[5・6年生]
SFを書くためには題材が必要ということで、今週、スクールを飛び出し、遠路はるばるある場所を訪れました。
そう、それはJAXA筑波宇宙センター!!
宇宙飛行士が実際に訓練を行なっていた施設を使った模擬訓練を体
験できるということで、迷わず申し込んだのです。
現地に到着すると、まず私たちを待ち構えていたのは50mもある国
産ロケット。
「おお、すげ〜」
本物の迫力に圧倒されます・・・
インストラクターに引率され、広い構内を徒歩で移動し、訓練セン
ター内に入り、すぐに訓練服に着替えます。
オレンジのジャンプスーツに袖を通した子ども達は緊張しながらも
少し誇らしげな様子。
訓練は全部で3種類。最初は、閉鎖環境適応模擬訓練です。
まずは、コミュニケーション訓練から行うことに。
宇宙ステーションでは地球との言葉による交信が命綱になります。
映像なし、つまり耳だけで指示を的確に理解し、また宇宙ステーシ
ョンの状況も口だけで的確に伝えるコミュニケーション能力が問わ
れるのです。
管制官の指示に従い、1枚の絵を描くアクティビティでは、正確に
絵を再現しようと作業者から質問の嵐に。管制官は自分の目の前に
あるものをうまく伝えられず、困った様子。
「やっぱり、普段は視覚に頼ってるんだね。言葉だけで伝えるのは
難しいよね・・・」
この後、閉鎖環境内で長期間に渡って自制心を保っていられるかど
うかテストするために制限時間内にジグソーパズルを解きます。
なんとこのジグソーパズル、絵も字も何も描かれていない真っ白な
もの。
完成するかどうかよりも冷静さ、集中力、やりとげる力を見るのだ
そうです。
次の緊急対処模擬訓練は、宇宙飛行士が実際に訓練を行った設備を
使って、緊急事態を仲間と力を合わせて対処していく模擬訓練です。
「空気漏れを突き止めろ!」というミッションのもと、2チームに
分かれ、作業開始。
エア漏れ検知器を使って、配管からのエア漏れを見つけ、正しい手
順で復旧していきます。
過去に宇宙船で発生した問題を題材にしたこの訓練は、作業に正確
さと丁寧さに加え、スピードが求められます。
作業に少し手間取っていたチームはほぼ終了の合図とともに全作業
を終えるというギリギリな状況で子ども達もホッとした様子でした。
最後は「きぼう」の船外プラットフォームの実物大模型を使用した、
船外活動の模擬訓練です。
8つの役割に分かれ、あらかじめ用意されたシナリオにしたがい、
作業をすすめるのですが、実際の宇宙の現場では一つのミスが命と
りになるだけに、訓練とはいえ自然と緊張感が増します。
すべての任務を終え、修了証を手にした子ども達に広がる安堵の表
情。単なる体験イベントと違う満足感を得たようです。
さて、いよいよ翌日からはキャラクター案の検討に入ります。
子ども達は自分たちが考えてきたキャラを発表したくて仕方がない
ようで、次々に手が挙がります。
・意地悪で周囲の意見を聞かず、次第に仲間から見放されて孤立化
する男
・何事もダメもとで挑戦するが、失敗してからのことはその時にな
ってから考える計画性のない中年の男性
などなど
子ども達の意見を記録する私のペンは止まることなく、壁一面に模
造紙が貼られていきます。
キャラクター案を検討する中で自然にストーリー展開やそこに登場
する道具や機会などの話に広がり、テーマの90分間はあっと言う
間に時間が過ぎてしまいます。
週末のホームワークでストーリー案を考えてもらうことに。
子ども達からどんな奇抜で面白いアイデアが聞けるかな。
HY
※TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。