タイトル:Be Water
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:上善水の如し。
「水は、雨→川→海→蒸発して雲→雨ってぐるぐる回ってる。」
「なのに、どうして水不足が起きるのだろう。」
「水で争いが起きてるなんて信じられない。」
日本では水問題が起きていない、水戦争は遠い国のできごとだという認識でありました。
テーマタイトルやセントラルアイディアについても、
「水になったら、流れちゃうよ。」
「上善水の如しってどういう意味?」
知ってる、聞いたことあるという声はあがりませんでした。
疑問は浮かぶものの、知っていることから予想につながらず、モヤモヤした状態からのスタートでした。こういった状態での始まりは、頭の中の知識がどんどん更新されていく過程を楽しめます。いよいよ5週目に入り、もう一度、1週目と同じく、水について知ったことをあげていきました。
「水がないと生物は生きられない。」
「人間は、水を「すごく」必要としてしまう。」
「実は減らせるのに。」
「シャワーの水って、1秒あたり120mlも出てるし。」
「水に困る人にとっては「お水さま」だけど、
そうでないと「たかが水」と思ってしまう。」
「意識すれば使う量を減らせる!」
「日本は水を使っている方。」
「エチオピアでは1日10Lしか使っていないのに、日本は310L。」
「仮想水としても使ってる。」
「世界から輸入しているものが多い。」
「1杯200mlの牛乳を作るのに185Lも水を使ってる。」
「お日さまっていうけど、お水さまって言わないのは、
水をつくるのは太陽だからかな。」
「海の水は塩を残して雨になる。太陽が海の水を雲にする。
川から淡水が海に流れて、海の塩水は濃くならない。」
「できた水は変な味はしていない。雨の水も飲んでもよいんじゃない?」
「雲から水がとれるなら、超いっぱい水ができる。」
「でも、実際に雨水ってなかなか貯まらない。」
理科実験の中で、海から水ができる循環と同じ仕組みをつくり、色のついた食塩水から透明で塩味のしない水ができる実験をしました。そこから学んだことが発言の中で出てきています。 また、外にバケツを設置して雨水を貯めて使ってみようと考えていたのですが、雨が続く日にも関わらず、実際にバケツに貯まった水の量は300mLほどでした。
「水は色々な形になる。変身する。」
「水からお湯、湯気、水蒸気、雲、雨、雪、氷にもなる。」
「水は水のときは水だけど、水じゃないときは水じゃない。」
「水は水であって、水でない。」
「望む形になる。」
「それを人間がコントロールして使ってる。」
「水を再生するのは人間だし。」
「ということは、ぼくたちは水を殺していた?!」
「洪水とかつなみとかあるから、人間はコントロールできないよ。」
「水が人間をコントロールしてるのでは?」
Be Water。水のようになれ。ブルース・リーが語っている動画を見たこともあり、また、「上善」とはよりよく生きることと言葉の意味も確認していることから、水の物質的側面と概念的側面の両面に触れていけるまでになっています。
「水が氷になるまで時間がかかる。エネルギーをいっぱい使う。」
「周りのものを溶かす力があって、水は強い。」
「水のお給料はない!水は文句を言わない!」
「水の身分は人間よりも上!みんなのために何でもやってくださる「お水さま」だ。」
「水は頼られる存在。人間は頼ってばかり。」
知れば知るほど、水は有難く尊い存在であることがあげられていきます。こうした話の中から、先月まで朝の会で音読していた井原西鶴の『本朝永代蔵』で語られている「お金」と「お水」が似ているという意見が出てきます。
「お水は、もの言わずして恵み深しだね。」
「人は欲あっていつわり多し。」
「その心は、みにくくしてお水に対して礼なし。」
一人があっというまに替え歌にして言ってみると、「おー!」とみんなの称賛の声があがります。朝の音読は古典を題材に読みあげることを日々しています。月ごとに作品を変えていて、先月が『本朝永代蔵』だったため、子どもたちの耳に鮮明に残っています。江戸時代の町人の話であり、いかにしてお金持ちになるか、その冒頭には、「お金」とは何かが描かれています。
天道ものいはずして、国土に恵みふかし。
人は実あつて、偽りおほし。
その心はもと虚にして、物に応じて跡なし。
リズムよい文体をまねすることで響きよく聞こえてきます。
このまま、ほかの部分も「水」とは何かを詠っていけそうです。
水を学んだのではなく、水から何を学んだか。立ち位置が違うだけで見え方も変わってきます。「お水さま」は「人間」に何を訴えているのかを考え、それを替え歌という軸を使って、当てはめる。それぞれが感じた「お水」が浮き出てくる、またとない学びのチャンスです。音読をリズムで捉え、意味も理解しているがゆえに、話し合いの流れでポンとつながるその感性は素晴らしいものです。浮かんだことを言葉に出して共有していく中で、それぞれの頭の中の知識が更新されゆく楽しさに触れた1週間でありました。
AN
※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:上善水の如し。
