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歴史は移り変わる

[3・4年生]

先週は、「子どもの遊び」にはどんなものがあるかを、みんなで掘り出してゆきました。今週は、「子どもの遊び」がいったいどう変遷してきたかについて考えてゆきます。

「いよいよ歴史だね!」

ある子が思わず口にします。そう、「子どもの遊びの歴史」です。では、どうやって「歴史」をふりかえっていこうかな? まずそこから考えてゆきます。

「過去」に自分は存在せず、「体験」がないのだから「記憶」をたどるわけにはいきません。テレビや本などでなんとなく見たり、聞いたりしたことはあっても、あいまいだし、本当のことかどうかはっきりしません。そんなあやふやなことについてどうやって確かめたらよいのでしょう。

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「写真が証拠になるんじゃない?」

ほう確かにそうだね。では子どもの発言に乗っかって深めてゆきましょう。

「じゃあいつごろから写真はあるの?」

子どもたちはきょとんとした顔。そこで、これが日本で写真が撮影され始めた頃の写真だよ……ということで ↓ の写真を見せると……

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「ああこれ見たことある!」という声が一部の子どから上がりました。坂本龍馬の写真だというと、知ってる〜!という声。そこで、すかさずこの写真がいつごろ撮られたか?というクイズを子どもたちに出します。もちろん正確には私も知りません。でも、i-pad を持ってきていますからすぐに調べられます。早速、私が正解を調べて(その部分も子どもたちに見せて)3択クイズ!……この写真は今から ① 100年前に撮影された ② 150年前に撮影された ③ 200年前に撮影された、さあいずれか?……子どもたちの答えは、100年前はゼロ。150年前と200年前で半分ずつに分かれました。正解は、ほぼ150年前。1860年代半ば頃に撮影されたそうです。

坂本龍馬が活躍したわずかな時期。幕末と呼ばれ、江戸時代と明治時代の境目の激動の時期ということはなんとなく聞いたことがあった子どもたち。しかし、それがちょうど150年前だったということが、龍馬の写真がいつ撮られたか考えてみることで明らかになったのでした。

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ということは……幕末から現在までの150年は「写真」を「証拠」にできるということ。じゃあ「子どもの遊び」についても「写真」で追いかけられるはず……ということで次の課題に移ります。

ある新聞社が、ウェブサイトの中で「写真でたどる子どもの遊び」というコーナーを作っていました。それを時代順にみんなで追ってゆこうということで、プロジェクターで映し出しました。

「はだかでいることが多いね」

ある時期までの写真は、子どもが上半身何も着ていない写真が目立ちます。

「ガスマスクしてチャンバラしてる!」
「これ何?土管?」
「ちがうよ、大砲の筒だ!」

戦争が色濃く子どもの遊びに出ていることがわかります。

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「廃墟で鬼ごっこ面白そう」
「戦争で爆弾が落ちて壊れたんだよ」
「死んだ人の霊がでてくるかも」

「竹の棒をバットにしてる」
「グローブもしてないよ」

1945年という終戦の年を過ぎても、戦争の爪痕が写真から浮かび上がったり、物が今より明らかになさそうだという事情も見えてきます。

1950年代後半の写真から子どもたちの洋服がとても身ぎれいになりましたが、街の空き地は、新しく開発するための工事現場となっているので、戦後すぐの瓦礫があふれた光景とあまり変わっていないように見えます。家も今と比べるとかなり貧弱です。

1970年代後半からテレビゲームが登場してきて、子どもの遊びが変わったように見えますが、一方で、児童遊園で遊ぶ子どもたちの様子や、ヨーヨーやベーゴマで遊ぶ子、チャンバラのような戦いや、追いかけっこをしている1970〜80年代の子どもは、それよりもずっと昔の子どもとも、そして、2013年の子どもたちともあまり変わらないことも見えてきました。

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坂本龍馬の生きた時代から今までの150年間を「子どもの遊びの写真」を見つつ、ざっとふりかえる中で、「写真」の「背景」に存在する「戦争」「自然災害」「経済状況」の大きな変化を子どもたちに伝える場面がありました。しかし、それはざっとした説明に過ぎず、どんな事件・状況だったのか、私たちにどんな影響を与えたのかについては、相変わらずぼやっとしたままです。

来週は、いよいよ自分の両親、そして祖父母の選んだ「写真」とその写真や時代状況について語った「手紙」を証拠として、歴史の移り変わりについて考えを深めてゆきます。いったいどんなことが語られ、何が見えてくるのか……。探究心にますます火がつきます。

RI

TCS2013年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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