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紀伊國屋書店新宿本店の5階“じんぶんや”コーナーに
『探究する力』が“お薦め本”として紹介されています。
紀伊國屋書店新宿本店5階売場の“じんぶんや”に並ぶ本を選ぶのは、
編集者、学者、評論家など、月がわりのテーマに精通したプロの方々です。
第49講となる今回のテーマは、「未来の学力を子どもたちに」。
選者は、『競争やめたら学力世界一 -フィンランド教育の成功』(朝日選書)の著者であり、欧米の教育事情に精通する福田誠治先生(都留文科大学比較文化学科教授、副学長)です。
その福田先生による選書のひとつとして、TCS校長市川力の『探究する力』が選ばれ、
“じんぶんや”コーナーに並べられています。
お近くにおいでの際は、ぜひ紀伊國屋書店新宿本店の“じんぶんや”コーナーをのぞいてみてください!
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東京コミュニティスクール校長 市川力の『探究する力』出版記念講演会が大阪で開催されます!
教育現場の皆様方はもちろん、子どもの探究する力を育てたいと考える方など、教育に興味のある方であればどなたでも参加できます。
お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。
ゴールデンウィークの間、決まった時間に空の写真を撮り続け
テレビの天気予報を見てきた子どもたちに
新聞の「天気図」のコピーを渡しました。
「これが5月1日、これが5月2日…」
自分たちの写真を見ながら空の様子を思い出し
その日の天気図をながめます。
「低気圧じゃなくても天気悪くなるんだね…」
ある子が突然つぶやきます。
なんとなく「高気圧は晴れ!」と思いこんでいたものの
2つの高気圧の間の境目では、天気が「くもり」になり
さらに、その境目に低気圧が入り込んでくると「雨」に変わります。
子どもたちは、「体験」した天気を「天気図」を読み解いて
説明してみる面白さにしだいにはまっていきます。
天気を予報する上で役立つ気象データを
「記号化」して示したものが天気図です。
気圧は「線」で、天気は「マーク」で表されます。
しばらく天気図をながめているうちに
気になる「記号」が出てきました。
三角が並んで長く伸びている線……つまり寒冷前線です。
気象協会のホームページでは
3時間おきに天気図の変化を追うことができます。
5月13日午前6時の天気図を見ると
「前線」が東京の直前に迫っているのがわかります。
さらに6時間後、ちょうど授業中の午後3時の天気図では
太平洋上はるか遠くに移動したことがわかりました。
翌日の14日、授業中に外に出ると天気はやはり「晴れ」。
しかし、前日と大きく異なるのは
気温が下がったということです。
「きのうの3時はあんなに暑かったのに今日はさわやか~」
むし暑くて気持ち悪いと言っていた女の子は
天気の変化を身をもって感じています。
「寒冷前線」が来たということは
冷たい空気がかたまりとなって流れ込んできたということ。
天気図の変化と実際の天気の変化と体感がつながった瞬間です。
すると、なぜ「空気の温度」が「天気」に関わるのか?という疑問が生じます。
「空気の温度が下がると
空気中の水蒸気が水蒸気でいられなくなって
水の粒、つまり雲になるからだよ」
素晴らしい。
「実験」で確かめたことを
現実の事象に当てはめて説明する子が現れました。
「では……地上が太陽の熱で温められているところに
寒冷前線が通過して上空に冷たい空気が入り込んだらどうなるか?」
次なる問いが生じます。
温められた空気は上昇することも「実験」で既に確かめています。
温かい空気は周囲の温度と同じになるまで上昇し続けますが
上空の空気が冷たいので「温度差」がなかなか縮まりません。
すると、いつまでたっても上昇し続けます。
となると……
ある高さから生じた雲がいつまでたってもでき続けることになる。
それはもしかしたら、もくもく上に伸びて、暗い灰色の雲のこと!
「そうか!だから、昨日急に雨が降ってきたんだ」
昨日、実体験した「にわか雨」の理屈に気づいた子が現れます。
温度差が空気の流れを生み
冷やされた空気中の水蒸気が水の粒になり雲になる。
雲が厚くなれば、小さな水の粒がたくさん集まって大きくなり
重力に耐えられなくなり下に落ちる……
つまり、それが雨!
