東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2011年12月 アーカイブ

2011年12月01日

似て非なるもの~ふりかえり~

[5・6年生]

We have DNA. We are different. 可能性を信じ前向きに生きよう!

子どもたちの声が部屋いっぱいに響き渡ります。

遺伝は土台に過ぎない。そこからおれが決めるから。

DNAでわかる人生、プラスに受けとめ、生き方を変える。

人との違いプラスに向け、自らの長所としよう。

違いがあるからこそ異なる、異なるからこそ変われる。

結末は誰もわからない。今を精一杯生きよう。

好きなことに没頭して、いやなことなんか忘れちゃおう。

DNAも突然変わる。自分が変わらないでどうするんだ。

DNAは種に過ぎない。育て方が大事なんだ。

学びを通じて、到達した「実感」を子どもたちは、力強く歌い上げ
ました。恥ずかしがったり、斜に構えたりする部分は微塵もなく、
大人も下級生も多数見つめる中で堂々と歌いきり、さわやかで
アッパレでした。本当によくやりました!

ツイッターよりも短い言葉でありながら、まるで俳句のように削ぎ
落してつむぎ出した言葉だからこそ伝わるものがあったのでしょう。
削りに削って、これだけは言わないわけにはいかない!という思い
があふれた素晴らしい歌詞でした。

何かを受け継いだことに純粋に感謝しつつ、ただ座して流れに身を
任せるのではなく、自らの意志で変わり続けてゆくのだ!と力強く
「宣言」したようなものです。自分が作り、歌いきった言葉は
ずっと子どもたちの中に残るはずです。だからこそ、いざという
ときによみがえってきて、人生の節目あるいは岐路に立ったとき、
自らを支える指針となり得るでしょう。そんな確信を抱かせる素晴
らしい学びになりました。

RI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

テーマ発表会

[3・4年生]

さあ今日はテーマ発表会当日です。朝の会を終えてから教室に戻りもう一度みんなで最後の発表練習を行いました。なかなか大きい声も出ているし、昨日よりみんなの息も合っています。 そしていざ会場のセシオン杉並へ出発!!

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今回の発表ではまず子どもたちから活動内容についても説明をしてもらいました。

まず最初に子どもたちが知っている食料のリスクを挙げ、そのリスクについて知っていることをイメージマップにまとめたこと。次に自分たちがムダにしてしまっている食べ物の量を調べるために給食の残飯調査を行った時の様子やその給食を作ってくれている救世軍とデパートの食料品売り場を見学し調べてきた廃棄ロスのデータについて説明しました。
そしていよいよ提言の発表です。まず沢山ある食糧のリスクに危険度・起き得る確率・自分たちが関われるかどうかを基準に優先順位をつけ、提言をまとめるディスカッションを行ったことを説明しました。それから自分の提言をそれぞれが発表しました。

『私は廃棄ロスを減らすために食べ物を残さず食べます。そのために食事は前もって必要な分だけ用意します。きらいなものはなるべく食べられるようにチャレンジをしたいと思います。』
『スーパーやコンビニに行ってもよくばらないようにしたいです。よく確認して本当にいるものだけを買い物かごに入れてムダのないようにしていきたい。』
『残したものをムダにしないようにぼくがアイディアを出してお母さんに作り替えてもらいアレンジして食べたいです。』

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次に3・4年生全員で考えた家庭への提言です。
『冷蔵庫の食べ物の賞味期限を別の紙に書いて貼っておきましょう。』
『賞味期限が切れても食べれる物は食べましょう。』
『苦手なものと好きなものをいっしょに食べる工夫をしましょう。(ピーマンをハンバーグに入れるなど)』などなど他にもありました。
そして廃棄ロスを削減するためのスクールへの提言は
『苦手な食べ物を交換し合う。』
『自分の苦手なものや食べ切れないものを好きな人がいればその人に食べてもらう。』
そしてそれらができない時には『嫌いなものを食べてくれたらお返しに掃除をする。』ということを発表しました。
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最後に廃棄ロスを削減するための世の中への提言を発表しました。

『地球上の一人一人が食糧を必要な分だけ買い、食べ残しをしないように心がけることが廃棄ロスさくげんにつながります。』

今回は共存共生という探究領域の中で食糧という幅広いテーマについて探求したので3・4年生にとっては大変なことも多かったと思います。ですがその中で実際に自分たちで動き、人と出会い、リサーチして様々なことを感じ考えながら仲間とのディスカッションを通して自分の学びとできたことはとても良かったと思います。また自分たちがどう食糧と向き合うのかということだけでなく、周囲・社会とのつながりについても考えながら世の中への提言を考えることができたのもこの探究領域の大切な部分です。みんなよくがんばりました。そして一番大切なことはこの発表でおしまいではなく、これからこの提言を実行して継続して問題意識を持っていくことです。それぞれの提言を胸にがんばっていこうね。

HY/YI

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「静かなともだち」~ふりかえり~


[1・2年生]

一見同じように見えるものでも、よく見ると似ているところや異なるところが見えてくる―そんな気づきを目指し、身近にあふれる声なき葉っぱたちと過ごした6週間でした。

葉っぱの葉んてぃんぐ(ハンティング)では、重なった葉っぱもあるけれど、公園内だけで70種類近くの葉っぱを葉っけん(発見)。身の回りに何気なくある葉っぱもこれだけの数があることに子どもたちも驚いていたようでした。

名前の分からない葉っぱの判別は、当てずっぽではなく、根拠付けて葉んべつ(判別)することを求めました。子どもたちもそのことは分かっているので、手元にある葉っぱのかたちや葉脈などの特徴をつかみ、そこから資料との整合性を見つけることに必死。

そのためか、
「この葉っぱの分裂の数が同じ。」
「葉っぱの長さが図鑑に書いてある数字と似ている。」
と、回数を重ねるにつれて精度は上がっていきました。印象に残ったのは、その過程を面倒くさがらず楽しんでいたこと。なかなか合致する葉っぱが見つからなかった場合でも、みんなでいろいろな資料に目を通しながら、あーでもないこーでもないと悩み続ける姿が見られました。

葉っぱの判別に時間をかけたことで、何度も葉っぱを見返すし、
「葉っぱのつき方はどうだったかなぁ。」
と、不明な点があればすぐ外に出て確認することもできました。
赤松と黒松の特徴を比べるなど、近い種類のものの中での違いを捉えることも観察力を高めるきっかけにもなったと思いますし、もっとそのような機会を作れればと思いました。

ただ葉っぱの名前を覚えるだけでなく、
「これはどこからが一枚の葉っぱなのだろう?」
「ちょっとふちがギザギザしているんだけど、これは全縁かなぁ、鋸歯縁かなぁ。」
「木と草の違いは何だろう?」
と葉っぱを基にして、新たな疑問を持つこともありました。
そして、その時に気になって他の図鑑を見てみるなど、調べる姿が見られたことも印象的でした。

判別は予想だけに終えず、リソースとして活用した図鑑「葉っぱで見わける樹木」の著者である現人・林将之さんに鑑定してもらったことも子どもたちにとっては大きな学びとなったようです。
もちろん、葉っぱの予想が外れたものもありましたが、林さんの話を聞いて葉っぱを見わける観点を増やすことができたようで、アジサイやヤツデなど自信を持って見わけられる葉っぱもでてきました。

アウトプットの葉っぱマッピングは(スタッフも含め)、
考えすぎて電池切れするほど、かなり苦戦していたよう……。
「大きさ」とは何を見て判断するのか(幅か長さか)、表現にこだわって分類する場面もありました。
今後も言葉の表現にこだわってアウトプットをつくる経験を重ねてクオリティを上げていきたいです。

ある子が「葉っぱを見る力を研ぎすますこと?」と言っていたように、
前回のテーマが五感を研ぎ澄まし身の回りから情報を集めるのであれば、
本テーマは葉っぱを通して身の回りへの観察眼を研ぎ澄ます学びでした。
テーマが終わった後も、葉っぱを見つけると反応する子どもたちの姿。
身の回りに関心を持って学ぼうとする姿がだんだん強まってきているように感じています。
今後も、そんな子どもの姿を大切にしていきたいです。

今年度も残り2テーマ。
これからは、声の大きさや並び方の工夫、
そして熱い思いを伝えられる魅せ方を一緒に目指していきたいです。



EN


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2011年12月02日

ミラクル・ハイパーステージ12/18(日)終了

TCS「ミラクル・ハイパーステージ 2011」開催!

