東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2012年06月 アーカイブ

2012年06月03日

築きに気づく〜概要〜

タイトル:築きに気づく
探究領域:万象究理

私たちの身のまわりには建物、タワー、橋などさまざまな構造物が
あふれています。ちょっと気をつけてその構造物をながめてみると、
“形”に特徴があることに気がつきます。

なんで三角形なんだろう?
どうしてアーチなんだ?
ケーブルでひっぱるのはなぜだろう?

その「構造」こそ、目に見えない外からの「力」を、目に見える形で
「制御」するための「工夫」と言えましょう。

今回のテーマでは、構造物として「橋」に注目します。
まず、フィールドワークによって「橋」をよく「観察」し、「構造」
の特徴に気づき、「構造」の「意味」を知ります。
そのうえで、学んだ「構造」を活かし、実際に自分で「新聞紙ブリッ
ジ」を作ります。いかに少ない量で、より強い橋を作るかがポイント。
美しいデザインにも気を配れたら言うことなしです。

構造を知れば、効率よく、外からの力に耐えることができるはず!
小さな設計家&建築家の活躍が始まります。

RI

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「詩人の旅」~概要~

タイトル:詩人の旅
探究領域:意思表現

今回のテーマでは、『詩』という形に限定し、詩人の技を盗みながら、
自分の心に刻まれた発見や感動を表現していきます。
また、自分の発見や感動がより鮮明に聞き手に伝わる詩を書くためには
どんな工夫をすればよいか、何度も作品を推敲し、より良い表現を追求して
いきます。
クラスの仲間達が一体どんな詩を書くのか、そんなところにも意外な発見が
あるかもしれません。
さあ、『詩』の元となる発見や感動を求めて様々な場所に旅立とう!!

HY

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

「ボーダレスワールド」~概要~

タイトル:ボーダレスワールド
探究領域:時空因縁

私たちは手紙・電話そしてインターネットと様々な通信技術の発展のおかげで、いつでも、どこにいる相手とでも時間差なくコミュニケーションしつながることができるようになりました。
このことは「国境」や「文化」という従来の「境界線」を飛び越えて世界中の人々が自由に交流する可能性を生み出しました。
実際に地球の片隅で発信された「情報」が瞬時に世界中を駆け回り、人々を動かすということが起きています。

今回のテーマでは、このようにボーダレス化された現状を実感するために日本にいながら世界中の人々とつながり、自分たちの企画に彼らを巻きこんで一緒に何かを変えられるかもしれないということを実験します。
この実験では様々な困難に直面することでしょう。
相手を動かすためには何が必要なのか?
どんな手段・方法があるのか?
試行錯誤を通じて、小さな力で大きな力を生み出す喜び、そして人々とつながる楽しさを味わう学びの始まりです!


                    Y・I

2012年06月08日

橋見つけ隊 発進!

[1・2年生]

「築きに気づく」というテーマで、子どもたちが「何」の“築き”を
追究してゆくかと言えば、「橋」です。

どんな構造物であれ、まず求められるのは強さ。でも、強ければよい
というわけではなく、ある程度の強さを保ちつつ、なるべく安い予算、
すなわち少ない材料で「効率的」に建設することが求められます。

外からかかるさまざまな力に耐えつつ、なるべく丈夫な構造物を作る
にはどうするか……実際に自分たちで模型の橋を作って検証!という
のが今回のミッションです。

そのためには、まずフィールドワーク。

東京と言えば、かつては「江戸」と呼ばれた水の都。今でもたくさん
の川、運河があり、ベイエリアには魅力的な橋が数々あります。
そんな橋を、じっくり「観察」し、橋の「構造」を探ります。

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今回は、TCSを日頃からサポートしてくださり、自らもNPOを立ち上げ
ようとなさっている小阪“船長”が操縦するチャーター船で東京湾・運河・
隅田川の橋をめぐります。

出航前日、船長も交えて、「橋見つけ隊」の結団式。その後、みんなで
船に掲げる「隊旗」を作りました。

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勝どきマリーナに到着し、ライフジャケットをつけ、いよいよ船に
乗り込みます。船長の前方ならびに左右確認の号令の後、子どもたち
の声が響きます。

「橋見つけ隊、発進!」

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「快適!」「気持ちいい!」

船酔いなどするひまなどないほどみな大満足。あっという間に
レインボーブリッジに到着!

橋の下で停泊し、じっくりと橋の下を「観察」

「わあ、こんなになってるんだ!」

大興奮です。

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続いて、ゲート・ブリッジに向かいますが……その途中、橋以外に
いろいろ発見!

