東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2014年12月 アーカイブ

2014年12月01日

2014年度冬休み課題図書

2014年12月04日

「静かなともだち」〜ふりかえり〜

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:「見方を変えると見えてくる。」

[1年生]

今回のセントラルアイディアは「見方を変えれば見えてくる。」
GEDC0582.jpg
以前だったら見えていなかったであろう、モミジの姿をプレゼンテーションでは一人一人が語ってくれました。

モミジは分裂している
葉っぱの周りはギザギザしている
ハートの形やいなきゃいけない度で表した主脈・側脈・細脈のある葉脈
葉柄から赤くなり、主脈→葉っぱの先と紅葉していくこと
中には新芽がある葉柄の根元の部分の膨らみ
それも横についていたり上下に付いているなど付き方あるってこと

モミジはモミジしかないと思っていたけれど、オオモミジとイロハモミジの違いがある。
葉っぱの大きさも木の大きさ、ギザギザ、緑の色も紅葉した色。

またモミジ日誌を行う中で、日々変化していくことを楽しみながら記録していきました。
特に色が変わったときは本当に喜びました。というのも、子どもたちが選んだ場所は低く木の内側が多かったからか同じ木の外側は紅葉していくのに観察していた部分はずっと紅葉しなかったからです。


プレゼンテーション後のリフレクションでは出来上がった作品について、まだまだ完成は遠いという意見が出ました。
まだもっと鋸歯が上手く塗れる、枝の色がまだ甘い、裏側もやりたかった(真っ白)などの意見がありました。
GEDC0576.jpg
またお客さんにお尻を向けてしまったり、動いてしまったり、声がまだ小さいなどの意見をいただいて個々に次の課題ができました。
今回のテーマを通して見方が変わったということが最初の葉っぱと最後のモミジを見比べると見方を変えながらモミジを見てきたことで、以前のモミジに対しての認識の変化あったことが作品に表されています。

このように見るということは子どもたちにとって今後の学びにも大変重要であることだと思います。また、一人一人が、粘り強く最後の最後まで作品を作っていた姿勢は一つの糧になるでしょう。
今回の学びがこれからの学びにもつながっていってほしいです。





MI

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

ついに2.5kgクリア!

[2年生]

タイトル:築きに気づく

探究領域:万象究理

セントラルアイディア:「構造よく力を制す」

いよいよ6週目に突入です。
先週仕上げることが出来たそれぞれ渾身の橋を改良された実験装置にのせます。
緊張の一瞬です。。。
500g、1kg、1.5kg、2kg、そしてついに、、、
「あ!大丈夫だーー!たえてるよ。2.5kgクリアしたぞ〜!やったーーー!!」

「すごーい!やったねーーー!!」

ようやく2.5kgの荷重に耐える橋を製作することが出来ました。

「ぼくの橋って限界はどこまで耐えられるのかなぁ?もっと載せて試してみたいな。」

今回チャレンジしてきたブリッジコンテストでは2.5kgの荷重に耐える橋を作り上げることを目標としてきましたが、どこまでの荷重に耐え得るのか科学的に実験することでよりそれぞれの構造について具体的に比較することができます。

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「わーすごい!ぼくの橋4.2kgまでいったよーーー!」

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「やったー!私のアーチ橋は3.1kgまでいったーーー!」

何度も失敗から学んで工夫を重ねてきた結果、無事全員が2.5kgの荷重に耐える橋を製作することに成功しました。

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あとはプレゼンでどう自分たちのミッションを発表するかについて専念していきます。
どのような構造上の欠点を失敗した橋から学んできたのか、そしてそれをどう工夫して活かし2.5kgの荷重に耐えることが出来たのか今までの試行錯誤を振り返り、言葉にしていきます。
さて、どんなプレゼンテーションになるのでしょうか!
乞うご期待です。



YI

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「築きに気づく」〜ふりかえり〜

[2年生]

タイトル:築きに気づく

探究領域:万象究理

セントラルアイディア:「構造よく力を制す」

子どもたちは今回「構造よく力を制す」というセントラルアイディアの理解を目標に、力を制する形と構造に着目し橋作りに挑み続けてきました。

『3×3×900のヒノキ材を2本のみ使って2.5kgの荷重に耐える橋を作る』というミッションに向かって何度も失敗を重ねながら、その橋の壊れ方から弱点を予測し次の設計に役立てていきました。
そうしてとうとう全員が2.5kgの荷重に耐える橋を製作することにたどり着き、中には4kgを超える荷重に耐える橋もいくつかありました。
最初はみんながシンプルなトラス橋を作っていましたが、アーチ橋・三角トラス・細かく材料を使って工夫を重ねたトラスなど様々なデザインにも挑戦し、それぞれのデザインに合った構造の工夫をすることができました。

プレゼンの冒頭で子どもたちが話してくれたように”なるべく少ない材料で大きな力を支える橋を作る”ために必要な”形”と”構造”とはなんなのか模索し続けた6週間。

まだまだそれぞれの構造の違いを分析し、言語化することは難しいですが同じ材料でも”形”と”構造”を工夫することで耐えることが出来る”力”の大きさは変わるとういうことを身をもって実感することができました。

