東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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2013年10月 アーカイブ

2013年10月04日

手間をかけていこう

[1・2年生]

発表に向けて、今まで確認してきたお米作りの手間を
まとめていきます。
「手型は、きちんと切り取った方がいいかな。」
「色がついている方がいいかな。」
作業を進めていく中で、「見せる」という意識が働き、
アイデアが浮かんできます。

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色を塗るにしても、ただ好きな色を塗るのではなく、
記入した手間の内容に合った色をつけたり、
イラストを添えたりし始めました。

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%E6%BA%9DIMGP1806.jpg 作溝は、溝を掘ることだから、溝と土に分かれたイメージの色に。

作業は、手間を記入する人、色をつける人、手型を切り取る人に分かれて、
着々と進みました。
たくさんの手型に根をあげるかと思いきや、
次々に仕事が回ってくることを楽しみながらやっている様子。
中には、「このテーマがいちばん楽しい!」と言い出す子も。

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手型がだいたい仕上がってきたところで、
週の後半は、発表内容を考えていきました。
今回の発表では、お米作りの手間の説明をしたあとに、
一人ずつ、テーマで学んだことを述べるという課題を出しました。
「お米ができるのに、たくさんの手間がかかることがわかった。」
「おちゃわん1杯のお米つぶが4249粒もあった。」

「農家の人だけでなく、機械を作っている人も役に立っている。」

「おかげさまの人、ママ、パパ、孔子先生、・・・」
どうして孔子先生?
「筆者道(論語)には、いろいろ学べることが書いてあるから。」

2年生以上は、毎日論語を筆写するホームワークがあります。
そして、登校後、前の日に写した一節を音読する習慣になっています。
スクール内では、論語を耳にする場面がたびたびあるので、
1年生でも、孔子先生が頭に浮かんできたのでしょう。

お米に限らず、おかげさまの人はたくさんいて、
身近にいたり、遠くで見えないところにいたりもする。
一人がお米以外の視点で語りだすと、次々に自分にとっての
おかげさまは何かを考え始めました。

考え出したときに、何が見えてくるか、
どんな発表内容になるのか楽しみです。


AN

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

政策を練りあげる

[5・6年生]

変ぽぽ党として掲げる政策が決まり、いよいよいかに実現するか考える段階に入りました。今回選び出した政策は、すみよいTCSをつくりだすことにつながる「素晴らしい」ものばかりです。でも、そうならば、なんでそんな「素晴らしい」ことがこれまで実現されなかったのか……ここに思いを至らせることこそもっとも大事なポイントです。

「先輩たちは考えなかったんだろうか……」

そんなことはありません。同じことを考えてきた人はいるのですが、「こうなったらいいなあ」という「思い」を抱くことで終わってしまっていたのでした。その「壁」を乗り越えていかに実現するか……そのために自分が率先して汗をかいて動けるか、自分だけでなくみんなも巻き込めるか……今回は、この点が大いに問われます。「評論家」ではなく、実際に「治める人」として動かなければならないのです。「何が実行を邪魔していたんだろう?」
「どうしたらその邪魔を取り除けるんだろう?」

みんなで意見を出し合いつつ、実際にどうしたらうまくいくか具体的な実行方法について考え始めました。

「何が実行を邪魔していたんだろう?」
「どうしたらその邪魔を取り除けるんだろう?」

みんなで意見を出し合いつつ、実際にどうしたらうまくいくか具体的な実行方法について考え始めました。

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自分たちがこれぞ!と思った「政策提案」ですから、なんとか実行に移したい……必死に考えます。次第に、具体的にどんなことをしたらいいかまとまってきました。そんなところを見計らって、彼らに考え方のヒントを授けます。それは、みんなを巻き込む運動としない限り、どんなに素晴らしい実行方法を提案したところで実現されないということです。「リーダー」に続く「フォロワー」をいかに生み出すか……そのためには、「やれよ!」とただ強制するだけではダメ。自分たちのアイデアに共感し「フォロワー」となってくれた人を仲間として尊重し、よくぞいっしょにやる決心をしてくれたね!とその勇気を称賛する心構えが必要です。

では、「フォロワー」を生み出すにはどんな工夫が必要か……それは自分たちの「ミッション」を明らかにすることです。

なぜそれをするのか?

と言い換えてもいいでしょう。そのうえで、何をするのか?どのようにするのか?を明らかにしてゆくのです。

「ふつうはこれが逆になっちゃうんだよね」

何をする……整理整頓・清潔清掃のゆき届いた美しいスクールにする
どのようにする……グループ分けを見直し、掃除の手順や方法も変える

確かに「正論」だし、聞いている人も「そうなったらいいよね」と思ってくれるかもしれない……しかし、いざ実行となると、ついてくる人はあまり生まれないでしょう。結局、「決まったんだからちゃんとやってよ!」と「リーダー」のイライラする声が響き、強制的にやらせることになり、これまでの状況を改善することにはつながらず、「改革失敗!」となってしまうのは目に見えています。

これは「なるほど!そういうことか!」と共感できる「ミッション」がイメージされないために生じます。

「ちょっとした工夫で生まれる素敵な日常をつくりだすためにみなさんと取り組みたいことがありま〜す!」

ってな感じでみんなの気持ちをゆるやかにしつつ、ちょっと口元がゆるむようなユーモアをまぜながら聴き手のそれまでの認識をゆさぶる「ミッション」を提示する。そのうえで、どんなふうにやるかを提示し、面白そうだからやってみようかなという「フォロワー」をとりあえず何人か生み出すことを目指す。これこそ社会変革のムーヴメントを引き起こすコツです。

