[5・6年生]
「これより変ぽぽ党の政策を発表いたします。」これまで公の発表の場で、なかなか声の出なかった子が堂々と宣言します。テーマ発表で提案された政策は全部で4つ。
1つ目は、自分の好きなことを見つけられない子や好きなものがあってもなかなか深く考えられない子が、自分のアイデアをみんなに見せて(Show)、語って磨き合う(Disucuss)場をつくる Idea Disucuss Show(アイデア・ディスカス・ショー)という提案。
2つ目は、TCSの子どもたちがのびやかで、学びのときも生き生きしていることを高く評価して下さる人に、スクールが汚いと言われてしまうのはスゴくもったいない!という問題意識から、TCS美革命をしよう!という提案。
3つ目は、算数が苦手で、ひとりで学ぶときにぼーっとしてしまうのに、カードゲームで複雑な計算を行うときにはスラスラできることから、苦手なことを面白くすることを考える「面白○○の時間」(○○のところに自分の苦手なことを入れる)を設けようという提案。
そして4つ目は、むしゃくしゃした気分の時でも本に触れるとそんなことなど吹き飛んでしまうスバラシイ魅力を持った読書の世界にみんながどんどんはまってゆくような環境(ゆったり読書できるスペースをしたり、上級生が下級生に読み聞かせをしたり、お互いに本の魅力を語り合ったりする)を整備しようという提案でした。
子どもたちは、4つすべての提案に賛成することができますし、また逆にすべて反対することもできます。挙手してもらい過半数を得られれば子どもたちの支持を得たことになり、政策は実行に向けてGOとなるのですが、先輩たちの真剣な訴えに、どう応えるのか……
結果は、TCS美革命と読書好きっ子プロジェクトは満票。面白○○の時間も過半数を獲得。しかし、Idea Disucuss Show だけは十分な票数を獲得することができませんでした。
ポイントは、低学年の子どもにも伝わりやすい内容だったかどうかがひとつ。そしてもう一つは、みんなと一緒にやりたいという気持ちがこもっていたかどうかでした。打算なく、同情もなく、率直な思いに基づいて純粋に投票行動する子どもの姿を見て、大人の投票行動のレベルの低さが浮き彫りになったように思いました。
スクールの政策決定者である久保さんが、最後に子どもたちに対して、すべて実行可能なスバラシイ提案なので、ぜひとも実行に向けて迅速に動いてほしいとコメントし、提案者も、そして一票を投じた有権者である子どもたちも、これからが本番だというよい緊張感が漂います。
これからが「治の力」の真価が問われるフェイズ。天国のチャーチルになかなかやるな!少しは民主主義も進化したわいと思わせてやりましょう。これからの「変ぽぽ党」の活躍に期待です。
RI
※TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。