何より素晴らしかったのは彼らが最初から最後までこのミッションにのめりこみ、2年生という学年にも関わらず条件を意識して、使える材料を超えないように難解な計算に頭を悩ませながらも何度となく設計図を仕上げ続けたこと。
その試行錯誤の”つら楽しさ”を全員が味わいきったことも彼らにとってこれからの学びにつながっていくことでしょう。


YI

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2014年12月05日

「てこでも動かない?」~ふりかえり~

タイトル:てこでも動かない?
探究領域:万象究理
セントラルアイディア:「小さな力を大きな力に変えることができる。」

[3・4年生]

プレゼンでは、劇形式で伝えたいことを表現しました。
今回、伝えたいことは何かを出し合ったところ、次の4つが出てきました。
・重い物を持ち上げるには、てこ・滑車の原理を使えば軽くなること
・でも、滑車ばかりに頼りすぎると、実際には「摩擦」が生じて余計な力が増えてしまうこと
・実験結果を活かして、自分たちが作った装置の説明
・そして、生活には原理をうまく利用した道具がたくさんあり、
自分たちも原理を利用することで生活をより便利にすることができるということ

おっちゃん持ち上げ装置やエレベーター実験など、これまでやってきた実験は何度もありました。ただ、それを時系列で伝えては、聞く側にとっては退屈になってしまいます。
「何を伝えたいのか」を考え、ストーリーを考えていきました。
また、keynoteに頼りすぎず、手書きの設計図や図式などをスクリーンに映して説明していきました。相手にわかりやすく伝えるにはどうしたらいいか。今後もこのことは課題となっていくことでしょう。

理科実験により、原理の仕組みを理解し、理解したことを使って設計図を描く。
実際に実験をしてみて、思い通りにできたこと、できなかったことを分析していく。
さらなる設計図を更新していく。そして、実験をする。これを繰り返した6週間でした。
毎日のように、家で設計図を描くということが続き、テーマの時間は手を動かし考える。

この繰り返しにより、設計図が徐々に変化し、原理の理解が深められていきました。
フリーハンドで何気なく描いていたものから、人前で説明するときにわかりにくいことに気づき、コンパスや定規を使用するようになります。実際に輪軸等を作り始めてからは、サイズにもこだわるようになり、計算式を添える子も出てきました。
輪軸作りに関しては、大きい円と小さい円の比率を考えずに作ったり、どちらの円に巻き付ければ力が小さくなるのかがわからなかったりと、理科での理解が「わかったつもり」だったことが明らかになり、作っていく中で本当に理解をしていく様子が作り直していく輪軸を見ていく中ではっきりしていきました。

おっちゃんを指一本で持ち上げること、発明品をつくることをミッションにしてきました。 どちらも敵わなかったわけではありますが、目標として目指していったことに意味があり、いつか身近なもので原理を使った行動がとれたり、はっとひらめいたりすることに期待していきたいです。
また、自分たちが「小さな力を大きな力に変えることができる」ことのためにこのテーマに取り組んでいるということを常に意識してきたことが、彼らの知識を何度も更新させ、どうすればよりよくなるのか、頭をぐるぐるさせてこられたことに繋がったのだと思っています。

AN

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「Orderless World」〜ふりかえり〜

タイトル:Orderless World
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「文明の歴史から私たちの現在と未来が見える。」

[5・6年生]

どたばたした中で迎えたプレゼンテーションの本番当日。
これまで多くの舞台を踏んできた5・6年生ですが、その表情には緊張の色が伺えました。

おそらく、今回のテーマの最後の課題である「文明の歴史をふまえ、どんな未来を創りたいか」という問いに対して、考えて考えて考え抜いたと言える状態にまでは至っていなかったからでしょう。
そのためプレゼンテーションもあっさりした印象で、聴き手の心に刺さる内容とは言えませんでした。

「実力派の3人だったからこそ、少し物足りなかった。」

ふりかえりシートのフィードバックの言葉が全てを物語っています。


今回のテーマは彼らにとっては大きなチャレンジでした。

「文明」のような壮大なテーマでは、先生側がその取り扱いに困り、往々にして内容が矮小化しがちです。
そうならないよう意識して、私が選んできた文献や映像作品などの情報リソースの内容は小学生のレベルを大きく超えてしまっていたと思います。
それにも関わらず、子ども達は諦めたり、逃げ出したりせず、しぶとく食らいついてきたのがとても印象的でした。
さすが、高学年。TCSで長年学んできた底力を感じずにはいられません。

テーマ期間中に子ども達にしつこく伝え続けたのは、LearnerProfileの"Knowledgeable"を意識してほしいということ。

これまでどちらかと言えば、何か新しいアイデアを考えることに意識が向きがちだった彼らにとって、これほどの大量の「知識」をインプットするのはおそらく初めてだったでしょう。

「新しいアイデアを生み出す=クリエイティビティ」と安易に捉えてしまいがちですが、そのアイデアが単なる思いつきやひらめきのレベルを超えるためには、土台となる質の高い情報のインプットが欠かせません。
今回のテーマで少しはそのことを実感してもらえたはず。

2014年も終わりを迎え、いよいよ6年生が取り組むテーマ学習は、卒業研究の位置づけとなるエキシビションを含めて残り2つとなりました。

残り少ないスクール生活を力強く走り抜けてもらいたいと思います。

HY

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2014年12月08日

「エイリアン・パラダイス」~概要~

タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」

[1・2年生]

