椅子作りの納期がすぐそこまで迫ってきた追い込み段階の七選工房です。
まずは、作業前の職人の心得の唱和から始めます。
「職人の心得!一つ、手を抜かない・・・一つ、段取り八割・・・一つ、良い加減・・・」
唱和が終わった後、
「私、見ないで言えたよ!」とある子が報告してくれました。
このように子ども達は暗唱できるようになりました。
頭の中にはしっかりと叩き込まれました。
その後は、いつものように作業に取りかかります。
ひたすら切った木の長さをそろえるというずっと単調な作業に
「つかれた~」
「のこぎりで切るときにずれてしまったから、直すのが大変だぁ」
と弱音もぽろぽろと口にする子も出てきました。
しかし、疲れたといっても完成させなければいけない。
やめるわけにはいかずに気持ちを切り替えて、また取りかかる。
そんな作業のひたすらくり返しです。
仕事には見た目のかっこよさだけではなく、裏ではとても根気のいる大変な作業があることを実感していました。
組み立てまでにこんなに時間がかかるとは・・・
まさに、「段取り八割」
みんな、それでも投げ出すことなくよく頑張ってしました。
やがて、長さがそろった子から、組立作業に入りました。
木ねじとインパクトドライバーを使って、そして、場所によっては釘と玄能を使って、木材同士をくっつけていきます。
設計図に合わせて正確に線を引くことに始まり、のこぎりで正確に切ること、釘をまっすぐ打つこと・・・などなどでもずれると、椅子の座りごごちが違ってきます。
一つ一つの作業の「手を抜けない」ということはとても大切なことというのが結果に表れます。
うまくいったときにはとても感動の大きいものになりました。
しかし、うまくいった子だけではありません。
残念ながら、組み立ててみたものの、ひどくがたつきのある椅子になってしまったものが出てきました。
「一生懸命にやったのに・・・」
しかし、このままでは商品にならないということで、原因を追究して、修正をしていくために気持ちを切り替えて取り組みました。
さて、テーマ発表会にて、これらの出来上がった商品を納品ということになっています。
そこで、今回は、品評会として、多くの方に、見てもらい、実際に座ってもらい、評価をしていただくことにしました。
品評会では、あえて誰が作ったということは告げずに判断してもらうことにしました。
そこは、いくら苦労をしたといっても出来上がりのよしあしのみで判断される厳しい世界です。
果たして、お客様の満足というものを獲得できるでしょうか?
TK