東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2010年04月 アーカイブ

2010年04月12日

「ボーダレスワールド」~概要~

タイトル:ボーダレスワールド
探究領域:時空因縁


手紙から電話、そしてインターネットと、通信技術の発展に伴って、いつでも、
どこにいる相手とでもやりとりできるようになりました。私たちは今、空間を移動
することなく、また、時間差なく世界中の人々とつながるツールを手にしたのです。
このことは「国境」や「文化」という従来の「境界線」を飛び越えて世界中の人々が
交流する可能性を生み出しました。実際に、地球の片隅で発信された「情報」が
瞬時に世界中を駆け回り、人々を動かすということが起きています。今回の学び
では、このようにボーダレス化された現状を「実感」するために、情報を「発信」し、
日本にいながら世界中の人々とつがなることが可能か「実験」します。この「実験」
では、さまざまな困難に直面するでしょう。それを乗り越えるために、あきらめずに
試行錯誤することを通じて、自分たちが動けば、人々と連帯して「何か」を変えら
れるかもしれないという意識を養います。



RI

TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

詩人の旅 ~概要~


タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現


楽書きの時間を通して、文を書くことに慣れてきた3・4年生。
本テーマでは、『詩』という形に限定して、詩人の技を盗みながら、
様々な場所を訪れ、また人に出会う旅を通して、自分の発見や感動を表現していきます。

1回書いたら終わりではなく、何度も作品を推敲するプロセスも大切です。
読むと自分のイメージや感情が浮かび上がるような詩を、
そして、より鮮明に自分の感動が人に伝わるような詩を書くことに挑戦します。
クラスの仲間がどんな詩を書くのか、そんなところにも意外な発見があるかもしれません。


EN


TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

I am Special~概要


新入生を迎え、1・2年生が今年度一発目に行うテーマ学習は、自分のことについて
とことん学んでいきます。
自分にはどのような特徴があるのか?
自分はどれだけ成長したのか?
これらのこと探究する中で、自分自身のことを知っていき、
私達、一人一人がかけがえのない存在だということを実感していきます。
さぁ、自分のスペシャル探しに出発です!



TK


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2010年04月15日

アウト・ドア・デー 昭和記念公園

新年度が始まり、新入生を迎えての第1週目は、TCS恒例のまち探検三昧
です。和田掘公園でサッカー、バドミントン、キャッチボールととことん体を動
かした翌日に、アウトドアデーと銘打って、さらに出かけてしまうところがTCS
らしいところです。

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4月9日、電車を乗り継ぎ西立川の「昭和記念公園」へと少し遠出です。二日連続
での上天気。ウイークデイということで来園者は少なく、広い園内はゆったり。

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「虹のハンモック」やトランポリンを雲にみたてた「雲の海」といった人気の遊具
も周りを気にせずのびのび遊べて、子供たちは、はねてはじけて大はしゃぎ。
昨日のお出かけのせいで少々疲れ気味の大人達を感心させてくれました。

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昭和記念公園の魅力は、なんといっても広い草原で凧揚げから球技まで
なんでもできること。子どもたちは早速、持ってきたボールでサッカーを始め
ました。

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我々の訪れるのを待ち焦がれていたのか、まだ散らずにいてくれた桜をはじめ
様々な花を目にすることもでき、全員で春の一日をたっぷりと満喫し、充実した
第一歩を踏み出せました。

2010年度 入学式

TCSの新年度がスタートしました。
4月6日、始業式で久しぶりに皆が集まり、それぞれ元気な顔を確認しあってから入学式の
会場へと移動しました。
入学式では、まず主役の二人の登場です。
今年度の新入生は、一年生1名と三年生が1名の合計で2名です。

新しい仲間として、合唱と盛大な拍手で迎えられました。
続いて、新スタッフの紹介、今年の活動方針や今年の漢字『直』の発表、解説がありました。
活動方針は『スクールの外へ出て活動する』ことで、
その時間を作るために、「やるべきことは直ちにやってしまう。」の『直』ということでした。

その後、前年度の皆勤賞の1名、準皆勤賞の1名の表彰も執り行なわれました。
式の後半は出席者全員が車座になりリラックスした雰囲気での進行となりました。
一人ひとりが自己紹介を、それぞれ堂々と、あるいは照れながら行いました。
主役の二人もみんなに見守られながら無事に自己紹介できました。

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昼からはスクールに戻り立食での歓迎パーティ。
実は、前日にはボランティアで在校生達が集まり、歓迎の準備をしていました。
料理は、お母さん達の手作り料理が多く並び、その料理に舌鼓を打ちながら、会話も弾み親睦を深めることができ、終始、暖かい雰囲気で新入生を迎えることができました。

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子どもたちは、この日最後のイベント「私のプロファイル作り」で明日からのことに思いをはせ、
長い一日を終えました。

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2010年04月16日

世界の人々とつながる

今年度初の高学年テーマは、5・6年生合同、計9名でスタートしました。

「ねえ、今回のテーマは何?」
「これまで誰もやったことのないテーマ?」

子どもたちは、授業開始早々、興味津々。

「そう、これは“初”テーマだ!」

と知らせると「イエ~ッ!」と声が上がりました。「駄菓子屋」「映画」「裁判」
「宇宙」など、先輩達がやったテーマで心ひかれるものはあるものの、自分
たちが新たに開拓するテーマに「期待」する心が育ってきているのも、これ
まで探究型の学びを積み重ねてきた成果の一つでしょう。

さて、子どもたちが新たに挑戦するテーマは、“どこにいても世界の人々と
つながることができる時代になった”ということを「実証」することです。通信
技術の発展は、実質的に世界を極めて小さくしました。その現実を実感し、

空間的な移動を伴わなくても人々とつながることが可能だ!
つながってみると、そこに思わぬ「化学反応」が生まれる!