公園で見かけるザリガニやコイ、ごみ集積所に集まるカラス。
私たちの身近にいる生き物の中には、気づかぬうちに増えつつあるもの、
それと同時に減りゆくものがいます。
外来種が在来種の生態系に入り込むことによって、どのようなことが起こるのか。
わかっていることもあれば、何が起こるかわからないのが、
この問題の恐さでもあります。

外来種が及ぼす生態系への影響は、原因がひとつではありません。
様々な要因がからみあって、あらゆる場面で変化が生じてきます。
今回のテーマでは、周りで増えている外来種に着目していくことから入ります。
情報を得て、現状を知ることで分析をし、私たちの周りで何が起こっているのか、
自分たちの生活とどうつながっているのかを把握していきます。
そして、動物がただ「かわいそう」だからではなく、
多様な種による生態系の保持の必要性を感じ、
自分たちが意識すべきこと、行動に起こせることは何かについて考えていきます。

AN

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「東京発見伝」 〜概要〜

タイトル:東京発見伝
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「地域には欠かせない機能とかけがえのない特徴がある。」

[3・4年生]



今回の探究領域は時空因縁です。
この探究領域では1年生の時「旧スクールのそばの蚕糸の森公園」、 2年生の時「スクールがあった杉並区」を通して様々な発見を重ねてきました。
そして、今年はいよいよみんなが住んでいる町「東京都」を舞台に学んでいきます。


東京は江戸時代から現在に至るまで日本の中心都市であり、 その史跡や建造物が数多くあります。
今回はフィールドワークを徹底的に行うことで足で稼いだ情報をもとに ”まちに欠かせない施設とその機能”また”かけがえのない特徴”や”歴史”を発見していきます。


1・2年生の時に、目に見える”発見”を沢山してきましたが、今回は目に見えない”発見” へと視野を広げていきます。 
さあ発見の旅が始まります!

YI

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「Dear Editor」~概要~

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5・6年生]

私たちは、情報を受けとるにせよ、発信するにせよ、自分なりのバイアスによって情報を加工してしまうことから逃れられません。自分の立場による情報の加工プロセスこそ「編集」です。したがって、「編集」は、新聞やテレビ、雑誌の制作者だけでなく、私たち自身、生きてゆく瞬間、瞬間にせざるを得ない行為なのです。しかし、普段、私たちはこのことを意識できず、いい加減な情報をうのみにしてしまったり、適当な情報を自ら流していることに無自覚です。そこで、今回のテーマでは、TCSの子どもたちの書いた文章作品を「編集」し、「本」としてまとめる作業を通じて、発信する「価値」のある情報を「編集」し、責任持って発信します。編集方針は、自分たちが心底「面白い!」と思える作品にすること。編集会議を積み重ね、「価値」ある作品に育て上げる「TCS子ども作品本・編集部」の発足です。

RI

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2014年12月09日

エクセレントNPO大賞ノミネート

第3回エクセレントNPO大賞組織力賞ノミネート

この度、NPO法人東京コミュニティスクールは、「第3回エクセレントNPO大賞組織力賞」にノミネートされました!

ExcellentNPO_1「エクセレントNPO」とは、「『エクセレントNPO』をめざそう市民会議」が、非営利組織の強く豊かな市民社会への良循環をつくり出すために打ち出した概念で、「市民性」「社会変革性」「組織安定性」の三つを基本条件とする非営利組織の評価基準を設定しています。その評価基準を基に、望ましい非営利組織の姿であるか組織評価をする賞が「エクセレントNPO大賞」です。
今回、責任ある活動主体としてガバナンスが機能し、経営の持続性、安定性と刷新性をうまく共存させている団体に与えられる「組織力賞」にノミネートされました。

ExcellentNPO_1   ExcellentNPO_1
TCSが既存の学校制度の外でオルタナティブな教育を目指す活動を継続していること、またその堅実な歩みが多くの支援者によって成り立っていることを評価していただき、ノミネートに至りました。
惜しくも受賞とはなりませんでしたが、TCSがNPOとしても評価されたことはとても有り難いことです。

<メディア掲載>
「第3回エクセレントNPO大賞」表彰式/「エクセレントNPOフォーラム」報告(言論NPOホームページ)

エクセレントNPO大賞:表彰式(毎日新聞2014年12月10日東京朝刊)

2014年12月10日

2014年度冬休み課題図書

【1年生】               【2年生】
            


【3・4年生】             【5・6年生】
      




2014年度冬休み課題

【1~6年生】





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2014年12月12日

ぜつめつきぐしゅ?

タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」

[1・2年生]

「「エイリアン・パラダイス」ってエイリアンに会うの?」
こんな一声が飛び出したことからスタートしました。
それぞれがイメージするエイリアンとはどんなものなのか聞いてみると、
「宇宙人」「おばけ」「外国の人」
「外国で生まれ育って、日本にきた人」
「わたしたちもほかの国からみたらエイリアン」と自分の思うことを話していきます。

テーマ学習の始めは、自分たちが今知っていること、そう思っていることを
とことん話していきます。話したり聞いたりしていくうちに、わかっていること、
わかっていないことが浮き上がってきます。

「パラダイスの意味がわかれば、エイリアンもわかるかな?」
「パラダイスは遊園地みたい。楽しそうな感じがする。」
「ジェットコースターみたいで恐い感じ。」
「外国の人がジェットコースター乗るってこと?」
「観光客のこと?」
思うことを言っていても、なんとなくテーマとは離れているように感じている様子です。