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具体的な実行方法も見えてきたところで、最終週は「フォロワー」を生み出す魅力的なスピーチづくりに全力を尽くします。政策の概要をまとめたシートを配った上で、「さあ、みんなやろう!」という機運をよびおこすような演説。言葉で人の心を動かすことへの挑戦です。

RI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2013年10月07日

テーマ学習発表会10/15

TCSテーマ学習発表会のご案内


東京コミュニティスクール(TCS)のテーマ学習では、1年間に6つの探究領域を学びます。ひとつの探究領域のもとでクラス毎にテーマが設定され、約6週間単位で活動を行っていきます。
※テーマごとの6週間の学びの様子は、探究テーマ一覧表よりご覧ください。

活動の成果を発表するテーマ発表会では、保護者だけでなく、一般の方々にも参加していただける機会になっています。

子どもたちは、どのようなプロセスで、どのようなことを学んでいるのか・・・。ぜひ、直接子どもたちの様子を見に来てください。
※見学をご希望の方は、下記要領にてお申込みください。

               記

【日時】 2013年10月15日(火) 9:30~11:30
【場所】 セシオン杉並 2階 視聴覚室(東京都杉並区和泉4丁目42番5号)
     地図)http://goo.gl/maps/laHV9
     ※東京メトロ丸の内線「東高円寺駅」より徒歩5分     

【お申込み・お問合せ】
 東京コミュニティスクール事務局
 TEL:  03-3313-8717
 e-mail: school#tokyocs.org
 ※メールアドレスは「#」を「@」に変更してから送信してください。

  お申込みの際は、
   件名を「テーマ学習発表会参加希望」とし、
   以下の事項をお知らせください。
     1.参加者氏名(すべて記入ください)
     2.(保護者の方は)お子さんの現学年
     3.e-mailアドレス
     4.電話番号(日中最も連絡のとりやすい番号)
     5.TCSを知った経緯(知人、ネット検索、新聞名・雑誌名など)
     6.質問事項等(あれば)

2013年10月09日

ワークショップ11/4

探究型学習をデザインする指導者のためのワークショップ
「探究型」を探究する (7)Assessment”
>>チラシをダウンロード
※終了しました。

 「探究型」第7弾のテーマ「Assessment(評価)」は学びにとって不可欠なものであり、PYPの評価の仕組みから私たちが学べることは少なくありません。「学びのための評価」という理念に基づいた教育を実践するために、学習プロセスの様々な段階において児童が何を知り、何を理解しているのか、何ができて、何を感じるのかという情報を効果的に収集・分析して、評価結果を次の学びにつながるようにいかにフィードバックをしていくのかについて、体験を通じ、インタラクティブなスタイルで学んでいただきます。
 探究型学習がうまくいかなくて悩んでいる方、世界に通用するレベルの探究型学習をデザインしたい方、探究という学び方に興味のある方など、現役の教員に限らず教育に興味関心のある方であれば、どなたでも参加できます。
【テーマ】 「探究型」を探究する (7) Assessment
【日 時】 2013年11月4日(月・祝)9時00分~17時00分
【会 場】  東京 ユビキタス協創広場 CANVAS 2階
【WSリーダー】久保 一之、市川 力
※プロファイルは、下記をご参照ください。

【対 象】 教育関係者、一般
【定 員】 36名(要申込)※定員になり次第締切ります。
【参加費】 9,000円(資料代、昼食代込み)

【申込締切】 2013年10月24日(木)

【申込方法】 eメールにて、下記までお送りください。
また、件名を「参加希望ワークショップ1104」とし、参加を希望するすべての方について、以下の事項をお知らせください。
    1.氏名(ふりがな)
    2.所属(勤務先会社名、学校名等)
    3.e-mailアドレス(PCアドレス)
    4.日中の連絡先(緊急用)
    5.講座を知ったきっかけ
(ホームページ、知人、新聞・雑誌名、SNS名等)
お問合せ・お申込みは、
 東京コミュニティスクール セミナー事務局 まで
TEL:03-3313-8717  FAX:03-3313-8790
e-mail: s13#tokyocs.org

※メールアドレスの「#」を「@」に直してください

(ご注意)
※お申込後3〜4日のうちに確認のメールが届かない場合はお電話にてご確認くださるようお願いいたします。
※申込締切日以降のキャンセルには、規程のキャンセル料がかかります。
※参加費納付後の返金はいたしかねます。ただし、規程のキャンセル料との差額分はクレジット扱いにて、次回以降の参加費に充てていただく事ができます。


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主催: 特定非営利活動法人東京コミュニティスクール
後援: 株式会社グローバルパートナーズ
協力: 株式会社内田洋行
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WSリーダー プロファイル

久保 一之 (くぼ かずゆき)
KAZU_casual_small.bmpNPO法人東京コミュニティスクール創立者・理事長
小学生から大学・社会人までの教育に幅広く携わる中で、探究型の学びの研究開発・実践・普及活動、学校教育の国際化支援等に特に力を入れて活動。国際バカロレアの初等教育プログラム(IB-PYP)の研究を通じて日本の小学校教育の未来像を提案している。
株式会社グローバルパートナーズ代表取締役社長、株式会社ビジネス・ブレークスルー コンサルタント、ビジネス・ブレークスルー大学 准教授・同大学院 講師。