「カモメだ!えさやりた〜い!」

船長の用意した「食パン」をカモメに見せますが、結局、近づいて
こない……

「食べたくなっちゃった」

カモメのえさのはずが、自分のえさになってしまいました。

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「あ〜っ!恐竜橋だ!」

子どもたちの間で、ゲートブリッジは、「恐竜橋」とネーミング
されていました。

「あそこが顔かな!」

不思議な形だけどかっこいい形。三角形、矢印、バツといった形
が気になったようです。

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夢の島マリーナで昼食後、今度は、隅田川に向かいます。その途中、
江戸時代から続く、木工船の造船所を見つけたり、行き交う船や
岸辺の人々に手をふったり、子どもたちは疲れ知らずです。

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永代橋と清洲橋という隅田川を代表する橋の下にもぐりこみ、
ボートの上に寝そべって、橋の下の形をじっくりみます。

「ポツポツがある」「バツが多いな」

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あっという間に「橋見つけ隊」クルーズは終了。スクールに戻ると、
子どもたちが、自発的に今日見た橋を自分の体で表現し始めました。
ちなみにこれは「レインボーブリッジ」だそうです。

さあ、来週は、橋の形について細かく研究し、ちょっとした実験も
やってみます。子どもたちの頭と心に焼きついた「原体験」が大きな
力を発揮することでしょう。

RI

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「のはらうた」を作ろう!

[3・4年生]

「詩人の旅」1週目は新宿御苑への旅です。

前の時間に、工藤直子さんの「のはらうた」の読み聞かせにはまり、
自分とは別のものになりきることの面白さを体感した子ども達。
子ども達の心の中に「まねして作ってみたい」という気持ちが高まった
ところで、さっそく次の日、新宿御苑に出かけることにしました。

当日はあいにくの天気でしたが、「お客さんが少なくて、快適快適~。」と
特に気にする様子もありません。
フランス式整形庭園のバラ花壇には100種類以上ものバラが咲き誇り、
私たちの到着を待ち構えていました。

「すげー。こんなにバラがある!」

小雨の中、子ども達はバラの花の様子を観察し、思い思いに気付いたことや
感じたことをメモします。
中には持ってきたデジカメでばしばし写真を撮る姿も。

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名前からイメージを膨らませる子、花の色の多様さに驚きを隠せない子、
トゲの違いに注目する子。
これが詩作のときにどういう違いで表れてくるのか、気になるところです。


次の日、バラの花についてどんな発見があったか、みんなでイメージマップを
作ることにしました。

メモや写真を見返したり、他の子の発言を聞くことで、子ども達の中に
昨日訪れたバラ園の様子がよみがえってきます。気付けば、模造紙に
書ききれないほど言葉が出てきました。

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そして、いよいよエジタイン版のはらうたの作成にとりかかります。

「のはらうた」の面白さをまねようと、ペンネームやタイトルにも工夫を
凝らす子ども達。3人ともペンがスラスラと進みます。
初日に詩作にチャレンジさせた際には、「えー、何書いたらいいか、
わかんない。。」と固まってしまう場面が見られたのが嘘のようです。

どの作品もまだまだ荒削りですが、何よりも「詩を書きたい」っていう
気持ちがこちらにひしひしと伝わってきました。

これから旅を続けながら、詩人の技を盗みつつ、みんなの詩がどんな風に
変化していくのかとても楽しみです。

HY

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Borderless World

[5・6年生]



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「ボーダレスワールド(Bordeless World)、ボーダレスってどういう意味か誰か知ってるかな?」 私が問いかけると子どもたちから返事がかえってきます。

「less は、無いって意味だからBorderが無い。つまり国境が無いってことじゃない?」「境目がないってことかな?」

「じゃあ境目がない、境界線がないってどういうことなんだろう?本当に国境がなくなるってこと?」

「心がつながるってことだと思うんだけどな。」

「ちなみにBorderを辞書で調べると国境・境界線・縁・淵・限界が無くなるって書かれているね。」

「じゃ限界がなくなるから他の人とつながる!」「国境を越えて言葉を超えて外国人と一緒に学ぶ!」「世界が一つになるってことじゃないかな。」

他の子の意見にヒントを得ながらだんだんと意味の受け取り方に広がりが出てきます。

それから、このテーマでは通信技術の発達に伴い、すでにボーダレスにいつでもどこでも世界中とつながることができるこの時代だからこそ、実際にTCSに居ながら世界とつながりそして巻き込み何かを変えることができるということを実感するのがミッションであるとシェアリングしました。
そして子どもたちはまず、世界中の人々を巻き込むことができるようなおもしろい・ワクワクするようなプロジェクトをみんなで決めるためにアイディア出しからスタートしました。