今回の1・2年生は、4年生と兄弟関係にあたる子が数人います。
前回、同テーマで兄や姉がやったことを発言したことから話題が変わっていきました。
「前は、たぬきを調べてた。」
「たぬきがおかしいって。」
それを聞いて、ひらめいたように
「どんどん減っていなくなっちゃう。ジブリのぽんぽこたぬきは絶滅危惧種だよ。」
「クロマグロも絶滅危惧種。」
「漁師がいっぱいとって、ぼくがいっぱい食べちゃうから、いなくなってる。」

エイリアンに絶滅危惧種。初めて聞く子もいて、それぞれの頭の中はモヤモヤでいっぱいです。
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「消えていなくなっちゃうもの?」
「ほんとにいなくなるのは絶滅。いなくなりそうなのが絶滅危惧種。」
「雪だるまは絶滅危惧種?なくなるけど、冬になればまたできる。」
「それじゃ、蚊も絶滅危惧種かな。今はいなくなった。」
「ジャイアントパンダ。『マジックツリーハウス』で読んだ。」
「コウモリ。」「え、コウモリはうちの近くにいっぱいいるよ。」
「スカンク?アニメでしか見たことないから、ほんとに今もいるのかな?」

テレビや本の情報をもとに話している子もいれば、
話を聞いて、自分があまり見ないものを絶滅危惧種だと考える子もいます。
ここで、同じ情報を共有して、一般的に絶滅危惧種がどういうものだと言われているのかを 確かめていきました。

使った資料は、「絶滅危惧動物図鑑」というサイトです。

IMG_0623.jpg命が途絶えてしまうことが「絶滅」であり、
もうすぐ絶滅しそうな生き物が絶滅危惧種と記されています。

絶滅危惧種の種類は、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストをもとにしていると書かれていることから、IUCNを検索してみます。


レッドリストに載っている絶滅危惧種や、リストをもとに作成されている日本のレッドブックデータで都道府県別に示されている絶滅危惧種を見ていきました。


IMG_0626.jpg 東京は他の地域に比べて絶滅してしまった動物が多いようです。 例えば、ニホンリスで検索すると、東京では絶滅していますが、隣接している千葉では絶滅危惧Ⅱ類、茨城・神奈川では準絶滅危惧種になっています。

「東京だけ絶滅なんて、ずるい!」
「なんで東京だけ?」 子どもたちは大騒ぎ。
自分たちが住んでいるところが嫌がられているように感じたからでしょうか。

なぜ?どうして?東京は他とどう違うのか、東京で住めない理由は何かを予想してみます。
「住む場所がないから。」
「食べるものがないから。」「餌がもらえれば生きられるけど。」
「車とかのガスで逃げちゃう。」
「スーパーで売ってる肉は動物だから、たくさん殺しちゃう。」
「ほかに恐い動物がいて、弱い動物は逃げる。」 「カラスが多いから。」

自分たちの住む東京は、動物が住みにくいのか。
減っていく生き物の裏には、環境だけでなく、他の動物が原因であることを 「絶滅動物図鑑」で確認することはできました。
でも、まだどこか人ごととして捉えているようでもあります。
「絶滅危惧種」を切り口に、自分たちの周りで何が起こっているのかを自分の目で耳で 探っていきます。
今週モヤモヤした多くの点がどうつながっていくのか見届けていきたいところです。

AN

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編集って何だ?

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5・6年生]

「定番」のテーマ学習というものがあるが、この「Dear Editor」もそのひとつである。私自身、担当するのはこれで4回目になる。しかし、探究する学びは、前回のふりかえりを活かしつつ、新たなものを常につくりだしてゆくところに妙味がある。したがって、同じやり方をなぞるわけにはいかない。

これまでは、TCSの学びの特徴を、子ども自身がふりかえり、その学びのコツを「小冊子」にまとめるということをやってきた。できあがった3冊の小冊子は、TCSの目指す「探究」を子ども自身が解き明かす貴重な資料であり、また、TCSを知らない大人に対し、力強くアピールするなかなかの出来映えであった。

一方で、「編集」という観点からみると、内容をどうするかには注力できたものの、文章の校正やレイアウト、装丁についてはあまり意識がまわらなかった。ということで、今回は、「本」をつくるというプロジェクトを通じ、「編集」とはどういうものであるか学ぶことに挑戦することにした。「小冊子」ではなく「本」。ではいったいどんな「本」をつくるかと言えば、TCSの子どもたちが1年間、Creative Writing や行事の後の Reflection で書いた作文作品から選りすぐってまとめた作品集である。

TCSの子どもたち全員が「作家」となり、自分の作品を世に知らしめる……となれば、ただでさえ作品づくりの好きな子ども達のモチベーションは高まる一方。しかし、「意欲」だけでは「作品」のクオリティを磨きあげることはできない。そこで大事な役割を果たすのが、今回、Dear Editor を行う5・6年生3名。「敏腕(を目指す……)」編集部員として、面白い「本」を生み出すことに挑戦だ!