市川 力(いちかわ ちから)
Riki_classroom_small_up2.jpgNPO法人東京コミュニティスクール校長

米国にて13年間日本人駐在員の子ども対象の学習塾を運営。現地の学校で行われていたプロジェクトベースの学びに触れ、『学び続ける力』を育てる教育実践に強い関心を抱く。2004年8月より東京コミュニティスクール初代校長に就任。自ら現場に立ち、初等教育における探究型学習の研究・開発・実践を行っている。
主な著書は、「探究する力」(知の探究社)、「英語を子どもに教えるな」「教えない英語教育」(ともに中公新書ラクレ)。講演多数。

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会場案内
株式会社内田洋行本社 東京ユビキタス協創広場CANVAS
2階

住所) 東京都中央区新川2-4-7
URL) http://www.uchida.co.jp/company/showroom/canvas.html
map_CANVAS.bmp交通のご案内(地下鉄をご利用の場合)
東京メトロ 日比谷線「八丁堀駅」下車、「A4」出口より徒歩4分
東京メトロ 日比谷線・東西線「茅場町駅」下車、「1番」出口より徒歩5分
JR京葉線「八丁堀駅」下車、「B1」出口より徒歩5分
※お車でのご来館はご遠慮ください。

2013年10月10日

”発見”をどう伝えるか?

[3・4年生]



来週にテーマ発表会を控え、いよいよアウトプットの製作に取りかかります。
まずはこのテーマで”発見”してきたことをみんなで話し合いまとめていきました。

「中流では上流より石灰岩がうんと少なくなっていることを発見したよね。」
「しかもそれは石灰岩が柔らかいから流水の力でけずれたりして無くなっていったんだよ。」
「そうだね。理由も言わないとね。」
「あと多摩川は昔海の底だったっていう大発見もある。」
「それと岩が川の力で小さくなっていって河口では砂になっていくのも分かったじゃん。」
だんだん議論が進み、子どもたちもエンジンがかかっていきます。

そうして今までしてきた”発見”を模造紙に書き出し、その中でも特にこのテーマのセントラルアイディアでもある”事象の連鎖”が感じられるものについてまとめていきました。

●川のはたらきと岩石の旅
●石にもたくさんの種類があった→そこから何が分かるのかな?
●石灰岩の数が減っていく
●石灰岩の秘密
●石灰岩が奥多摩の山奥にあるのはなぜ?
●地形は変わり続けている

ちょうど6つの項目になったのでそれを誰が発表するか6人で決めていきます。

「よし、今回はおれがトップバッターをやるよ!前回のテーマ発表では真ん中でちょうどみんなの糊つけの役目をしたから今回はこの発表全体の目次役をやる!それで次の人につながりやすいように糊つけも考えよう。」
「そうだね。糊つけ考えないとな。みんなの発表がバラバラだとつまんないし。」
「そうだそうだ。お前いいこと言うな!」

と一人の発言から俄然発表を意識した頭の使い方にみんなが変わっていきました。
K平くんgood job! 

そしてここからはまずは一人一人自分のパートについて発表内容を考えていきます。
今回の発表はテーマで発見したことを”多摩川石物語”として紙芝居風にまとめます。
ここからが正念場ですがやる気はマンマンのLIONクラス。 発表会までやりきるぞ〜!

YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2013年10月11日

おかげさまで

[1・2年生]

お米作りの手間シートが完成に近づいてきました。
並行して発表する内容も考えていきます。

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「自分もおかげさまと呼ばれたい。」
「お米は、ただで食べられるわけじゃない。
こんなに手間がかかっているから、
(おかげさまの気持ちで) お金を払うんだね。」
「ぼくにとってのいちばんのおかげさまは、
一緒に遊んでくれる人。」
「寂しいときに一緒にいてくれるネコもおかげさま。」
テーマで何を学んできたのか、思ったことを言葉に出していきます。

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手型の上に、自分たちの似顔絵を描いて、シート完成!

また、自分たちの見つけた88の手間を1人11こずつ分担して、
覚えていきます。
「どうやって覚えよう!?」
机の回りをクルクル回りながら覚える子もいれば、
階段に座って、集中できる場所を見つけて覚える子もいたり、
誰かに確認してもらいながら覚えるなど、それぞれが
自分に合った覚え方を探っていきました。


さて、発表会では、
覚えた台詞を自信をもって発表することができました。
質疑応答で、お茶碗一杯分の米粒を数えたことや
アイガモ農法の利点、
唐辛子を米びつにいれると虫除けになることを
知ったきっかけなど
これまで学んできたことを加えながら、応えている姿は
堂々としていました。
聴衆からも、「前回の発表より、よくなっている。」との
声が多く、成長ぶりがよくわかる発表となりました。
次の発表からは、言葉に抑揚をつけて、
語り口調にしていくことができれば、よりgoodに。
子どもたちの中からも、「声は大きくなってきたと思う。
でも、ありがとうの気持ちを込めて言えてなかったと思う。」といった
発言もありました。

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たくさんのおかげさまがあったからこそ、発表を終えることができました。

AN

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大詰めを迎える

[3・4年生]

いよいよ第3タームのテーマ学習も大詰め。今週はアウトプット作りのために台本を書き上げてはみんなでシェアし、Good(よかった点)とBetter(改善点)を伝え合います。

「ちょっと今の発表だと”石灰岩”ていう言葉を使い過ぎてて、お客さんはくどいと感じると思うな。スッキリさせらるんじゃない?」
「今のスピーチは説明っぽかったな。なんか聞いててちょっとつまんない。もっと面白くする工夫はできない?」
と感じたことを率直に伝え合う3・4年生たち。
言われた方は自分へのネガティブなフィードバックをなんとか前向きに受け止めて改善を加えていきます。成長したなぁ!