「自分の町や国の名所の写真を送ってもらって名所を集める」
「世界の人の好きな言葉を集める。」「指紋交換」(笑)
「好きな絵や字、写真を世界中から集めてウェブサイトを作るのはどうかな。」
「耳紋を集めるてマップを作る。」
「おもしろ法律集め」
「世界の天然記念物を送ってもらってWEB生物園を作る。」
「メッセージボトル」
「おもしろ動画をぼくたちが作って世界の人にもそこにどんどん続けて動画を作ってもらってそれをパソコンで見れるようにするとか、つながってなくてもいいからおもしろ動画を作ってもらってそれを紹介するのはどうだろう。」
「それおもしろそう!いいね」「うん。いい。」
「それに募金できるようにしたらいいんじゃない?」「募金集めてどうしたいの?」「TCSに寄付するか、困った人のために使う。」
「自分の町の好きな景色を送ってもらってWEB景色美術館を作る」「あ!それに”いいな”ボタンをつけて”いいな”と思ったら募金してもらう。」
「鉄道とか交通網でその国の大事な手段を送ってもらって比べるプロジェクトはどう?」

などなど他にも沢山のアイディアが子どもたちから出てきました。

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そして次は集まったアイディアの中からグループディスカッションを通して自分たちがチャレンジするプロジェクトを決めていくことになります。
そのためにグループでの意思決定のルールを決め、みんなでシェアしました。

【1.他の人の話をよく聞く2.よく質問する3.自分の意見ばかり言わず他の意見にも心から耳を傾ける4.みんなの意見の一致(コンセンサス)を得るためにベストを尽くす】

ここからは子どもたちに司会も書記もお任せして私もディスカッションの一参加者になります。 さあどんなワクワクプロジェクトに決まっていくのでしょうか。乞うご期待です☆

YI

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2012年06月15日

橋の「形」はどうなってる?

[1・2年生]

フィールドワーク時に撮影したビデオを見て、橋にはどんな形が
あるかふりかえってみました。すると、

「矢印」「バツ」「Nみたいな形」

という声があがりました。そこで、どうしてそんな形をしている
のかを改めてたずねてみると……

「その方が強いからだ」

という答えが返ってきました。

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本当に「形」によって「強さ」が違うのか。

割り箸と輪ゴムで「三角形」と「四角形」をつくってみて比べて

みました。

「全然グラグラしない」

確かに「三角形」は安定していますね。それなのに、「四角形」
の方は、すぐにグシャッとおかしなかっこうにつぶれてしまい
ました。

でも、ここで「フィールドワーク」で「観察」したことを活かさ
ないと……ある子が、「四角形」の「対角線」に割り箸を渡し、
補強しました。

「これでバツになったよ」

すると、グラグラがなくなって安定!
筋交いを入れることの意味を子どもたちは体感したのでした。

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「形」と「強さ」に重要な関係があることを知ったところで、
いよいよ今回、橋づくりで用いる素材である新聞紙を見せます。

椅子と椅子の間に「新聞紙1枚」を置いて、そこを私が渡ろう
とします。すると、「無理〜!」という悲鳴(歓声?)が。
せめて、新聞紙の両端だけはおさえておこうと子どもたちは
手分けしますが……

当然ながら、ひと足乗せただけで新聞紙は無惨に破れました。

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今のは余興で……いよいよ“本題”です。本2冊(ちょうど1kg
の重さ)を乗せてみることにします。

本を置いた途端、新聞紙の両端がすべり、すぐ落下してしまい
ました。けれども、新聞紙は破れていません。そこで、新聞紙
の両端がすべり落ちないようにガムテープでとめると……

新聞紙たった1枚でも、破れずに、ちゃんと1kgの本を支えら
れました。

強い橋というのは、外から働く「押されて、ひっぱられる力」
に耐える橋なんだということが見えてきました。

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「ねえ、早く作りたいよ!」

新聞紙で橋をつくりたい気持ちがふつふつとわいてきた子ども
たち。

「できるだけ少ない新聞紙で、モノを乗せても曲がらない橋を
作ってほしいんだ」

“少ない材料で、より重さに耐える橋をつくる”

というのが今回のミッションです。

そのことを伝えつつ……新聞紙という素材の特徴を実感して
もらうために、とりあえず条件は無視して、自由に作って
もらいました。

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新聞紙を折り曲げたり、何重にも重ねたり、ひねって太い棒の
ようにしてそれをテープやひもでぐるぐる巻きにしたり……
みな思い思いに作り始めました。

「新聞紙ちょうだい!」
「テープちょうだい!」

何枚も新聞紙を使い、テープなどで補強して、ようやく本を
のせても大丈夫なものができましたが、まだまだ「工夫」が
足りない!フィールドワークで見た橋にあった「形」を活かす
こともできていませんねえ。

このままでは「より少ない材料で、より強い橋」というミッ
ションは達成できません。

どんな工夫をしたらよいのか……追究は続きます。

RI

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街の情景を求めて

[3・4年生]

「詩人の旅」2週目は銀座、築地への旅です。

今回の旅のスタート地点は銀座。日本有数の繁華街にはブランド
ショップや百貨店が軒を連ねます。 築地に向かって歩くと、巨大な航空写真用カメラを店頭にどかっと
置いているカメラ屋、「市川」の名で埋め尽くされた新橋演舞場のポスター、
マスコットキャラクター「ぐんまちゃん」が目を引く群馬県のアンテナショップ
など子ども達はいろんなものに興味を示します。