TCSスクールコンサート「ミラクル・ハイパーステージ」も、恒例となってきました。
TCSキッズ&スタッフ&保護者&卒業生による大ステージ。

6年生のバンド ROCK OF CLASSY による演奏や
ピアノ演奏/英語スピーチ/バルーンアート/紙切りなどなど
日頃磨き上げた技能が数多く披露されますので、どうぞお楽しみに!
年の瀬のこの時期、ご多忙とは存じますが、万障お繰り合わせの上ご来場ください!

今年は、下記の通り開催を予定しています。
※一般の方にも参観いただけます。ご希望の方は、下記までご連絡ください。

                 記

日時:平成23年12月18日(日)
   14:00~16:00(13:40開場)予定
 ※開始時間は変更になる場合がありますので、事前にご確認ください。

会場:方南会館 ホール(地下1階)
   杉並区和泉4-42-5  [地図]

*アクセス*
最寄駅:東京メトロ丸の内線「方南町駅」徒歩5分
バス:宿91系統「新宿駅西口」⇔「新代田駅前」「駒沢陸橋」 [路線図]
   渋66系統「阿佐ヶ谷駅前」⇔「渋谷駅前」 [路線図]
   上記路線の「釜寺」下車徒歩3分(時刻表検索はこちら

【お問合せ・お申込み】
東京コミュニティスクール(担当:若林・工藤)
TEL:03-3313-8717
E-mail:school@tokyocs.org
※迷惑メール防止のため、「@」を全角にしています。お手数ですが、半角に変更してから送信してください。

   件名を 「ミラクル・ハイパーステージ見学希望」とし、
   本文に以下の事項をお知らせください。
     1.見学希望者氏名(すべてご記入ください)
     2.(保護者の方は)お子さんの現学年
     3.E-mailアドレス
     4.電話番号(最も連絡のとりやすい番号)
     5.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     6.質問事項等(あれば)

以上

キー・コンセプトで説明だ

[5・6年生]

今回のテーマ発表のメインパートの「歌」の部分は完成。後は練習
して磨くだけです。もう一つのパートは、「歌」の部分の前に
今回理解した知識を説明する部分です。

この学びが終わると、次は Exhibition 卒業研究に挑戦します。その
ときに求められるのは、これまで学んできた手法を活用することです。
あるテーマを理解するには、そのテーマを本質に迫る問いで分解して
ゆくことが必要です。どうやって本質に迫る問いを立て、テーマを
掘り下げてゆくか……このことに習熟するために、キー・コンセプト
を用いて自ら問いを立て、その解をまとめ、発表することにしました。

今回用いるキー・コンセプトは、

form function causation change connection

の5つでした。

「キー・コンセプトを用いると物事の全体像が次第に明らかになるよ」

まず、キー・コンセプトを用いて、問いを立てることの有用性を説明
しました。

“form” は、目に見える特徴を明らかにすること。では、DNAについて
知るとしたらどんな問いが立てられるか?……と考えてみると、

「DNAはどんな形をしているか?って問いかな」

そう、その通り。この問いによって解を探してゆくと、塩基が何十億
も二重らせん構造でならんでいることや、細胞の核の中にあること、
細い糸が巻き取られるように収まっていて、それを伸ばすととてつも
ない長さになることが明らかになりました。

ここまでは、キー・コンセプトなど用いなくても当たり前に調べる事柄
かもしれません。しかし、キー・コンセプトの効用はこの後、発揮され
ます。DNAがどんな形をしているかがわかった後、次にどう「問い」を
深めてゆくか……ここからが大事なポイントです。キー・コンセプトが
ないと、なんとなく場当たり的に思いついた「問い」を発してしまい
がちです。また、発した「問い」が解を見出すに値するものであるか
吟味することも難しいでしょう。しかし、キー・コンセプトを頭に浮か
べて「問い」を考えると、意義があり、本質に迫る「問い」を出せます。
まだ見えぬ物事の全体像にさまざまな角度から光を当てるサーチライト
の働きをするのがキー・コンセプトなのです。

「DNAの形はわかったけど、なんのためにDNAは二重らせんの形をして
いるんだろう?」

目に見える特徴がどんな働きにつながっているのか明らかにすることは
とても重要です。

「DNA自体の働きはなんなのだろう?」

DNAは遺伝に関わっていると言うけれど、DNA自体がどんな働きをして
いるか知りたい……

これら2つの「問い」は、function というキー・コンセプトを持って
いると自ずと出てきます。

こうして、DNAがタンパク質の合成に深く関わってくることがわかって
くると、タンパク質のでき方と遺伝のつながり。つまり、キー・コンセ
プト connection を作動しやすくなります。

「そうか、タンパク質と病気ってつながってるんじゃないの?ある人は
Aというタンパク質を作るけど、別の人はそのタンパク質を作れないから
病気になるって言えないかな」
「その逆もあるかも。あるタンパク質ができちゃって病気になるとか……」

こんな議論が展開できるのも、みんなが同じキー・コンセプトを意識して
頭を働かせているからこそです。

「じゃあ、change というキー・コンセプトでどんな問いが考えられる
かな?」

と促すと、

「わかった、DNAは変わる!」
「突然変異のことかな?」
「突然変異っていうけど、本当にある日、突然、変わっちゃうってある
のかな?」
「それいい問いじゃない」

子どもたちの頭は活発に動き続けます。

既にしっかり理解しながら資料を読みこんでいた後で、キー・コンセプト
で分解された「問い」に基づいて考え直したこともあり、子どもたちは、
あっという間に発表用の原稿をまとめ上げてしまいました。

今回は発表をまとめるツールとして、キー・コンセプトを用いましたが、
Exhibition ではいよいよ自らが選び追究するために用いることになります。
キー・コンセプトを用いると「意義のある問い」が出せると実感する機会
を持って学びを締めくくることができたのは子どもたちにとって大きな
収穫でした。

RI

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提言をまとめよう!

[3・4年生]

さあいよいよ最終週に入りました。木曜日のテーマ発表会に向けてラストスパートです。
”食料とどう向き合うのか?”という提言をまとめるためのディスカッションも締め切りが目前に迫り熱が入ります。家庭への提言とスクールへの提言、そして世の中への提言をまとめるために様々なアイディアを出し合いました。

しかし最も大変なのは沢山出たアイディアを絞り込みまとめていくところ。全員が納得することはとても難しいことです。そこで大切になってくるのが以前にも話し合った優先順位と自分たちとのつながりです。例えば『輸入する量を減らして欲しい。』『全てオーガニック農家にしてほしい。』という意見が出ましたがそれは自分たちが直接できることではないので提言にはなりません。自分たちが行動することで廃棄ロスやその他の食料のリスクが改善されていくような提言でなくてはいけないという部分を軸に、みんなで時に頭を抱えながら締め切りを気にしつつがんばってまとめていきました。ここでもやはり頼りになるのはこのテーマのKEY CONCEPTSであるResponsibilityとConnectionでした。最終的に3・4年生はどのような提言をしてくれるのでしょうか?どうぞお楽しみに☆

HY/YI

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葉っけんの“葉っぴょう(発表)”


[1・2年生]


テーマ発表会の週になりました。
残り3日。


けれど、まだ葉っぱマップが完成していない!
ということで、今週もマップづくりから始まりました。


葉っけんの“葉っぴょう(発表)”01先週子どもたちが一番遠いと感じた「大きい・小さい」「手・細長い」という2つの観点に注目。
これらの観点を対になるようにして「細長い」を「足」に変え、
縦に「大⇔小」、横に「手⇔足」(葉っぱの分裂数の多さ)の軸をとって、葉っぱを並べていきました。


