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生態系の中の『おたがいさま』ってなに!?

タイトル:おたがいさま
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:生態系の中で生き物は互いに影響し合っている。

[1・2年生]

『おたがいさま』
日々、遊びの中でのケンカなどで、こどもたちもよく使う言葉。
今回のテーマでは、そんな「おたがいさま」の概念を生き物の世界、生態系の中での相互関係、影響関係を通して学んでいきます。

「おたがいさまってなに?」
と子供たちに聞くと、
「ふたりとも、どっちもどっちって感じ!」とか
「ふたりとも同じくらい悪いことしたときに言うよね!」とか
「あ、そーか!二人の喧嘩を止める人が言う言葉だよね」
と、やはり、何かいざこざや争いごとのときによく彼らが使う言葉ということが手に取るようにわかりました。

すると、ある子が
「え、ちょっと待って!今回、生き物に関係するテーマでしょ?生き物の『おたがいさま』ってなに?」
「うーーーん、生き物だって戦ってるんだよ。ほら、なわばり争いとか、メスの取り合いとか、エサの取り合いとかさ。」
「つまり、お互いに悪いことしてるってこと!?」
「というより、食べ物がほしいとか、いのちが危ない!ってなって、攻撃するから、じぶんの身を守るし、そうやって、おたがいさまに悪いことをするんじゃないの?」

「それにさ、人間だって、動物に攻撃とかするじゃない?」
「待って、人間は動物じゃないよー。」
「いや、人間も生き物もお互いさまだよ。勝手に縄張り取ったりさ。みんなだって勝手にドアからじぶんの部屋に入ってきたら、嫌でしょ?」

などと、「おたがいさま」という言葉と「生き物」というキーワードで、ここまでメタメタに考え始めるこどもたち。

生態系の中には、様々な相互作用や相互依存の関係、別の言葉で言うと、「おたがいさま」な関係があるわけですが、今回のテーマでは、「在来種」「外来種」「絶滅危惧種」を切り口に、「外来種」が「在来種」の生態系のバランスを崩し、「絶滅危惧種」へと追いやっていくのか、ということから、探究を進めていきます。

「絶滅危惧種って何?」と聞くと、
「あ、雷鳥とか、オオサンショウウオのことでしょ?」
「仲間がいなくなっちゃいそうな生き物のこと?」
「地球が絶滅しちゃうってこと?」
「襲われて、食べられちゃうことでしょ?」
「うーーん、1165匹もともといたとしたら、3匹くらいしか残らないみたいな感じ?」
などなど、絶滅危惧種に対する既存知識や言葉の意味から広がる理解は様々。

第1週目最後のテーマの時間には、在来種のクワガタが外来種のクワガタに住処や餌を奪われ、絶滅のふちにおいやられていることが描かれた教育番組を全員で視聴し、少しずつ、外来種と在来種の関係性、そしてその結果としての絶滅ということを、実例を通して、ゆるやかに理解していきました。

いよいよ、来週からフィールドに出て、外来種と在来種の関係性やそれぞれの機能について具体的に知ることで探究していきます。


ES

TCS2016年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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