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そんな中、子ども達の心を捉えて離さなかったのが、あられやせんべいなど
米菓を扱うお店。
あられやせんべい以外にも餅菓子など多くの商品が試食でき、

「もちもちしておいしい!!」
「もち吉の詩は絶対に書くぞ!」

と興奮しきりです。

そして、10分ほど歩くと、大きな立体のマグロの看板が見えてきました。
東京の台所「築地」の場外市場です。
平日の昼間にも関わらず、人でごったかえす市場には、新鮮な魚介類が
たくさん並びます。

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今回の旅について事前案内した時には、あまり興味関心を示さなかった
子ども達でしたが、市場にいったん入ると、威勢のよい掛け声が聞こえ、
一気に市場の雰囲気にのみ込まれます。
漬物、乾物、キムチなど試食天国といっても過言ではない状況に、子ども達の
テンションも最高潮に。

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中でも、できたての玉子焼きをその場で食べさせてくれるお店は一番印象に
残ったようで、ふわふわであつあつの玉子焼きを題材にした詩も生まれました。

お昼御飯は少し歩いたところにある浜離宮で。
あいにくの天気でしたが、東屋を拠点に思う存分おにごっこをしたり、庭園内を
散策しました。

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次の日は旅の振り返りと詩作に取り組みます。
イメージマップを作りながら旅の中から「詩」の種を探します。

「詩人の技」のミニレッスンを踏まえ、自分の思いをどう表現するのか、
前回よりワンランクアップした課題に子ども達も少し苦戦気味。。
すっかり手が止まってしまう子もいました。

自分の素直な気持ちを、技を使うことで相手に伝わりやすい表現に変えていく
にはどうすればよいか、最初の正念場にさしかかったようです。

HY

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グループディスカッション

[5・6年生]

今週はまず子どもたちが本テーマ学習で取り組むプロジェクトを決めるためにグループディスカッションを行いました。
先週アイディア出しを行って沢山集まったプロジェクト案の中から子どもたちが司会進行と書記を行って絞り込んでいきます。

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司会の子が壁に掲示してあるディスカッションのルールをみんなに再確認します。

「グループディスカッションのルールをもう一度確認します。その1.人の話をよく聞くこと。その2.よく質問をすること。その3.自分の意見ばかり言わず他の意見にも心から耳を傾けること。その4.みんなの意見の一致(コンセンサス)のためにベストを尽くしましょう!」

そしてディスカッションは始まりました。

「アイディアが沢山あるので最初に一人2つのプロジェクトを選んで紙に記入して提出してください。よく考えてくださいね。」こうしてまずは10個ほどのプロジェクトに絞られました。

そしてそれぞれのプロジェクトについて意見を交わしていきます。

「面白動画は絶対楽しいと思うよ。TCSキッズがまず面白い動画を作って、世界中の人にも面白動画を作ってもらうんだよ。それをYoutubeとかウェブサイトでみんなが見れるようにするんだ。」
「それって面白いけど大変だよね。時間もかかるし、ビデオカメラがないと取れないよね。世界中の人が協力してくれるかな?」「うーーーん。たくさん集めるのは難しいかもなー。」

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「天然記念物動物園をウェブサイト上で作るプロジェクトについてはどうですか?」「一つの国にそんなに沢山天然記念物っていないんじゃないの?」「同じ動物ばっかりになったらつまらなくない?」「う~ん。。。でも知りたいな。そしたら好きな動物も送ってもらったらどうかな?」「それじゃ天然記念物動物園じゃないじゃん。」「そうだね。。。」

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「世界の人たちの近所の絵や写真を集めるプロジェクトは誰でも知ってる名所じゃないからみんなが見たことがない知らない土地を見れてとてもいいと思う。プロジェクトでつながることができた人たちがどんなところに住んでいるのか知りたい!!」「うんうん。たしかに!これもいいよね。」「でも絵を描いてもらうのは大変じゃないかな?」「写真の方が協力してくれやすいよね。」

子どもたちが中心になって議論が進んでいきます。司会者と書記だけじゃなく他の子どもたちも真剣にそして協力的に議論をしているところがさすが高学年。また他の子の発言を言い換えて分かりやすく説明したり、発言したい気持ちを抑えてまずは人の意見を聞くようにがんばっている姿勢が見受けられます。しかし、なかなか一つのプロジェクトに絞りきれないのもまた事実。

私は再度、優先順位をつけていくことと、本当にワクワクするような内容かどうか、かかる時間と労力などの観点も踏まえてそれぞれのプロジェクトについて考えていくとより考えやすいのではないかとアドバイスをしました。そしてそれぞれのプロジェクトについてそのような観点で模造紙に整理し直してだんだんといくつかのプロジェクトに絞られてきました。