[3・4年生]
1週目に、水について知っていることを出し合ったときは、「水は、雨→川→海→蒸発して雲→雨ってぐるぐる回ってる。」
「なのに、どうして水不足が起きるのだろう。」
「水で争いが起きてるなんて信じられない。」
日本では水問題が起きていない、水戦争は遠い国のできごとだという認識でありました。
テーマタイトルやセントラルアイディアについても、
「水になったら、流れちゃうよ。」
「上善水の如しってどういう意味?」
知ってる、聞いたことあるという声はあがりませんでした。
疑問は浮かぶものの、知っていることから予想につながらず、モヤモヤした状態からのスタートでした。こういった状態での始まりは、頭の中の知識がどんどん更新されていく過程を楽しめます。いよいよ5週目に入り、もう一度、1週目と同じく、水について知ったことをあげていきました。
「水がないと生物は生きられない。」
「人間は、水を「すごく」必要としてしまう。」
「実は減らせるのに。」
「シャワーの水って、1秒あたり120mlも出てるし。」
「水に困る人にとっては「お水さま」だけど、
そうでないと「たかが水」と思ってしまう。」
「意識すれば使う量を減らせる!」
「日本は水を使っている方。」
「エチオピアでは1日10Lしか使っていないのに、日本は310L。」
「仮想水としても使ってる。」
「世界から輸入しているものが多い。」
「1杯200mlの牛乳を作るのに185Lも水を使ってる。」
「お日さまっていうけど、お水さまって言わないのは、
水をつくるのは太陽だからかな。」
「海の水は塩を残して雨になる。太陽が海の水を雲にする。
川から淡水が海に流れて、海の塩水は濃くならない。」
「できた水は変な味はしていない。雨の水も飲んでもよいんじゃない?」
「雲から水がとれるなら、超いっぱい水ができる。」
「でも、実際に雨水ってなかなか貯まらない。」
理科実験の中で、海から水ができる循環と同じ仕組みをつくり、色のついた食塩水から透明で塩味のしない水ができる実験をしました。そこから学んだことが発言の中で出てきています。 また、外にバケツを設置して雨水を貯めて使ってみようと考えていたのですが、雨が続く日にも関わらず、実際にバケツに貯まった水の量は300mLほどでした。
「水は色々な形になる。変身する。」
「水からお湯、湯気、水蒸気、雲、雨、雪、氷にもなる。」
「水は水のときは水だけど、水じゃないときは水じゃない。」
「水は水であって、水でない。」
「望む形になる。」
「それを人間がコントロールして使ってる。」
「水を再生するのは人間だし。」
「ということは、ぼくたちは水を殺していた?!」
「洪水とかつなみとかあるから、人間はコントロールできないよ。」
「水が人間をコントロールしてるのでは?」
Be Water。水のようになれ。ブルース・リーが語っている動画を見たこともあり、また、「上善」とはよりよく生きることと言葉の意味も確認していることから、水の物質的側面と概念的側面の両面に触れていけるまでになっています。
「水が氷になるまで時間がかかる。エネルギーをいっぱい使う。」
「周りのものを溶かす力があって、水は強い。」
「水のお給料はない!水は文句を言わない!」
「水の身分は人間よりも上!みんなのために何でもやってくださる「お水さま」だ。」
「水は頼られる存在。人間は頼ってばかり。」
知れば知るほど、水は有難く尊い存在であることがあげられていきます。こうした話の中から、先月まで朝の会で音読していた井原西鶴の『本朝永代蔵』で語られている「お金」と「お水」が似ているという意見が出てきます。
「お水は、もの言わずして恵み深しだね。」
「人は欲あっていつわり多し。」
「その心は、みにくくしてお水に対して礼なし。」
一人があっというまに替え歌にして言ってみると、「おー!」とみんなの称賛の声があがります。朝の音読は古典を題材に読みあげることを日々しています。月ごとに作品を変えていて、先月が『本朝永代蔵』だったため、子どもたちの耳に鮮明に残っています。江戸時代の町人の話であり、いかにしてお金持ちになるか、その冒頭には、「お金」とは何かが描かれています。
天道ものいはずして、国土に恵みふかし。
人は実あつて、偽りおほし。
その心はもと虚にして、物に応じて跡なし。
リズムよい文体をまねすることで響きよく聞こえてきます。
このまま、ほかの部分も「水」とは何かを詠っていけそうです。
水を学んだのではなく、水から何を学んだか。立ち位置が違うだけで見え方も変わってきます。「お水さま」は「人間」に何を訴えているのかを考え、それを替え歌という軸を使って、当てはめる。それぞれが感じた「お水」が浮き出てくる、またとない学びのチャンスです。音読をリズムで捉え、意味も理解しているがゆえに、話し合いの流れでポンとつながるその感性は素晴らしいものです。浮かんだことを言葉に出して共有していく中で、それぞれの頭の中の知識が更新されゆく楽しさに触れた1週間でありました。
AN
※TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。