[6年生]
エキシビション発表まで残り1週間を切り、いよいよ探究した成果をまとめるポスターづくりに取り組み始めました。模造紙2枚分のスペースに自分が探究した内容をコンパクトにまとめます。キーボードで打ちこめば、きれいなフォントで、簡単にレイアウトでき、カラフルにプリントアウトできる時代だからこそ大事にしたい手描きの力。これまでのテーマ学習で培ってきた力を exhibit する絶好の機会です。
床に紙を広げ、これまで調べてきたこと、考えてきたことの中から、どんなことを選んだら面白いか。選んだ項目をどんな配置で描いたらいいか。項目毎にどんな見出しをつける……そんなことを意識しつつエンピツで下書きをしてゆきます。
黙々と集中して取り組み、職人の工房さながら。やらされ感がまるでありません。模造紙をきれいにまとめるというのは、TCSの探究でもっとも鍛えられたことのひとつですが、卒業を目前にしてそれがしっかり身についていることを実証しています。なんと素晴らしいことでしょう!
下書きができたら、いよいよカラーマーカーを駆使して、どうしたら美しく、インパクトのあるポスターになるか考えながら仕上げてゆきます。この段階まで来ると、もうすぐ完成!という気持ちと、あれ?もっとこうしたらいいかも?と、完成度を高めたい気持ちとがせめぎ合い始めます。ここでもういいか……となるか、納得ゆくまで工夫したい……と思えるかで、探究の深さは左右されます。彼らの学びの姿を見守るのが エキシビションの趣旨ですから、挑発することなく、黙って作業を見つめています。
「どうおっちゃん?」
出来ばえが気になり、つい頼ろうとする子どもに対して、私は黙っているしかないのですが、それが自ずと子どもへのサインになってしまい、
「自分で考えろってことね……」
と勝手に解釈し、あきらめて再び動き出します。挑発慣れしている子どもたちだから、結局、私の存在自体が、アウトプットの質を高めるためにふりかえれ!という意味を子どもに与えてしまうようになっています。そのうえ、これでいいや!としてしまうのはなんとなく気持ち悪いという習性が身についているのですから、つくりこみに没頭できるわけです。
「できたよ!おっちゃん!」
おお、なかなかよくできているじゃないか。自分が精魂こめてつくってきた成果物をよく頑張ったなあという眼差しで見つめている子どもの姿には充実感が満ちあふれています。
さあ、あとはプレゼンの準備のみ。卒業式でのお披露目が楽しみになってきました。
RI
※TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。