タイトル:Be Water
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:上善水の如し。
汚れを予め新聞紙で拭き取り、溜めた水で洗う。
仕上げは、回収後にしてもらっているため、これで終了。
すると、水の量はぐんと減らせます。
汚れ具合によっては水を使わなくても済んでしまう場合もでてきます。
ほかの学年の人たちにも協力してもらうことに。
油汚れを軽減するための施策として始まった食器洗い改革でしたが、
必要以上に水を使っている状況が明らかになってきました。
食器洗いのほか、自分たちはどんなことにどれだけの水を使っているのか、
それぞれ家で調べてくることにしました。
お風呂に入るのにもメジャーカップを持ち込んで測ってみたり、
水道の10秒あたりの水の量、もしくは100mlあたりの秒数を測ってみたりして調べます。トイレは水再生センターの人から小は5L、大は13Lと聞いていましたが、
家のトイレの説明書から正確な使用水量を見つけ出してくる子もいました。
歯磨きやペットもしくは植物への水など、気がついたときには計量して1日分の合計を出してみると、100L〜400L使っていることがわかりました。また、水道料金表から一人分を割り出してみた子もいます。共通していたことは、減らせるかもしれない水があると実感したこと、そして、飲み水ではなく、洗うことに使っている水の量がほとんどであったことでした。
国土交通省やJICAの資料、再生センターでもらった資料、『水はめぐる もしも地球がひとつの井戸だったら』に書かれている文章やグラフをもとにして、実際に出された統計と自分たちの調査結果を照らし合わせてみます。
「ひとりが1日に使う水の量は、日本が310Lでネパールは30Lなんだ。」
「ネパールは、水道が少なかったと思う。」
冬休みに、ネパールでの交流プログラムに参加した子たちが水の使い方が日本とは違っていたことを紹介します。実際に測定したり、体験したりすることで、資料を読んで受け取る印象度は大きく変わってきます。国によって、使える水の量が違うことは、水がある国とない国があることを証明していることにもなり、国同士で水の奪い合いが起こる現状にも納得できます。
「水を使いすぎているのはわかったけど、そんなに有毒に汚しているとは思えないんだけど、 どこで水に有毒なものが混ざって再生センターに届くのかな?」
その疑問は、「水使用形態の区分」「全国の水使用量」のグラフを見ることで原因が見えてきます。自分たちが水を使いすぎていると思っていた量が、全体から見たらほんのわずかであり、家庭よりも工業、工業よりも農業に使われている水量の方がはるかに多いことがわかります。しかし、この水も自分たちが使っていることには変わりありません。
水不足の現状を表した世界地図を見てみます。
人口一人あたりの利用可能水資源量を「水ストレス」として、色の濃くなっている地域が、水資源供給量に対して需要が多いことを示しています。
「日本が赤くなってる。」
「『水をめぐる』にも、アジアは水不足だって書かれていたから、日本は水不足なんだ。」
そこで、次に見た資料は、日本がどの国からどのくらい水資源を輸入しているかを示した地図。仮想水とは、もし自国で生産していたらどの程度の水を必要としたかを推定したものであり、日本は世界最大の水資源輸入国であることが書かれています。また、自分たちが生活の中で外国のミネラルウォーターを飲んでいることも事実であり、自分たちがほかの国の水を使っているために、水不足を感じていないという事実まで明らかになってきました。すると、水を商品化したことで企業と住民が争うことになった水戦争では、自分たちは企業側のお客であることもつながっていきます。
そして、「世界の人口と世界の取水量の推移」から、人口が増え続けていることで一人あたりの水量が減っていくこともわかると、ますます水を使いすぎていては水がもたなくなることもわかってきます。
毎回、一緒に読んできた資料については、自分でもう一度振り返ります。
印象に残ったグラフは自分でも書き取ってみる、理解したことを自分の言葉で解説してみる、疑問に思ったことを書き記しておく、それぞれのまとめをシェアすることで、改めて理解できることや自分とは違った考え方を知り、同じ資料から見方が広がっていきます。
油拭きスタイルが定着しつつある中、食器洗い後のキッチンを見てみると、油汚れは軽減されたように見えます。でも、それ以上に気になるのは三角コーナーに残された生ゴミの多さです。まだ食べられるのに捨ててしまうのは、水を捨てているのと同じ。低学年の子に、やさしく話しかけ、きれいに食べられるよう促しています。調査と資料を合わせることで自分たちの行動が見直されていきます。
AN
※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:上善水の如し。