「もうちょっと話しかけるように発表した方がいいんじゃない?なんか感情がこもってないよ。棒読みになってる。」
と子どもたち同士でやや厳しいですが、的確な指摘をし合って少しでもいい発表ができるように真剣そのもの。
「うん!今のは良かった!お客さんに話しかけるようにできてたし、驚くところが伝わってきた。でもまだ短いからもっとふくらませていけるんじゃない?」

発表内容を修正してはシェアし、また修正するということをしつこく何度もくり返しながら最後まで粘り続けるライオンチーム。しかしこの追い込みを楽しんでいる様子が一緒に探究していてなんとも心地よい。

そして平行してこの発表をより分かり易く伝えるための”絵”についても粘り強く修正を加えていきました。
なかなか思うように絵を描くのは難しいですが、見本となる写真をじっくり観察しながら描いてみたり、石の凹凸を忠実に表す工夫をしたり、本物の石灰岩の白さを表すために絵の具を使ってみたり。
アートの先生にも協力してもらいなんとか週末までに全員が絵を仕上げることができました。
発表練習は数えるほどしか合わせることができませんでしたが、あとは週末に各自練習を重ねてくるとのこと。

次はいよいよテーマ発表会。どのような発表になるか楽しみです。自信を持ってがんばろう!



YI

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スピーチを磨く

[5・6年生]

「みんなスクールがよごれていることで見学に来た人をがっかりさせてしまうなんてもったいないと思いませんか」

スクールクリーン&整理整頓政策を訴える女の子は、ただどうやって掃除すればよいかを説明するだけでなく、なぜこの政策が必要なのか聴衆に訴えかけようとしています。いよいよ最終週。スピーチだけで(つまり、keynote や模造紙による補助なしに)勝負するプレゼンに向けてひたすら磨きをかけていきました。

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訴えかける対象は1年生から4年生までの下級生。彼らに伝わる言葉でなければいけません。そして、彼らのやりたいことに媚びることなく、単なるウケ狙いでもなく、TCSを本当に住みやすくするために必要な政策を訴えなければなりません。

スピーチだけで自分たちのアイデアを訴えかけると言えば、やはりTED。TEDの伝説的スピーチの一つで、社会運動の引き起こし方について端的に語った、デレク=シヴァーズの演説を参考にすることにしました。

わずか3分間。ある男が一人で裸踊りをしているのだが、当然のことながら、周囲の人たちは、始め奇異な目を向けるばかりです。ところが、そこに一人、その裸踊りに加わる人が出てくると状況が動き始めます。その男に続いてもう一人、また一人と踊り出す連中が現れるのです。こうなってくると踊りに加わらない方が面白くない!この流れに乗り遅れてはいけないとばかりに、われもわれもと裸踊りを始めるのです。

このエピソードから言えることは、何かの動きを起こすときには、旗振り役のリーダーもさることながら、そのリーダーについてゆこうと考える最初のフォロワーがカギを握るということです。

リーダーを lonely nuts(孤独なバカ)という状態から救い出し、新しいやり方もよいかもという機運を生じさせるためには、first follower (最初のフォロワー)を尊重し、対等に扱い、彼らとともにさらに動きを大きくしてゆこうと考えることが重要なのです。

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これまでも「民主的なリーダー」は「独裁者」でもなければ、「ポピュリズムを操る者」でもないと頭では学んできたものの、最初のフォロワーをどう作るかというところまでは考えが及ばなかった子どもたちは、シヴァーズのスピーチに衝撃を受けたようです。

笛吹けど踊らず……

ということわざのごとく、「やれよ!」というだけ、さらにやらなかったら強圧的な態度で「やらせる!」というやり方では、ムーヴメントは起こせません。最初からすべてのメンバーにやらせようと目論むよりも、コアなフォロワーをまず作ること。こうして形成されたコアメンバーみんなで知恵を出し合い、そのムーヴメントにはまることがとっても面白い!という機運をつくりあげること。そうすると、様子見だったり、反対だったりした者も、少しずつ興味を持ち始め、一人また一人と賛同し、ともに行動してくれる仲間になってくるのです。そんな目論見を持ってスピーチに磨きをかけることが目標となりました。

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ただ自分の思いをぶつけるだけではダメ。だからといって冷静にこれは必要なことですと述べるだけでも惹きつけない。一緒に汗を流してくれませんか!そうするとこんな面白いことがありますよ!と聴き手のパースペクティヴをゆさぶるスピーチをつくりだすために、みな必死になって知恵をしぼります。

変ポポ党としての結束力はいっそう強まり、なんとかして政策を通したいという思いも最高潮に達してきました。そのためにどうやって有権者であるスクールの子どもたちを巻き込むか……極めてチャレンジングな課題に取り組む子どもたちの姿は、一見すると寡黙で動きもあまり見えず、停滞しているように見えます。しかし、頭をフル回転させて、より深く思考しているからこそ、まさに沈思黙考の境地なのです。

さあ、みんなどんなスピーチで臨むのか。テーマ発表に向けて最後のひとふんばりです。

RI

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2013年10月17日

「治の力」〜ふりかえり〜

[5・6年生]