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そして、ついに全員一致でプロジェクトが決まりました。子どもたちが自分たちで議論をした末に決めたプロジェクトは『世界のつながることができた人たちの家の玄関から見える景色と家の前の地面の写真を送ってもらい、それを使って他に無い手作りワールドマップを作る』というものです。

みんなで納得がいく形でやりたいプロジェクトが決まり満足そうな子どもたち。時間はかかりましたが、自分たちでディスカッションの役割を考えながら一生懸命こなし協力的にグループでの意思決定を行うことができて本当によかったです。

さあそしてここからがいよいよ本番です。次なるステップは世界の人たちに対してこのプロジェクトに参加してもらうお願い文を書き上げることです。そしてそれらを英訳した上で様々なコミュニケーションツールを使って世界中に発信していかなければいけません。来週も新しい学びに向かってがんばるぞ~☆



YI

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「低酸素室」での高所体験のご案内

富士登山ご参加予定の方を対象に「低酸素室」での高所体験を開催いたします。
高山病の不安がある方、あるいは高山病の知識と対処法について習得したい方はぜひご参加ください。

実施要領は下記の通りです。ご希望の方はお問い合せ先までご連絡ください。

実施要領

内容:3000m富士山テスト(安静20分、運動20分の高所体験等) 約70分

費用:4,000円/人 (TCSグループ割引適用 通常5,000円)

実施日: 2012年7月4日(水) 10:00〜11:30 最大5名 11:30〜13:00 最大5名
     ⇒この日はTCSグループ用として貸切予約となっています。
     ⇒人数に制限がありますので、予約制申込み順受付とさせていただきます。お早めにお申込下さい。

場所:ミウラ・ドルフィンズ(東京都渋谷区千駄ヶ谷3−10−3)
     http://www.snowdolphins.com/

お問合せは  東京コミュニティスクール まで
TEL:03-3313-8717  FAX:03-3313-8790
e-mail: school@tokyocs.org
※メールアドレスの「@」を半角に直してください

2012年06月20日

サマーキャンプ2012

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2012年06月22日

新聞紙で橋づくり!

[1・2年生]

ただの新聞紙だと、ずいぶん厚く重ねても、本の重さに耐えかねて、
曲がってしまいます。しかし、新聞紙を丸めてひねり、棒状にし、
ひもやガムテープでぐるぐる巻いたものを何本か並べて補強すれば、
新聞紙の橋でも、1キロの重さの本を楽々支えることができました。

「もっと、もっと棒を増やせば、もっと丈夫になる!」

確かにそれは間違っていないのですが、より少ない材料で、より強い
橋を造るというミッションからずれてしまいます。

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1枚ではぺらぺらの新聞紙をなんとか重量をなるべく増やさずに補強
することはできないのか……そこで、実際に実施されている「新聞紙
ブリッジコンテスト」ではどんなことをしているのか調べてみます。
すると、木工用ボンドを塗りつけて強度を増していることがわかり
ました。

どんなふうに新聞紙を加工するかの手順も You Tube に UP している
大学院生(?)がいたので、みんなで見てみました。

(なるほど……そうするのか……)

みな興味津々で動画を見つめます。

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早速、自分たちもやってみます。

木工用ボンドを水で溶いて薄めて……

それをハケで新聞紙に塗りつける……

新聞紙を折り畳んで、できあがり……となるはずですが、

「わあ、切れちゃった!」「変なふうにくっついた!」

なかなかうまくいきません。

あ〜あ〜たくさんボンドぬりすぎ!それじゃあ新聞紙がとけちゃう!

全面ではなく、半面だけ塗って、折り畳まないとうまくいかないぞ!

とはいえ、失敗大歓迎!新聞紙はいくらでもあります。

たくさん試行錯誤しないと、手順を意識しないとうまくいかないと
気づいたり、手先の神経が育っていったりしませんからね。

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一晩おくと……すっかり乾いて、固くなった新聞紙ができあがって
います。さあ、ではいよいよこれを素材にして、「強くする形」を
意識して橋をつくることにします。

新聞紙を折り曲げて、いくつも三角を作り、それを2枚の新聞紙で
はさみ、段ボールの発想を真似たものをつくったり、アーチ型に
したり、工夫が見られます。

とはいえ、子どもたちの意識は「曲がらない強さを生む」ということ
だけに集中してしまい、それだけだと、幅30cmぐらいまではOKでも、
それより長くなると橋の真ん中がたわんで、結局、「落橋」です。

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「固くするには、何枚もはりつけて厚くしなくちゃ……」

新聞紙を「曲がらせない」ために、ただやみくもに新聞紙を厚くする
方向に子どもたちは動いてゆきます。そうすれば、確かに固さは増し、
曲がりにくくなったように見えますが、橋の中心部の重みも増し、皮肉
なことに、よりたわみやすく、すべり落ちやすくなってしまいました。

(ただ固くするだけでは解決しない!どうしたらいいんだろう!)

