[3・4年生]
テーマ発表後のフィードバックは……・自分たちと社会の動きとのつながりがよくわかった。
・涙がとまらなかった。
・これまでのテーマ発表の中で最高だった。
・年号を覚えないこういう歴史を小学生でも学べるんだ。
そして、ほとんどすべてのフィードバックに、
・ストーリー性があった。
と書かれていました。
発表後の質問タイムでどのようにストーリーを作っていったか、子どもたちが堂々かつ生き生きと語る様子を見て、聴衆はますます魅了されたようでした。
子どもたちがどんどん学びにはまっていった大きな要因は、やはり、子どもたちそれぞれが受け取った、父母・祖父母からの手紙と写真でした。身近で親近感な人が、シリアスに語ることほど、それも「歴史」というどこか別の世界の話と思っていたことが自分にも深く関わっていたのだと知らされたとき、子どもたちの思考はぐらぐらゆさぶられました。手紙を読み解いて新たに生じた疑問を、自主的にインタビューしてきたり、実際に敵と戦った体験を持つ曾祖父へのインタビューを試み、ボイスレコーダーで記録し、みんなにシェアしてくれたり、いつにも増して主体的で、いつしか「遊び」についての学びが、「戦争と平和」についての学びへと発展してゆきました。
心をゆり動かされたのは子どもだけではなく、特に祖父母の方々がここまで胸襟を開いて赤裸々に語ってくださったことはとても大きいことでした。ただ思い出を聞かれるのではなく、「子どものときの遊びについて聞かせて」という質問が、「いやあ遊んでいる場合じゃなくて、こんな時代だったんだ」と素直に語ろうと思えるきっかけをつくったようにも思いました。
パーソナルな遊びの歴史について世代の異なる人に語ってもらい、それを読み解いてゆくと自ずと「世相」が明らかになる。「遊び」について語るという聞き方が、素直な思いを語らせることにつながり、だからこそ個人の歴史と社会の歴史とのつながりが見える。まさに「時空因縁」を実感する、定番テーマ学習が誕生しました。
RI
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