「これより変ぽぽ党の政策を発表いたします。」

これまで公の発表の場で、なかなか声の出なかった子が堂々と宣言します。テーマ発表で提案された政策は全部で4つ。

1つ目は、自分の好きなことを見つけられない子や好きなものがあってもなかなか深く考えられない子が、自分のアイデアをみんなに見せて(Show)、語って磨き合う(Disucuss)場をつくる Idea Disucuss Show(アイデア・ディスカス・ショー)という提案。

2つ目は、TCSの子どもたちがのびやかで、学びのときも生き生きしていることを高く評価して下さる人に、スクールが汚いと言われてしまうのはスゴくもったいない!という問題意識から、TCS美革命をしよう!という提案。

3つ目は、算数が苦手で、ひとりで学ぶときにぼーっとしてしまうのに、カードゲームで複雑な計算を行うときにはスラスラできることから、苦手なことを面白くすることを考える「面白○○の時間」(○○のところに自分の苦手なことを入れる)を設けようという提案。

そして4つ目は、むしゃくしゃした気分の時でも本に触れるとそんなことなど吹き飛んでしまうスバラシイ魅力を持った読書の世界にみんながどんどんはまってゆくような環境(ゆったり読書できるスペースをしたり、上級生が下級生に読み聞かせをしたり、お互いに本の魅力を語り合ったりする)を整備しようという提案でした。

子どもたちは、4つすべての提案に賛成することができますし、また逆にすべて反対することもできます。挙手してもらい過半数を得られれば子どもたちの支持を得たことになり、政策は実行に向けてGOとなるのですが、先輩たちの真剣な訴えに、どう応えるのか……

結果は、TCS美革命と読書好きっ子プロジェクトは満票。面白○○の時間も過半数を獲得。しかし、Idea Disucuss Show だけは十分な票数を獲得することができませんでした。

ポイントは、低学年の子どもにも伝わりやすい内容だったかどうかがひとつ。そしてもう一つは、みんなと一緒にやりたいという気持ちがこもっていたかどうかでした。打算なく、同情もなく、率直な思いに基づいて純粋に投票行動する子どもの姿を見て、大人の投票行動のレベルの低さが浮き彫りになったように思いました。

スクールの政策決定者である久保さんが、最後に子どもたちに対して、すべて実行可能なスバラシイ提案なので、ぜひとも実行に向けて迅速に動いてほしいとコメントし、提案者も、そして一票を投じた有権者である子どもたちも、これからが本番だというよい緊張感が漂います。

これからが「治の力」の真価が問われるフェイズ。天国のチャーチルになかなかやるな!少しは民主主義も進化したわいと思わせてやりましょう。これからの「変ぽぽ党」の活躍に期待です。

RI

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2013年10月18日

「おかげさま」~ふりかえり~

[1・2年生]

作った手型の数を数えてみると、ちょうど88こありました。
自分たちが実際に見つけたお米作りの手間は33こ。
「今は機械を使うようになったから、農家の人の手間が減った。」
「でも、別の人に機械を作る手間がかかるようになった。」
88の秘密を探っていきました。

手間をかける人が増えるという視点で見ていくと、
お米を買って、研いで炊く作業も見方が変わってきました。
「どんなおかげさまが隠れてる?」と尋ねると、
「お米を研ぐために使う道具も作っている人のおかげ。」
「お米に虫が近寄らないように唐辛子をおく知恵も、それを発見した人のおかげ。」
「今お米が食べられるのは、お米を日本に伝えてきてくれた人のおかげもある!」
「昔の人で、会ったことがないのに?」
「それは、本当におかげさまだ!」
「だって、お蔭だから。」といった会話も聞こえてきました。

おかげさまの手間を入れ、集めてみると88こになったわけです。
「機械を作っている人と機械を売っている人が別だと
おかげさまが増える!」
この発見で、おかげさまは88こ以上にもなりました。

お米を作るのに、こんなに大変だという印象が残り、
お茶碗1杯分にすると、4249粒あって、
その数の多さに驚き、当たり前に食べられるわけではないことを
それぞれが感じとってくれたのではないかと思っています。

お米ひとつとっても、こんなにたくさんのおかげさまがある。
自分たちの生活は、たくさんのおかげさまに囲まれている。
「自分もおかげさまと呼ばれたい。」
「ありがとうの気持ちを込めたい。」
振り返りで出された言葉の中には、このような発言があり、
みんなで聞くことができたことも、大きな学びだったと思います。

また、たくさん見つけた手間をみんなでぜんぶ暗記できたということも
学びのひとつでした。
これからも、いろいろな場面でおかげさまの存在に気づき
感謝へとつながっていけることを願っています。


AN

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「静かなともだち」~概要~

タイトル:静かなともだち
探究領域:万象究理

[1・2年生]

静かなともだち、それは木の葉っぱたち。
葉っぱを詳しく観察していくことで、その特徴を聞き出していきます。
今回のミッションは、「蚕糸の森公園にある木の葉っぱ図鑑」を作ること。
それも、子どもたちが見て、「この葉っぱを見つけてみたい」と思ったり、
「蚕糸の森公園で見つけた、この葉っぱのことを知りたい」と思ったりしたときに
すぐに調べられる、楽しく読める図鑑を目指していきます。

実際の図鑑を参考にしながら、
自分たちが観察したことをどのように表現していくかを探究していきます。
どんな言葉を使えば、誰にでもイメージしやすいのか、
観察→表現を繰り返すことで、葉っぱの特徴を探り出していきます。

