[6年生]
駄菓子屋「だがっちゃん」は、営業2週目を迎えました。
まず、営業してみた1週目。
オープンのめずらしさやスクール関係者(子どもたちなど)の皆さんも来てくれたことがあり、
売上げは目標を超える日々が続きました。
「だけど,だんだん売上げが落ちている。」
「宣伝の効果が無くなってきた。」
「そう、声をかけてもお店まで行ってくれなくなったんだよね。」
と、浮かれるのではなく不安に思う子どもたち。
でも、ここで、Reflectiveな時間。
「だがっちゃんはこのままでいいのかな?」
それに対し子どもたちは、
「営業日誌だけど、毎日同じことしか書くことが浮かばない。」
「だがっちゃんには、変化がない。
お客さんが飽きてきているのかな。」
そこで、問いかけ。
「そうだとしたら、お客様が喜ぶような、
わくわくする駄菓子屋にするにはどうしたらいいのだろうか?」
「んー……。」
子どもたちは悩みます。
「くじは?」
「◯◯円以上買ったら、あめをプレゼントするのは?
一日△△人来るとして、計算すると□□円かかるよ。」
「商品が大事なんじゃない?今は小さいスナックとかを売っているよ。
もっと駄菓子っぽいいろんな商品を売るべきだよ。」
「まとめ買いセットを作るのは?」
話し合いの末、くじを導入することとし、
商品の販売累計から売れ筋を見ること、
多様な商品を売ることとしました。
話し合いをしていたら、開店時間を過ぎてしまいました!
でも、急いで開店準備しよう!という時に……
「宣伝の声が小さいから大きくしてってお願いしても、変えてくれないんだよ。」
「そっちも何も変わらないじゃないか。なんで僕だけ。」
「このままじゃ開店なんてできないよ。」
「なんで、売上のことばっかり言うの?みんなが楽しんでやることも大事だと思う。」
と、社内不和が起きてなかなか開店できず、ということが……。
その翌日も、天気に恵まれず雨。
お店のその状態は成績にも影響するのか、今週は先週の半分をきる売上でした。
お客様の数も半減。
「このままだとやばいよね……。」
と、子どもたちの表情も暗くなっていきます……。
泣いても笑っても、来週は閉店をむかえます。
一社会人として、だがっちゃんという事業ができる最後の週です。
笑顔で終わることはできるのか?
お客様の笑顔を獲得することはできるのか?
残された機会を大切にして、働くことに楽しさや喜び、充実感を感じて欲しいと思います。
EN
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
[5年生]
「放射能が恐いから、日本を捨ててどこか島へ逃げる!」[1・2年生]
今週はそれぞれの生活を振り返るところからまず始まりました。 [6年生]
テーマ「お客様の笑顔を獲得せよ」もいよいよ佳境。
「駄菓子屋だがっちゃん」閉店の週を迎えました。
駄菓子屋店員として働ける最後の3日間(火・水・木)。
「楽しく」「仲良く」「正確」な営業をしよう!
「がんばるぞ!オー!!」円陣を組んで開始。
3週目ともなると、開店・閉店作業も慣れて、販売・宣伝・事務と役割分担も自分たちで行うようになってきました。
「この商品の値札、そこにある?」
「これで、商品は全部かな?」
「開店まであと◯分だ!」
「じゃあ、宣伝行ってきます!」
仕入も最後です。
「あと少ししかないから、買い過ぎないようにしないと。」
「えっ、(欲しいと思っていた商品が)売っていない……。」
「こんなにたくさん要らないんだけどな……。」
「いつもの商品だけだとつまらないから、どんな商品を仕入れようかな。」
「これと、これをまとめ買いセットにしたらどうかな?」
「これで、幾らになったかな?(計算して)あともう少し買えるね。」
限られた予算と時間の中で、悩みながら仕入れました。
仕入れた商品を使って、
「このパイに、ビスケットに、ガムも入れる?」
「一個当たりの値段が○○円だから、売値は○○円ぐらいかな。」
くじを作ったり、まとめ買いセットを作ったり。
お客様からも、
「一週目より大分、店の様子が変わりましたね。」と言われ。
彼らなりに、試行錯誤している様子が見られました。
ですが……。
2日間(火・水)が過ぎた時点で、その成果を表す一つの指針である売上はいまいち。
「このままだと、在庫がたくさん残ってしまうよ……。」
仕事に対しても、
「今日は、この仕事をやりたい。」
「◯◯、これやってよ。」
「いやだよ。」
「えー、めんどくさい。」
「疲れたから休む。」
と、怠惰な一面も見え。
毎日の営業日誌も、書いて来ないことがあり。
やりたいことはやるが、そうでないことは適当にしたりさぼったりする。
それでは働いているとは言えないし、社会人とは言えない。
これでは,ただの「駄菓子屋ごっこ」にしか過ぎない。