ですが、
「これはこっちの葉っぱより大きいと思う。」
「いや、小さいと思う。」
「えー、そう思えないよ。」
と、大きい・小さいにおいて、意見が分かれました。
子どもたちの意見を聞いていると、大きさをとらえる時は長さと幅とで視点が異なる様子。
これはみんなが同じ捉え方をできる視点が良いだろうということになり、「長⇔短」という観点に変更。
すると、子どもたちも意見分かれることなくマッピングができたようでした。


「ヒノキはこれ全部で一枚の葉っぱになるのかなぁ?」
「調べてみようよ。」
「図鑑でみると……」
「うろこになっている一つが葉っぱって書いてある!」
「ってことは、一番短いじゃん!」
「紙からはみ出ちゃうよ〜」


「これは鋸歯縁だから、このあたりかなぁ」
「これは分裂の切れ目が大きくないから真ん中寄りになると思う。」
「このモミジの分裂は6つだから、ヤツデより右になるかな。」
疑問に思ったことは自ら調べ、根拠を持って分類しようとする姿勢が見られました。


そして、やっとマッピングが完成!
そこからどんなことが葉っけん(発見)できるか全体を眺めてみることに。
「グループができていない。」
「なんか寂しい。」


じゃあどんなグループが考えられるだろうか?と問いかけ。
「ちびちびグループ。」
「プクプクグループ。」
と似たような名前が悩みながらポツポツ挙がる。
だんだん、
「手代表グループ。」
「ここからここまで、全縁だから、ツルツルグループだ!」
「じゃあ、鋸歯縁はギザギザグループだ。」
「いや、歯ギザグループにしようよ!」
「この2枚はお笑い芸人に見える、なんかコンビみたいに見える。」
「この2枚は夫婦みたい。こっちが男でこっちが女。」
と、いろいろなグループが見えてきました。


葉っけんの“葉っぴょう(発表)02そして、長い時間をかけたマップがやっと完成!
後は発表会練習だ!!

※写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。


今回はまず自分で発表文章を作ってみることに挑戦。
作ってきた文章を基に、どうしたら伝えたいことがさらに伝えることができるか、スタッフと話し合いながら考えていきました。
そして、発表会本番!


「図鑑を見たら葉っぱの長さが15cmと書いてあって、近いからアジサイだと思いました。」
という葉っぱの見分けや
「“手”から“足”に向かって分裂葉から鋸歯縁・全縁・マツになっています。」
というマップの分類についての発表のほか、
「最初、葉脈は中央脈しかないと思いましたが、側脈や細脈があることをこのテーマを通して知りました。」
「いちょうに切れ込みがあったら、マップの位置は“手”の方に移動すると思います。」
というように、このテーマを通した葉っけん(発見)についても発表しました。
少し緊張した様子でしたが、一人ひとりが自分で伝えることができていたと思います。


葉っけんの“葉っぴょう(発表)”03ちなみに、アートの時間に、葉っぱスケッチの色塗りをやってみました。
葉脈まで意識して色塗りしている様子が見られました。

葉っけんの“葉っぴょう(発表)”04   葉っけんの“葉っぴょう(発表)”05

※写真をクリックすると拡大写真を見ることができます。


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2011年12月03日

葉っぱ“葉かせ(博士)”に会うぞ!


[1・2年生]


テーマ「静かなともだち」にて、子どもたちが葉っぱを見わけるのに使ったリソースが「葉っぱで見わける樹木図鑑」という本。
この図鑑の著者である樹木図鑑作家の林将之さんは、子どもたちが見わけた葉っぱが正しかったかどうかの鑑定もしてくださいました。


林さんは山口県在住なのでお会いすることは難しく、鑑定していただく際もメールでのやりとりでした。
「山口まで会いに行きたい!」という子どもの声もありつつ……。


そんな折、個展のため上京するというお話を林さんから頂き、
「このチャンスを逃す手はない!葉っぱ“葉かせ(博士)”に会うぞ!」と、子どもたちと林さんの展示会を訪れてきました!


葉っぱ“葉かせ(博士)”に会うぞ!01わざわざ私たちとお話する時間をとってくださった林さん。
鑑定時の写真では分かりにくかった葉っぱの現物をお持ちして再鑑定していただくと共に、子どもたちのポートフォリオや制作した「葉っぱ葉っけん(発見)マップ」を見ていただきました!


葉っぱ“葉かせ(博士)”に会うぞ!02林さんは、一つひとつの質問に丁寧に応えてくださいます。
マメガキとカキノキで迷う葉っぱを見た時は、
冬芽ハンドブックを使い、
「この芽の形がこの写真と似ているでしょ?」
子どもたちも「本当だ!」と納得。
ユズリハの名前の由来など、葉っぱにまつわる色々なお話も教えていただきました。


葉っぱ“葉かせ(博士)”に会うぞ!03そして、林さん考案の“葉っぱカルタ”で遊ばせていただいたり、
どのようにして絵画にも見えるほど明細な葉っぱの写真を撮っているのか教えていただいたりしました。
(スキャンした画像だそうです。)


気付けば1時間半ほど長居してしまった私たちでした。
道中、会場最寄の四ツ谷駅では「これ、カラマツだ!」
スクール近くの蚕糸の森公園では「これ、ヒメユズリハじゃない?」
と、葉っぱに目が行って仕方ない子どもたちの様子が印象的でした。


林さん、本当にありがとうございました!!

2011年12月05日

『Exhibition』〜概要〜


[6年生]


タイトル:Exhibition

探究領域:共存共生


Exhibition とは、卒業研究のようなもの。ただ、普通の卒業研究と
ひと味違うのは、これまで学んできたことを思いっきり celebrate し、
これからも学び続けてゆくように encourage するところです。

よい成果を生み出すことは大事ですが、それ以上に、学びのプロセス
にどれだけ情熱を傾けていたかが評価のポイントとなります。

テーマ決めから、プランニング、リサーチの遂行からまとめ、そして
発表の準備まで、すべて子ども主導で行います。周囲の大人に求めら
れることは、初めて本格的に自ら選んだ課題追究に向けて旅立った
子どもたちをサポートすることです。くれぐれも、ただのチェックや
叱責であってはなりません。今、あるがままの子どもに寄り添いつつ、
彼らの自発的探究心を引き出してゆくことが、彼らを inquirers として
羽ばたかせてゆくために課せられた私たちの責務です。

発表日は、2012年3月18日(日)。卒業式の日に行います。

みんなで応援しましょう。

RI


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『いい仕事してますね』~概要~


[4・5年生]

タイトル:いい仕事してますね。

探究領域:社会寄与


いい仕事とはなんだろう?
いい仕事をするためには、何が必要だろう?
職人とはどのようなものなのか?
実際に職人の方の仕事から学ばせていただき、そこで感じたこと、学んだことを実践します。
今回のお客様は自分達のスクール。椅子の発注を受けて、実際に使うものを作ります。
果たして、手を抜かず相手の気持ちを考えたいい仕事ができるでしょうか?




YI


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「情けは人のためならず」~概要~


[3年生]


タイトル:情けは人のためならず
探究領域:社会寄与


探究領域「社会寄与」は、自分が社会の一員としてよりよい社会の実現に
どう寄与するかという探究です。

「ありがとうにありがとう」では、誰かのおかげで生きていることに気づき、
「働かざるもの食うべからず」では、誰かの求めに応じて動いてみることで
感謝されることを学びました。

そんな3年生が次に挑むのは「相手の役に立つとはどういうことか?」というテーマです。

やるべき仕事を手を抜かずに行うことができただろうか?
相手のためにもっとできることはないか?

実際に動いてみて(action)、自分の仕事ぶりを振り返ることで(reflection)、
相手の役に立つことの難しさや大変さを実感することになるでしょう。

しかし、「情けは人のためならず」ということわざがあるように、とことん相手のために動き、
やりきることで、当初は想定していなかった自分たちとのつながりが見えてくるはず。
6週間かけて、そんな思いがけない気づきを追究していきます。


HY


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「サインを受信せよ!」〜概要〜


[1・2年生]


タイトル:サインを受信せよ!
探究領域:意思表現

本テーマで注目するのは、身の回りにあふれるサイン。

交通標識、お店の看板、駅の案内、服のタグなど、意図的に作られたマークや文字だけでなく、指差しや表情など自然に生まれるものもサイン。

それらは、全てメッセージが含まれていて、「気付いてしまう」サインもあれば、「アンテナが立ってないと気付かない」サインもあります。

本テーマでは、「情報・警告・指示をサインで分かりやすく伝える」ことがミッション。

でも、“受信”できなければ“発信”もできない!
だからまず、あらゆるサインを発見してそこに潜むメッセージを受信し、行動を変えることを目指します。

身の回りにどんなサインがあるかな?
サインを受けて、自分はどう動くのか?
自分の作ったサインはどれだけの人にどう伝わっているのか?
メッセージを伝えるためにどんな工夫をすればいいのか?