TCSキッズオリジナルの葉っぱ図鑑作りへの
挑戦が始まります。

AN

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「食わせ者」〜概要〜

タイトル:食わせ者
探究領域:共存共生

[3・4年生]

先進国と言われている国では、飽食で、ダイエットが必要なほどエネルギーを摂取し、そのうえ食べ残しを始めとするフードロスが深刻な問題となっている。一方、途上国では、いまだに飢餓の問題が解決していない。そこに輪をかけるように、自然環境の悪化や天候の影響、さらには人口増加による食糧危機が迫っている。先進国の後追いを途上国がすれば共倒れである。だからといって後発組を止める資格をわたしたちは持たない。このままでは先進国も途上国も共倒れである。

今回のテーマ学習では、「フードロス」問題について知り、調べ、実感することを通じて、「知足」という「価値観」が COOL であり、率先して実施したいと思えるものだと示す。それがミッションである。

スゴイアイデアを考えつくことを目指すというよりも、調べ、実感し、理解したことを、自分たちでやってみて、継続可能な「仕組み」を考え、日々活動を続けることを目指す。先行きは、途方もなく困難ではあるが、せめてこれぐらいはという気持ちを抱きつつ、自ら動き、変わろうとする姿勢の大事さを追究してゆきたい。

RI

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「似て非なるもの」〜概要〜

タイトル:似て非なるもの
探究領域:自主自律

[5・6年生]

私たちには、好むと好まざるとにかかわらず、引き受けなければい
けないものがあります。それは遺伝として受け継いだ性質です。

と同時に、私たちには、ただ受け継ぐだけでなく、突然変異を引き
起こすメカニズムも備わっていました。それが多様な種を生み出し、
進化を遂げる原動力となってきたのです。

しかし、それらは自分の意志で選んだものではありません。
では、私たちの運命はすべて遺伝によって決定されているのでしょ
うか。

今回のテーマでは、「遺伝」と「進化」を切り口として、一つとし
て同じもののない「オンリーワン」である私たち一人ひとりが、受
け継いだものを引き受けつつ、どう前向きに変わり続けることがで
きるのか追究していきます。


HY

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2013年10月20日

【2014年度入学考査】

2014年度入学考査のご案内
※終了しました

2014年4月に進学予定のお子さんを対象とした入学考査を実施します。

ご希望の方は、下記要領に従ってお申込みください。お申込みを受付け後、順次入学願書等のご案内をいたします。

ご不明な点やご相談等ありましたら、お気軽にお問合せください。(募集要項

             記

   【日  時】 2013年11月1日(金)8時30分~13時40分
          ※朝の会(8時30分〜)より参加していただきます。

   【場  所】 東京コミュニティスクール
          (東京都中野区中野1-62-10)

    ※考査には、お子さんの校長面接の他、ご両親との面談(別日程)があります。
    ※考査中の保護者の方の見学はご遠慮いただいています。

   【考 査 料】  5,000円

   【提出書類】 入学願書および入学願書別紙1
           ※お申込み受付後、順次お送りします。

   【申込締切】 2013年10月23日(水)まで

   【申込方法】  メールもしくはお電話にて、東京コミュニティスクール事務局まで
     件名を「2014年度入学考査希望」とし、
     下記内容をお知らせください。
       1.お子さんの氏名
       2.保護者の氏名
       3.e-mailアドレス
       4.電話番号・・・日中の連絡先
       5.緊急時の電話番号・・・当日緊急時に連絡できる番号

   【お申込み・お問合せ】 東京コミュニティスクール事務局(担当:若林)
     e-mail: school#tokyocs.org
    ※メールの場合は、上記アドレスの「#」を「@」に変えてお送りください。
     Tel: 03-5989-1869
     Fax: 03-5989-1649

2013年10月23日

「玉石混交」〜ふりかえり〜

[3・4年生]

テーマ発表会では今までのいくつもの発見を”多摩川石物語”として創り、自作の挿絵と共に発表してくれました。

特に多摩川での様々な”事象の連鎖”を感じた”発見”をそれぞれまとめ上げ、それらをつなげて一つの物語に作り上げるところで相当苦労した3・4年生。
そしていよいよ当日。イキイキとした様子で今まで思いきり探究してきたことを語りきることができました。
発表後の質問コーナーでは目を輝かせてそれぞれに思い入れのある”石”について熱く語っていました。
子どもたちに対してのオーディエンスからのフィードバックもポジティブなものが多く、これからの学びにつながるものばかりです。

「絵+話のスタイルがとてもわかりやすかった。話の中身も、川や石の全体的な話から始まり石灰岩に注目してぐんぐん探究していって、その先に日本や地形の成り立ちという大きな物が見えてくるという素晴らしいストーリーでしたよ。」
「石からこんな壮大な探究ができるなんて驚きですね。石はロマンですねー。みんなが石を手に興奮していた理由がよく分かりました。」
「予測を立てて検証するということを大人になるまで続けていって下さいね。君たちのこれからが楽しみです。」
「オーディエンスを意識して楽しんでもらおうとする話しかけ方や絵のプレゼンがとても良かったです。みんなの興味と関心がふくらんで石について話しているときの気持ちが良く伝わりました。」
「イラストをもっと分かりやすくするためにコントラストを調整したり、文字を入れたりすると効果的。」
「石や川を見ていろいろな疑問や仮説を立てていることはすばらしい。」
などなど。

他にも次の学びに活かされていくフィードバックをたくさん頂きました。
やはりテーマ学習は最後にプレゼンテーションする場があり、そして子どもたちや大人のオーディエンスからフィードバックをもらい、再度自分たちで学びをふりかえるというサイクルがあるからこそ”終わり”が”始まり”となりまた次へとつながっていくのだなと改めて実感しました。
このテーマでまだまだ解決されていない疑問をこれからも探究し続けていってほしいものです。

YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。

2013年10月25日

葉っぱ図鑑を作ろう!

