[1年生]
このテーマ学習を通して目指していきたいラーナープロファイルは、Communicators, Open-minded,Balancedでした。1年生の子どもたちがスクールでの生活の中から、これらを次のように言葉で説明しました。Communicators
しゃべっていることをどんどん聴いて、心で「!」を大きくして、それでやっとしゃべれる。
Open-minded
まねして考えて、自分で面白いものをつくる。知らないことをどんどん聴いて、ピカーンってなる。
Balanced
耳とか目とか心とかを、ちょうどいいサイズにする。大きい人(年上の人)がいればバランスがとれる。
今の1年生6人は、朝の会やアセンブリなど、全体の場ではまだ自分らしさを発揮できず、誰かと同じ意見を言うことが精一杯。でも、上級生たちの言葉のやりとりを聴いている中で、話しているだけでは、聴いてもらえないこと、人の話を聴いた上で話を重ねていくこと、そして、自分でなければ言えない意見、人と違った意見が認められることを知っていきます。
といっても、実際のところ、1年生だけの授業のときなどは、自分の話がしたくて、聴いてもらいたくて、ついつい一方的になってしまい、お互い話すだけで、誰も聴いていない状態になってしまいます。話しても聴いてもらえないこと、自分も人の話を聴いていない事実を実感していく中で、上記のラーナープロファイルの説明ができるようになっていきました。聴いたことで頭の中でピカーンと「!」のアンテナが光り、自分らしい意見につながる。そうした発想は面白く、みんなも聴きたくなってくる。特に、「似ているSpecial、違うSpecial」を挙げていったとき、6人が意識して会話したことで、話が盛り上がり、それぞれの新たなSpecialを発見していくことにつながっていきました。そして、徐々に、自分以外の人のSpecialが記憶に残るようになっていきました。
「私たちは世界に一人しかいないかけがえのない存在である。」というセントラルアイディアに対しては、同じ人がどこかにはいるかもしれないと思っていた彼らでした。自分についてとことん調べ、自分と他者とがこれほど違うことを知り、「見た目が似てても、中身(心)は違う」といった発言が6週間後には出るようになっていました。
今回は、自分がSpecialだということ、それと同じく、周りのみんなもそれぞれがSpecialだということを見ていきました。そのSpecialの中には、自分の好きなものもあれば嫌いなものもあり、両方を受け入れることをしていきました。個人の大切さを感じとった上で、今後は、その好き嫌いの見方が固定してしまうのではなく、見方を変えることで感じ方が変わっていく、柔軟な物の見方へとステップアップしていってほしいと願っています。
AN
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