“モヤモヤ……困惑……”です。

でも……“困惑”こそ発見・創造の命です。強くするための「部分的要素」
だけでなく、「全体的構造」を意識しなければならないというレベル
に追究はいよいよ深化してきました。

これからが「探究」の本番!つら楽しい思考のフェイズに突入です。

RI

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動物とのふれあいを通じて

[3・4年生]

「詩人の旅」3週目は吉祥寺にある井の頭自然文化園への旅です。

今回の旅の行き先を告げた途端、「やったー」の歓声が。
いつの時代も動物園は子ども達の心をわくわくさせてくれます。

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井の頭公園で早めの昼食をとり、自然文化園に向かうことに。
園内マップで子ども達の目をひいたのは、モルモットふれあいコーナー。
「早く行きたい!」とみな興奮気味です。

飼育員の方にモルモットの正しい抱き方を教わり、早速、モルモットを
膝の上にのせると、
「めちゃくちゃ可愛い!」
「うちでも飼いたいなあ。。」
との声が。

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ビー玉のような目でこちらをじっと見つめ、あったかくてふわふわ
しているモルモットにみな夢中の様子です。お気に入りの子にあだ名を
つけて呼ぶ子もいました。

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その後は自然文化園一の人気者ゾウのはなこ、熱帯鳥温室、リスの小径などを
巡り、大満足の子ども達。
途中、テレビ番組の撮影現場に遭遇するというおまけも。
どれもスクールの外に出たからこそ味わえる出会いであり、こういう体験こそが
人の気持ちを揺さぶり、詩情を駆り立てることになるのです。

翌日はいつも通りふりかえりを行い、詩作に取り組むことに。
今回、自分の発見や感動が相手に伝わる詩になっているかという観点で
自分の作品を推敲することにも挑戦しました。

「どうしたら感動を伝えられる詩になるだろう?」
「この詩で自分の発見や感動が本当に伝わるか?」

問いかけにうーんと頭を悩ませる子ども達。
一度書いたら終わりではなく、自分の作品と何度も向き合い、文言を見直す。
作品をより良いものにするためには、避けることのできない作業です。
辛い、けど楽しい。
この「辛楽しい(つらたのしい)」感覚を楽しめるかどうかが、creativityな
学びにおいて最も重要になってきます。
次第に抽象度の高い内容を扱うテーマへ移行していく3、4年生にとって
一番の試練といえるでしょう。

今回のテーマもいよいよ折り返し地点。
そして、次回は最後の旅です。どんな旅になるか、楽しみです。


HY

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世界の人たちを動かすためにどんなメッセージを伝えるか?

[5・6年生]

今週は世界中に送る、プロジェクトに協力をお願いする文章を考えるところから始まりました。
先週子どもたちが決めたプロジェクトは〝世界中に住む人たちの玄関から見える景色と地面の写真を集めて、オリジナル世界地図を作る!〟です。
このプロジェクトを世界の人たちにお願いするにはどんな内容を盛り込んだら良いか話し合いをしました。

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「長過ぎない簡単な自己紹介は必要だと思う。」

「TCSがどういう学校かも少し分かったほうがいいと思う。16人の小さな小学校ということやテーマ学習があること。」

「テーマの説明もしなくちゃ、なんでプロジェクトに協力してほしいのか伝わらないよね。このテーマのセントラルアイディアを伝えたほうがいいと思う。」

「お願いする内容と理由は丁寧に書いたほうがいいと思うよ。相手がわざわざ私たちのために動いてくれるためには特に理由は大事。世界の人とつながりたいっていうことと、もっと世界のことを知りたいっていうことは伝えたほうがいい。」

「謙譲語で書きたい!」「いや尊敬語の方がいいでしょ。」「いや自然な丁寧語で感じよく書くほうがいいよ。小学生だし。」

など受け取り手の立場を考えた文章構成アイディアがどんどん作られていきました。様々なパースペクティブで考える実践練習です。

ある程度書くべき内容の方向性が決まったところで、3人ずつのチームに分かれて文章を書き始めました。3人寄れば文殊の知恵なるか???

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3人である程度具体案がまとまったのでHWで各自お願い文をしたためてくることになりました。

翌日はそれぞれの文章をシェアし、そこからTCSではお馴染みの良い点と改善点(good&better)をみんなで挙げながらそれぞれに自分の文章を振り返りました。 そこで上がったgood&betterを結集させてようやくお願い文が出来上がりました。

この文章をネイティブの英語講師サラと私とで英訳したものを子どもたちにシェアしました。
最初は見たことが無い英語がズラリと並び、圧倒された様子のみんなでしたが、よく文章を見てみるといくつか知っている単語があったり、また疑問も色々と浮かんできたようです。