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「編集」に従事するわけなので、まずは、子ども達が「編集」についてどんな考えを抱いているのかあぶり出すところからスタート。

真っ先に出てきた意見は、言いたいことをまとめてわかりやすくするというのが「編集する」ことだというものだった。見やすくするため、わかりやすくするため、「編集」は「意図」して行われるというわけだ。

一方、デジタルデバイスをいじり慣れている世代ゆえのコメントもすぐ出てきた。

「画像編集とかいうふうにも使われるよね」

まさしく! i-pad で写真や動画を撮影すると、「画像編集」という項目があって、明るさを調整したり、色を変えたり、トリミングできたりする。「画像編集」に特化されたアプリも入っていて、それを用いれば、写真に何かを書き込んだりするような加工が可能だ。

「そう考えると、まとめるのとわかりやすくするのは同じかも」

「まとめて」から「編集」という考え方よりも、編集という熟語の「集」の字に着目し、情報を「集」めてまとめるところから編集作業は始まっていて、そのうえでいらないところを切り落とすことではないかとある子が思い始めた。

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「NG とか、カットしてとかテレビで言ってるけど、あれって編集でしょ」

まずは集める。間違ったり、余分だったりするところを切り落としてまとめる。そういう「意図的」な作業が「編集」なのだというふうにアイデアがまとまってきたようだ。

そこで初めて「編集」とはどういうものかということについて触れている資料に当たる。「編集」と言えば。「編集工学」を掲げている松岡正剛氏を抜きにして考えることはできないだろう。松岡氏の存在と考え方を知ってもらうために、「編集工学」のウェブページを見てみる。すると、編集とは

「必要な情報、意味のある情報、使える情報を整理して変えることすべてを指す」

定義づけられていた。新聞記者やテレビ制作者だけが、「編集」しているのではなく、私たち誰もが、日常生活のあらゆる場面で、自分にとって必要で、意味があると感じて、使えるなあと思った「情報」を選別してキャッチしたら、その「行為」自体が「編集」だというわけだ。

「うわさが生まれることも編集のためだってことか……」

ある子がつぶやいた。まさにその通り!その場合、悪意を持って「意図的」な場合もあるが、何も考えず「意図的」でなく、「うわさ」をまき散らしてしまうこともある。「編集」は「非意図的」にどの瞬間でも生じてしまうということ。このことを知って、子どもたちは、なんとなく緊張感を抱いたようだった。こりゃあ大変だ……しっかり意識して「編集」作業に臨まないと、知らず知らず自分たちの先入見に引き寄せられた「うわさ」と大差ない「編集物」ができあがってしまう。

では、意図的に価値ある編集を行うためにどうするか……それは「編集方針」を共有することしかない。ということで、編集方針を子どもたちに考えてもらう材料として、ザクッとした方向性を与えた。それは「自分たちが自信を持って面白い!」と思える作品にしてということだ。親に読ませたい、一般の大人に子どもの素晴しさをアピールしたい、同世代の子どもに読んでもらいたいというような「読者対象」はしぼりこまない。大胆に、子どもらしい「面白さ」をぶつけるアグレッシブなものにしてもらいたいということだけ伝えた。

さて、場の制約をつくる作業は終了。これからは、編集部員たる子どもたちが自分で主体的に考えて行動するのみ。賽はフィールドに投げられた!いったいどんな「作品」が「編集」されるか、楽しみだ!

RI

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”まちに欠かせない施設”って?

タイトル:東京発見伝
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「地域には欠かせない機能とかけがえのない特徴がある。」

[3・4年生]


「ねえねえ、このテーマってたくさん外出するんでしょ!どこにフィールドワークへ出かけるの?」
「きっと浅草とか皇居に行くんでしょ!早く行きたーい。」

子どもたちはこのTCSの定番テーマ《東京発見伝》を楽しみにしていたようです。
先輩たちの過去の学びや発表のこともよく覚えていて、どうやらフィールドワークが多い探究なんだなという予想をしていました。
しかし、毎回内容がリバイスされていくのがTCSのテーマ学習。過去と同じことが繰り返されることはほとんどありません。

「いやいや今回は浅草には行く予定はないなあ。よっぽど必要が出てくれば別だけど。」と私。
「えー!そうなの!?東京を発見するんじゃないの?浅草行きたかったなぁ。」
「東京って浅草だけじゃないでしょ?なんで浅草だと思うわけ?」
「え、だって歴史とかいっぱいありそうじゃん。町も面白そうだしさ。」
「なるほど。では歴史って浅草以外にないのかな?そもそも歴史ってどんなことを指しているの?」
「江戸でしょー!東京だし。江戸時代といえば徳川家がつくったでしょ。」
「じゃあいつから”江戸”が”東京”って呼ばれるようになったんだろう?」と私が質問すると子どもたちは唸り出しました。
「うーーーん。室町かなぁ。」
「いや大正じゃない?」
「違う違う。絶対明治!」と戦国時代通の男の子が自信満々に言いました。
「室町っておかしいよな。でも室町っていつだっけ?」と話し合っているうちに子どもたちの先行知識が浮かび上がってきます。
「江戸、明治、大正、昭和、平成だよ。まちがいない。」とRくん。

「ねえ今ちゃん、ところでぼくたちどこの町に出かけるの?」
「じゃあ私から質問させてもらうね。君たちって”まち”についてどんなことを知っているのかな?”まち”に欠かせない施設って聞くとどんなところを思い浮かべる?」
という問いかけから子どもたちが”まちで欠かせない施設”だと思っているところをどんどん挙げてもらいメタメタマップに記録していきました。

