「この鍵を開けたいのだけれど・・・」
おもむろに二つの南京錠を渡しました。
「針金みたいなので開ける人を見たことあるよ」
「えっ、鍵がなければ、開かないよ」
「鍵があれば簡単じゃない!」
そこで、鍵を渡すとすぐに開きました。
当然のことですが、二つの南京錠は、お互いの鍵では開けることはできません。
どこが違うかということを見ていると、鍵の形がそれぞれ違います。
「鍵の形が違うし、南京錠の鍵を入れるところも違うんだ!」
「倉庫とかに使われているよ」
「こういう鍵でダイヤルがついているのがあるよ」
そこで、今後は番号をダイヤルで合わせて鍵を開けるものを渡しました。
「ダイヤルが鍵になっている」
「数字を覚えていないと開けられない」
「でも、時間をかければ開けられるよ」
「この鍵の数字はいくつ?」
「忘れてしまいました」と伝えると・・・
「でも、開けられるよ!」
というわけで、
始めは、いくつぐらいなんだろうかとあたりをつけて、やり始めていましたが、
それでは、結局のところ時間がかかってしまうことに気づきました。
1つ1つ数字を確かめていく作業は、地道で結構大変だと感じたようで、
途中投げ出しそうになりました。
少しでも負担を減らすために、効率のことを考えて上の数字から小さくしていく方法と、
下の数字からだんだん大きな数にしていく方法で2人で分担して行っていました。
。
「1000から700までにはないな」
「下から500までにはないよ」
だんだんと二人の数の距離が近づいていきます
そして・・・
「あっ外れた、やったぁ!!」
「何かおもしろいね」
しかし、
「タイトルのあなただけに伝えたいってどういうこと?」と
子どもたちの声。その疑問だけが残りました。
次の日には、昨日のことを振り返ります。
「数字がかぎになっていた」ということから、
どのようなところに使われているか考えてみると・・・
マンションに入る入り口、携帯のロックを解除するとき、
金庫、クレジットカード・・・などなど身近なものであることが感じられます。
なぜ、そのような数字の鍵が使われるのかを考えました。
「バレないようにするためだ。」
「数字の鍵は、金属の鍵を持ち歩かなくてすむ」
「でも忘れると大変じゃない?」
「いずれは鍵開けられるよ」
「簡単に数字を変えることもできるよね」
「秘密がばれると大変だから、鍵は必要なんだろうな!」
いろいろな長所と短所、そこから必要性が見えてきました。
知られたくないということを隠すにはどちらがよいのかということで、
4つのダイヤルの鍵と3つのダイヤルの鍵どちらが開けやすいか?
ということを考えます。
3つダイヤルがある鍵は、各ダイヤルに0~9までの数字を合わせていくものです。
しばらく考えて・・・
「10×4=40通り?」
ある子は、何とか計算で出してみようとします。
いい視点です。
「そんな少なくないな」
「そうだ!999通りと000の組み合わせだから1000通りだ!」
「ってことは、10×10×10=1000ってことだ」
実際に組み合わせがあっているのか、1~3の数字のダイヤルが3つある場合を考えました。
すると、確かに3×3×3=27で27通りになっています。
「ってことは・・・6×6×6×6=・・・1296通りだ!」
「こっちの方がバレづらいんだ!」
もう一つの4つのダイヤルの鍵は、各ダイヤルが1~6の数字になっています。
数字の鍵についてはいろいろ分かってきましたが、
相変わらず、タイトルとの今までやってきたことは、つながらないままです。
今回の最後には「“かをる”ヒントは-1」
と、これもまたおもむろに黒板に書きました。
「えっ!なに?」
「意味が分からないよ」
いろいろ頭をめぐらせてみます。
すると・・・、しばらくしてから、
「わかった!!あいうえおで一文字ずつずらして、“おわり”だ」
そうなのです。
今回は暗号についてのテーマ。
暗号の中でも、数字に置き換えられるサイファーというものに関して探究していきます。
まさに数字が鍵になっており、計算したり法則を見つけて、解読していきます。
自分達でそれらの数字を使い、バレないように鍵を開発することができるでしょうか?
今の社会では、暗号を作るときには数字を使われているんだいうことを伝えます。
次の日には、ひらがなを数字に変えるという方法をみんなで探究しました。
「これだと、数字をひらがなに直すときに時間かかっちゃうよ」
「どうすればよいのかな?」と問いかけると、
次には、語呂合わせで考えてみることになりました。
「“い”は1“ひ”は、11・・・」
なるほど変換しやすそうだ。
しかし、
「全部、表がうまらない」
次には、あいうえお順に1から順番に数をふっていくことになりました。
「探しやすくなったよ」
「変えやすくもなった」
「分かりやすく、“ん”は0にしよう!」
ひとまず変換表は、できましたが、まだまだ工夫、改良の余地がありそうです。
来週からは、さらに分かりづらいものを作るにはということで、どのように工夫できるかということを探究していきます。
TK
※TCS2009年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。