そこで、子どもたちにこの学びを通してなって欲しい姿(Learner Profile)、
“Thinkers”
“Communicators”
“Reflective”
について話し合うことに。
「Communicatorsって、お客さんとコミュニケーションをとることかな。」
「それって、お客さんだけでなく、店員同士も?」
「すると、店員同士はCommunicateできているの?」
と投げかけると、歯切れの悪い子どもたち。
「自分は必死にやっているのに、そうじゃない人がいることで商売がうまくいかなくなるんだよ。」
「思っていることを言ってくれないと、分からないよ。」
「前は僕がいなくても開店したのに、一人だけいないと開店できないんですか?」
子どもたちも(スタッフも)開店したくてたまらない。
けれど、この行き違いのある状態では開店したくても、できない……。
開店時間が過ぎる。
「仲良くやるのって、ここでいくら話し合ってもできるものじゃなくて、
動いている中でできていくものだと思うんだよね。」
外には待っているお客さまがいることも分かり、営業する中で一致団結しようと何とか開店。
最終日ということで、呼び込みに力を入れるも、
閉店30分前まで、半分くらいの在庫が残っている始末……。
「このままだとまずい。」
「何とかしないと。」
最後は、安売りを実施。
子どもたちも全員集まり、文字通り「一致団結」し、声を張り上げての宣伝をしました。
「駄菓子屋だがっちゃん、最終日です!」
「安売りしています!ぜひ来てください!」
「閉店まで残りわずかです!」
「大変お得です!」
最後の必死の追い込みが効をそうしたのか、
宅急便の方がトラックを降りてまで買いに来てくださったり、
常連さんが二度目の来店をしてくださったりと、
いろいろな人に支えられて無事閉店しました。
計算をしてみると、今までで一番の売上を計上!
子どもたちも、やりきった感を感じていたようです。
でもこれで終わりではありません。
来週はテーマ最終週。決算を行い、事業報告会に向けて準備します。
EN
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
[5年生]
スピーチという発表形態は初めての子どもたち。スピーチの「内容」をまとめるのに[1・2年生]
今週は、週末に『家でのありがとう探し』をやってきてもらったので、各自が発見してきた『ありがとう』をみんなに発表してもらうことから始まりました。 [6年生]
駄菓子屋だがっちゃんが閉店し、最終週はテーマ発表会に向けて動き出しました。
最終の在庫管理表を作成したり、それを基に売上・利益等の計算をしたり、
在庫処理をしたり、オフィス(教室)が散乱していたので整理整頓したり。
ここまでの営業を振り返ると、良いことも悪いこともいろいろなことがあったことを改めて実感しました。
テーマ発表会では、今までやってきたことをストーリーで伝える「事業報告会」に挑戦します。
まず、昨年度"龍華菓子"の報告書を参考にしながら、どんな内容で報告するか考えました。
「ここで載せるのは、売上のグラフかなぁ?それとも利益のグラフかなぁ」
「うちらで言うと、工夫したことって袋売りしたことかなぁ」
「Reflective、Thinkers、Communicatorsってどう表現したらいいかなぁ」
と、紙に手書きでどんなことを書くかラフ案を作成して並べながらの会議。
話し合えば話し合うほど、
「このシートって何が言いたいのかな?」
「このシートって要るかなぁ?」
「"目的"はもう少し前に持ってきたほうがいいと思う。」
「通行調査で分かったことを伝えるんであれば、もう一枚シートが要るかなぁ。」
と、どんどん変わっていき。
そしてまずできたストーリーを基に報告書類作成に取り掛かりました。
今回は、パワーポイントでの発表。
子どもたち自身が慣れない手つきでパソコンを使って作業します。
ラフ案と違って、文言にも気を遣い、
「伝えたいことが端的に的確に伝えられる表現になっているか」
を一枚一枚注意しながら作成していきました。
実際に作ってみると、会議同様、
「そうしたら、この情報も必要かなぁ」
「売上のグラフを入れたいんだけど、どうしたらいい?」
このシートのメッセージと、それが前後と繋がっているかを確認しながら、
作業を進める度に内容がブラッシュアップされていきました。
そして、テーマ発表会当日。
発表前には、今まで何度もテーマ発表会をやってきたにも関わらず、
「ここのところ、うまく説明できるかなぁ……。」
「質疑応答の時に突っ込むからね、と言われたよ……。」
と緊張気味の子もいました。
そして、6年生の番。
子どもたちは事業報告会に相応しく、フォーマルな格好で登場しました。
「どんな駄菓子屋にするか決めるために、通行調査やインタビュー調査を行いました。」