温泉・お菓子屋さん・電車の駅・バス・水道局・公園・ゲーム屋・図書館・郵便局・深沢城・神社・スポーツ用品店・区役所・100円ショップ・病院・学校・水族館・畑などなど他にもさまざまな施設がズラリと100件挙りました。
そして書き終えたメタメタマップを俯瞰しながら、この施設がいったいどんなFunction(機能)を持っているかについて話し合っていきました。
すると大まかな分類が始まってきました。

「電車やバス、空港とか橋、高速道路は移動手段とか交通のファンクションなんじゃない?」と4年生。
さすがにKeyConseptsで考えることに慣れてきているだけはあります。

「漁港ってなに?」
「漁港って港のことだよ。フェリーとかボートがあるところ。漁師さんとかの船もあるよ。あと釣りの人も多い。」と3年生のDくん。
「となると漁港のファンクションは交通だけじゃないんだね。釣りみたいに”趣味”とか”楽しみ”っていう機能もあるもんね。」
「学校とか病院とか区役所は公共機関だよ。」
「じゃ公園も公共機関だよね!」
「じゃさらに質問するけど区役所ってどんなFunctionがあるところなんだろう?みんな区役所についてはどんなことを知ってるかな?」と私。

子どもたちからは
・引っ越しの相談で最近区役所へ行ったことがある。
・ひいおじいちゃんが亡くなった時に何かをしに行った。
・”タバコは捨てないでね。”とかポスターを作ったり、集めたり、貼ったりしてる
・お母さんが区役所で働いてるから、古い建物を壊したりしていることを知っている。
・結婚の届け出をするところ などなどが挙りました。
分かっていることもありますが、分からないことも多い”区役所”の機能。

ウェブサイトを見てみた上でまずは一度区役所を偵察に行ってみることにしました。
予想していた以上に大きく、さまざまな部署がある区役所。
来週はいくつかインタビューさせて頂いて分かったことと調べたことを合わせてもう再度”区役所”についてまとめてみることに。
さあ2週目はいったいどんな発見が待っているでしょうか?  

YI

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2014年12月19日

コイは外来種?

タイトル:エイリアン・パラダイス
探究領域:共存共生
セントラルアイディア:「異質との相互作用が変化を生み出す。」

[1・2年生]

自分たちの身の回りで、どんな生物・植物が消えようとしていて、また逆に増えようとしているんだろう?
情報収集のため、スクールから程近い井の頭自然文化園水生物館を訪れることにしました。

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「うわっ、くすぐったい!」

入館してすぐの所に、泳いでいるウグイを実際に手で触れるコーナーがありました。
子ども達は水槽にはりつき、我先にといった様子で大盛り上がりです!

平日の昼間、天気も雨模様ということで館内はほぼ貸切状態。

近所で見たことのある馴染み深いものから、その存在すら知らなかったものまで、館内にはたくさんの水生物が展示されていました。
一つ一つ水槽を覗き込みながら、井の頭池に住んでいる生き物をじっくり観察します。

「あっ、名前のところにこの赤いマークがついてるのが、外来種みたいだよ!!」

少し先を進んでいた1年生の男の子が走って私のところに報告しに来てくれました。
『蚕糸の森見っけ隊』で磨いた発見力がここでも発揮されます!

「あれ、この草みたいなのにも同じマークがついてる!外来種って魚とかだけじゃないのかあ。」

「外来種=動物」も単なる思い込みに過ぎません。
先入観が崩れ、不思議そうな表情でオオカナダモの水槽を眺めます。

「これ、蚕糸の森公園の池にいたやつじゃない?」
「ほんとだっ!」

水槽の中にいるのはミシシッピアカミミガメ。
旧校舎のすぐ近くにあり、TCSキッズの遊び場として大変お世話になった公園の池を我が物顏で泳いでいたあのカメ達です。
なんと、あの池が実は外来種の宝庫だったとは・・・

決して広くはありませんでしたが、見学ルートを何周もまわり、館内を十分に堪能した様子の子ども達。
井の頭池には様々な種類の水生物が同居していることに驚き、水生物館を後にしました。

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翌日のふりかえりは、スクールにて、井の頭池を代表する水生物を使ったクイズ大会からスタート!

写真で示した水生物が在来種か外来種のどちらかを当てるシンプルな問題ですが、全員の表情は真剣そのもの。
課題図書「タマゾン川」の内容を思い出したり、名前から判断してみたり。
答えを発表するたびに一喜一憂する声がフロア中に響き渡ります。

クイズに正解すればオッケー?

