[3・4年生]
今週も引き続き「半パンデイズ」を読み込み、登場人物たちの価値観や判断基準を分析していきます。読み進めていったのは第八章。主人公のヒロシが6年生になり、最上級生としての”責任”や”立場”に悩みながらも前に向かっていく心の葛藤が絶妙に表されています。
3・4年生たちが読んでも色んな場面を今の自分に照らし合わせて入り込んでいくことができます。
6年生になったヒロシは班長になりましたが、班には性格がきつく周りの子を泣かせてばかりの年下の女の子がいます。ヒロシは他の子たちからも注意するように頼まれていますが、なかなかその子を叱ることが出来ません。
「ぼくだったら思いきり叱ると思うけど、ヒロシは根性無しなのかもしれないね。」
「でもヒロシはその子のお母さんに告げ口しないことにしたじゃん。だから根性無しではないと思うな。根性無しならすぐ言いつけるでしょ。」
「ぼくもそう思うな。お母さんに告げ口すると怒ると思うんだよね。でも怒らないで優しく分からせた方がいいとヒロシは思ってるんじゃないの?責任を感じてるから人を頼ったり、人任せにしないんだと思うよ。」
「じゃあ自分がもしヒロシの立場だったらこの問題についてどういう行動をする?」
「ぼくも親には言いつけないな。それは反則でしょ!?でも校長先生には言ってもいいんじゃない?学校での問題だから。」
「うん。賛成。けどまずは自分で美奈子と話してみるな。自分のやっていることを考えさせる!それでもどうしようもなかったら親には言わないけど校長先生には言っていいんじゃないかと思う。」
「ヒロシは6年生で、班長で、男だからやらなくてはいけない!っていう思いを強く持っているけれど、この気持ちを想像することは出来る?」
「そうだね。うん大体できるかな。リーダーの立場をキャンプやアウトドアデイで経験したことあるから。」
「リーダーだからやらなくてはいけないって判断基準ぼくも分かるよ。リーダーだったら仕切らなきゃいけないじゃん。」
「なんでリーダーだと仕切らなきゃいけないの?」
「うーーん。。。やっぱり、”責任”でしょ。リーダーだったらそのチームの中で起きたことは自分の”責任”だもん。」
「でも”男”だからっていう判断基準はよく分かんない。だって女の方が強いじゃん!(笑)」
「えっ、笑ってるけど本当だよ!しかもさ、それってなんか女の人を弱いって差別してるような判断基準でもある気がするなー。」
「あ、わかるわかる!男にも差別かもよ。」
「でも家のパパはいつでも”男の生き方”っていう判断基準は持ってると思うよ。」
「じゃあ君たちは全く”男”だから、っていうことを意識していないっていうことかな?」
「うーーーん。いや、ちょっとはしてるな。そう言われると。親に”男なんだからちゃんとしなさい”って言われると微妙だけど、コケて泣いたらかっこ悪いから我慢しようとか思う。」
「おれもちょっとは男だから勇気を出さなきゃいけないって思うことはあるよ。でも基本的には男も女も自分のことは自分でやるっていうのがおれの考え。」
「そうだね。おれも。」
と納得の他の子どもたち。
「6年生だから下級生の面倒を見なきゃ、とかリーダーだから責任あるっていうのは分かるな。でも大変そう。」
「ぼくはリーダーだったらやってみたいけどな。」
「けど実際にヒロシみたいにそこまで意識して、決心してさ、そして動いたっていうのはすごいよね。」
「うん。そこまでの決心はしたことないなぁ。」
主人公のヒロシが抱えている責任とそして彼を突き動かす”6年生”、”班長”、”男”という判断基準の重みについてじっくりとイメージを膨らませ、その大変さを自分だったらどうするのだろう?と語り合ったライオンクラス。
そしていよいよ来週は自分自身について思いを馳せ、自分の強味と弱味を分析していきます。
今までのケーススタディや議論で見えてきた自己の判断基準や課題図書「半パンデイズ」の登場人物たちの気持ちに感情移入し、分析して見えてきた判断基準と自分自身をつなげて考えていきます。そこからどのような”なりたい自分像”があぶり出されてくるのでしょうか?
YI
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