タイトル:We love 遊
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」
スタッフに伝えにきたり、近くにいる友達に伝えたりしていますが、全員には共有されていません。 そこで、一度作業を止めて、自分がどこまで進んでいるかも含め、これまでに疑問に思ったこと、それを尋ねてみてわかったこと、プレゼンで発表したいと思っていることなどの報告を一人ずつしていくことにしました。
「お母さんもおばあちゃんも家の前で遊んでる。でも、私は、外なら公園とか、遊ぶ友達はTCSの子とかで、2人とは違う。家の前は車が通って遊べない。」
「うちのお父さんも山とか、原っぱって書いてある。」
遊び場という観点でみれば、2世代との間に大きな違いがあるようです。
どうして違いがあるのだと思うかを聞いてみると、
「車が通っていなかったから?」
「車がなかったからじゃない?」
「戦後は焼け野原だったから、広い場所がいっぱいあったんじゃない。」
「おばあちゃんは、焼け野原でがらくたがいっぱいあったって言ってた。」
「戦後は、何もなかったって書いてある。」
車・家・お風呂・食べ物・お金・カメラ・テレビ・おもちゃなど、
なかったと聞いて自分たちが驚いたものを次々にあげていきます。
「お風呂がなかったから、髪の毛洗えないから、女の子はおかっぱで男の子は坊主だったんだって。」
「おばあちゃんの写真に写ってる女の子たちはみんな同じ髪型で短い。」
「でも、シラミができちゃうと今でも男の子は坊主になるよね。」
「幼稚園のとき、流行ったことある。」
「カール人形で髪型変えられるのが楽しいって書いてある。自分じゃ髪型変えられなかったからかな。」
実際に、自分たちが経験していることと重なったり、
『ガラスのうさぎ』『半分のさつまいも』など戦後の子ども時代を描いた物語の一部を紹介したりすることで、写真や証言がさらなる裏付けとなっていきます。
「団地がどんどん増えていったから、野山がなくなっていった。」
「建物が植えて、空き地がなくなった。」「公園が増えていった。」など、
どうして変化していったのか考えられる根拠を一緒に探っていきます。
手紙には、たくさんの根拠となる元が詰まっています。
”車が少なくて道路で遊べた。”
”そろそろ車が走り始めて、信号が少なく広い道が危ないから、車の通らない路地で遊んだ。”
“お父さんがいた頃の団地は、まだ建物の数も少なくて人の手の入っていない野山があった。”
“田んぼでオタマジャクシをとって遊んだけど、高校生の頃には住宅街になってしまった。”
発見とは思わないで口にすることはしなくても、それぞれ自分がもらった手紙は読み込んでいます。 そのため、誰かの発表した話が自分の読んだことと繋がったときには、聞いている側から意見が飛び出してきます。ひとつの話題から見方が広がっていきます。また、書いてあっても気がつかない場合は、私の方から「誰かの手紙にこんなこと書いてあって気がするけど・・。」というと、一斉に手紙を読み直し、見落としていた部分を発見したり、こちらが意図していないところで「あ、こんなこと書いてある!」と新たな発見が生まれたりしていきます。
「おばあちゃんもお父さんもぼくもテレビの真似をしてた。おばあちゃんはおそ松くんのイヤミで、お父さんとぼくはガンダムが好き。」
確かにテレビの影響は大きいことがどの子の遊史ートからも見えてきます。
「お父さんたちのときは野球が大人気だったから、サッカーしてる子は少なかったって。」
「なんで、Tくんのお父さんはサッカーやってたのかな?」
“野球観戦が好きで、野球選手の真似をしてボールを投げてヒーロー気分になってた。”という文面があることから、野球とサッカーの関係にもテレビが関わってきていそうなことが予測できます。
「インベーダーゲームが好きだったお母さんにどこが面白かったのか聞いてみたら、ゲームオーバーしないように気をつけるところが面白かったって言ってた。」
「でも、アーケードゲームって何かわからなくて、まだ聞いてない。」
アーケードゲームは、家庭用ではないゲーム機の総称です。つまり、遊びに行った先で遊んでいたことになります。 お金を使ってゲームをするとなると、ゲームオーバーしないことが重要になってきます。 手紙には、「喫茶店などによく行っていってやっていた記憶があります。」と書かれています。
アーケードゲームの話を受けて、別の子がお父さんに質問をしてきたようで、
「うちのお父さんは、50円で1時間くらいしてたって言ってた。」と言います。
親世代の子どもの頃は「ファミリーコンピューターの発売」が遊びを大きく変えたことも手紙のあちこちで見えてきます。
“ファミコンを買ってもらってから、ゲームばかりになってしまった。”
“友達はファミコンを持っていたけど、うちにはなかった。
でも、このころから家の中で遊ぶようになった。”
“ファミコンと同じ頃からシルバニアファミリーが流行り、家に持ち寄って遊ぶようになった。”
全員の話を聞いて、自分の遊史ートを見直していきます。分け方を変えたり、発言はしたけれど書いていなかったことを加えたりしています。
来週は、いよいよ最終週。プレゼンテーションでは、紙芝居仕立てで発表します。一人ひとりの発見を1枚ずつ合わせていき、ひとつのストーリーを作っていきます。ほかの人の発見をどう繋げていくか、そこに世の中の動きを絡めていきます。 遊び場、遊ぶ物、テレビ、これらの変化を流れの中で結びつけることで、「歴史」と自分を近づけていきます。
AN
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「不易流行」