[1・2年生]

静かなともだち、それは木の葉っぱたち。
「木も話しかけると元気になるみたいだよ。りんごの映画で言ってた。」
りんごの木に話しかけながら水をあげて育てた木は元気に育ち、
話しかけなかった木は枯れてしまったという話をしてくれる子。
一方で「木に話かけながら水をあげたら、
ありがとうって言ってくれた。」と 話す子も。

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葉っぱについて思うことを聞いていくと、いろいろと出てきます。
「食べられる葉っぱと食べられない葉っぱがある。」
「葉っぱにも栄養がある。」
「葉脈って、人間でいうと骨のことなんだって。」
「葉っぱを食べてるときって、葉っぱの骨も食べてるんだ。」
「だから、ベジタリアンは健康にいいぞ!」
「しその葉を食べるとき、線を見ながら食べる。葉脈っていうんだ。」
「科学館で葉脈の実験したよ。葉っぱのお肉を溶かして、骨だけにするの。」
「人間だったら怖いね。」
「ちぎると水が出るのはなんでかな?」
「人間でいう血なのかな?」
「水を吸ってるから水が出るんだよ。」
「水を飲むってことだね。」
「葉っぱも生きてるんだ。」
ともだちの意見を聞きながら、思いついたことを言っていくと
納得できることとできなくて実際に調べてみたいことが出てきます。

それぞれがイメージしている葉っぱを絵でも描き出していきました。

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今回のミッションは、「蚕糸の森 木の葉っぱ図鑑」を作ること。

オリジナル葉っぱ図鑑を作るのは、TCSで初の試み。
それを知った子どもたちは「いっぱい作るぞ!」とやる気いっぱい。
図鑑を作るには、葉っぱをよく観察し、それをわかりやすく
表現することが求められてきます。

蚕糸の森公園で図鑑に載せたい葉っぱを探して
その特徴を記録していきました。
記録用紙をのぞいてみると、、
大きさ・・・ふつう
色・・・自然の色
もっと合う言葉はないか、誰もがイメージしやすい言葉って何だろう?
とことん観察し、表現を磨いていく探究のスタートです。


子どもたちの中に、科学館で葉から葉脈だけを取り出す実験をしてきた子が
いて、スクールでもやってみたいと理科担当のスタッフにお願いを
していたことから、テーマの時間にみんなでやることになりました。
厚さの異なる2種類の葉っぱをとってきて、
水酸化ナトリウムの水溶液で30分ほど煮ていきました。
葉肉の部分を歯ブラシで取り除くと・・・
きれいに葉脈だけ取れる葉っぱもあれば、
葉脈も一緒に取れてしまう葉っぱもありました。
どの葉っぱを使えば、うまく葉脈だけとれるのかな?
実験に失敗はつきもの。次回に活かしていこう!
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食べられるのに捨てている……

[3・4年生]

今日は10月26日(土)。すっかり朝寝坊した朝。コーヒーを飲もうと思い、ポットをコンロにかけ、朝刊でも読もうと思い、ふと食卓を見るとバケットが。そこにはデカデカと「消費期限」が書かれています。

2013年10月24日

見事に2日過ぎています。しかし、見る限り何の問題もなさそう。焼きたてのときに比べたら「おいしさ」は落ちているのかもしれませんが、食べられない代物ではありません。ニンニクの欠片があったので、それを薄くカットしたバケットにすりこみ、オリーブオイルをぬってオーブントースターへ。北鎌倉にある最高に美味しいコーヒー店の豆をドリップして自ら入れた至高の一杯とともに、あっという間にカリカリの食感と風味抜群のガーリックトーストのできあがり。チーズをのせればそこそこのオードブル。なんともリッチなサタデーブランチのひとときです。

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しかし、世界では、まだ食べられるにもかかわらず賞味期限や消費期限が切れてしまったからという理由で、廃棄処分に回されています。

農林水産省のデータによると、日本では年間1800万トンの食品廃棄物が排出されていて、そのうちの 500〜800万トンが本来食べられるのに捨ててしまっていると試算されています。

「うちは消費期限とか過ぎてたらどんどん捨てちゃってるよ」
「うちも食べなくて結局冷蔵庫の中で腐っちゃった肉とか野菜とか捨てるときがある」

例によって「食料廃棄」ということについての子どもたちの prior knowledge を探ることからスタートすると、真っ先にこんな発言が出てきました。

「車でわざわざたくさん買い込んだのに結局使わないで捨てたこともあった」
「バイキングのレストランでたくさん残ってる食べ物が捨てられるのを見たことがある」

テレビで見たという情報もありましたが、自分の直接経験としての語りがたくさんでてきました。食料廃棄は、子どもたちの日常として当たり前のように生じ、目の当たりにしていることが明らかになってきました。

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「給食のときにこんなに残している人がいたよ」

上の写真は、そんな子どもの訴えがあったときに私が証拠写真として撮影しておいたものです。このときに子どもたちがショックを受けたのは、骨がなく、子どもたちがおいしい!と喜んで食べていたサーモンフライがメニューだったのにほぼ丸々残されていたからです。