そんなことを問い続ける6週間となるでしょう。



EN


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2011年12月08日

上野裕和五段、4年ぶりの達人クラス開催!(将棋の達人)

2007年に将棋の達人でお世話になった上野五段がまたTCSに来てくれました!
当時スクールに在校していた子どもたちは久しぶりの再会に大喜び。
なんと今年も将棋の達人クラスが開催されることとなりました。
今年度の開催は3ヶ月間、計6回です。

1-3-1.jpg
1~3年生クラス、4~6年生クラスと分けて授業を行っていますが
どちらのクラスも駒の動かし方やルールなど既に基礎知識を身につけている子も多く、
これには上野五段も驚いていました。

1-3-2.jpg

最終回には、みんなの実力がどこまで伸びるか楽しみです☆

前回(2007年)の記事はこちら。
上野五段、ありがとうございました!◇将棋の達人◇最終回 (2008.3.5)
上野裕和五段の指導でめきめき実力UP◇将棋の達人◇(2008.1.16)

2011年12月09日

学びを Celebrate し、Encourage する

[6年生]

今年も6年生は、Exhibition に挑戦です。Exhibition とは、

自分が強く関心を抱き、熱意を持って追究したいと思うテーマを
子ども自身が選び、これまで培ってきた学びの方法論と経験を
総動員して取り組むプロジェクト

のことです。これを卒業研究としてまとめ、卒業式の日に発表する
というのがTCS流です。

10月から、週1回、1コマ、Exhibition の時間を設けて、どうやって
テーマを選び、どう追究するかについて子どもたちと考えてきまし
たが、テーマ学習の時間をフルに使って取り組むのは、12月から
です。卒業式は、3月18日。あと4ヶ月弱ありますが、途中、受験
もあったり、映画を撮影するテーマ学習もあったり、きちんと計画
を立て、効率的に時間を使わないとあっという間に時は過ぎてしま
うでしょう。

これまで行ってきたテーマ学習は、 教師が与えた「取り組む意義の
あるミッション」を追究するものでした。しかし、 Exhibition は
自らテーマを選びとるところからスタートし、自律的に追究を進め
てゆかなければなりません。

これまでは一緒に空を飛んできましたが、いよいよ単独飛行への
挑戦です。したがって、途中、いろいろな困難に出くわすでしょう。
安定して飛行することも、きれいに着陸することも難しいでしょう。
だからといって、私たちが手を差し伸べ過ぎたならば、結局、彼ら
自身の力を養うことにはなりません。生涯学び続ける人として第一歩
を踏み出したことを celebrate し、なりふり構わず取り組むように
encourage するのが私たち周囲の大人の役割です。

私たちができることは、「サポート」です。

テーマ決め、追究プランの立案、リサーチの遂行、まとめと発表準備
は、すべて子ども主導で行わなくてはなりません。

では……自信を持って子どもたちが「探究」できるように「サポート」
するとはどういうことなのでしょうか?

教師の「サポート」その1は、意義のあるテーマにたどりつくように
子どもたちの思考に寄り添うことです。Exhibition で絶対に避けなけ
ればならないのは、ただの調べ学習になってしまうことです。テーマ
を決めることだけに引っ張られると調べ学習の罠にはまります。そう
ならないためには、コンセプトを明確にし、そのコンセプトから導か
れた「仮説」にしたがって追究するように子どもたちを促すことです。

教師の「サポート」その2は、これまでテーマ学習でどんな学び方を
したか「ともにふりかえり」、これまで自分たちがさまざまな学び方
を既に経験し、身につけていることを確かめることです。ネット情報
は、最初の手がかりにはなるが、それだけに依存してはダメ。インタ
ビュー、調査、実験といった「1次情報」を大事にすること。得た情報
・データをもとにさらに「問い」を見出してゆくこと……といったこと
を一つひとつ確認し、これから行う追究に活かしてゆくように伝える
のです。

そして、教師の「サポート」の最後は、子どもたちの進捗状況をつか
み、フィードバックを返すことです。フィードバックが必要なのは、
当然ながら、どう進めてよいかわからず滞ってしまったとき。
ただやり方を教えてしまうのではなく、どこに問題があるのか一緒に
考え、どう打開していったらよいか協議し、少しずつ、自信を高め、
自らしぶとく突破してゆこうとする力を育ててゆくのです。

ここまで、教師の「サポート」について述べましたが、 Exhibition
では親の「サポート」も不可欠です。実は、これがとても難しい……
なぜなら、「サポート」ではなく「チェック&叱責」になってしまい
がちだからです。

「まだ、こんなことやっているの?」
「こんなこと調べて何の役に立つの?」
「もっと他のデータに当たりなさい」
「これじゃあ間に合わないでしょ」

どうしてもこんな言葉を発してしまうのではないでしょうか。
これでは encourage どころか discourage です。
親も子どもとともに「探究」するのを「楽しむ」という姿勢がなにより
重要です。どんなことに関心があるのか、とにかく「聴き」、役立ち
そうな知識・資料を探し、提供する。そして、「1次情報」を得るため
に、現地に出向いたり、現人との出会いをセッティングしたりする。
そのことに徹し、子どもが自律的に学ぼうとしている姿勢をとにかく
encourage する。

それが親として探究する学習者を育てる上での最大の「サポート」となる
ことを胸に刻んでおく必要があるでしょう。

RI

TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

いい仕事とは?

[4・5年生]

今週から始まった4・5年生のテーマは「いい仕事してますね。」です。
今回のミッションは職人になって椅子を作ってもらうことです。

『みんなに職人さんになってもらって椅子を作ってもらいます。年末までにスクールから正式に注文が入ります!納期はテーマ発表会までですよ。』
『じゃすぐ作ろうよ。』『えーー、自信なーい。』『楽しそう!』『うまくいくかなーー。』などなど色んなリアクションが飛び交います。
子どもたちの中で工作が得意な子もいるようですが、大体の子どもたちが初心者。

初日はまず『いい仕事とは?』について子どもたちの考えを出してもらい、まずこのテーマに取り組む前の彼らの認識をイメージマップに作成しました。それからこのテーマで大切となるLearner Profile(学習者像)であるinquirers、principled、balancedについての意味合いを共有しました。(例えばprincipledは相手のニーズ、求められていることをしっかりやる。balancedは安全に十分気をつけて時間を効率的に使い納期を守る。など) 特に安全管理については子どもたち自身に最も気をつけてもらわなくてはならないことです。そのためにも練習の段階で道具の使い方を考えながら学んでいく必要がありますし、同時に時間管理もして相手のニーズに合った仕事をしていくことが『いい仕事』です。



木曜日には奥多摩にある素敵な注文家具工房『エミケン』さん(http://www.emiken.com)を訪ね、職人の心得を伺ってきました。『エミケン』のケンさんには以前も今の6年生たちがお世話になったことがあります。自然豊かな奥多摩の川沿いにエミケンさんはあります。我々が到着するとケンさんが暖かく迎えてくださいました。まず最初に1階の工房を見学させて頂き、家具を作るための様々な機械について説明してくださいました。

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今まで見たこともない機械に興味津々な子どもたち。壁にはその時によって更新されていくというケンさんの『職人心得』が貼ってあります。かっこいいです。

『みんな作業場を見てどう思った?物があまりなかったでしょ?ぼくはいいモノを生み出すには整理整頓されたスペースじゃなくちゃいけないと思うんだよね。散らかってたり汚い場所からはいいモノは生まれないんじゃないかな。』

