東京コミュニティスクール-探究型学習が教育の特長-全日制オルタナティブスクール(小学1年生から6年生)

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学び続ける人としてはばたくために

[6年生]

今年も6年生は、エキシビションに挑戦です。エキシビションとは、

自分が強く関心を抱き、熱意を持って追究したいと思うテーマを子ども自身が選び、これまで培ってきた学びの方法論と経験を総動員して取り組む卒業研究

のことです。これを卒業式の日に発表し、みんなで celebrate & encourageするというのがTCS流です。

今年は年度当初からエキシビションを意識し、テーマを何にして、どう追究するかについて子どもたちと考えてきました。テーマ学習の時間をフルに使って取り組むのは、2月から。卒業式の3月22日までの約2ヶ月、スクールでのほぼすべての時間を使って没頭します。

これまで行ってきたテーマ学習は、 教師が与えた「取り組む意義のあるミッション」を追究するものでした。しかし、エキシビションは
自らテーマを選びとるところからスタートし、自律的に追究を進めてゆかなければなりません。これまでは一緒に空を飛んできましたが、いよいよ単独飛行への挑戦です。したがって、途中、いろいろな困難に出くわし、安定飛行も、きれいな着陸も難しいでしょう。だからといって、私たちが手を差し伸べ過ぎたならば、結局、彼ら自身の学び続ける力を養い、発揮する機会を奪ってしまいます。私たち周囲の大人ができることは原則としてほとんどありません。子どもに任せないといけないのです。

テーマ選び、セントラルアイデアの決定、追究プランの立案、リサーチの遂行、そして最後にまとめて発表準備をする。
このすべてのプロセスを、すべて子ども主導で行わなくてはなりません。

では探究教師の役割は、ただ黙って見ているだけか?というとそんなことはありません。子どもたちが探究できるようにジェネレイトするという大事な役割を担っています。

まず、意義のあるテーマにたどりつくように子どもたちの思考に寄り添うことが求められます。エキシビションで絶対に避けなければならないのは、ただの調べ学習になってしまうことです。テーマを決めることだけに引っ張られると調べ学習の罠にはまります。そうならないためには、セントラルアイデアを明確にし、自分がやりたいと考えているテーマとつなげて、「仮説」を導きます。

次に、これまでテーマ学習でどんな学び方をしたか「ともにふりかえり」、これまで自分たちがさまざまな学び方を既に経験し、身につけていることを掘りおこします。ネット情報は、最初の手がかりにはなるが、それだけに依存してはダメ。インタビュー、調査、実験といった「1次情報」を大事にすること。得た情報・データをもとにさらに「問い」を見出してゆくこと……といったことを一つひとつ確認し、これから行う追究に活かしてゆくように伝えるのです。

最後に、子どもたちの進捗状況をつかみ、フィードバックを返すことです。どう進めてよいかわからず滞ってしまったとき、ただやり方を教えてしまうのではなく、どこに問題があるのか一緒に考え、どう打開していったらよいか協議します。こうして少しずつ自信を高め、自らしぶとく「仮説」を確かめようとする力を育ててゆくのです。

ここまで、教師のジェネレイトについて述べましたが、エキシビション では親の「サポート」も不可欠です。実は、これがとても難しい……なぜなら、「サポート」ではなく「チェック&叱責」になってしまいがちだからです。

「まだ、こんなことやっているの?」
「こんなこと調べて何の役に立つの?」
「もっと他のデータに当たりなさい」
「これじゃあ間に合わないでしょ」

どうしてもこんな言葉を発してしまうのではないでしょうか。これでは encourage どころか discourage です。親も子どもとともに「探究」するのを「楽しむ」という姿勢がなにより重要です。どんなことに関心があるのか、とにかく「聴き」、役立ちそうな知識・資料を探し、提供する。そして、「1次情報」を得るために、現地に出向いたり、現人との出会いをセッティングしたりする。そのことに徹し、子どもが自律的に学ぼうとしている姿勢をとにかくencourage する。

それが親として探究する学習者を育てる上での最大の「サポート」となることを胸に刻んでおく必要があります。

RI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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