[1・2年生]
私たちの住む東京23区という都会にこんなにも「外来種」がいることにオーディエンスはびっくり。タヌキやオオタカのように自ら都会に移り
住んできた「外来種」もいれば、ブルーギルやワカケホンセイインコの
ように、飼い主が不用意に捨ててしまったことがきっかけで増殖したも
のもいる。いずれにせよ人間の仕業による環境変化が「生態系」に影響
を与える要因であることを子どもたちは今回の学びで強く認識すること
になった。そのことを1・2年生なりにしっかり考え、自分の言葉でポ
スターにまとめ、それを用いて自信を持って発表することができた。ポ
スターというフォーマットで自分の主張をまとめるという挑戦は、彼ら
の表現の幅を広げるという意味でもとてもよい課題であったように思う。
さらに、オーディエンスを感動させたのは、子どもたちそれぞれが他者
の意見をふまえて自分の意見を展開し、発表していた点だった。「○○君
は、こう述べていたが、それとは別の側面があって……」「△△さんの方
法にプラスして、ぼくのやり方をつけ加えると……」というように発表
全体で一つのストーリーが構成されるように一人ひとりが意見をまとめ、
述べていたのである。一歩、発表の質があがったね!
テーマ学習は、「終わりが始まり」であり、この学びをきっかけに発展
させてゆくことが求められる。特にこのテーマ学習は、今回の「気づき」
をいかに今後に活かすかが大きな意味を持つ。「外来種」の被害を解決
するには、いかに「外来種」を捕獲し、建設的に捕獲した個体を処理す
るかという問題をクリアしなければならない。ブルーギルの場合、みん
なで楽しんで釣り、おいしく食べられるなら食べてしまおう!という
子どもたちのアイデアを実際に試してみる機会をぜひ作ってゆきたい。
また、ワカケホンセイインコのように、特に「生態系」に悪影響を及ぼ
しているように見えない「外来種」については、これからも注意して
観察してゆく必要があるだろう。
「生態系」のバランスを崩さないように適度に自然に手を加えつつ生
きるにはどうするか、そんな人間の責務について考える「共存共生」
という学びの入口としてふさわしい学びとなった。
RI
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