「なんでMt.Fujiとか文章の始め以外でも大文字があるの?」

「Sincerelyってどういう意味?敬具みたいな感じ?」

「おー!!great!大当たりだよ。その通り。英語でDearは拝啓、Sincerelyは敬具のような言葉でさ、丁寧な手紙やE-mailはこうやって書くんだよ。」

また、「May we ask a favor of you?のMay we?ってなんだろう?みんな分かるんじゃない?」「May I ?のMayと一緒?」「そうだよ!」「じゃ、May I speak Japanese?で使ってるね。いいですか?ってことかな。」「その通り。よろしいですか?という言い回しで、いいですか?よりもさらに丁寧な言い方だね。」
「じゃ、まず一回一緒に声に出して読んでみよう!Please repeat after me.」



翌日はいよいよ世界とつながるためにどんな相手に連絡を取ってみるかアイディア出しを行いました。

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留学しているTCS卒業生や元スタッフで海外に住んでいる方、お父さんの友人のカナダ人、ハーバード大、レディガガ、グリニッジ天文台、ワークショップで出会った外国人たちなどなど他にも色々なアイディアが出てきました。

それから子どもたちも実際に住所やEメールなどを早くネットで検索したい様子であったのでそのまま各自にPCを用意しリサーチをしてもらいました。いろいろと調べてみるも、なかなか欲しい情報に出会えずイライラする場面もありますがそれもいい学び。試行錯誤と発想の転換から扉が開くこともあります。

「アフリカのマリって国のなんかTCSみたいな小学校があったよー!」

「オランダのコミュニティスクール見つけたー!!」

「あー!イランのIBの学校だー。これいいんじゃない!!」

みんななかなか面白いところを見つけてくるなー。さすがTCSキッズ。となりの子のPCを覗き込むと、ロシアの小学校と入力している。どんな国のどんな方々から子どもたちにお返事が届くのかとても楽しみです。来週からはテーマ学習後半に突入。エンジン全開でがんばるぞ~☆

YI

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2012年06月29日

ふりかえることが学ぶこと

[1・2年生]

「どうせ私の橋失敗だもん!」

ある子がへそを曲げました。新聞紙を何枚も重ねて厚くして固くすれば
うまくいくと思ったのに、その分、重みが増して、橋の真ん中がたわみ、
ストンとすべり落ちてしまいます。

「三角入れたんだけどなあ……」

確かに三角形の部品を入れることで固くなったのですが、部品を増やせば
増やすほどどんどん重みが増し、やはり橋の真ん中がたわみます。

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1・2年生の子にとっての壁は、自分が好きにやったときは熱中できても、
うまくいかなくなったとき、もういい……もう無理……となってしまうところ
です。それを私はすぐに冷めてしまうという意味を込めて、探究心ならぬ
「短急心」と名づけました。

この「短急心」を乗り越えて、どうしてうまくいかないのか、原因を明らか
にして、つくりなおそうとするマインドを育むよう支援することが大事です。

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そこで、ラーナープロファイルやキーコンセプトにある、「Reflective」とは
どういうことかについて話し合いました。

「わがままを言わないこと……」

冒頭に述べたへそを曲げてしまった子がつぶやきました。どうしてわがまま
を言わないことが Reflective につながるの?とさらに問うと、別の子が、

「自分のやり方だけを気にしているから」

というちょっと優等生チックな答えが出てきました。こういうときは、ちょっ
といじわるな質問を返して、先生の受けをねらうための回答ではないか?と
確認することが重要です。

「えっ、なんでそれがいけないの?自分なりのこだわりって大事じゃないか
なあ」

すると、即座に、そんなことしても橋がうまくかからなきゃどうにもならな
いじゃんという答えが。なるほど……アウトプットの質を高めることがミッシ
ョンであるという意識が明らかになります。

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こうして、Reflective は、次にうまくいくように失敗の中にある成功の種を
ひろうために必要不可欠なプロセスだということをみんなで共有できました。
次の作業は、どんな「種」があるのか探ることです。

自分のつくった橋を見せながらどんな工夫をしたかみんなの前で発表し、
それを見た友達から、よいところともっとよくしたらよいところについて
アドバイスをもらいます。

このプロセスがとにかく重要です。建設的に批判する力をお互いに発揮する
ことこそ、お互いの成長を促すからです。ただほめあうのでもなく、ただけな
すのでもなく、自分のよいところもまだまだなところも、なるべく客観的に
直視することに慣れることがよい学び手になる第一歩。

「できないところこそおいしいぞ!だってそこに成長の種があるから!」

というメッセージをしっかり送ります。

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上の写真は、話し合いを通じてでてきた good and better を模造紙にまとめた
ものです。みんなで意見を出し合って、磨けば、こんなに知恵が出てくる!
ということを子どもたちは実感しました。

「この知恵を活かして、新たな設計図を書くぞ!」

子どもたちはさらに燃え出します。さあ、この知恵を活かして、つくりなおし
て、成果に結びつけることができるのか……続きは次週

RI

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働く男

[3・4年生]

今週は最後の詩人の旅に出かけました。
訪問先は過去に先輩達もお世話になった大田区の橋本鋳造所です。

まずは応接室で「鋳物とは何か」について説明をして頂き、その後、
作業現場に移動し、鉄を型に流し入れる瞬間を見せて頂きました。

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ドロドロに溶けた鉄の温度はなんと1400度!