それから広くて木の質感が優しい二階のスペースに移動して暖炉を囲みながらお話を伺いました。


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『みんな焚き火ってしたことあるかな?』『あります。』『うん、あるよ。』『何を使って火をつける?』『新聞紙を使うよ。』『ぼくはこの小さな牛乳パックの破片だけで火を点けられるよ。』そして本当に小さな紙片で火を起こしました。

『なんですぐに火がついたかっていうとね、ちゃんと木を火が点きやすいように空気の入り方を考えて組んであるからなんだよ。段取りだね。』『ふーーん。』と子どもたち。

『仕事も同じ。段取り八割。段取りが大切なんだよ。図面をしっかり書くとか道具を手入れするとかね。準備だよね。』なるほど~。また、次に『型から入る』工場でのラジオ体操や心得を唱和することや服装を仕事用にピシっと切り替えることなど型を整えたり変えることで自分を仕事師に切り替えることを教わりました。

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そして子どもから
『仕事はやっぱり楽しくやったほうが良いんですか?』との質問に対し、『作っている時の気持ちってその作品に記録されていくんだ。だから相手のことを考えて誠実に作っている作品といやだと思って作る作品は全然違うんだよ。』これには私がなるほど~といい気付きを頂きました。また椅子作りについていくつかのアドバイスを頂くことができました。

このようにこれから作業に入っていく前の段階でケンさんのようなプロ中のプロから直にお話を伺い心得を意識して作業に入れるというのはとても恵まれていることです。ケンさん年末のお忙しいところお時間を頂き本当にどうもありがとうございました! 来週からの練習も心をこめてがんばっていきましょう☆

YI

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相手の役に立つってどういうこと?

[3年生]

「相手の役に立つってどういうことだろう?」

初日の前半に、今回のテーマタイトルの意味や目指すべき姿、そして達成目標を
子どもたちと共有した後、この問いを発しました。
いったいどんな答えが返ってくるのか、興味津々でした。

「席をゆずる!」

一人の子の発言をきっかけに、次々に意見が出てきます。

「荷物を持ってあげる」
「東北の被災者のためにボランティアへ行く」
「人を応援する」

そんな中、「人にやさしくすることは大切だけど、あんまりやさしくしすぎると、
相手のためにならないとも思う」という意見も。

(やるもんだなぁ、いきなり本質をついてくるとは。。)

あっという間に、子どもたちの発言で模造紙がいっぱいになります。
現時点で、子どもたちが「相手の役に立つ」という言葉から連想するイメージが
明らかになってきました。

イメージマップが完成したところで、今後の進め方についての説明です。
今回のテーマで重要なのは、頭で考えることよりも、実際にとことん行動してみること。
その中で見えてくるものがあるはずです。

まずは動いてみようということで、普段、給食でお世話になっている
救世軍ブース記念病院に、ボランティアをさせて頂くお願いをしました。
仕事内容は綿布切りのボランティアで、医療用に、使い古されたTシャツやタオルを
ハサミで切っていくというものです。

ボランティアという言葉は聞いたことがあるものの、まだイメージがぼんやりしている
子ども達に、ボランティアの定義や心構えを叩き込みました。ボランティアは遊びではなく、
仕事であることを特に強調して伝えました。

そして、今回初の試みとして、自分たちの仕事ぶりを先方に客観的に評価してもらうために、
評価シートの評価基準を自分たちで決めることにチャレンジしました。

評価シートに
・安全に作業を行うことができた
・指示をよく聞き、やるべき仕事の内容を理解した
・やるべき仕事を手を抜かずに行うことができた
の3項目を挙げ、それぞれ4段階の基準を設定することで、振り返りの際、
何ができていて、何ができていないかが明確になります。基準の決定には四苦八苦しましたが、
なんとか納得のいくものができあがりました。

そして翌日。救世軍ブース記念病院を訪問しました。
病院のボランティア担当の方に作業部屋に案内して頂き、早速作業の開始です。

現場で同じようにボランティアをされている方にやり方の説明を聞き、
見よう見まねでやってみました。

PIC_0045.JPG PIC_0042.JPG

普段から家のお手伝いをしている女の子は手先が器用で、どんどん作業をこなしていきます。
一方で、はさみの使い方ひとつにしても、見ていて危なっかしい子もいます。

作業時間は1時間弱でしたが、みな集中を切らさずに真剣に取り組んでいました。
ただ、慣れない作業もあってか「少し疲れた」「手が痛くなった」という正直な感想も
聞かれました。

来週は、先方に記入した頂いた評価シートやビデオ映像を元に、自分たちの仕事を振り返り、
よりよくするためにどうすればよいかを考えていきます。


HY

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サインって何?


[1・2年生]


新テーマ「サインを受信せよ!」が始まりました。


でも、サインって何?
よく聞くことばだけど、どういう意味で何を指すの?


そこでまず、サインと聞いて何をイメージするか、イメージマップをみんなで作ってみました。


「心のサイン!」から始まり、
「ぼくのサインを読みとって!」と、向かいの子に険しそうな顔をしてみたり。
サインとは、表情や音、手・体の動きといったものがであるという意見が多く出ました。


また、
「サインを見つけても気づかなかったら×」
「感覚アンテナがいるんだ」
「気付くと心の中でブザーがなる」
「『我感じるゆえに我あり』のテーマに似てるね」


「サイン無かったら、困ることがある」
「サイン無かったら何もできない」
「サイン無かったら行きたいとこにもいけない」


「受信したら発信しないと!」
「メール送っても返って来なかったら届いたかどうかもわからない」


といったサインが無かったらどうなるか、サインとどう向き合うべきかというイメージも出てきました。
サインとは何なのか探るためにも、そして発信するためにもまず受信しよう!
ということで、翌日より身の回りのサイン集めを行いました。


サインって何?01TCSの周辺を回っただけで、150近くのサインと思われるものを見つけました。
そのほとんどが、自動販売機の値段表示や缶のデザイン、ポスターや案内の矢印、「止まれ」の標識や、地面に書かれた「緊急車以外立ち入り禁止」、ごみ回収の案内板など、目に見えたマークや文字。
イメージマップに載っていなかったものばかりだったのが印象的でした。
他にも、指でつくった『田』の字や、樹皮も挙がりました。


じゃあ、これら発見したものを「かたち」ではなくそのものが持つ「機能」の観点で分類してみると、どんなことが見えるだろう?


「これは公園のルールだ」
「木の名前を教えてる」
「これはここだよって教えてる」
「コカ・コーラの宣伝だ」
と、サインの持つメッセージを解くことで、各々の伝えていることの違いが見えてきました。


また、“教えてる”というキーワードがほとんどのグループに入ることに気付き、
「(サインは)教えてるんだ!」
という発見にも至りました。


それに、公衆電話の落書きを指して、
「これは何も伝えてないからサインじゃないと思う」
と、サインとサインじゃないものの違いも探ろうとしていました。


分類はまだまだ途中。
来週も引き続けて、サインの機能に迫ろう!