という「衝撃」を体に刻みつけることを目指します。

テーマ学習の最初の時間は、与えた「テーマ」について子どもたちが持って
いる「既有知識」をじっくり探ることが大事。そこで、「世界の人々とつながる」
と聴いて、どんなイメージが思い浮かんだかたずねます。すると、真っ先に
出てきたのが「外国に会いに出かける!」という答えでした。

「なるほど……じゃあ、東京にいながらって条件をつけたら?」

そう問いかけを変えると……

「日本に住んでる外国人と会う」というように“直接出会う”イメージ。
「風船に手紙をつけて飛ばす」「ビンに手紙を入れて海に流す」という
ファンタジックなイメージ。
「日本語を教えてあげる」「日本の有名な場所やものとかを宣伝する」
という“日本を伝える”イメージ。
「困っていることがあったら助ける」「お金とか物を寄付する」「ボランティア」
という“支援する”イメージ。
そして「手紙を出す」「電話やFAX」「テレビ電話」「Eメール」という“通信手段”
のイメージ。

子どもたちの発言を書きとめていたら、あっという間にホワイトボードはうまって
しまいました。「つながる」と言われても漠然としているので、きっと悩むに違い
ない……との予想に反して、次から次へと子どもたちからイメージが飛び出て
きました。

「じゃあ、モノのつながりはどうだろう……」

続いて、既にモノを介して「海外の人々」と深くつながってしまっているという
現実について、どの程度子どもたちが認識しているか確かめてみました。

真っ先に出てきたのはやはり「食べ物」。「牛肉、小麦……」という“輸入品”
「牛乳、ピザ……」という“外来の食品・料理”
「でもねえ、日本の料理でも材料は輸入品に頼ってるんだよ」
社会で習った知識をポロッと口に出す子もいます。

すると、ある子が自分の服をめくってタグを見始めました。
「私のシャツ中国製!」
この一声が、反応する力に満ちている子どもたちに火をつけました。一斉に、
われもわれもと自分たちの洋服を調べ始めました。
「おれのはベトナム製だ!」
「私のパーカーは香港!」
突然、トイレに走り、はいているパンツまで調べた子は、
「おれ全身、中国だ!」
と叫びます。

「日本のものほとんどないじゃん……」
というつぶやきも聞こえてきます。

服だけではないはず……と自分の持ち物を片っ端から調べ始めます。
「リュックも中国だよ」
「筆箱もだよ」
「これ不思議、同じ会社の同じ種類の消しゴムなのに、あいつのはベトナム製
なのにぼくのは日本製だよ」
「のりはタイなんだね」
「スクールで使っているノートはインドネシアだよ」

アジアの国々を中心に「モノ」でしっかり「つながっている」ことを痛感しました。

モノでは既に深く結びついている状況の中で、再び「人」とどう「つながる」か
考えてゆきます。そこで、世界中の人々とつながるために「手紙」という手段を
用いてみること、その「手紙」で、つながった“証”として「何か」を送ってほしいと
お願いすること、というミッションを提示しました。

「何を送ってもらったらいいかな?」

ここでも、子どもたちから出される、柔軟で気の利いたアイデアの数々に驚かさ
れました。

主なものを挙げると、
石……どの国にもあり、その国の土地の成り立ちの歴史がわかるから。
ワインのコルク……アフリカにもワインはあると聞いたから。
押し花……その国を代表する花が手に入るかもしれない。
切符……外国の鉄道では降りる駅で切符を回収しないから家に持ち帰る。
レシート……その国の言葉が載ってるし、お金の単位もわかるかも。
この他に、お菓子の包み紙や、紙にその国の言葉で挨拶を書いて送ってもらう
といった面白いアイデアも出ました。

「不要なもので、結局、捨ててしまうものならもらえるんじゃないかな」
「でも、石みたいに重かったり、かさばったりするものは送料もかかるし、パッケ
ージも面倒じゃないかな?」
「花とか葉っぱとか外来の植物は、送っちゃダメだって聞いたよ」
「アフリカの普通の人はワイン飲まないんじゃない?それに外国のワインって日本
で手に入ると思うんだけど」
「オーストラリアに住んでたとき、近所の店で買い物しても、日本みたいにレシート
くれなかったよ」

なるべく多くの国にありそうなものは何か、送ってもらいやすそうなものは何か、
という観点だけでなく、海外に暮らしたり、旅行した経験のある子からは、知らず
知らず、比較文化的な視点からの意見も出てきます。

とても面白い議論ではあったものの、子どもたちの話し合いには大事なポイントが
欠けていました。それは“なんのために送ってもらうか?”ということでした。子ども
たちも自分が手紙をもらう立場だったら、「ああ、そういうことなら送ってあげよう!」
と思える“理由”がなければ、モノを送ったりしないということには気づいていました。
しかし、どうしても説得力ある“理由”が見出せず、送ってもらうモノを決められず、
いたずらに時間が過ぎ、やがて沈黙……。

そこで遅ればせながらアイデアを提示することにしました。実は、子どもたちの反応
があまりにもよく、当初は、もっと早い段階で発表しようと思っていたアイデアをここ
まで言わずに引き伸ばしていたのでした。

