[1・2年生]
フィールドワーク時に撮影したビデオを見て、橋にはどんな形があるかふりかえってみました。すると、
「矢印」「バツ」「Nみたいな形」
という声があがりました。そこで、どうしてそんな形をしている
のかを改めてたずねてみると……
「その方が強いからだ」
という答えが返ってきました。
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本当に「形」によって「強さ」が違うのか。
割り箸と輪ゴムで「三角形」と「四角形」をつくってみて比べて
みました。
「全然グラグラしない」
確かに「三角形」は安定していますね。それなのに、「四角形」
の方は、すぐにグシャッとおかしなかっこうにつぶれてしまい
ました。
でも、ここで「フィールドワーク」で「観察」したことを活かさ
ないと……ある子が、「四角形」の「対角線」に割り箸を渡し、
補強しました。
「これでバツになったよ」
すると、グラグラがなくなって安定!
筋交いを入れることの意味を子どもたちは体感したのでした。
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「形」と「強さ」に重要な関係があることを知ったところで、
いよいよ今回、橋づくりで用いる素材である新聞紙を見せます。
椅子と椅子の間に「新聞紙1枚」を置いて、そこを私が渡ろう
とします。すると、「無理〜!」という悲鳴(歓声?)が。
せめて、新聞紙の両端だけはおさえておこうと子どもたちは
手分けしますが……
当然ながら、ひと足乗せただけで新聞紙は無惨に破れました。
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今のは余興で……いよいよ“本題”です。本2冊(ちょうど1kg
の重さ)を乗せてみることにします。
本を置いた途端、新聞紙の両端がすべり、すぐ落下してしまい
ました。けれども、新聞紙は破れていません。そこで、新聞紙
の両端がすべり落ちないようにガムテープでとめると……
新聞紙たった1枚でも、破れずに、ちゃんと1kgの本を支えら
れました。
強い橋というのは、外から働く「押されて、ひっぱられる力」
に耐える橋なんだということが見えてきました。
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「ねえ、早く作りたいよ!」
新聞紙で橋をつくりたい気持ちがふつふつとわいてきた子ども
たち。
「できるだけ少ない新聞紙で、モノを乗せても曲がらない橋を
作ってほしいんだ」
“少ない材料で、より重さに耐える橋をつくる”
というのが今回のミッションです。
そのことを伝えつつ……新聞紙という素材の特徴を実感して
もらうために、とりあえず条件は無視して、自由に作って
もらいました。
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新聞紙を折り曲げたり、何重にも重ねたり、ひねって太い棒の
ようにしてそれをテープやひもでぐるぐる巻きにしたり……
みな思い思いに作り始めました。
「新聞紙ちょうだい!」
「テープちょうだい!」
何枚も新聞紙を使い、テープなどで補強して、ようやく本を
のせても大丈夫なものができましたが、まだまだ「工夫」が
足りない!フィールドワークで見た橋にあった「形」を活かす
こともできていませんねえ。
このままでは「より少ない材料で、より強い橋」というミッ
ションは達成できません。
どんな工夫をしたらよいのか……追究は続きます。
RI
※TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。