平気で食べ残す……食べないでダメにする……食べられることなく、買われることなく捨てられる……

身近に存在する課題であり、子どもたちが「実体験」を既に持っていて、このままではよくない……という「問題意識」を抱いている課題について探究していくのが今回のテーマ学習の特徴です。子どもたちの関心をよびおこしやすい課題であることは間違いありませんが、だからといって楽な探究にはなりません。なぜなら、根本解決となるとしょせんキレイゴトを口にして終わりになってしまいがちなテーマだからです。この点をどう乗り越えてゆくかが今回の探究のカギになります。

ではどうするか……

まず、公表されているデータに基づいて実態を正確につかむこと。次に、問題を生じさせている背景や他へのつながりにまで意識を広げること。そして最後に、じゃあ自分たちが何をしたらよいか考え、実際にアクションを起こすことが求められます。

そのために、子どもたちには2つのプロジェクトを提示しました。ひとつは、自分たちが知ったこと、理解したこと、そこから考えた実行できる解決策を教科書としてまとめること。もうひとつは、実際に自分たちの考えた解決策を実行し、食品廃棄に対してどう取り組むかアピールするプレゼンテーションを行うことです。

この2つのプロジェクトを支えるミッションは「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということ。食料廃棄「を」知るだけの調べ学習では終わらず、食料廃棄という問題を通じて、この問題を引き起こす根本にあるライフスタイルを見直すことです。このミッションを提示した途端、ある男の子が、おばあちゃんから聞いた言葉を思い出しました。それは

吾唯足るを知る

おばあちゃんが京都に旅行に行ったときにこの言葉の刻まれた石があったと教えてくれて頭に残っていたそうだ。これだから子どもの prior knowledge をなめちゃあいけない。面白がって mining してゆけば思わぬ宝物に見事にぶつかるのです。

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京都・龍安寺のつくばいに刻まれた言葉こそ、まさに今回の探究のミッションそのものではありませんか。ワレタダタルヲシルということを日々実感して生きてゆくのは我慢しなくても結構できるじゃないかという発想につながるアイデアを食料廃棄について追究してゆくことで構築してゆく旅の始まりです。

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「遺伝」って何だろう?

[5・6年生]

「今回は遺伝のテーマをやるんでしょ。また替え歌をつくるの?」
「遺伝は土台に過ぎない、そこからおれが決めるから〜♪」

子ども達が思わず口ずさんだこの歌。
二年前に先輩達がテーマ発表会で高らかに熱唱した"We Are The World"
の替え歌は今でも鮮烈に印象に残っているようです。

今回のテーマのタイトルである「似て非なるもの」とは、辞書的な
意味では「ちょっと見たかぎりでは似ているが、 実際は全く違う」
という意味。

「うーん、よくわかんないな。。。」

6年生の女の子はテーマのタイトルと「遺伝」や「進化」というキ
ーワードとのつながりがいまいち見えてこないという正直な感想を
漏らしました。
子ども達の表情を観察していると、頭の中のもやもやが目に見える
ようです。
過去の経験と照らし合わせると、このもやもや状態は探究を始める
上で悪くないスタートだと感じました。
わかったつもりほど視野を狭め、思考を停止してしまうことはない
からです。

「それを6週間かけて学んでいこう!で、最初にやることは・・・」

「イメージマップをつくるんでしょ!」

高学年ともなれば、テーマ学習でのお約束は知ってるぞと言わんば
かりです。
早速、「遺伝」という言葉からイメージすることを挙げていっても
らうことに。

「姉とは食べ物の好みが全然違って、不思議なんだよね。」
「活字中毒なのは祖母に似てると思うなあ。」
「肥満体質な家系なので、自分も気をつけないと思ってるんだ。」
「本音としては、性格はお父さんに、体質はお母さんに似たかった
んだけど、実際は逆なんだよね(苦笑)。」
「お金の使い方があらいところや勘が鋭いところは父親譲りかも。」

二巡目三巡目あたりまでは、「親に似ていること」という最初の意
見を皮切りに、性格や体質などについて家族と似ているところや異
なるところが次々に出てきました。

でもそれだけで終わらないのがTCSキッズの底力。

「突然変異という言葉も聞いたことがある。」

(おっ、いきなり本質をついた言葉がでてきたぞ。)

「DNAは、体をつくる設計図というイメージがあるなあ。」
「放射能浴びることで、DNAがきれてしまって病気になる、とか。」

「そうそう、DNAの形はたしかこんなだったはず!」

ある子が模造紙に絵を書き込んだのをきっかけに、他の子ども達も
それぞれ微妙に異なるDNAのイメージを形に表していきます。

たった30分強の時間で模造紙が言葉で埋め尽くされ、「遺伝」と
いう言葉を起点にイメージが膨らんでいきました。

子どもには知識がなく、大人がその知識を教えるものであるという
のが旧来の教育の考え方の主流でしたが、このイメージマップを見
てもわかるとおり、実際には子ども達はこんな豊かな先行知識を持
っているのです。

ですが、その知識は偏ったものであったり、間違っていることがあ
ることもまた事実。
現時点ではDNAという言葉は知ってるが、それがどこにあって、
どんなはたらきをしているのかまでは知らないという状況です。
まだまだ使える知識というにはほど遠いといったところでしょう。

今回の学びを通じて、子ども達がどのように成長していくのか、
新たな探究のスタートが切られました。

HY

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