「そして、小中学生と大人をターゲットとしました。」
「だがっちゃんのコンセプトは"子どもが笑顔で接客するお店"です。」
「売上が下がった理由として、"商品の品数が少なかった"、"宣伝をまともにしていなかったかも"、"会議で開店時間が遅くなった"などが考えられました。」
「売上を上げるために、くじを作ったり工夫しましたが、一番効果があったと思うのは袋売りでした。」
「総売上は36,054円で、今までの駄菓子屋の記録を更新しました。」
報告会終了後は、質疑応答。
質疑応答の仕切りも子どもたちで行いました。
予想通り(!)鋭い質問がどんどん飛び交います。
「出資した親には配当は無いのですか?(無いなら)意義あり!」
「買いに行って、笑顔で接客された日とそうでない日がありました。
本当にコンセプトは達成できたのでしょうか?」
「業績のそれぞれの言葉(商品原価・粗利益・販管費など)を説明してください。」
「お客様の笑顔を獲得できたと思いますか?」
「楽しんで商売できましたか?」
質問の中には、子どもたちも答えに詰まるところがあり、
自信が無いとどんどん声が小さくなり、更に突っ込まれ……。
けれど、子どもたちはたじろぎながらも、できるだけ答えようと奮起します。
「常連さんができてうれしかったけれど、新たな常連さんも獲得したかったです。」
「残っているふがしを全部買うというお客様がいて、全て売ったと思ったら一本隠れていて、チャンスを逃したと思いました。」
「楽しく営業できたと思います。」
こうして、何とか事業報告会は終了。
子どもでも容赦せず鋭く迫る――これが、TCSカルチャーの一つ。
これに耐える中でタフさを身につけていくのではと感じました。
そして、事業報告会で終わりではありません。
振り返りシートを使って、更に"Reflective"していこうと思います。
EN
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
[5年生]
これまでみんなで議論してきたことをスピーチにまとめる作業。このテーマ学習で[1・2年生]
今週でこのテーマも大詰めを迎えました。 [6年生]
テーマ発表会では、いろいろと質問されて、
子どもたちにとっては、
「どんどん突っ込まれてきつかった……」
と大変だった様子。
「お客様の笑顔を獲得したとは言えないけど、できたかなと思うことはあった。」
「稼げばいいってものでもなくて、利益ばっかり見るのは何か違う気がしているんだけど。」
実際に6週間の間では試行錯誤する様子が見えていた。
人数が多い中で協力してやろうという姿勢が見えた。
事業計画・報告書の内容をしっかりと考えていた。
売上目標は達成したものの、それで満足はしていない。
駄菓子屋を成功させようと、真剣な姿も見られた。
ただ常に、
「お客様の笑顔を獲得できているか?」を考えて営業できていただろうか。
ただ物を売ればよいのではなく、
誰かに駄菓子屋を経営することでお客様に喜んでいただき、
またそのことが自分自身の心の喜びになることがあったのだろうか。
「事業は、社会や人々の幸せのために行い、その実現に向けて仕事をすることは大いなる喜びである」
という達成目標。
これは、社会に寄与するはず大人にも共通する大切な気付きであり、
この実感を得ることは簡単ではないであろう。
今まで働いたこともなく、
接客されて喜んだ経験ももしかしたら無い子どもたちには難しかったかもしれません。
自分が客となった時に、また来たいお店とそうでないお店があると思います。
また来たいと思う要素は、
安い、おいしいものが食べられる、便利な場所にある、知っている人が働いている、珍しいものが売っている、おまけがつく、楽しいお話が聞ける……
と多々あるであろう。
今回のだがっちゃんで考えたとき、
量販店ほど安くは売れない、
駅から離れている、
一度に仕入れられる商品には限りがある、と優位な点は少ないかもしれない。
仕事とは何だろう?
何のために働くのだろう?
お金をもらうとはどういうこと?
そういったことを考え続け、
日々の営業を常に試行錯誤して改善する中で、
お客様の笑顔を獲得するために必死になって動くことが必要だったのでしょう。
本テーマでの体験からどれだけ経験に繋げていくかが今後の鍵です。
発表会ででてきた意見を参考に、
この利益をどのように使うのか、話し合っていきたいと思います。
EN
※TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。
[5年生]
「バブルのときは今より40%も消費電力量が少なかったのです。私たちは[3・4年生]
今回のテーマ学習では「見える(触れる)ものから、その背後にある見えない仕組みを合理的に推測できるようになる」ことを目標に掲げていました。[1・2年生]