「実は君達にやってもらいたいことは決めていたんだけど、素晴らしい意見がたくさ
ん出てきて、思わず聴き入ってしまったんだ」と正直に吐露してから、

使用済み切手を集めて、ふつうの世界地図とは一味違ったオリジナルマップを作る

という計画を明らかにしました。

切手を集めるというアイデアは、子どもたちからも出ていました。そこに自分たちも
心ゆさぶられるような“理由”がつけ加えられたのですから、「それいいねえ!」と
みんなで大盛り上がり。自分たちが「いいな!」と思ったことなら、きっと相手も
「いいな!」と思ってくれるのではないかという思いがわいてきたようです。一体感
と納得感を抱いて主体的にミッション取り組もうという気持ちが高まったのは、ここ
まで十分にみんなで話し合い、知恵を出し合った末にたどりついたからでしょう。
与えられて、言われたことだからするミッションではなくなったのです。

あとは、だれに、どこに、「手紙」を出すかを考えなければなりません。日本に住ん
でいる外国人にアクセスしたり、外国に住んでいる親類や知人・友人に手紙を出し
たりすれば、返事をもらいやすいでしょう。しかし、子どもたちの心は、全く知らない
人とつながることにチャレンジしたいという気持ちでいっぱいです。そこで出てきた
のが、
友達の友達作戦……海外の友達に協力をあおぎ、彼らの友達・知り合いに協力を
要請する。
市役所に送る……海外の市役所に自分たちが作ったポスターを送り、それをはって
もらい、その下に切手を入れる箱をおいてもらう。
やはり、すぐに、面白いアイデアが飛び出しましたが、「実効性」がありそうなのは、
学校に手紙を出すというものでした。

「外国の小学校から手紙が来たって言ったら、子どもたちも喜ぶだろうし、先生だっ
たら協力しようと思ってくれるんじゃないかな」

鋭いところをついています。

いよいよ次週は、手紙に書くメッセージ作りです。こちらの思いを相手に届かせ、
動かすにはどんな内容がいいのか……

「英語で書くんだよね?」
「でもさ、英語じゃない国にも英語かな?」
「パソコンで書いた方が文字がきれいになるよ!」
「でもさ、手書きの方が気持ちがこもっているように見えるし、小学生ががんばった
っていう感じが伝わるかも」

早くも、どんな書き方をするかの議論が始まりました。自分がかつて通っていた
海外の小学校の住所をインターネットで調べる子もいます。「手紙」という古いコミュ
ニケーションツールに、インターネットという新しいコミュニケーションツールを融合
して、世界の人々とつながろうという大実験の開始です。

RI

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「詩」って何?

テーマ「詩人の旅」。
6週間かけて、いろいろなところへ旅をし、自分の感動を詩に表すことを目指します。


第1週は、「詩に触れてみる」。


まず、「『詩』って何?」という問いかけから始まります。


「伝えたいことを伝える」
「短い」
「状態をあらわす」
「リズムがある」
「お話ではない」
「五七五は?」
などの意見が子どもたちから出てきました。


でも、それでもまだ、「詩」のイメージはぼんやりしたまま。


「じゃあ、とにかく、詩を書いてみよう!」ということで、
さっそく次の日、新宿御苑に行ってきました。
ここでの約束は、「詩の題材(これになりきって詩を書くぞという対象)を1つは必ず見つけること」。


「詩」って何?_01 「詩」って何?_02 「詩」って何?_03


天気が崩れる日が続く中、この日は春の暖かな陽に包まれた良い天気に恵まれました。
池の近くに座って鯉を見たり、芝生に寝転がって昼寝をしたり、全員でじゃれあったり。
絵を描いている人をじっと見ていたり、桜・たんぽぽなどの植物を観察したり。
耳を澄ますと、鳥の鳴き声や電車などいろいろな音が聞こえてきていろいろな発見がありました。


「詩」って何?_04広い公園の中をゆっくりのんびりと過ごしていると、
「詩、書いていい?」と子どもたちの声。
もちろん、OK!
それぞれが、それぞれのタイミングで詩をメモしていました。


その次の日は、新宿御苑を振り返り、
書いた詩を推敲したり、新しく詩を書いていきました。


「自分が選んだ題材になりきって、詩を書いてみよう!」


これが、なかなか難しいようです。
「どうしたら書けるの?」
「これでいいや。」
と戸惑いや諦めの声も聞こえました。


それでも、少しずつ自分から生まれる言葉に向き合います。


「詩」って何?_05「桜を生きものと感じたみたいだけど、それはどうして?」と聞くと、
「風が吹いていたから。」
「じゃあ、自分が桜だったら、風が吹いてきたらどんな気持ちになるだろう?」
すると、素直な言葉の詩が出来上がりました。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

風さんいつもありがとう  さくら  気もちい
風さんいつも風をふかしてくれてありがとう
花びらをおとしてくれてありがとう
花びらがさく時間はちょっとだけど それでも 風さんありがとう
花びらだけではないけど 一年じゅうふかしてくれて気もちいよ
風さんありがとう

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


来週以降も、詩人の旅は続きます。
詩人の技も盗みつつ、詩を書くことに挑戦です。


EN


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自分の顔とにらめっこ!