TCSのテーマ学習を少しでもご存知の方であれば、その答えが「NO」であることは容易にご理解頂けるでしょう。
一体、外来種とは何なのか。
このクイズはそのことを考えていくきっかけに過ぎません。

クイズ大会の余韻もそのままに、外来種の定義を尋ねてみることに。

改めての質問に少し戸惑いながらも、「『日本にもともといなかった外国から来た種類』なんじゃない」という答えが返ってきました。

「じゃあ、在来種は?」とさらに問いかけると、「うーん、最初から日本に生まれた生き物、かな」とどこか自信なさげな様子。

(予想通りの返答だな。ここで少し揺さぶってみよう。)

「よし、わかった。なら、コイは外来種か在来種のどちらだろう?」

少し意地悪な問題で、子ども達の反応を伺います。

「そりゃ、在来種でしょ。」「そうそう。」

コイは昔から日本にいるに決まってるでしょ。わざわざ何でこんな質問するんだろ?
ホワイトボードに張り出された「コイ」の二文字を眺める姿からは、そんな心の声が聞こえてくるかのようです。

「実はね・・・コイは外来種だよ!」

「???」

外来種の正確な定義は、もともとその場所に住んでいなくて後からやってきた生物、です。
「井の頭池における」という前提をおけば、たとえ外国産でなくても、もともと井の頭池に住んでいなかったコイは、モツゴなどの在来種から見れば立派な他所者。
先ほどまで頭にはてなマークが飛び交っていた1・2年生もその説明を聞いて納得の表情です。

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では、一体、井の頭池の水生物における在来種と外来種の比率はどんなだろう?
さらなる疑問が湧いてきます。

子ども達は、それぞれ多少の違いがあれど、外来種と在来種の比率は50:50に近い数字を予想しました。

そこで井の頭公園がホームページに掲載している資料を読むと、そこには驚愕の事実が書かれていました。
実は、在来種は全体のうち2%程度しか存在せず、なんと今、井の頭池の約98%が、これまでいなかった新たな生物で占められているというのです。

「えーーーっ、そんなに少ないの?」
「水生物館には外来種のマークがついているものは少なかったのになあ・・・」
「なんで、そこまで外来種が増えたんだろう?」

もやもやや疑問は深まるばかり。

さらにその資料を読む進めていくと、外来種が井の頭池に住みついた原因として考えられるものとして
・釣りをしたい人の放流(ブラックバス、ブルーギル)
・ペットとして飼えなくなって捨てた(ミシシッピアカミミガメ)
・見て楽しむために放流(コイなど)
・転宅、改築により庭の池のコイを放流
などの理由が。

「ひどい、何それーーーっ!!」

井の頭池の自然環境が大きく変貌を遂げてしまったのは、実は人間の自分勝手な理由によるものだったのです。

「もしかして、外来種が在来種を食べちゃったのかなあ。。。」

先週、Webサイトの情報を参考にしながら、「絶滅危惧種」という言葉とその存在を知ったものの、正直まだまだ頭で理解するにとどまっていた子ども達。
実は、この問題は、決して遠い世界の出来事でないということを次第に実感してきました。

HY

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分かったことと分からないこと

タイトル:東京発見伝
探究領域:時空因縁
セントラルアイディア:「地域には欠かせない機能とかけがえのない特徴がある。」

[3・4年生]

まずは区役所でのインタビューを通して知ることができた”区役所の機能”についてシェアすることから始まりました。
お忙しいところアポイントも無かった我々のために貴重な時間を割いて下さった職員の方々どうもありがとうございました。

「区役所で今どんなプロジェクトがあるんですか?って質問したら、道路を広げるプロジェクトを行なっている。って言ってたよ。」
「なるほど。で、道路はなぜ広げているんだろうか?」と私。
「狭くて通りにくい道を広げてるんだよ。」
「なんのために?」
「道が広がった方が事故も少なくなるし、安全だからでしょ。」
「なるほど。安全のためにね。」
「あと色々な手続きを区役所ではしているんだよ。結婚・引っ越しとかね。」
「それに死亡や生まれた時の届け出も区役所にするんだよ。」
「なんのために届け出をするんだろう?」
「誰がどこに住んでいるか管理したり、住民票を作るためでもあるよ。」
「それから区役所では古い木の家を壊して頑丈なコンクリートの家を増やしているんだって。」
「へえそうなんだ!世田谷と同じだね。お母さんはそういう仕事をしているんだ。」
「でもね、草津ではなるべく古い木の家を町に残そうとしているんだよ。ぼくも木の建物が好きだな。においがいいし!」
「駅の周りを使いやすくするプロジェクトもやっているんだって。これはきっとウェブサイトにも載ってた”中野駅前まちづくり”じゃない?」
「あとね、クレーム対応もしているのがウェブサイト見て分かった。」
「クレームってなに?」
「苦情とかだよ。マンション建設反対!とかさ。」
「あ!テレビでそういうの見た!400年以上前に建ったお寺の隣にマンションを建てるって計画があって近所の人がすごく反対してた!」
「それから中野区役所にある議会ってところでは、政治家が中野区のことについて話し合っていろいろ決めていくんだよ。」
「区議会議員でしょ。」
「じゃあこの写真はどこでしょう?」と私。
「これは国会議事堂でしょ!いつも政治家がダラダラとつまらない話をしているさ(笑)」とYくん。
「そう国会議事堂だよね。で、ここははなにをするところか知ってる?」
「ここは国会だから日本全体のことについて政治家が話すところ?」
「どんな政治家かな?中野区議会が区議会議員が政治を行うところだとすると国会議事堂はどうだろう?」
「あ!分かった!国会議員だ。」
「そっか。なるほどなー。」
「じゃあ、都庁はどうかな?」と都庁のウェブサイトを開いてみると都議会のページがあります。
「都庁では東京都のことについて都議会議員が会議をして安全とか環境とか宝くじとか都営地下鉄とかについて話し合うんだ!」
「都庁だけじゃなくて、府も県庁も道庁も同じってことだよね?で、市とか区には市役所・区役所があるんだ〜。はいはいはい。」
「でね、区役所について調べたり実際に職員の方に話を聞いてみて分かったこととまだ分からないことがあるよね。それを含めて”まち”についてマップを作ってみよう!ただし”本屋”、”区役所”、”オモチャ屋”、”郵便局”とか名前だけじゃなくてその”機能”も自分の言葉で書いてね。」
「じゃあ、ぼくは欠かせない施設と欲しい施設といらない施設に分けていろいろ書いてみよう!」
「おれはね、まちの地図にして機能を色分けするんだ。」
「どういう風に色分けするの?」
「たとえば電気とか水道みたいなインフラは青にして、商店は赤、区役所とか公園みたいな公共施設はオレンジみたいにしようかなって思ってる。」
「よし!私も作るぞ〜!じゃ、それぞれのマップを作ってみよう!」