天気図を時系列で見比べてゆくと天気の変化が見えます。
反対に、天気の変化がなぜ起こったのか、天気図の変化から見えてきます。
実験で確かめたことと
実際に自分の五感で体感した天気と
天気図で表されたデータとの間が
しだいにつながってきました。
それじゃあ……
今日の天気図から明日の天気図の変化を予想できるかな?
その天気図を見て、明日の天気を予想できるかな?
いよいよ来週から、「気象予報士」になります。
RI
詩人達の旅は続いています。
今回は、薔薇の花満開の新宿御苑へ・・・
「キレーイ!」
でも、詩で表現する際には、「きれい」という言葉だけでは足りません。
子ども達が持つ、素直な感動は大切にしつつ、新しい表現方法を少しずつ模索していきます。
前日触れた、短歌に挑戦する子も・・・。
詩にはリズムが大切とは、はじめの段階から分かっている子ども達ですが、五・七・五・七・七を指折り数えながら言葉をさがす体験が、詩を作る際にも生きてきます。
次の日、スクールにて・・・・
せっかく学んだ「詩人の技」を取り入れて薔薇を題材にみんなで一つの詩を作ってみます。
「詩人の技その1 ~音のイメージを利用する~」
「題名はどうしよう?」
「バラ バラ バラ・・・・・」
「じゃあ、『バラ バラ バラ バラ』にしよう」
「作った人はどうする?
(くどうなおこさんをまねて作者を設定する)」
の質問には、色々な名前が挙げられましたが、
「バラバラで、いっぱい居る感じが出るから『グループ・バラ』がいい」
の意見が採用されました。
「1行目。バラバラな感じをだすには・・・?」
「赤、白、黄色、ピンク・・・・」
「いいね!じゃあ、ひらがな?カタカナ?漢字?どれにする」
「題名と同じでカタカナのほうがバラバラな感じが出る」
「ぼくにはひらがな しかイメージできない!」
「漢字の方がまとまりがあって、余計にバラバラな感じが出ると思う」
と、こんな風にしてみんなで一つの詩を完成させました。
実際にはもっともっと喧々諤々、時間もかかりましたし、出来上がった詩に納得していない子もいます。
しかし、こうしてみんなで作ってみると、今まで意識していなかったことが浮かび上がってきます。
次回の詩作では、それぞれが「詩人の技」を上手く生かしてい予定です。
そして詩人の旅はとうとうクライマックス・・・最期の旅です!
YT
GW前までは下町を散策していた3年生ですが
今週は皇居を中心にその周りを散策してきました。
さてさて・・ここはかの有名な「桜田門」です。
2人は、みん社(社会)の授業でテーマで出てくる人物を勉強しました。
今日のお出かけで一番楽しみにしていたのがココ「桜田門」なのです。
井伊直弼が暗殺された場所だと知り、興味深々!
「もしかしたら血の跡が残ってるかも!!」と妄想が膨らんだのです。
門が近づくと道にへばりついたり壁を穴が開くほどみたり
そして・・「あぁ~~~!!もしかしてコレ血のあとカモ!?」と大はしゃぎ!
「悪い直弼だったから殺されたのかなぁ?」だって
子ども達の心は江戸時代にワープしているみたい!!
今度は皇居を出て歩いてみると法務省・外務省などお役所がたくさんあります!
法務省では中を見学する事ができ、「タイムスリップしたみたぁい」と
昔の建築様式に見入っていました。
警察の人もたくさんいます!首相官邸では「麻生さんいますか?」と質問。
「今日はいるよ。」と聞いてより一層大興奮!!
このたくさんの役所と警察の多さが
ココが日本の中心なんだなぁという事を感じさせます。
そして子ども達はいよいよガイドブック作りに入っています。
①「見た・聞いた事」②「歴史・由来・理由」③「自分の意見」
この3点セットを守って楽しく製作中です。
ガイドブックを作りながら、
「皇居のトコは浅草とは違う昔だね」男の子が言いました。
どうゆう風に違うの?と聞くと、
「江戸城は派手で浅草は普通の人って感じがする。」との事でした。
なるほど。中々いい点をついています。
ただ歩いているようだけど、歩き回るからこそ体で何かしらの違いを感じているようです。
ガイドブックが出来上がるのが楽しみです。
LM
先週に引き続き、別の公園には何があるのか調査。
もう一つのなぞに包まれているかえる公園へレッツゴー!