[3・4年生]
遊史ートを作りながら、見つけ出した疑問や発見は、すぐに誰かに伝えたくなるものです。スタッフに伝えにきたり、近くにいる友達に伝えたりしていますが、全員には共有されていません。 そこで、一度作業を止めて、自分がどこまで進んでいるかも含め、これまでに疑問に思ったこと、それを尋ねてみてわかったこと、プレゼンで発表したいと思っていることなどの報告を一人ずつしていくことにしました。
「お母さんもおばあちゃんも家の前で遊んでる。でも、私は、外なら公園とか、遊ぶ友達はTCSの子とかで、2人とは違う。家の前は車が通って遊べない。」
「うちのお父さんも山とか、原っぱって書いてある。」
遊び場という観点でみれば、2世代との間に大きな違いがあるようです。
どうして違いがあるのだと思うかを聞いてみると、
「車が通っていなかったから?」
「車がなかったからじゃない?」
「戦後は焼け野原だったから、広い場所がいっぱいあったんじゃない。」
「おばあちゃんは、焼け野原でがらくたがいっぱいあったって言ってた。」
「戦後は、何もなかったって書いてある。」
車・家・お風呂・食べ物・お金・カメラ・テレビ・おもちゃなど、
なかったと聞いて自分たちが驚いたものを次々にあげていきます。
「お風呂がなかったから、髪の毛洗えないから、女の子はおかっぱで男の子は坊主だったんだって。」
「おばあちゃんの写真に写ってる女の子たちはみんな同じ髪型で短い。」
「でも、シラミができちゃうと今でも男の子は坊主になるよね。」
「幼稚園のとき、流行ったことある。」
「カール人形で髪型変えられるのが楽しいって書いてある。自分じゃ髪型変えられなかったからかな。」
実際に、自分たちが経験していることと重なったり、
『ガラスのうさぎ』『半分のさつまいも』など戦後の子ども時代を描いた物語の一部を紹介したりすることで、写真や証言がさらなる裏付けとなっていきます。
「団地がどんどん増えていったから、野山がなくなっていった。」
「建物が植えて、空き地がなくなった。」「公園が増えていった。」など、
どうして変化していったのか考えられる根拠を一緒に探っていきます。
手紙には、たくさんの根拠となる元が詰まっています。
”車が少なくて道路で遊べた。”
”そろそろ車が走り始めて、信号が少なく広い道が危ないから、車の通らない路地で遊んだ。”
“お父さんがいた頃の団地は、まだ建物の数も少なくて人の手の入っていない野山があった。”
“田んぼでオタマジャクシをとって遊んだけど、高校生の頃には住宅街になってしまった。”
発見とは思わないで口にすることはしなくても、それぞれ自分がもらった手紙は読み込んでいます。 そのため、誰かの発表した話が自分の読んだことと繋がったときには、聞いている側から意見が飛び出してきます。ひとつの話題から見方が広がっていきます。また、書いてあっても気がつかない場合は、私の方から「誰かの手紙にこんなこと書いてあって気がするけど・・。」というと、一斉に手紙を読み直し、見落としていた部分を発見したり、こちらが意図していないところで「あ、こんなこと書いてある!」と新たな発見が生まれたりしていきます。
「おばあちゃんもお父さんもぼくもテレビの真似をしてた。おばあちゃんはおそ松くんのイヤミで、お父さんとぼくはガンダムが好き。」
確かにテレビの影響は大きいことがどの子の遊史ートからも見えてきます。
「お父さんたちのときは野球が大人気だったから、サッカーしてる子は少なかったって。」
「なんで、Tくんのお父さんはサッカーやってたのかな?」
“野球観戦が好きで、野球選手の真似をしてボールを投げてヒーロー気分になってた。”という文面があることから、野球とサッカーの関係にもテレビが関わってきていそうなことが予測できます。
「インベーダーゲームが好きだったお母さんにどこが面白かったのか聞いてみたら、ゲームオーバーしないように気をつけるところが面白かったって言ってた。」
「でも、アーケードゲームって何かわからなくて、まだ聞いてない。」
アーケードゲームは、家庭用ではないゲーム機の総称です。つまり、遊びに行った先で遊んでいたことになります。 お金を使ってゲームをするとなると、ゲームオーバーしないことが重要になってきます。 手紙には、「喫茶店などによく行っていってやっていた記憶があります。」と書かれています。
アーケードゲームの話を受けて、別の子がお父さんに質問をしてきたようで、
「うちのお父さんは、50円で1時間くらいしてたって言ってた。」と言います。
親世代の子どもの頃は「ファミリーコンピューターの発売」が遊びを大きく変えたことも手紙のあちこちで見えてきます。
“ファミコンを買ってもらってから、ゲームばかりになってしまった。”
“友達はファミコンを持っていたけど、うちにはなかった。
でも、このころから家の中で遊ぶようになった。”
“ファミコンと同じ頃からシルバニアファミリーが流行り、家に持ち寄って遊ぶようになった。”
全員の話を聞いて、自分の遊史ートを見直していきます。分け方を変えたり、発言はしたけれど書いていなかったことを加えたりしています。
来週は、いよいよ最終週。プレゼンテーションでは、紙芝居仕立てで発表します。一人ひとりの発見を1枚ずつ合わせていき、ひとつのストーリーを作っていきます。ほかの人の発見をどう繋げていくか、そこに世の中の動きを絡めていきます。 遊び場、遊ぶ物、テレビ、これらの変化を流れの中で結びつけることで、「歴史」と自分を近づけていきます。
AN
※TCS2015年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。