「今回のタイトルは"I am Special !”です。」

「スペシャルって特別なこと?」

「アイアムって、何だか知ってる?」
「アイアムって、私!」
「自分のことだ!」

そうです。今回は自分自身の事に関してスペシャルなものを探していくテーマです。
自分自身はいったいどのような特徴があるのでしょうか?
色々な角度から見て、自分自身のことを感じていきます。

まずは、自分自身の外面の事について調べてみました。

とことん鏡と見つめあい、自分の顔のスペシャルを探していきます。

自分の顔を大きさもリアルに表現することから、考えました。
そこで、方法を考えるように問いかけると、

「顔を紙につけて周りを描けばよい!」
ということで輪郭をまずとりました。

2年生は去年の最後にやった五感の事に関してのテーマ学習を鮮明に覚えています。
五感のことを聞くと、詳しく説明してくれました。
今回使うのは特に"視覚”です。よく観察して、顔を画用紙に描いていきます。

そこからはひたすらに、自分の顔とにらめっこしました。

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しばらくして、一通り自分の顔を描き終わったところで、描いたものをお互いに見せ合いました。

「もっと鼻の位置が・・・」
「目がもっと細いよ!」
「輪郭はどうかな?」

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「鼻の穴はきちんとした丸ではない」

「産毛があるよ」
「僕にはない!」

「似ているけど違う!」
「人間はみんな違うんだ」

だんだんと新入生とも打ち解けてきて、会話のやり取りが増えていきました。

自分達がわかったこと、顔の中で気づいたことをまとめていきました。


似ているところを探しているところで
「パーツの数が一緒だ!」という声。

そこから、パーツの数がみんな共通しているものが出てきました。
「鼻」「口」「耳」
「目」「うで」「かた」・・・


P4141881.jpgまとまったものを書き留めて、今週のテーマは終了しました。

来週は、他の体の部分のスペシャルなものを探していきます。
何か新しい発見はあるでしょうか?



TK


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2010年04月23日

つながるためのメッセージ

世界中のできるだけ多くの国々に手紙を書き、切手を送ってもらうようにお願い
するというミッションが明確になり、いよいよ“どんな手紙を書いたらよいのか?”
考える段階です。こちらの思いを相手に届かせ、動かすにはどんなメッセージ
がいいのか徹底追究が始まりました。

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まず、手紙に盛り込むべき内容についての議論からスタートし、すぐに、挨拶、
自己紹介・学校紹介、そして肝心の何をお願いするのか伝えるという流れで
書こうと決まりました。続いて、議題は、具体的なメッセージをどうするかに転
じます。

「切手プリーズってただ伝えてもダメじゃない」
「切手にはその国の歴史的な人物や有名な場所とか代表的なものがデザイン
されているから、あなたの国のことがわかるかもしれないからくださいと頼むの
はどう?」
「相手の国のことならネットでも調べられるよ」
「あっ、そうか、手紙や切手は仲良くなるきっかけなんだよ」
「人から教えてもらいたいんだよね」
「じゃあ、切手だけじゃなくて、この手紙を受け取った感想を書いてもらったらどう
かな?」

ただ“ください”と頼むだけではダメだ。相手が「なるほど」と感じる理由が重要だ!
ということが子どもたちに強く認識されたようで、切手を送ってもらう「理由」の議論
が中心になりました。

「勝手なお願いだけど、ってつけ加えた方がいいよ」
「おかえしをした方がいいんじゃない」

目的と理由がはっきりしないと相手に伝わらないけれど、論理的でありさえすれば
よいわけではありません。最後にお願いの言葉や、送ってもらった場合のお礼に
ついても書いて、共感を呼ぶ工夫が大事だという意見も出てきました。

子どもたちみんなの頭の中に、どんな手紙を書くかのイメージがはっきりしてきた
ので、グループに分かれてみんなで協議しながら手紙をまとめるように促しました。
これまで議論してきたどの考えを取り入れ、どれを捨てるか、話し合いながら手紙
を創り上げてゆきました。

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こんにちは。突然ですみません。私は日本の東京にある東京コミュニティスクール
という学校に通っている〇〇です。この学校は全校生徒がたった16人しかいない
小さくて、変わった学校です。今、私たちは世界中の人々とつながるために、手紙
を送り、いろいろな国をよく知りたいと思います。そこでお願いしたいことがあります。
切手を私たちの学校に送っていただけませんか。なぜ切手を頼みたいかというと
切手だと各国の有名な物、伝統の物、歴史が分かると思ったからです。私たちは
その切手でオリジナルワールドマップを作りたいと思っています。勝手なお願い
かもしれませんが、使用済み切手で構わないので、ご協力お願いします。

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このような「素案」となる手紙がいくつか出来上がったので、これらを元にして、
英語の手紙を創り上げることにしました。ここからは、日英バイリンガルの英語
ネイティヴの先生と一緒に授業です。

海外の学校では、日本の学校の作文の授業ではあまりとりあげられない「実用
文」の書き方についてもしっかりトレーニングされます。特に「依頼の手紙」は、
実際に学校で子どもたちが取り組むプロジェクトとからめて「必要感」を持たせて
指導されます。

ネイティヴの先生が「参考」となる英文手紙として持ってきてくれたのが、イギリス
の小学4年生の授業で用いられる「依頼の手紙」でした。これは、がん治療に役
立てるお金を募金するプロジェクトのために、子どもに大人気の遊具をレンタルし
たいので、遊具レンタル会社に「破格の値段」で借りられないか交渉する手紙
です。なぜ「募金」と「遊具のレンタル」が関係するのか…?ということですが、
欧米の学校では、子どもたち自らがfundraisingするために何らかの催しを行う
ことが珍しくありません。この場合、学校に遊具を設置して、それで遊ぶ子ども
から料金を徴収し、募金を集めようというアイデアです。少しでも多く収益を上げる
ためには、遊具のレンタル料を下げたい……だから会社にお願いをする!という
わけで手紙を書く必要に迫られたのです。フォーマットとしては私たちが今やろう
としている「切手プロジェクト」とぴったり合うものでした。