他の公園との差を比較して、蚕糸の森公園のことを外から見てみることにします。
まずはいつもの公園横にある地図で位置を確認。
「どうやって、行こう。」
「こうやって行こうよ!」
「3番目の道を曲がるんだな。」
すっかり、地図を見る習慣のついた子どもたち。
かえる公園を発見!すると・・・
「あっ、かえるだ!」
かえるの置物があちらこちらにあり、大興奮。
その公園には、鉄棒、おもしろい形のすべり台がありました。
次の日には「ザリガニ釣りをやってみたい!」と再び蚕糸の森に目を向けてみました
はじめは、糸にするめをつけ、準備万端。
早速、糸をたらしていると、そこでいつもやっているであろう小学生が
「五円玉をつけるとおもりになるよ」とアドバイスをしてくれました。
五円玉が手元にないので、石で代用。
すると、えさの沈みが速くなりました。
そして、「おもりを2個つけてみる」と自分なりに創意工夫をする子もいます。
「はじめて釣れた!」と大興奮。
1匹は全員が釣れました。
そして、翌日、再びやなぎ公園へと向おうと地図のことで、
「あっ、こりす公園ってあるよ。ここには何があるんだろう?」
こりす公園へ行くと「コリスがいたよ」
そして、ある遊具で遊んでいると
「蚕糸の森にはこれは無いな」とか、
「この公園は狭いな。」という声が聞こえます。
次回は、いよいよ自分達が蚕糸の森で発見してきたことや好きになったことを、
この学習を通して大好きになった地図を使いまとめていきます。
みんなにうまく伝わるようにどんな工夫が生まれるでしょうか?
TK
気象データの意味をしっかり理解しない限り
天気を予想するという実用上の必要のために
学んだ知識を用いることはできません。
活用できる知識を形成してゆくために
学んだことを自分の言葉でまとめ
図を使って表現する作業を今週もじっくり行いました。
高気圧だとどうして雲ができにくいか
逆に低気圧だとなぜ雲ができやすいか
あたたかい空気と冷たい空気が
どのようにぶつかって前線ができ
どのように雲ができるか
低気圧から寒冷前線と温暖前線がどのように伸びているか
それぞれの前線はどんな動き方をするか
わかったつもりでも、いざ書いて説明するとなると
なかなかうまくいかない様子。
子どもたちの頭が破裂しそうになり
蒸し暑い教室の空気との相乗効果で睡魔に襲われています。
そんな困難を乗り越えて
なんとかA3の1枚にまとめ終わると
理解が深まった実感が子どもたちにみなぎります。
さあ、いよいよ、これらの知識を「統合」して
天気図を眺めて、明後日に行われる運動会の天気を予想する作業に入ります。
「すごいよ!雨雲が温暖前線の前に広がっている」
理解した知識と実際の天気が統合されます。
「きっとあの低気圧が近づいてくるよ」
日本気象協会のHPを駆使して
複数の天気図を何度もしつこく見比べて
気圧の移動や前線のでき方を予想します。
「日曜日はちょうど東京の真上に低気圧の中心が来そう!」
「でも、今の雨雲の動きだと、東京には到達しないと思う」
ちなみに日本気象協会の公式の予報では
運動会当日の天気はくもり。
ウェザーニュースでは、くもりのち晴れ。
しかし、どうも湿ったあたたかい空気が流れ込むようで
蒸し暑い天気になりそう……。
「寒冷前線の手前に雲ができるはずなのにそうなってないよ!」
天気図と気象衛星の写真、雨雲レーダーのデータとが一致しません。
子どもたちは「原理」と実際の天気の「ズレ」を知ります。
知れば知るほどわからなくなることが増えるのが
探究型の学びの真骨頂。
とりあえず運動会の天気は大丈夫そうだと予想した子どもたち……。
さあ、この予想は果たして当たるのか?
来週は、どうして予報が当たったのか、または、はずれたのか
天気図と雲の動きをもとに「検証」する作業に入ります。
RI
とうとう最後の詩人の旅。
大田区の橋本鋳造所さんにお邪魔しました。
その前に、羽田空港に離着陸する飛行機を海辺の公園で観察です。
これは、一部の子のにとってはかなり印象に残ったようです。
飛行機の詩を書いた子の作品からもそのことが伺えました。
漂流してきたゴミであふれるテトラポットの上を探検することにはまった子たちもいました。
「何でこんな物が捨てられているの?」
ゴミを見ているだけで、想像力が膨らみます。
橋本鋳造所さんでは、私たちの来訪に合わせて、鉄を型に流し入れる瞬間を見せていただきました。
まっかっかの1400度のどろどろに溶けた鉄・・・これがあの硬い鉄になるなんて信じられません!!
