[1・2年生]
「築きに気づく」というテーマで、子どもたちが「何」の“築き”を追究してゆくかと言えば、「橋」です。
どんな構造物であれ、まず求められるのは強さ。でも、強ければよい
というわけではなく、ある程度の強さを保ちつつ、なるべく安い予算、
すなわち少ない材料で「効率的」に建設することが求められます。
外からかかるさまざまな力に耐えつつ、なるべく丈夫な構造物を作る
にはどうするか……実際に自分たちで模型の橋を作って検証!という
のが今回のミッションです。
そのためには、まずフィールドワーク。
東京と言えば、かつては「江戸」と呼ばれた水の都。今でもたくさん
の川、運河があり、ベイエリアには魅力的な橋が数々あります。
そんな橋を、じっくり「観察」し、橋の「構造」を探ります。
今回は、TCSを日頃からサポートしてくださり、自らもNPOを立ち上げ
ようとなさっている小阪“船長”が操縦するチャーター船で東京湾・運河・
隅田川の橋をめぐります。
出航前日、船長も交えて、「橋見つけ隊」の結団式。その後、みんなで
船に掲げる「隊旗」を作りました。
勝どきマリーナに到着し、ライフジャケットをつけ、いよいよ船に
乗り込みます。船長の前方ならびに左右確認の号令の後、子どもたち
の声が響きます。
「橋見つけ隊、発進!」
「快適!」「気持ちいい!」
船酔いなどするひまなどないほどみな大満足。あっという間に
レインボーブリッジに到着!
橋の下で停泊し、じっくりと橋の下を「観察」
「わあ、こんなになってるんだ!」
大興奮です。
続いて、ゲート・ブリッジに向かいますが……その途中、橋以外に
いろいろ発見!
「カモメだ!えさやりた〜い!」
船長の用意した「食パン」をカモメに見せますが、結局、近づいて
こない……
「食べたくなっちゃった」
カモメのえさのはずが、自分のえさになってしまいました。
「あ〜っ!恐竜橋だ!」
子どもたちの間で、ゲートブリッジは、「恐竜橋」とネーミング
されていました。
「あそこが顔かな!」
不思議な形だけどかっこいい形。三角形、矢印、バツといった形
が気になったようです。
夢の島マリーナで昼食後、今度は、隅田川に向かいます。その途中、
江戸時代から続く、木工船の造船所を見つけたり、行き交う船や
岸辺の人々に手をふったり、子どもたちは疲れ知らずです。
永代橋と清洲橋という隅田川を代表する橋の下にもぐりこみ、
ボートの上に寝そべって、橋の下の形をじっくりみます。
「ポツポツがある」「バツが多いな」
あっという間に「橋見つけ隊」クルーズは終了。スクールに戻ると、
子どもたちが、自発的に今日見た橋を自分の体で表現し始めました。
ちなみにこれは「レインボーブリッジ」だそうです。
さあ、来週は、橋の形について細かく研究し、ちょっとした実験も
やってみます。子どもたちの頭と心に焼きついた「原体験」が大きな
力を発揮することでしょう。
RI
※TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。