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産みの苦しみ

タイトル:人の心を動かすストーリー
探究領域:意思表現

[5・6年生]

今週は映画の核となるストーリーを考える1週間となりました。

「表現の技術」に紹介されている手法を参考にしながら、話の大ま
かな流れや出来事の因果関係、登場人物など思い付いたことをシー
トに書き出し、いろいろ組み替えたりしながら、内容を考えていき
ます。

昔話や童話のストーリーのパターンを参考に設定を置き換えてみた
り、まずは登場人物のイメージを膨らまし、そこからストーリーを
考えてみたり。
思い思いのやり方で取り組みます。

ただ、方法論さえわかれば、ストーリーが簡単にできてしまうので
あれば、誰も苦労しません。
断片的なアイデアは次々に思い付くのですが、考えが行ったり来た
りして、なかなかストーリーとしてまとまらないのです。

20131213-02.JPG

そんな中、普段からアイデアマンで通っている男の子は、クラスメ
イトが苦戦する中、すらすらとあらすじを考えていきます。

ただ、「こんなのはどうかな」と聞かせてくれた内容は人気テレビ
ドラマの影響がありありとわかり、自身で設定したテーマとはかけ
離れたものになってしまっていました。

探究領域「意思表現」の最終学年に相当する今回の映画製作。
子どもが自由きままに映画を撮影するというのが目的ではありませ
ん。
作り手のメッセージがきちんと観る人に伝わるか。
それを追究していくために、あえて厳しいフィードバックを返しま
す。

「どっかで聞いたことがあるストーリーやな。で、そのストーリー
が君が考えてきたテーマとどうつながってくるの?」

私からの問いかけに対し、長々と理由を説明してくれようとするの
ですが、次第にその説明に無理が生じてきたことに本人も気づき始
めます。

やりとりを進める中で、そもそもの問題は凝りすぎたテーマを設定
していたことにあるのではという結論に達し、テーマ自体を再度見
直すことに。

『テーマは真理、ストーリーは個別』

「表現の技術」で著者が強調していた言葉をその男の子と思い出し
ます。
結局この映画を通じて何が言いたいのが端的に答えられないようで
は、ストーリーなんて考えようがないのです。

「うーーーん、大変だあ・・・」

ある程度予想はしていたものの、最初の難関であるストーリー作り
に苦戦する映画塾のメンバー達。

冬休みまで実質残り1週間、はたして状況は好転するでしょうか。

HY

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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