当然ながら、子どもたちは、英文の手紙を読めません。

「読む必要はないよ。ただよーく眺めてみて!”絵”や“図”を見るのと同じように
眺めて、どんなことでもいいから気づいたことを教えて!」

と投げかけました。

「全部大文字のがある」
「最後にvery, very happy って書いてある」
「DEARって何?」

全部大文字だった文は “ST DEREKS NEEDS YOUR HELP!”
「“HELP!”って助けてってことでしょ?」
St Derekは小学校の名前。そこに“help”がついているので、学校が助けを
求めているのでは……と容易に想像がつきます。さらに、この文が手紙の本文
の冒頭に書かれていたことから、まず、「支援してほしい!」と強烈に訴えた方が
有効かもしれないと子どもたちは気づきました。

「どうか、どうか、お願いします」「本当に、本当に、うれしいです」と、日本語の表現
でも、強調したいときに言葉を繰り返します。「very, very happy」もそれと同じだ
とわかります。

名前の前に“Dear”をつけるのはなぜかという疑問に、ある子が「ハッピーバース
デーの歌に出てくる」とつぶやきました。のりのいい子どもたちはすぐに歌い出し
ます。「ハッピーバースデートゥーユー、ハッピーバースデートゥーユー、ハッピー
バースデーディア誰か~!あーっ、出てきたあ」と大騒ぎ。ということは……
あなたは大事な人ですよと訴えかけたいときに個人名の前につけて使えばよい
のでは?と気づきます。

じっくり手紙を眺め、特徴を探りながら、持てる知識を総動員して文の意味や構造
を子どもたちが類推し始めたところで、手紙に書かれた一文を真似して、自分たち
が訴えたい内容に書きかえるという「課題」に取り組むことにしました。

On March 28th, pupils at St Dereks Primary school are running a day of
fundraising activities, to raise money for cancer relief.

まず、この文を分析し、「日付」「だれが」「何をするか」「なぜ」という構造になって
いることを教えます。

「いつとは決まってないから日付はいらないね」
“日付”の部分はカットすることにしました。

「みんなでやるから、" I " じゃなくて" We " がいい」
“だれが”の部分はWeになりました。

「何をするか」は「切手を集める」で、英語でcollect stamps
「なぜするか」は「オリジナルワールドマップを作るため」で、英語で to make
an original world map

これをパズルのように当てはめて

We are collecting world stamps, to make an original world map.

という一文ができあがりました。子どもたちは、現在進行形も不定詞も知らないし
習っていません。ネイティヴの先生が翻訳してくれた言葉をなんとなくあてはめて
できあがった文に過ぎないのです。ただ、子どもたちにとって、自分たちの言い
たいことが英語に変換された記念すべき、感動の一文であり、教科書の例文の
ように自分とは無関係な無味乾燥な文ではありません。自分達のミッションを
完遂するために英語に翻訳することは避けて通れないと覚悟し、格闘し、生まれ
た文です。

「疲れたけど……なんとかできた」

その表情には、慣れない言語に取り組み、つらい部分もありながら、何かを成し
遂げた充実感が現れていました。

RI

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湧き出る思いを詩にのせて

テーマ「詩人の旅」第2週は、早速『旅』から始まります。
第二の旅は、『街の情景』です。


湧き出る思いを詩にのせて_01浅草から出発し、水上バスに乗り込みます。
水面に近い高さから周りの景色を見上げ、橋の下を通過する様子を、子どもたちは身をのりこんで見ていました。


狭い水門を通って、浜離宮庭園で水上バスを降ります。
丘の上でお弁当。
水門が近くに見えるところで、汽笛が鳴るたび、水上バスが通るたびに、
「あれは何の水上バス~?」
「あんな大きな船がどうしてあの門を通ることができるの?」
と興奮は冷めやりません。


昼食の後は、浜離宮庭園を通り抜け、築地の街へ向かいます。
築地場外市場はたくさんのお店があって、全てを見るのは困難。
気まぐれに「ここで曲がってみるか」と曲がった先で、
なんと、回転寿司屋の前に、大きなマグロがありました!
貼り紙を見ると、「マグロ解体ショー」。


湧き出る思いを詩にのせて_02興味津津な子どもたちに、寿司屋の方が、まぐろを触らしてくれたり、記念撮影を撮らせてくれたり、マグロの隠れた背びれを見せていただいたり。
このような、人との出会いも詩の材料です。


こうなると、解体ショーを見ないわけにはいきません。
長い包丁を持って全身を大きく動かしてさばく姿。
子どもたちはただ圧巻されている様です。


湧き出る思いを詩にのせて_03ショーの最後は、なんとオーディエンスに中落ちの試食が配られました!
子どもたちも一目散に並びます。


「おいしい!!」
「こんなおいしいマグロ食べたことない!」


市場を後にし、今度は水上バスで渡った隅田川沿いを歩きます。
けれど、先ほどのマグロのことが頭から離れないようで……


「もっと中落ち食べたい!!」


と何度も叫んでいました。


湧き出る思いを詩にのせて_04旅の最後は、聖路加タワーの展望室。
ここからは、隅田川や築地市場、浜離宮庭園など、今まで来た道のりを俯瞰することができます。
ちょうど、水上バスが向い合わせに進んでいるところを見ることができて、子どもたちはとても興奮していました。


川の上、地上、空中。
いろんな視点から街を眺めてみる。
そんなことができた旅でした。


次の日は、旅の振り返り。
「見たもの」「感じたこと」を挙げていくとホワイトボードが埋まるほど出てきます。


そうしたら、印象に残ったこと、そこで思ったことを書いてみよう!
水上バス、まぐろなどいろいろな題材で詩が次々と生まれました。


水上バスから見えた銅像からできた詩です。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「銅像」


オレは橋にいるしか
ないんだぞ
いろんな景色
見たいんだぞ
オレは遠いい国に
いきたいんだぞ
おれは大きく
なりたいんだぞ
おれはもっと
おれはもっと
いろいろな事を
したいんだぞ