EN


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2011年12月16日

コンセプトに導かれてテーマを吟味する

[6年生]

Exhibition は、子どもたち主導で進めるプロジェクトですが、
ただやりたいことをやればよいというものではありません。
常に「個人」と「社会」と「自然」とをつなげるという視点で
物事を考えられるようになる……というのが、「学び続ける人」
に必要な態度です。このため、個人的に強い関心を駆り立てら
れるテーマでありながら、そこには、社会的な意義がなければ
ならないという「制約」を課します。

制約なきところに真の創造はない

探究心を開発してゆくには、ただ自由にやりなさい!ではダメ
です。と同時に、とことん突きつめてみたいという思いも必要。
この2つのバランスが大事です。

そこで、今回の Exhibition では、探究領域を「共存共生」とし、
追究すべき「コンセプト」を "conflict" と設定しました。

「これまで共存共生でどんなテーマをやってきたかな?」

子どもたちと一緒にふりかえってみると……水知らずにはいられ
ない……ゴミアミーゴ……限りある資源限りなき欲求……という
タイトルが即座にあがりました。と同時に、

「スクールの節電対策を提案したよね」
「歩きながら落ちているゴミを集めたなあ」
「砂と石で簡易浄水器を作ってろ過した」

という体験もありありとよみがえってきました。

「ということは、こういうことを Exhibition でやるの?」

すかさず鋭い子が質問してきました。渡りに船で、この質問を、

「こういうことってどういうことかな?」

と返して、みんなでどんなテーマが「共存共生」なのかと考えて
ゆくと……

公害などの環境問題……確かに自然と人間との「共存共生」を考え
ればそうです。エネルギーの節約……資源と人間との「共存共生」
に関わる問題です。生物と人間と自然の三者のバランスとなれば
絶滅危惧種や生物の多様性保護といった生態系の問題が出てくる。
さらに、人間どうしの「共存共生」を考えれば、豊かさと貧困と
いう問題がある。国の間での格差も問題だが、同じ国内での貧富の
差もある。また、人種による差別も「共存共生」の前に立ちはだ
かる大きな壁だし、それが暴力や虐殺に結びついてしまった歴史
は今も続いている。暴力の最たるものは「戦争」で、今後、資源
の奪い合いが戦争につながるかもしれない。しかし、もっと不思議
なのは、本来、人の心を安らげるための宗教が対立を生み、血み
どろの戦争を招いてしまうことだ……

こうしてみんなで議論を発散してゆきながら、イメージを広げ、
深めたところで、

では、きみたちがもっとも関心のあるテーマは何か?

と問いかけました。

すると……魚資源、いじめ、児童虐待、節電といったテーマが出て
きました。しかし、ここからがポイントです。確かに子どもたちは
「共存共生」について議論してゆくうちに、自ら関心のあるテーマ
を見出しました。しかし、ここで性急に飛びついてはダメ!

本当に追究する意義のあるテーマなのか?

と「メタ認知」を働かせ、テーマを吟味することが大事なのです。
このプロセスを経るかどうかが、ただの調べ学習になってしまうか、
意義のあるテーマを見出して追究を進められるかどうかの分かれ目に
なります。

このときに用いるのが「コンセプト」です。今回子どもたちに提示
した「コンセプト」は conflict です。魚資源について興味を持った
子に、 conflict という「コンセプト」を提示し、どんな葛藤が起こり
得るか?と問い直すと、彼の「思考」が動き始めます。

「ぼくは寿司屋になりたいんだ。だけど最近、マグロとか寿司ネタ
になる魚がなくなっているってよくニュースでやってるよね。もし
将来寿司ネタがなくなってしまったら、ぼくはいやだ。だからなん
とかしたいんだ。」

なるほど……これは切実なる「葛藤 conflict」です。

自分の好きな寿司をこれからも安定して食べ続けられるようにする
にはどうしたらよいのか。
そのために私たちは寿司ネタとなる魚資源をどう確保してゆけばよい
のか。
世界的な健康ブーム、日本食ブームで、刺身となる魚の奪い合いは
始まっている。
また、海洋汚染の問題もある。
こうした conflict をどう乗り越えて、50年後もおいしい寿司を
食べ続けられるのか……

conflict という「コンセプト」でテーマを見つめなおすことで、つり
が好き、寿司が好き、だから魚について調べよう……という初発の
興味にとどまらず、社会的に意義のあるテーマへと拡張してゆけること
が確認できました。

こうなれば、いよいよ、どんな「仮説」を持って追究するか考える
段階に入ります。

「コンセプト」に導かれたテーマをどんな「仮説」で追究するか

このことについては次週、お話しましょう。

RI

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棚を作ろう!

[4・5年生]

今週はまず先週見学させて頂いた注文家具工房『エミケン』さんのお話の振り返りからスタートしました。 まず『エミケン』さんで教えて頂いたこと、印象に残ったことをシェアしました。

『見たこともない機械がたくさんあった。家具を作るのにあんなにいろんな種類の機械があるなんて知らなかった。』
『焚き火をあんなに小さな紙で点けられるなんてすごい。木を上手に組んであるから点きやすいんだー。段取り八割だ。』
『いろいろ心得が貼ってあったよね。』
『見せてもらった椅子かっこよかった。』

そして教わった職人の心得を木の板に書きました。
できた心得は『良い加減』『型から入れ』『段取り八割』『作業をしている時の気持ちが作品に記録される』の4つです。
この『職人の心得』を、気持ちを仕事モードに切り替えるために正に型から入るということで作業前にみんなで唱和することにしました。
また、これから実践の日々が始まっていくのでその際大切にしていくルールを子どもたちに考えてもらい3つに絞りました。たくさん挙がったアイディアの中から子どもたちに重要だと思うものをみんなの合意の上決めてもらい、『安全第一』『周りを見よう』『命は一つ』がこのテーマのessential agreementになりました。

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二日目からはブロックボックス(立方体の棚)を作成するミッションに取り掛かり始めました。まずはどんな工程が必要か考えていきました。『実物を見る→材料の寸法を測る→設計図を描く→材料に線を引く→切る→ヤスリで磨く→ダボとボンドで接合する。』
そして早速作業に取り掛かりました。
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設計図を元に線を正確に引きます。まずこの段階で苦戦する子どもたち。線が斜めになってしまってはまっすぐ切ることはできません。そして材料を切り始める前にノコギリの練習をしました。子どもの体重だと一人で押さえながら切ることが難しいようでだんだんと木が動いてしまいます。切る人とそれを押さえてあげる人のペアワークが自然に出来上がりました。みんななかなか良いチームワークでやっています。5年生が4年生にアドバイスをしてあげながら見本を見せてあげたり一緒に手を動かしてあげたり。汗だくになりながらも自力で切り終え、そしてヤスリがけの作業もがんばっています。

来週はドリルで穴あけをして切断した板をダボで接続します。冬休み前にブロックボックス(棚)を完成させることが出来るでしょうか?乞うご期待です☆

YI

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Reflection & Action

[3年生]

今週はまず前回の綿布切りボランティアの振り返りからスタートしました。
まずは、ボランティア中の様子を撮影したビデオをみなで鑑賞することに。

「うわっ、危ない!Sくんの親指、はさみに近すぎるんじゃないかな。」
「僕、余った布で遊んじゃってる。。」
「二人の間隔が狭くて、作業しづらそう。もう少し席を離して、作業した方が
よかったかもなあ。」

自分ではできていると思っていたことが案外そうでもなかったり。
ビデオというツールを使い、他者の目線を借りることで、自分の動きを客観的に
分析することができます。

次に
「動けたこと(できたこと)」
「動けなかったこと(できなかったこと)」
「良かったこと(次も続けること)」
「改善すべきこと」
というカテゴリ別に意見を出し、まとめていくことにしました。

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今回新たに評価シートという仕組みを導入しましたが、自分の動きを振り返る上で、
先方からのフィードバックは非常に役立ったようです。たくさんの意見が模造紙を
埋めていきました。

最後に評価シートの見直しが必要かを子ども達と話し合い、新たに項目を追加することに
しました。

「ハサミを上手に使うことができたかをもっと見てもらいたいなあ。」

実際にボランティアを経験することで、現場で必要とされるスキルや態度についての
新たな気付きがあることを子どもたちも実感したようです。


そして、二度目の綿布切りのボランティア。
前日の振り返りをうけて、自分たちの仕事の質をさらに高めるために行動を
変えられたかが重要になってきます。

一度経験していることもあり、子ども達は確実に作業をこなしていきます。
「こうしたら効率的よくできる」
「ハサミを使う時の手の位置を気をつける」
というように反省を生かして、多くの布を切ることができました。
担当の方も安心して作業を任すことができると感心されていました。

しかし、一方で、休憩時間を長くとり、机にうつぶせになる場面や
「疲れた」
「前回より時間が長く感じた」
という発言も聞こえました。

二度目ということで新鮮さが薄れるのは当然のこと。
単調な作業ならなおさらです。そこでどうしていくかが問われてきます。
それは自分の心の構えの問題といってよいでしょう。
「とことん」動くための一つのハードルが見えてきました。


来週からは、和田ふれあいの家にボランティアで伺います。
「相手」と接する中で、自分達に何ができるかを考えることをより一層求められる
現場になります。
子ども達とのボランティアの実践の日々は続きます。

HY

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サインが持つメッセージとは?


