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ケーススタディ

[3・4年生]

今週はまず先週子どもたちから上がってきた判断基準について整理することころから初めていきました。
先週の子どもたちの発言を記録したメタメタマップを見てみると、自分以外の判断基準もあることがよく分かります。
特に子どもたちの場合は両親やスクールまたは友人など称して”他人”という判断基準の影響が大きいようです。
もちろん”買い食いをしない”、”公共の場だから静かにする”というような法律/ルール、そしてマナーという判断基準もあります。
それから一般的/常識という基準もあります。
これには「普通はこうするでしょ!とか常識で考えなさい!とか言われるとムカつくー。けどたまに親に言われるよ。」という声が上がります。
するとその発言に反応して別の子が「でも普通ってなんなの?普通っておれが思う普通とみんなが思う普通って違くない?」
「たしかに!」
「常識もちょっとは人によって違いそうだよね。」
「うんうん。」と納得の子どもたちと私。みんなさすがにいいところに気付きます!

そして自分が行なう意思決定の判断基準としては様々な種類があることに気が付きました。
挙げてみると、気分・欲望・面白さ・楽かどうか・男の生き方・現実的(科学的)・理想的(夢)・妥協(まあいいや、しょうがねえななど)・情け(他の人や未来の世の中のため)など。こういった判断基準の傾向が自分たちにあることを掘り下げ、気付くことが出来ただけできっと今後の意思決定が少し変わってくるのではないでしょうか?

そして翌日はケーススタディとして「お金(100円)を拾ったら警察の届けるか?届けないか?」について届けるか・届けないかとその理由をそれぞれに発表し、ディスカッションを行ないました。
教室掲示した議論のルール(1.発言をさえぎらない2.だらだらしゃべらない3.分からないことはそのままにせず質問する4.どのような意見も間違いと決めつけない5.最後まで話を聞く)をもう一度確認してから一人ずつ考えをシェアしていきました。

「ぼくは落ちているお金が自分のものにならなくても大丈夫だから拾わないで届ける。落とした人が困ってるかもしれないし。」
「ぼくは届けない。届けるのが面倒くさいし、しかも小遣いが増える!だからまあ判断基準は”欲望”かな。」
「おれも”欲望”で届けないな。落とした人が悪いでしょ。」
「ぼくも届けない。しかもさ、交番に行って”あのおれが落とした平成26年の100円玉届いてませんか?”って言う人いないと思うんだ。しかも拾えば100円という大金がもうかる!この条件で拾わないバカはいないでしょ。」
「たしかに、100円玉を届け出る人はいなさそう!”現実的”な判断基準だねー。」

みんなの考えをシェアし合った後、では条件が変化しても意思決定は変わらないのかどうか更なる条件をいくつか提示して再度考えを聞いてみました。
「じゃあもし落ちていたのが10000円札だったとしたらどうかな?周りに人がいたらどうする?」
この質問を問いかけてみるとみんな悩み始め、何人かは最初の意見とは変わっていきました。 意思決定をする際は”1週目に予想した通り、自分たちも”状況”や”重要度”によっても判断が変わってくることを実感した子どもたち。

しかし、こういった客観的なケーススタディではどんなに頑張って話し合っても自分ごとになりにくいのが人というもの。
自分のこととしてより真剣に想像し分析して考えていってもらうために、次は実際にスクールで起きた問題を取り扱ってケーススタディを行ないました。
自分たちが実際に判断ミスをして失敗し、大きく反省したスクールでの出来事についてその時の自分の判断基準を分析し、その判断がどういうことを引き起こしたのかみんなで議論していきました。
そうした形でいくつかのケースについて話し合ってみて見えてきたのはそれらの判断ミスが共通して信用を失ってしまう問題だったということです。

「うそとか言い訳とかバレなきゃいいやって判断基準で行動してさ、それでバレたりするとその人は信じられなくなるってことだよね。」 とある子が発言しました。
「自分で言ったことをいつまでも何回もやらない場合も信用ロスにつながるよ。」
「おれの失敗はさ、新年にはThinkersとKnowledgeableなところをもっと伸ばしたいって言ったのに全然Thinkersが足りなかったんだと思う。”こうなったらこうしよう”とか”こうならないためにこうしよう”っていう”先読み”が全くできてなかった。それにどう考えても不注意だった。。。もし同じ場面が来たら絶対同じ行動は取らないんだけどな。」
「あと重要度も大事だね。命の危険につながるような場合は慎重に動かないと。交通安全とか火の使い方とか。」

やはり自分たちの体験について振り返ってみることでそこから本気の判断基準分析や次にどう活かすかという視点が見えてきます。
悔いの無い意思決定をし続けていくための階段を一つ一つ上がっているようです。
来週は課題図書である「半パンデイズ」を読み込みながら登場人物たちの判断基準や価値観を探っていきます。



YI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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