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


湧き出る思いを詩にすることができるようになってきました。
来週以降も旅を続けながら、
詩人の技(テクニック)を使って、表現の幅を広げていくことに挑戦です。


EN


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似ているけど、一人一人違うね


先週にひきつづき、自分の外面についてスペシャル探しは続きます。

早速、自分達のスペシャルを探して話し合ってと言いたいところですが、
テーマ学習にて学びあうという意識がまだまだ体得できていない1・2年生。

そこで、テーマ学習の基本である心得を確認していきました。

①人の話しているほうを見る
②人の話をさえぎらない
③言いたいことは、きちんと伝える。

人としても基本的で大切なこのことを頭の片隅に入れながら、学習を進めていきます。


顔の自画像か完成したので、みんなで見比べて見ることにしました。

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「人と違うところってどういうところ?」
「顔の目、口、耳とか・・・」
「あっ、ウサギの耳みたい」

顔をじっくりと見てきて色々な発見がありましたが、さらに部分を深く見ていくことにしました。
子どもたちの興味が耳に流れ、まずはじっくりと観察してみて絵に描いてみます。

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自分の耳に鏡を思いっきり近づけて見て、さらに他人の耳を見て、自分と何が違うのかを見ていきました。

「耳たぶの大きさがちがうよ」
「こっちの耳たぶはとても大きな」
「耳たぶが大きいと金持ちになるんだって」

じっくりと観察し、人との差を見比べていくといろいろな発見がありました。

P4201921.jpg
「みんなの耳の穴がいいな」
「しわくちゃになっていて分かれ道がある人とない人がいる」
「しわのうすさが違う」>


いろいろと他人との違いが分かってきました。
では、体の大きさから全く違う大人と子どもでは逆に一緒のところはあるのでしょうか?ということで
、自分たちは大人と何が一緒なのか探しをしました。

「目の数は一緒だな」
「耳の形も似ているよ」
「べろの形も数も一緒だよ」

話し合っているところで
そのものの数というのは、一致していることが多いこと、
形は似ているけど違うものが多いことが浮かび上がってきました。

自分自身は、人と似ているところは多くあるけれど、一人一人じっくり見ると違うということ実感していきました。


最後に、輪になってゲーム形式で「いっしょのもの発見ゲーム」をしました。

「耳の数は一緒」「鼻の数が一緒」

ない人は、罰ゲームとして、くすぐりが待っていました。
不思議と罰ゲームがあると燃えるもので、みんなはおおはしゃぎでした。

「足の指の数が一緒」
「でも、ない人もいるよ」
「そうだよ!」

「確かに!」と思うようなするどいつっこみが飛び交いました。
昔は、あったけど足が交通事故で亡くなったという人もいたり、生まれつきにない人もいます。
それも人と違うところです。


段々と新入生の1年生と2年生の間も、緊張が取れたようであり、お互いに自然に話し合うようになってきました。

自分の内面の事に関して、徹底的に2週間見てきた子どもたち。来週は内面の部分について、自分のスペシャルを探していきます。



TK


TCS2010年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2010年04月26日

2010年度GW課題図書UP

東京コミュニティスクール2010年度ゴールデンウィーク課題図書をUPしました。
ご購入の際はこちらからどうぞ。

2010年度ゴールデンウィーク課題図書

Can you write a letter in English?

This week the 5th and 6th grade have been hard at work writing letters for their “Borderless World” theme. After writing their draft letter in Japanese we started to think about the best way to write a persuasive letter in English, it was now that everyone’s English skills came into their own.


First of all we looked at an example letter that was written by a group of 4th grade elementary students in the UK to raise money for a cancer charity. Using the example letter as a base we started off not by reading it but by just looking at the general layout to try and imagine what the letter was all about.


First of all we noticed that there was something written above the main letter…what could it be?

“The address!” said one student.

“But there are two!” questions another.

“Maybe one is the senders address and the other is the recipients address!” suggests someone else.


Without realising it the students had hit on one of the most important points about writing a letter in English. The address should always be written at the top of the page along with the date.


We then continued to look for interesting points which was when someone noticed that there is a sentence only written in capital letters.

ST DEREKS NEEDS YOUR HELP!

But why is it all in capital letters….?

“I can see the word HELP!” notices one eagle-eyed student, “maybe they want the recipient of the letter to help them.”

“It makes you want to read it because of the capital letters!”


We agreed that we need to make our letter eye-catching and memorable for the reader so we decided to imitate this part of the letter.


We then looked at the second sentence and broke down the meaning into smaller, easier to understand chunks. When the students looked at the sentence they realized that it is a summary of the entire project:

“On March 28th, pupils at St Derek’s Primary school are running a day of fundraising activities, to raise money for cancer relief.

This says when, who, what and why the school are running event, so much information in just one sentence, we could definitely use this for our own project. Using everyone’s vocabulary we managed to make the whole sentence ourselves.


And so as the day wore on we put together our letter sentence by sentence and the students completed their first letter in English, nice job guys! There were some difficult vocabulary which we had to look up but the letter is almost entirely their own.


Have a look!


letter4.JPG


Next we had to think about the layout of our letter. We looked at a total of 5 examples and debated the good and bad points of each letter. We asked the question, “Which letter would you most like to receive?” Which do you prefer?


letter1.JPG letter2.JPG letter3.JPG


As expected opinion was split but everyone agreed that the handwritten letters gave a much better impression than the computer typed ones, some students liked the pictures; others liked the simple border around the main letter. The students agreed to write their letters in their own individual style and make sure that their handwriting is as neat as possible.