IMG_1783.jpg IMG_1785.jpg IMG_1786.jpg IMG_1787.jpg IMG_1788.jpg

ということでまずはバージョン1として出来上がったのがこちらのマップです。それぞれに個性がある分類とデザインで仕上げました。
まだまだ改善点はありますがこれから少しずつバージョンアップされていくことでしょう。

今週は最後に明治時代から現在に至る”中野”の移り変わりをスライドショーで映し出し、興奮しながらみんなでその大きな変化を現在の位置と照らし合わせたり変化した理由を予測しながら楽しみました。

さて、3週目からはいよいよ待ちに待った”中野フィールドワーク”へ旅立ちます! どんな発見が待っているか楽しみです。  

YI

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編集作業をしてみる

タイトル:Dear Editor
探究領域:意思表現
セントラルアイディア:「編集によって情報の価値は変わる。」

[5・6年生]

自分がいいな!と思ったこと、大事だな!と思ったことをピックアップしてまとめてしまうヒトの性質が「編集」の本質です。とはいえ、今回、子どもたちが取り組むのは、ヒトの「編集」プロセス自体の追究ではなく、実際に「本」を編集することです。

ほぼ1年間、TCSの子どもたちが「書く」時間につくりあげてきた作品を1冊のステキな本に仕上げる。それがミッションです。もちろん、ただ本「を」つくりあげる活動なら、探究とは言いません。本づくりを通じて、編集による価値創造について理解するのが目的です。価値といってもいろいろありますが、今回大事にしたいのは、やはり、子どもだからこそつくれる「価値」。読者ターゲットをしぼりこみ、大衆が思わず手をとってしまうような本を、大人目線のマーケティングを行ってつくりあげるのは、子どもならではの「価値」とは言い難いでしょう。子どもだからこそ提供できる、思いっきりはじけた「価値」は、大人では考えつかない部分にあるはずです。では、それは何か……と言えば、子どもならではの面白さ!しかないでしょう。これこそが大いなる「価値」です。

編集するには「方針」が求められますが、子どもらしい面白さを思いっきり打ち出す本にするという「方針」で臨むことになりました。

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「まずは作品に目を通さないとな……」

まったくその通り。実際にどんな作品を書いているのか読んでみないと、そもそも「面白い本」になるかどうか、どうにも見当がつきません。まずは4年生の作品から読んでみると……ほお、なかなかいい出だしだね。うわあ、誤字脱字が多いなあ。「○」の書き忘れが多いね。これだとどんなに中味がよくてもなかなか読んでもらえないぞ。

「添削」で「赤入れ」と言えば、先生の仕事。しかし、今回は子どもたちが、責任持って手を入れなくてはなりません。いつもだったら、指摘されていた側が、指摘する立場になると、途端にいろいろ見えてくるから不思議です。

「おれたちもこんなにぐちゃぐちゃに書いてたなあ」
「あ〜あ、ずっと会話ばっかり続けちゃって。全然、情景が描かれてないよね」

文章の細かい欠点がいろいろ見えてきます。

「でも、細かいミスばっかり直すだけだと、編集とは言わないよね」

ある子が素朴な疑問を述べます。まさしく!それはね「編集」の工程の中の一段階である「校正」だね。ミスを直すだけでは不十分だと子どもたちは気づきました。

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では、どう手直しするか……もっと意味が通るようにすっきりまとめてしまえば、読みやすくはなるでしょうが、もともとの文章の子どもらしい面白さが消えてしまいます。

そこで子どもたちは、書いた子にどんなイメージで書いたのが尋ねます。信頼しているお姉さんお兄さんに尋ねられるのは、先生に聞かれるのと違うようで、素直に語り合っています。

「そういうことだったのか。じゃあこんな感じに直してみるけどどう」
「う〜ん、そうか、そう書けばよかったんだね」

楽しそうに編集者と作者がやりとりしているではありませんか。

全部で24名分の作品を手直しするのはとても大変ですが、3名の編集部員はやる気まんまんです。キーボードを手慣れた感じで打って、作業を進めてゆきます。いきなりすごい仕事モードです。たった6週間で本を完成させるのはとても大変だけど、きみたちならきっとできる!

RI

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2014年12月24日

インターンシップ説明会1/31終了

※終了しました。次回日程は決定次第、告知します。

東京コミュニティスクールでは、これから社会にはばたく学生のみなさんを対象に教育インターンを募集しています。

インターンシップ説明会を開催しますので、興味のある方は以下のページをご覧ください。
NPO法人東京コミュニティスクール インターンシップ説明会のご案内



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