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気象庁訪問

[5・6年生]

今週は私たちが毎日見ている天気予報を行っている気象庁に伺い、現場見学をさせて頂きました。
現場見学では広報室の担当の方が案内をして下さり、天気予報と地震・津波・火山などの災害予報を実際に行っている部署をそれぞれ訪問しどんな仕事をしているのか分かり易くお話して頂きました。
まずは天気予報を行っている現場へ向かいます。
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「天気予報はさまざまなデータを総合的に見ながら判断して予測をしているんですよ。みんなは天気図って見たことがありますか?」

「はい。あります。低気圧とか高気圧や前線が書いてありますよね。」

「よく知っていますね。それを地上天気図といいます。明日、あさっての天気予測は地上天気図を読めるようになればある程度できますが、週間天気予報や6ヶ月、3ヶ月先の天気予測は地上天気図だけではできません。雲の動きや海水の温度などのデータも合わせて計算するんですよ。」

「6ヶ月先!?すごい。」

「みんなは雲ってなぜできるのか聞いたことありますか?」

「はい。水蒸気が上昇気流に乗って上に集まってできる。」

「よく知っていますね。その雲の様子を気象庁では気象衛星ひまわりから撮影した画像データを元に予測に使っています。それがあそこの大きなスクリーンにある画像です。見たことあるかな?」

「あーー。見たことある!」

「他にはみなさんが先ほど科学館で見たラジオゾンデで上空30kmの気温や湿度、気圧を観測し、地上ではアメダスで温度・湿度・風向・風の強さ・積雪量・雨量を観測して毎日集計し予測に役立てています。科学館では雨量計に実際に水を入れてみましたか?まだ試してなかったらこの後でぜひやってみてくださいね。では次に地震予測をしている所にご案内しましょう。」

今まで学んできたアメダスやラジオゾンデの実物を見て触らせてもらう機会を得られるなんてなんて幸せなことでしょう。なかなか実際に見れるものではありません。そしてこれぞ現地・現人・現物から学ぶ素晴らしさ。いくら資料でアメダスにはいくつもの観測装置があることを知ってもなかなか自分の中に残し続けることは難しいかもしれませんが、こうして学んだものを実際に見て、触れることができることで少なからず子どもたちとつながりが生まれます。 快く受け入れて下さった気象庁に感謝です。

「あ、あの人前線を書いてる!」

「そうですね。前線は画像には表れないので予報士が風や気団の状況から判断して前線を直接天気図にああやって書き入れていくんです。」

「それがそのまま天気図になるの?」

「そうですよ。予報士たちが書き入れた前線がみなさんが目にする天気図には書かれています。」

授業でちょうど前線について資料を読み込んだところだったので実際に天気図を作成しているところを見てああやって書いているのかと納得と驚きの様子の子どもたち。

災害予測の部署へ移るとそこには所狭しと大小さまざまなスクリーンに沢山の種類のデータが映し出されています。そこで働いている予報士さんは一人で何台ものスクリーンを眺めながら仕事をしています。
「すごい。一人で沢山のパソコン使って仕事してる!」とある子がつぶやきました。
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「ここでは日本全国の地震感知を行い、いち早く速報を出せるように日々奮闘しています。みんなは地震を感知してから何分後くらいで地震速報を出せると思いますか?」

「テレビとか携帯の速報でしょ。うーーーん。5分くらいかな?」

「3分です。3分て速いと思いますか?それとも遅いと思いますか?遅いと思うかもしれません。速報を受けてからすぐに地震や津波に備えて行動したり、避難すると考えると十分な時間はありませんよね。日本では毎日小さい地震も含めて約300回の地震が起きています。一年間で10万回以上になります。こうした環境で観測技術も改善され続け、現状ではやっと地震を感知してから3分で速報を出せるようになったというのが状況です。これは世界的に見ればトップレベルのスピードでもあります。」

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「あそこのデスクでは波浪予測をしています。日本のように漁業が盛んな国では毎日多くの漁船が海に出ていますよね。ですから海の天気や波の予測は漁師さんたちや貨物船の安全のためにも大切なことで、予報によって海に出るかどうかを判断しているんですね。天気予報って色々な使われ方をしているって知っていましたか?」

「うん。農業とか。店でも雨が降れば傘を沢山注文したり、暑ければ水着が売れたりビールが売れるから注文を増やすでしょ?」

「よく知っていますね。そのように様々な産業とも天気予報は深くかかわり合っています。」

「質問があるんですけど、東日本大震災の時も東京の気象庁から速報を出したんですか?」

「気象庁は東京と大阪で観測を行っていますが、震災の時は大阪で速報を行ないました。東京も地震の被害を受けましたし、地震後に記者会見を開いたり様々なことを行ないました。ちなみにこの年は一年間で小さな地震も含めて25万回以上の地震が起こったんですよ。」

「えー!!普通の時はさっき一年で10万回って言ってたのに25万回も!!」

普段当たり前のようにテレビや携帯などのメディアから速報を知ったり、天気予報を見て予定を立てている私たちですがその裏側ではこんなにも沢山の方々が多岐に渡り関わっていることに気象庁訪問を通して実感させて頂くことができました。

そしてこうした日々の努力の継続によって進化し続けてきている”予報”が私たち個人だけでなく社会の様々な面でも大きく役立っていることを意識できるようになったことは子どもたちにとっても大変貴重な学びです。
この場を借りて再度お礼を申し上げたいと思います。
気象庁の皆さま、また特に広報室の輪島さんお忙しいところ長時間お付き合い頂きまして本当にどうもありがとうございました。

さて、連休中は天気図を片手に実際に天気予測をしてみるホームワークにチャレンジです!



YI

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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