[1・2年生]


サインを集め、分類をはじめた第一週。

今週も、
「このサインはどんなメッセージを持っているか?」
を問い続けて、サインの機能に迫る一週間となりました。

先週も出てきたように「教えている」というキーワードを基に100を超えるサインをグループ分けしようとする子どもたち。



サインが持つメッセージとは?01マンホールや、防火水槽の標識を見て、
「『どこに何が流れているか』教えているんだ!」


サインが持つメッセージとは?02樹皮や葉っぱを見て、
「種類を見わけることができる!」


壁にアルファベットのような文字がスプレーで書かれた落書きに見えるものも、
「お母さんは、(英語の)意味が分からないって言ってた。
だから、(メッセージがないから)サインじゃないと思う。」


点字の案内図を見て、
「これは、目の見える人には分からなくて、目の見えない人だけ分かる。
みんなが分からないものはサインじゃないのかなぁ。」


など、サインの持つメッセージを探ろうとしていました。
写真だけではよくわからないものは実際に見に行ったりもしました。



そうして、分類を進めていきましたが、進めれば進めるほど、分類に悩むところがあり、なかなかまとまりません。


大きく分類できたのが、
“名前を教えている”
“場所を教えている”
“ルールを教えている”
の3グループ。


“ルール”の中でも“お願い”“注意”“禁止”“忠告”と、グループの中でまた新たな4グループが生まれてきて。
「この4つはどう違うの?」
と問いかける中で、
「“注意”は『なるべく~やらないで』」
「“禁止”は『ぜったい~するな』」
「“忠告”は『~しちゃいますよ』」
「“お願い”は『~ください』」
と、それぞれの含むメッセージが見えてきました。


また、“場所を教えている”グループと“名前を教えている”グループにおいては、どちらにも団体や個人宅の表札が含まれていて、
「どの表札も“名前を教えている”んじゃない?反対にどちらも“場所を教えている”とも言えるね。」
と気付きたずねると、子どもたちも
「そうだ……」と悩んでしまい……。
ある子から出てきた、
「“場所の名前”と“名前の場所”……?」
というキーワードから、そのサインが“場所(○○はここ)”と“名前(ここは○○)”のどちらを強く伝えたいのかで分けていきました。


来週は、もう一度分類を見直して、そこからサインの必要性を考えていこう!


EN


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2011年12月22日

「仮説」を立てて追究する

[6年生]

「コンセプト」に導かれたテーマを追究することで、Exhibition が
単なる調べ学習にならず、自律的かつ意義のある探究になるという
話を先週しました。次のポイントは、こうして選ばれたテーマに
ついて「仮説」を立てることです。

寿司ネタになる魚を調べたいという漠然とした興味が、conflict と
いう「コンセプト」によって見つめなおすことで、

「伝統的な食文化の保持」と「資源の維持・確保」とのconflict

という社会的に意義のあるテーマに“進化”しました。次は、この
テーマをどんな「仮説」で追究するか考えることです。

「仮説」というと難しく聞こえますが、要は、

「どうやって conflict をなくすか? 何か提案できないか?」

ということです。

具体的に言えば……

「マグロが絶滅しないように注意しつつ、他の国にたくさんもって
いかれないようにしつつ、これからもおいしい赤身や中トロを食べ
続けたい……というような例が、今回、君が Exhibition で追究しよう
としている conflict だよね。じゃあ、この conflict をどうやって解消
したらいいんだろう?なにか思いついたことはないかな?」

ここで大事なことは、最初からよい仮説をつかんでやろうという変な
欲を出さないことです。まずは、現状をふりかえって思いつくことを
どんどん出すことです。こんなことあり得ないかな?バカバカしい
かな?と自己規制してはいけません。

「もしかしたら50年後の回転寿司は、生魚はあまりないかもね」
「いまでも天ぷらがのってたり、肉がのってたりするのも多い」
「今の回転寿司の何が問題なんだろう?」
「そもそも今の値段で寿司が食べられるって安すぎるかも?」
「でも値上げすればいいっていうんじゃあ解決策とは言えないな」
「寿司ネタって好みに偏りがあるのかな?」
「寿司屋で寿司食べるって言うんじゃなくて、スーパーでも売ってる
し、持ち帰りの寿司屋も多いな」
「どうもこれまで通りのやり方を維持するのは難しそうだな」

すると……

「これまでの寿司ネタを守る寿司の食べ方を提案しないとダメかなあ」

おっ!仮説につながりそうな発言が出ました。

「どんな新しいやり方で“守れる”だろう?」

すかさず突っ込みます。

「そのためにまずデータを集めるよ!」

いい流れです!「これまでのやり方ではダメ!新たなやり方が必要!」
という「仮説」を提案するには、このままでは破綻するということを
データで示さなければなりません。今、魚の漁獲高はどうなっている?
世界でどれだけ魚の消費量が伸びている?国際価格はどうなっている?
こうしたデータを集めることで、これまでのようなスタイルで日本人
が寿司を食べ続けるのは難しいと裏づけられ、「伝統を維持しながらも
新しい寿司のスタイル」という提案に必然性と説得力が生まれます。

「これまでとは違う新しさ」とは言っても、生魚を用いた寿司を供給
し続けたい。値段も極端に上げたくない。となると、どんなやり方が
考えられるか……

こうして、最初に立てた「仮説」を明確にし、検証していくことが、
リサーチです。ところが、まったく何の仮説も立てず、漠然と資料を
集めてしまうので、「調べ学習」になってしまうのです。

いよいよ「初期仮説」に基づいてリサーチを開始です。冬休み期間は、
資料を集めたり、読みこんだり、現地に出向いたり、現人にインタビ
ューしたりするのにうってつけです。とはいえ、自律的に追究できる
かどうかは、本人の「意志」にかかっているので、後は子ども次第。
どこまでやれるか、子どもを信じて、楽しみに待つことにしましょう。

RI

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”いい仕事”はなかなか難しい。

[4・5年生]

今週も引き続きブロックボックス作り(正方形の棚)です。作業の開始前にはみんなで『職人の心得』を唱和するところから始まります。

「ひと~つ 良い加減! ひと~つ 型から入れ! ひと~つ 段取り八割! ひと~つ 作る時の気持ちが作品に記録される!」 
そして安全に気をつけていざ制作スタート☆

すでに進み具合によって各自の作業内容が異なってきました。先週カットした木材のヤスリがけに夢中になっている子、ドリルで穴あけをするための位置出しを行っている子、まだ丁寧にカット前の線引きを行っている子もいます。
線引きに慎重になりすぎてなかなか次の作業に進まない子にはエミケンさんから教わった”良い加減”という心得がいいメッセージを与えてくれます。時間の制約も踏まえながら質の良い作品を作るためにはバランス感覚が大切です。いい加減ではなく良い加減が大切なんですね。
ドリルの練習を何度もするも本番では少し斜めに穴を開けてしまったり、穴の深さが足りなくてうまく噛み合わなかったりと、なかなか簡単にはいきません。またうまく穴が開いたように見えていてもダボを実際に入れてみるとピッタリはまらないことも多いようです。
位置だしの重要さが身にしみます。
この練習課題制作からいくつものポイントを学んでいる子どもたち。 失敗もすぐに活かせる機会があるので良い学びとなります。 年明けからはいよいよ椅子制作に取り掛かります。
練習で得た教訓を活かして『いい仕事』をできるようにがんばりましょう☆

YI

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人とふれあうこと

[3年生]

今週はどのように相手の役に立つことができるでしょうか。
新しいボランティア先として、近くのデイサービスを行っている福祉施設を
訪問することになりました。
子ども達にそのことを伝えると、「何のお手伝いするの?」「手品とかするの?」と
疑問が飛び出します。
昨年の同じテーマ学習で先輩達が和田ふれあいの家を訪れたことを知っている子ども達。
一体どんなことをするのかと期待と不安が伺えます。

そこで、今度訪れる和田ふれあいの家とはどういうところなのか、オリエンテーションを
行うことにしました。
まずは、施設の資料を読むことで、ふれあいの家では人生の先輩たちが、食事をしたり、
レクリエーションをしたり、リハビリをしたりして過ごされていることを学びました。

「今回のボランティアの目的は何だろう?」と子ども達に問いかけると、少し間をおいて、
「デイサービスの利用者の方々に楽しい気持ちになって頂く、かな。」という答えが
返ってきました。

(おっ、その心構えやよし!)