命がけのお仕事です。
翌日の振り返りでは、
「自分の子どものように大切に鉄の製品を作っている」
という言葉が出ました。職人さん達の心が子ども達に伝わりました。
今週は、とうとう来週に迫ったテーマ発表会に向けて、今まで書いた詩を振り返り、より自分の感動を伝えるためにはどうしたらよいか考えます。
自分の詩を声に出して読んでみると、意外な発見もありました。
「声に出して読むと生き生きしてくる詩」というものがあるんだ!
来週は、自分が選び、推敲した詩をいかに朗読するか・・・これを探っていきます。
YT
いよいよ大詰めに入ってきました。
子ども達はガイドブック作りに大忙しです。
実は今年の2人はかなり無謀なチャレンジをしています!
去年のこのテーマでは行った場所から自分のお気に入りをピックアップしてガイドブックを作ったのですが、今回の2人はなんと・・
行った所全部を歩いたルート通りにまとめたいと言い出したのです。
かなりの量になるので最初は「ん~」と考えたのですが、2人のやる気を信じてやってみる事にしました。
他の人にもわかりやすくおもしろいガイドブックにするため日々頑張っています。
①自分達が撮ってきた写真の中から適当なものをピックアップする。
②写真にあわせて、<見た事・聞いたこと><歴史や由来・理由> <自分の思い> の3点セットに気をつけて文章や絵を書く。
③清書
という流れで行っています。
難しいのは3点セットのところです。
ただ感想を書くのではなく、見た事・聞いた事を裏づけする歴史や由来を調べて書くのです。
このために、お休みの日も浅草に出かけてインタビューをしてきました。
さてさて・・その内容を少しご紹介します。
こちらは男の子の作品の中の1枚で、「仲見世」についてのページです。
仲見世で味見をたくさんしたので、そのランキングが作られています。
1位は「もっちもちのきび団子」のようです。
その他にも人形焼きや豆腐アイス、揚げ饅頭の説明がかかれています。
揚げ饅頭屋の「金龍山」にはインタビューしてお寺から名前をいただいた事をききました。
それらの事を上手にまとめています。
こちらは女の子の作品の1枚で「合羽橋の由来」についてのページです。
どうして合羽橋という名前になったのか?
なぜ河童の像があるのか?について書いてあります。
その他にも合羽橋で見つけた「型」のお店や「稲荷町駅」についても書かれています。
雷門のちょうちんのキャラクターがいたりと女の子らしい工夫があります。
全部のページこれくらいの量を書いているので、「スゴイね」というと、
「だって書きたい事が次から次にでてきちゃうの!」との事でした。
という感じにガイドブック作りは順調に進んでおります。
来週はいよいよ仕上げ、写真をカラーにしたり、目次を作ったりと、まだまだ大忙しですが、彼らはガイドブックを出版するつもりで頑張っているので期待大です。
LM
テーマ最後の週には、お父さんやお母さんを始めたくさんの人たちの前で今まで学んできたことについて、発表をします。
そこで、1年生はテーマ発表会のイメージが湧かないので、去年度の発表会の様子を見ました。
『地図を使ってどのように発表しようか?』と質問すると、
「ここには車が通っていた。」や「色を塗りたい。」とそれぞれ意見が出ました。
地図にそれぞれ表現したいことを書き込んでいきます。
そこで、地図を描いていると、
「この細い部分ってなんだろう?」
「たいこはなんでたたいているのかな?」
など新たな『なんで?』が出てきました。
次の日には、実際に調べてみようということでまた探索をしました。
何かグラウンドから声がするので行ってみると、杉並第十小の子どもたちがを運動会の練習をしていました。
応援練習の迫力にじっと見とれている子どもたちでした。
公園の滝の前まで来て、「たいこの人いないね。」
すると、公園の管理人さんが滝のところへ網を持って向かっていく姿を見つけました。
「あっ管理人さんだ!」と子ども達は近づいていきます。
以前より疑問になっていたあわについて質問してみました。
「それは塩素だよ。プールの水を流しているからね。」
今までの追究してきたことの疑問が一気に解決しました。
その後、自然に管理人さんの後について行く好奇心旺盛な子ども達。