「マグマみたいだ。。」

一人の男の子がぼそりとつぶやきます。
大きな釜から顔を覗かせるドロドロでまっかっかな鉄の様子から、
火山の噴火口が連想されます。

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他に子どもたちの印象に残ったのはそこで働く工場の方々です。

作業中に軽い火傷を負ったものの、特に気にすることなく、笑顔を崩さず
作業を続ける働く男達に目が釘付けでした。

鋳造現場の見学後は、食堂に立ち寄ることに。
スクールの先輩達が作成した感謝の言葉を大切に掲示してくださっていました!

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質問タイムでは、
「会社で自慢できるところは何ですか?」という子どもの問いに対して、
「ものづくりを支えるのはやっぱり『人』。だからうちは若い職人の
採用や技術伝授を積極的にすすめているんだ。」
というお答えが。

会社の信念が貫かれている様子がここからも伺われます。
この言葉は子ども達の心に響いたようです。

翌日のふりかえりでは、
「危険な現場なのに、職人さんたちはなぜ仕事を続けるんだろう?」
という疑問を抱き、もやもやした思いでいっぱいの子ども達。

人の心を動かすということは、必ずしもわかりやすい感動ばかりではありません。
子ども達はこのようなもやもやした気持ちを詩の種にし、詩作に取り組みました。

来週からは、自分の発見や感動がより鮮明に聞き手に伝わる詩を書くためには
どんな工夫をすればよいか、何度も作品を推敲し、より良い表現を追求していきたいと
思います。

HY

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海外に住む人たちとつながろう!

[5・6年生]

今週から4週目に入り、テーマ学習も折りかえし地点。子どもたちは週末に書いてきた手紙を様々な国に送り始めました。送り先は主に小学校です。ティモール島、インドネシア、オーストラリア、マリ、韓国、アメリカの小学校やイランのインターナショナルスクールなどなど。一生懸命選んだ送り先です。慣れない英語での文章を心を込めて書き上げました。よく見るとスペルミスもたまにありましたが、多少のミスは大丈夫。気持ちは通じます!それぞれに富士山や日本の国旗、子どもたちが遊んでいる絵などかわいいイラストを書いて相手が喜んでくれるような工夫をしています。素晴らしい!「返事が来るか楽しみー!」「返事が来るか緊張するー!」とワクワクドキドキな様子です。

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そして手紙と平行し、E-メールでも海外に沢山の連絡を送りました。 それぞれの子どもがPCと向かい合い、一生懸命メールを作成します。
6年生は今までもPCをテーマ学習で使用する機会がありましたが、5年生にとってはPCを使用すること自体がチャレンジです。E-メールの使い方や写真の添付の仕方など一つ一つ学んでいきます。文章を入力している途中にデータが消えてしまい、落ち込む場面もチラホラ。それでもめげずにがんばり続け、みんなの世界とつながりたいという強い気持ちが伝わってきます。5年生が問題に直面すると6年生がサポートしてあげ、チーム全体が一つとなっています。

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手紙・Eメール以外のコミュニケーションツールとしてSNSも紹介し、一部の子はFBを活用してプロジェクトを広める活動にもチャレンジし始めました。様々な手法を試しながらできるだけ多くの人たちにプロジェクト参加の呼びかけをしています。

みんなテーマ学習の時間以外にも海外の送り先を調べたり、Eメールを送ったりとその真剣さに脱帽です。しかし、4週目の最終日になってもまだ海外からの返信は一件もありません。

「昨日夢でテーマ発表の時に何も返事がかえってきていなかったんだ。超こわかったよーーー!もし本当にそうなったらどうしよう!!!」

とある子がいいました。みんながまだ一件の返事もないことに少し不安を感じていた日、メールチェックをしてみるとなんとニュージーランドの学校から返事が来ていました!!!

 「やったーーー!!すごい!一件きてるよー!わーい!!」「すごいねー!みんなー!返事来たよー!!」「すごい!ぼくたちが連絡してつながったんだね。これってすごいことだよね!だって今までTCSとつながりがなかった外国の人がわざわざ写真を送ってくれたんだから。この一件はすごいよ!」 このニュージーランドからの連絡のおかげでみんなが世界とつながる喜びを味わうことができました。自分たちの行動が生み出したつながりです。この嬉しさはひとしおですね。

「よーし!これからもっとがんばるぞー!!きっと来週はもっと返事がかえってくるよー!」

と子どもたち。この喜びを味わうために来週も一緒にがんばろう☆

YI

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