[3・4年生]
給食のお弁当箱を洗うのに2770mlもの水を使っていることがわかり、汚れを予め新聞紙で拭き取り、溜めた水で洗う。
仕上げは、回収後にしてもらっているため、これで終了。
すると、水の量はぐんと減らせます。
汚れ具合によっては水を使わなくても済んでしまう場合もでてきます。
ほかの学年の人たちにも協力してもらうことに。
油汚れを軽減するための施策として始まった食器洗い改革でしたが、
必要以上に水を使っている状況が明らかになってきました。
食器洗いのほか、自分たちはどんなことにどれだけの水を使っているのか、
それぞれ家で調べてくることにしました。
お風呂に入るのにもメジャーカップを持ち込んで測ってみたり、
水道の10秒あたりの水の量、もしくは100mlあたりの秒数を測ってみたりして調べます。トイレは水再生センターの人から小は5L、大は13Lと聞いていましたが、
家のトイレの説明書から正確な使用水量を見つけ出してくる子もいました。
歯磨きやペットもしくは植物への水など、気がついたときには計量して1日分の合計を出してみると、100L〜400L使っていることがわかりました。また、水道料金表から一人分を割り出してみた子もいます。共通していたことは、減らせるかもしれない水があると実感したこと、そして、飲み水ではなく、洗うことに使っている水の量がほとんどであったことでした。
国土交通省やJICAの資料、再生センターでもらった資料、『水はめぐる もしも地球がひとつの井戸だったら』に書かれている文章やグラフをもとにして、実際に出された統計と自分たちの調査結果を照らし合わせてみます。
「ひとりが1日に使う水の量は、日本が310Lでネパールは30Lなんだ。」
「ネパールは、水道が少なかったと思う。」
冬休みに、ネパールでの交流プログラムに参加した子たちが水の使い方が日本とは違っていたことを紹介します。実際に測定したり、体験したりすることで、資料を読んで受け取る印象度は大きく変わってきます。国によって、使える水の量が違うことは、水がある国とない国があることを証明していることにもなり、国同士で水の奪い合いが起こる現状にも納得できます。
「水を使いすぎているのはわかったけど、そんなに有毒に汚しているとは思えないんだけど、 どこで水に有毒なものが混ざって再生センターに届くのかな?」
その疑問は、「水使用形態の区分」「全国の水使用量」のグラフを見ることで原因が見えてきます。自分たちが水を使いすぎていると思っていた量が、全体から見たらほんのわずかであり、家庭よりも工業、工業よりも農業に使われている水量の方がはるかに多いことがわかります。しかし、この水も自分たちが使っていることには変わりありません。
水不足の現状を表した世界地図を見てみます。
人口一人あたりの利用可能水資源量を「水ストレス」として、色の濃くなっている地域が、水資源供給量に対して需要が多いことを示しています。
「日本が赤くなってる。」
「『水をめぐる』にも、アジアは水不足だって書かれていたから、日本は水不足なんだ。」
そこで、次に見た資料は、日本がどの国からどのくらい水資源を輸入しているかを示した地図。仮想水とは、もし自国で生産していたらどの程度の水を必要としたかを推定したものであり、日本は世界最大の水資源輸入国であることが書かれています。また、自分たちが生活の中で外国のミネラルウォーターを飲んでいることも事実であり、自分たちがほかの国の水を使っているために、水不足を感じていないという事実まで明らかになってきました。すると、水を商品化したことで企業と住民が争うことになった水戦争では、自分たちは企業側のお客であることもつながっていきます。
そして、「世界の人口と世界の取水量の推移」から、人口が増え続けていることで一人あたりの水量が減っていくこともわかると、ますます水を使いすぎていては水がもたなくなることもわかってきます。
毎回、一緒に読んできた資料については、自分でもう一度振り返ります。
印象に残ったグラフは自分でも書き取ってみる、理解したことを自分の言葉で解説してみる、疑問に思ったことを書き記しておく、それぞれのまとめをシェアすることで、改めて理解できることや自分とは違った考え方を知り、同じ資料から見方が広がっていきます。
油拭きスタイルが定着しつつある中、食器洗い後のキッチンを見てみると、油汚れは軽減されたように見えます。でも、それ以上に気になるのは三角コーナーに残された生ゴミの多さです。まだ食べられるのに捨ててしまうのは、水を捨てているのと同じ。低学年の子に、やさしく話しかけ、きれいに食べられるよう促しています。調査と資料を合わせることで自分たちの行動が見直されていきます。
AN
※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。