仕事の様子を真剣に見ていました。
川の近くまで来ると「川が一番好き!」と以前もやったように、はだしになって歩きました。
川は探検隊の3人全員が大好きで、お気に入りの場所です。
スクールに戻る途中、「ここ、ふかふかだね。」と落ち葉が集まっているのを発見。
そこで、落ち葉の中に埋まってみました。
翌日、地図を広げて、写真を見て思い出しながら貼っていきました。
「この場所だよ」と写真を並べていき、「ここだよね」とみんなで確認しながら貼っていきました。
その写真の自分の好きなところに発見したことや、好きになったことを書くコメントを考えていました。
地図はカラフルになり、目を引くようになりました。
来週は自分達のやってきたことを伝えるために工夫していきます。
完成が楽しみです。
TK
運動会の天気は予想通り「晴れ」ました。
しかし、翌日は雨が降り、夜半には激しい雷雨もありました。
この劇的な天気の違いを天気図で確かめるべく
気象協会HPの過去天気図を眺めてみると……
「どっちも同じに見えるよ!」
東日本付近は低気圧の領域内にあり
両日の気圧配置にほとんど違いがありません。
「湿った空気に入れ代わったのかなあ……」
「どうして予報士の人はわかるんだろう?」
これまで理解してきた気象データについての知識だけでは
どうにも対応できません。
(これではテーマ発表のときに説明できない……)
ちょっと重苦しい雰囲気が漂います。
以前、気象庁を訪れた際に
わからないことがあったらお天気相談所に聴いてね!
と言われたことを思い出しました。
そこで早速、質問事項をまとめて電話をかけました。
「君たちの見ているのは、地上天気図だね。
天気を予報するには上空天気図を使うんだよ」
上空天気図……
初めて聞くことばにみな色めきたちます。
実は天気図は何種類もあり
予報官はテレビでよく見る地上天気図はあまり用いていないとわかりました。
「雲ができるのは上空でしょ。
だから上空の気圧や空気の動きを見ないとだめなんだ」
電話をかけた翌日、早速、上空天気図をコピーさせてもらうために
再び気象庁に出向きました。
「よく天気図を見て気づいたね」
しっかり追究した上での的確な質問であることに
相談員の方も感心して下さいました。
時間を惜しまず、上空天気図の見方を説明してくれます。
すると……
上空5700mでは、23日にはまだ東京に届いてなかった低気圧が
24日にはすっぽりおおわれていたのです。
そのうえ、上空にマイナス12度の寒気が流れ込んだことも明らかになり
冷たく重い空気があたたかい空気の下にもぐりこみ
あたたかい空気が押し上げられ
積乱雲が発達したことがわかりました。
相談員の方の説明は
実験や授業でやった内容と実際の天気とを結びつけるものでした。
気象に関する基本的な事項を苦しみながらも理解した!という
「楽しいだけじゃない地道な探究」の積み重ねと
実社会での活用場面との融合によって得られる醍醐味を
子どもたちは実感しました。
現地・現物・現人
今回の場合は
気象庁・天気図・プロの予報官
だったわけですが
やはり本物の力は
探究のエンジンになることを
再認識しました。
ただし、それを活かすも、活かさないも
「わからないことがでてきたら深い学びにつながるチャンス!」
と思える心が子どもたちに芽生えているかどうかにかかっています。
追究すればするほど思わぬ大収穫に出会い
深い理解に到達することを実感するテーマ学習だったからこそ
手を使い、頭を使い、足を運び、人に聞き
じわじわとしぶとく学び続ける「粘り」が生まれ
その結果、大きな達成感を得たと言えましょう。
「発見」と「追究」のサイクルをまわし続け
最終週に「学びのクライマックス」を迎えるという
高学年ならではの探究学習のあり方を
改めて考えさせられました。
RI
今週は、いよいよテーマ発表に向けて、
発表する詩を選び、言葉を直したり、
読み方を工夫したりと、最後の仕上げです。
一番意識したことは、
「内容がみんなに伝わるか」という点。
自分ではイメージしながら書いていても、
独りよがりな文になっていることが多いものです。
それから、リズム感。
声に出して読んでみて、確かめます。
そしていよいよテーマ発表本番!