As Golden Week approaches the students have the difficult and time consuming task of writing out 3 copies of the letter, ready to be sent after the holiday to countries all over the world. While we are waiting for a response of course we will not be wasting our time, the video letter is just waiting to be made!

2010年04月30日

「手紙」は世界へ!

苦心して創り上げた英文手紙を、最低3通、ゴールデンウィークの間に書いて
くるというhomeworkをすべての子どもたちはこなしてきました。細かくチェック
すれば、スペルミスが見つかったり、アルファベットの書き方に怪しいところが
あったりしましたが、致命的なものではありませんでした。むしろ、英語初学者
の子どもが熱心に書いたことがうかがわれて、かえって読み手の心を揺さぶる
かな……という印象を受けました。そう感じさせるのは、ペン書きの前に鉛筆で
しっかり下書きした後が見えたり、行がまっすぐになるように薄く線を引いてから
書いたことがわかったり、体裁を整え、丁寧に書いたことがわかるからです。

富士山や日の丸の絵が書いてあったり、桜の花びらの絵を散りばめた手製の
便箋に書かれていたり、また、日本のお守りを同封したり、というように、各自が
読み手の心に訴えるような独自の工夫を施してきました。なんとか返事をもらい
たいという子どもたちの意気込みを感じました。

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さて、次なる課題は、送り先です。以前、外国の子どもからの手紙に関心を
持ってもらえる可能性が高そうなのは小学校ではないかというところまで話し
合っていましたが、どこの国に出すかは決めていませんでした。3通あるので
3つの別々の国へ出すことができます。そこで、子どもたちに地図帳を出して
もらい、3つの国をどんな基準で選んでほしいか伝えました。

「英語の手紙を出すのだから、1通は英語を使っている国がいいよね」

1つ目の基準には、子どもたちはみな当然……という様子でした。

「ここを見ればいいよ」

ある子が早くも、地図帳をめくって、各国の国勢情報が載っているページを
開き、そこに「公用語」が書かれていることを発見しました。

「へえー、この国、英語なんだ……」

アメリカやイギリス、オーストラリアだけが英語を使っているわけではなく、
世界に英語を公用語とする国々が散らばっていることを知ります。

続いて、残る2つの基準を明らかにします。1つは、よく耳にする国で、関心が
あるけれど、英語を公用語としない国。そして、もう1つは、あまり聞いたことが
ないし、返事が来るかとても不安だけど、気になった国です。

「韓国にしよう。すごく近いけど知ってるような知らないような感じなんだよね」

「タイかな。ニュースでデモしてるの見たけど、手紙届くか試してみたい」

「マラウィ?それどこ?」

他の子が「つながりにくい」とした国のことが気になって、別の子が地図帳で
探し始めました。子どもたちは「なんとなく」「理由は言えないんだよね」とつぶ
やきながら、独特の感性で国を選んでゆきました。

子どもたちが送り先として選んだ国々は以下の通りです。

英語公用語国……ジャマイカ、カナダ、アイルランド、南アフリカ、アメリカ、
イギリス、シンガポール、インド、オーストラリア

非英語有名国……ロシア、フランス、韓国、ベネズエラ、スウェーデン、中国、
タイ、スイス、ドミニカ

つながり難……セント・ルシア、フィリピン、リベリア、アンティグア・バーブーダ、
マラウィ、パプアニューギニア、エチオピア、バハマ

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オーストラリアは、姉妹校のフィッツロイ・コミュニティスクール、イギリスは、
ネイティヴの英語の先生の母校、というように、知り合いがいる学校にも出す
ことにしましたが、ほとんどの国につてはありません。そこで、“インターネット”
を駆使します。「国名」「小学校」「住所」をキーワードとして入れ、検索エンジン
でサーチ!すぐにいくつかの学校が挙がってくる国は、やはり英語圏で先進国。
途上国の場合、アメリカンスクールやインターナショナルスクールでないとホーム
ページを持っていないので、どうしても現地の子どもたちが通っている学校は
検索にひっかかってきません。とはいえ、たまたま見つけたブログの中でユニーク
な学校が紹介されていたり、ホームページを読むとまるでTCSにそっくりな学校
だったり、面白そうな学校が続々見つかりました。後は、「ぜひ読んでね!返事
送ってね!」と祈りを込めて、郵送。「手紙」は世界へとはばたき始めました。

しかし、当然ながら、これで一件落着というわけにはまいりません。ネットで学校
を見つけられない国があるのです。このような国はあきらめるしかないのか……
さあ、いよいよ「時空因縁」という探究領域にふさわしい、本質的な課題に直面。
次なる追究へと進みます。

RI

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詩人の技を盗め!


第二の旅を終え、詩を書くことに慣れてきました。


ただ、この感動をどのように表現したらいいのか。


詩にはたくさんの技が含まれています。
そこで、たくさんの詩に触れる中で、詩の技を盗んでいきました。


詩人の技を盗め!_01「おもしろい!」
「こんな詩もあるのか」
「んーよくわかんない」


いろいろな感想が飛び出しました。
次の日、お家にある詩集をスクールに持って来た子ども達。
詩に触れることを楽しんでいる様子が伝わります。


詩人の技の一つ。
「擬音語・擬態語を利用する」を使ってできた作品です。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「足音」


ありチッチッ
ゾウドスコンドスコン
カエルペタペタ
キリントコントコン
空気ファ~
ブタタツタツ
リュウグワー
馬パカラパカラ
ねずみチチチチチ
人間ガサガサ
ぼくガサゴソトン


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


さぁ、少し技が身についたところで、第三の旅に出かけよう!
「雄大な自然」に触れるため、鎌倉の海を歩きました。


電車を乗り継ぎ、鎌倉駅にて下車。
若宮大路を30分ほど歩くと……由比ガ浜が見えてきました!


