよ冬休み。
お正月 子ども達には大切な大切な仕事が待っています!
そう!写真のインタビューです。写真をもとに家族とたくさん話をして
家族の歴史を少しずつ紐解いてほしいと思います。
LM
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
自分達で考えて暗号というものを作り出してみたものの
『暗号とはどういうものだろう?』ということは疑問のままです。
暗号というものがどういうものなのかということを
自分達なりのイメージを膨らませました。
「暗号の反対はなんだろ?」
「暗だから光号?」
「明じゃない」
「暗ってどういうことだ?・・・」
議論し会っている中で
秘密のことを特定の人に伝えるということが
浮かび上がってきました。
自分たちが作ったひらがなから数字に変換する表の
暗号を使った宝探しゲームをしました。
「トレジャーハンター」になれるかな?
暗号の数字を見て、
自分達の作った暗号表を照らし合わせて、数字をひらがなに変えていきます。
しかし・・・
「あれ、意味の分からない」
「どういうことだろう?」
どうすれば分かるようになるだろうということを考えていきます。
「ひとつずらすのかな?」
やってみると・・・
「にかいのほんだなにあんごう」
「分かった!」
と大急ぎで次の暗号を探しにいきました。
一つずらすという法則が分かったので、今回も二人で協力をして
やってみると・・・
「また、わけのわからない言葉だ!」
「どうすればいいんだ?」
前の暗号と共通点はないかを照らし合わせてみたりして考えていました。
「暗号②だから、二つずらすんじゃない」
実際にやってみると・・・
「さんしいのおくにあんごう」
「これで完璧に解き方が分かったぞ!」
解き方が一つずつずれ方が大きくなっていくということが
分かったので、順調に暗号③は解けましたが、
最後の暗号④には一つ“しかけ”がしてありました。
それは、今までの暗号のきまりでは、ひらがなを変換した数字は、分かりやすく一つ一つ
区切ってあったのですが、今回はあえて区切っていないものでした。
あいうえお順に1から順番に番号を振っていっているので、例えば12の場合は1と2に分けられる可能性があり
区切り方によって違う変換になってしまうのです。
そこから区切りがないとややこしく
わかりづらいことが分かりました。
この部分はどうやら工夫が必要のようです。
いろいろな区切り方で考え手いるうちに
「とろふいのうしろにたから」
「やった」「あったよ!」
あめ玉をゲットしました。
何より暗号が解けたことがうれしそうです。
「また、やりたい!」
次の日IPA(情報処理推進機構)というところの暗号の専門家
近澤さんをお招きしてお話をお伺いしました。
「暗号というものは今の世の中には切っても切り離せないものです」
実際にこんなところに使われているんだということを教えてくれました。
デジタルの有料のテレビ放送、携帯電話の電波、ETCの情報のやりとり、パスモやスイカの情報のやりとりなどなど・・・
「そんなところに使われているんだ」と身近で現在ではなくてはならないものについて、
使われてていることに驚きを感じていました。
みんな、暗号にして他の人には知られないようにしておいて、情報のやりとりをします。
暗号で情報のやりとりをしているから、安全なのです。
やりとりしている情報が全く関係のないものへ変えられてしまう可能性もあります。
暗号がもしなかったら、秘密が知られてしまい、とても困ってしまうのです。
例えば、買い物に使うクレジットカードは、悪用されてしまうと大変なことになります。
携帯電話は簡単に何を話しているのかを聞かれてしまいます。
暗号は今や欠かせない技術なのです。
「そして、なぜ数字が使われているかというと、コンピュータが計算がしやすいから
2進法というものが使われているんだ」という話を聞きました。
だから、暗号化するために計算を始めとした工夫がなされているということです。
近澤さんにが帰った後、子ども達は
「ここらへんに電波が飛んでいるのかな?」
「ここにも電波があるんだよね」
と、見えない電波を想像して、とても不思議に感じていました。
目に見えない情報に暗号が使われていること。
考えてみれば、おもしろいものです。
TK
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
先週一生懸命に思い出して書き出した自分の生活。
今週は、ここに「誰が、どんな風にかかわっているか」
思い出しながら書いていきます。
最初からスラスラ出てくるわけではなく、最初はスタッフと一つ一つ丁寧に
振り返ります。そうこうしていくうちに子ども達からも自分の言葉で
周りの人たちとのかかわりが出てきます。
「丸の内線の中では・・・お母さんが近くに居てくれる。」
「バスに乗る・・・ママが定期を買ってくれた。」
今までまったく意識していなかった身近な存在の人々とのかかわりを
意識できてきたことは大きな変化です。
そしてこの表を元に、今度は自分の顔写真の周りに、自分とかかわりのある
人の名前を付箋に書いてどんどん貼っていきます。
家族、スクール、それ以外・・・と付箋を色分けしながら貼っていくと・・・
自分の周りに広がる世界が形となって現れてきました。
自分の写真と付箋を鉛筆の線でつないでいる子もいます。
年末年始、自分と周りの人たちとのかかわり合いで
何か新しい発見があるといいね!
YT
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
以上