ボランティアとは単なる作業のお手伝いではなく、それを行うことでどのように
相手に役立つか意識して行動することが重要です。子ども達の発言から頼もしさを感じました。

そして、ボランティアに臨む上で気を付けるべきことを強調して伝えました。

・利用者の方々は人生の先輩であることを忘れず、丁寧な言葉遣いで接すること
・相手に聞き取りやすいように、ゆっくりはっきり話すこと
・施設内を急いで移動しないこと

前回の綿布切りとは違って、実際に「相手」と接する仕事である今回のボランティア。
子ども達も真剣な表情でしっかりと聞き入っていました。


翌日、施設を訪問すると、スタッフや利用者の方々が温かく迎え入れてくれました。

自己紹介では、オリエンテーションの注意事項を意識して、大きな声でゆっくりはっきり
話すことができました。利用者の方々から「かわいいね~」「しっかりしてるね~」と
お声をかけて頂きました。

早速、当日のレクリエーションである風船バレーのお手伝いです。
点数の記入が主な仕事でしたが、それ以外にもコート外に出そうになるボールを戻したり、
負けているチームの応援をしたり、ゲームの盛り上げに一役買っていました。

その後のリハビリ体操では、利用者の方々にまじって一緒に体操に加わりました。
「どこに住んでるの?」「身体が柔らかいねぇ」ご年配の方々が子ども達に話かけてくれます。
初対面の人と話をするのがあまり得意ではない彼ら彼女達でしたが、会話を
続けようとする姿勢が見られました。
利用者の方も子ども達を見ているだけでとても楽しそうな様子でした。

最後に、剣道を習っていると自己紹介したRくんに、利用者の方から剣道の素ぶりの
リクエストがありました。
施設に竹刀はありませんでしたが、利用者のある方が杖を貸してくださって、
面の打ち込みを披露することになりました。

「めーーーんっ!!!」

拍手喝さいを頂き、彼も非常に嬉しそうな表情を浮かべていました。


その後の振り返りでは、

「風船バレーは参加しなくても、楽しかった。」
「丁寧な言葉遣いで話すことができた。」
「ボランティア中、ぼーっとしていなかった。」

と良かった点がたくさんあがりましたが、
その一方で「もっと自分から話かけた方がよいかも」という改善点も見えてきました。

そんな中、ある子どもから「何かわからないけど、あったかい気持ちになった」という意見が
ぽろっと出てきました。もう少し掘り下げて聞いてみようと質問してみたのですが、
当の本人もその理由はよくわからない様子。

今回のテーマで目指すところが、「相手のためにとことん動いてみると、おもいがけない
自分とのつながりが見えてくる」であることは、子どもたちに初回の授業で伝えています。
おぼろげなその何かを、今後も活動を通じて、見つけていきたいと思います。


HY

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サインって必要?


[1・2年生]

先週までの分類の振り返りから開始!


一回分けたものをもう一回見ていくと、
「ここにも“!”マークが入っている!」
と、グループが異なるサインの共通点を探したり、
「この“とまれ”は、“禁止”も“注意”もどちらも入っているような感じがする。」
と、別グループへの移動もあったりしました。


中にはメッセージがつかめず、分けられないものあり……。
「“場所”と“名前”の分け方は本当にそれで良かったのかなぁ……。」
と、分類を一旦終えた後も迷い続ける様子が見られました。


こんなに悩んだサインの分類だけど、私たち以外の人はサインをどう分けているのだろう?
そこで、サインに関する本に触れてみることに。
“注意”“禁止”等を表す標識の違い、トイレやエコマークなど身の回りのサインを紹介する本、
そして、「サインは整える」「サインは導く」などサインの機能を紹介する本を一緒に読んでみました。
「男と女の(マークの)違いって、女の方が丸い感じがする。」
「なんで月がサインになるんだろう?」
「月のかたちで何日か分かるからだと思う!」
と、本にある情報からも、サインの機能を考えてみました。


また、家の中のサインにも注目し、それぞれが家の中にどんなサインがあるか探して記録してみることに。
すると、
「お店のカードが机の上にあった。これは『買い物に行った』サインだと思う。」
「家で『ここでたばこを吸わないで』というサインを作ったんだ。けど、守られていない。」
「おもちゃが置いてあると、『遊びたい』っていうサイン。」
他にも、スイッチのON・OFFや時計などの意見が出てきました。


そうして様々なサインを観察してきた私たちですが、そもそもサインは本当に必要なのだろうか?
そのことを考えるために、サインがなかったら何が起こるか、そしてどんな気持ちになるかを想像してみました。
「『とまれ』のサインがなかったら、事故が起こる。いたい。」
「カレンダーがなかったら、何月か分からない。つまんない気持ち。」
「値段のサインがなかったら、0円と同じという意味になって、お金を出さなくていいからうれしい気持ちになる。」
サインがあることで、大変なことが起きたり、分からないことがあったり、時には分からない故に得なこと(!?)も考えられるようでした。


「サインがないと生きられないわけではないけど、ないと困るもの。あったら便利なこともある。」
という子どもたちの意見。
さぁ、これでテーマ前半終了。
新年からの後半戦では、今までサインについて考えてきたことを活かして相手を動かすようなサインの発信を目指そう!



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TCS2011年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

ミラクル・ハイパーステージ2011報告

恒例となっておりますミラクル・ハイパーステージが去る12月18日(日)に開催されました。

当日の様子をたくさんの写真とともにご報告いたします。
見学に来られた方も、残念ながら当日お越しいただけなかった方もこちらのレポートをお楽しみください☆

今年は初めての試みで5-6年生が英語スピーチに挑戦。
それぞれの日頃の成果を発表しました!

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その後は個人パフォーマンスのステージが続きます。
1年生は手品やバルーンアートを、2年生は紙きりを堂々と披露してくれました。
そして6年生と保護者代表によるピアノ独奏。
素晴らしい演奏に聞き入ってしまいました・・・。

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後半はグループパフォーマンスのステージです。
4年生はご両親と一緒にものまね「人間ロボットTCS」で盛り上げてくれ、
6年生はお母さまとコント「読書対決」を披露してくれました。
なかなかのクオリティの高さに驚かされるばかりです。

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続いて、TCSフェスティバルでも大好評だったダンス。あの感動を再び今日のステージでも披露です。
6年生+スタッフによる「Mr.TAXI」日々練習を重ねて見事に踊りきってくれました。

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そしてスタッフも子どもに負けてはいられないとばかりに披露したスプーンアンサンブル。
短い練習期間にも関わらず、なんとか形にはできたかな?と。。。

そして、なんと!あの「笑点」がTCSにやってきました!
3、4、5年生の男の子で構成された「TCS寄席」では会場を大いに沸かせてくれました。
お馴染みの座布団運びにも粋な演出があり、笑いを誘っていました。

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学年ごとのパフォーマンスでは1-4年生による「サンバ」、10.JPG

5年生による「WORLD ORDER」、             12.JPG

6年生によるバンド演奏「TSUBASA WO KUDASAI」13.JPG

毎日頑張ってきた成果を発表してくれました。

そして最後は全員合唱「君を乗せて」
笑いあり、感動ありの2時間はあっという間に過ぎていきました。

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MVA(Most Valuable Audience) : 3年生男子 (一生懸命ステージを見る姿が印象的)
MVP(Most Valuable Person)  : 6年生男子 (ピアノ 電車発車メドレー)
MVG(Most Valuable Group)  : 5年生ダンス(WORLD ORDER)
特別賞  : 6年生バンド (TSUBASA WO KUDASAI)

今年も1年間ありがとうございました!
また来年もいい年になりますように♪
☆Merry X'mas & A Happy New Year 2012!☆

2011年12月25日

2011年度冬休み課題図書

【1年生】               【2・3年生】
            


【4・5年生】





2011年度冬休み課題

【1~5年生】





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