詩人の技を盗め!_02子ども達は、待ちに待った!という感じで、
荷物を投げ出し、早々とビーチサンダルに履き替え(準備がいい!)、
ズボンを捲し上げて海辺へダッシュ!


貝殻を集めたり,海藻をつかんだりと、子どもたちは思い思いに遊びます。


もっと遊ばせてあげたい……
しかし、空は待ってはくれませんでした。


この日は、あいにくの曇り空。
最初の海に着く頃には、黒い雲が空を覆うようになっていました。


後ろ髪ひかれる思いで、
早めにお昼にしようとしたその時、ポツポツ……


「大変だ!移動移動!!」


何とか、近くの海浜公園で雨に濡れずにお弁当を食べ、
またまた出発。


詩人の技を盗め!_03ですが、雨が強くなってきて気温も下がり、子ども達も辛そう……


しかし、極楽寺坂をのぼって行くと、
振り返ると先ほどまで遊んでいた海が見えるではないですか!!


詩人の技を盗め!_04ここで子ども達は少し元気を取り戻し、
その後、江の電で、稲村ケ崎へ。海は雨のせいもあり、とても荒い波。


詩人の技を盗め!_05さっきまで、「もう、帰りたいよー。」と嘆いていた子ども達も、一気に引き寄せられ、波の強さを楽しんでいました。
びしょぬれになってもおかまいなし。
帰りの電車の時間ギリギリまで遊びました。


次の日の振り返りでは、やはり雨・海の印象がとても強かったようです。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「海・・・」


ザザ~ン ザザ~ン
おしよせて またひいて
おしよせて またひいて
まるで おこっている人が
どんどん おしよせてくる


そこをなんとか
まぁまぁとひかせる人もいる
そのくりかえしで波はできているのかな?


そんなわけないか
だって毎日おこっている人が
いたら大変だもんね


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


テーマ折り返し地点までやってきました。
これからも、詩人の技を盗みつつ、旅に出ます。


EN


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自分の内のスペシャル探し!


この日は、公開授業日だったので保護者の方に協力してもらい、テーマ学習をしました。

外面について、自分の身長はどれくらいなのか?を調べました。

「測ったことあるよ」
「こうやって測った」

以前、算数の授業で測ったことを思い出し、自分たちで測っていました。
「1m〇□cmだ」
「これって何cmっていうのだろう?」
mとcmの関係に気づき、学習しました。日常のことと結びつけて算数を学んでいきます。

体の形はどういうものなのか?
手の形は、足の形どうなのか?
これらは、型をとりました。

P4251950.jpgP4251957.jpg

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P4251960.jpgP4251961.jpg

P4251962.jpgP4251963.jpg

これら型をとる作業はひとつひとつ丁寧に行い、この日は、親子で活動をして終わりました。
3週間後のテーマ発表会ではこれらのものをもとにアウトプットをしていきます。

次のテーマでは体重の測定はホームワークになっていたことをシェアしました。
そこで、kgをgに直し、算数の勉強をした後にそれぞれを比べてみました。
「大体似ているんだね」
「僕は、身長は高いけど体重は重い・・・」

自分の見た目に
「今までやってきたことの他にスペシャルなことってなんだろう?」
「他にはないよ」
「そうだね。じゃあ、みんなその他は一緒だ!」
「そんなことないよ!違うところあるよ!」

という議論が交わされ、他にもスペシャルなところはないのかを探っていきました。

「好きなものも違うよ!」
「僕のすきなものはね・・・」

今までは自分自身の外面のことについてやってきましたが、そこから目に見えない内側のことについて
『こころ』の部分について、探っていきました。


まず、好きな食べ物を調べていきました。
「ピザが好き!」「メロンソーダ」
「それは、僕も好き!」
とても沢山出てきます。

共通部分を色を塗っていきました。
共通部分がきわだって
逆に自分だけということが浮き出てきます。

好きなものという事に関しては、沢山共通している部分がありました。

「好きな事については、私はみんな色がついちゃった」
みんなと同じことが好きなことを新しく発見しました。

「じゃ次は・・・」 
子どもから質問をしあうようになり、活発に自分の内面に関して探っていきます。

好きな服、好きな国、好きな公園・・・
いろいろな質問が飛び交いました。

違う日に質問が繰りかえさえっるときにも
「みんなおんなじところに色を塗っていい?」
という提案があり、また色を塗っていきました。

そうすると分かることがあるかもしれないという意識が芽生えてきました。

得意技は?
「正座から立つこと」
「かべがのぼれる」
「サッカーは本気になると3年生より強い」

内面をいろいろな角度から見てみると、
それぞれ個性豊かないろいろなスペシャルなことが見えてきました。

もっと深く深く内面について洗い出していきます。



TK


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子どもが監督―映画「心を動かすストーリー」

テーマ学習「人の心を動かすストーリー」にて、5・6年陽月海心クラスの一人(当時6年生、2010年卒業)が、映画を作成しました。

子どもたち一人ひとりが監督となり、試行錯誤を重ねながら完成した傑作です!

2009年卒業生の作品と併せて、ぜひご覧ください。


■2010年卒業生(クラス名:陽月海心)



■2009年卒業生(クラス名:一苦百笑)












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〒164-0001 東京都中野区中野1-62-10 
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