緊張の瞬間です・・・
一人ひとり順番に登場し、自作の詩を朗読します。
質問タイムでは、去年同じテーマで詩を書いた5年生の女の子から、
「それぞれの詩は、どの旅で、どんな経験から書いたものか?」
という、良い質問が出ました。
「木登りをした時に、今までそんなこと考えたこと無かったけど、
木はどういう気持ちかな・・・と考えて書いてみました。」
「多摩川の宿河原に行ったときに、魚道をコイが登って行くのを見て、
コイの辛さとか喜びを書こうと思いました。」
などなど、みんな詩が生まれた状況をしっかり説明することが出来ました。
それぞれの詩は、本当に素晴しく、
みんなの世界の捉え方が良く表れています。
「詩人の技」を盗むということも一つの要素ではありますが、
それ以上に、物事を捉える時の心のひだがより深まったと思います。
YT
歩いて、聞いて、調べて、書いての6週間はあっという間でした。
子どもたちは本当に楽しそうに探究しているのがまとめている
ガイドブックからも伝わってきます。
心配していたガイドブックも全箇所仕上げることができました!!
さてテーマ最終日の今日は保護者の皆さんや他のクラスの友達に
説明する「テーマ発表会」です。
男の子は「ふつうの昔・ハデな昔」というタイトルをつけました。
お母さんや友達の前で少し緊張しながら発表し始めました。
「浅草ではおいもやさんがおいしくてよかったです。皇居周辺ではいろんな総理大臣がかかれたおまんじゅうやてぬぐいが売っている国会スーパーがよかったです。」
「その中でもよかったのは浅草橋にある革屋さんです。
色んな革を見せてくれて説明してくれて色々勉強になりました。」
女の子は「○○ちゃんのおすすめガイドブック」というタイトルをつけました。
何度も練習したのでしっかり自分の言葉になっています。
「浅草でのおすすめは仲見世です。色々食べた物をランキングにしたので
後で見てください!合羽橋では本当に河童の像があってビックリしました。」
「その中でも一番のおすすめは合羽橋にあるサンプル屋さんです。
本当に本物そっくりでみているだけでお腹がすいてきました。」
説明のあとはオーディエンスからの質問タイムです。 さあうまく答えられるかな?
Q:「このガイドブックは自分の言葉で書いたんですか?」
A:「はい。聞いたこととか見た事を自分の言葉でかきました。わからないところは
パンフレットをみたり、本をよんだりしました。」
Q:「外国の人を案内するとしたらどこに連れて行きたいですか?」
A:「仲見世!おいしいものがたくさんあるし、昔の感じが残ってるから」
「皇居!5時間くらい歩くから大変だけど江戸って感じがわかるから」
などなど・・
2人とも中々きちんと質問に答えられています。
それもそのはず!いっぱい歩いて稼いだ情報はしっかりと2人の物になっているんですから!
LM
週末のテーマ発表会に向けてラストスパートです。
地図を完成に向かって着々と進めていると・・・
「あの写真も貼りたいな」という声。
さらに地図を思い入れの深いものにしていきます。
そして、吹き出しにもコメントをつけて思いを入れていきます。
みんなで協力して地図が完成!!
次に、発表で伝えることの原稿を作りました。
文章を考えるのはなかなか難しかったようですが、
公園で自分が好きになったことを表現していきます。
伝えることの原稿が完成したので、流れに沿って練習をしました。
ポイントは、「大きな声で」「はっきりと」「ゆっくりと」ということ。
ポイントを頭に入れながら、発表の練習をくり返しくり返し行いました。
「大きな声でやろう!」
子ども同士で声をかけあい、やる気十分です。
地図を指して自分の好きな場所を紹介する練習をしていると、
探検して楽しかったことがこみ上げてきて、
「ここはアスレチックがあるところです」と他の場所も紹介するようになりました。
すると「みんなで紹介しようよ」ということを提案する子どもがでてきました。
そこで、みんなで分担をして、地図の中に書いてあるものを紹介することになりました。
その後、さらに練習を重ねました。
楽しかったことや好きになったことを発表みんなの前で自信を持って発表できるでしょうか?
さぁいよいよ本番です。
TK