[3・4年生]
書かれていることを「受動的」に理解するだけでなく、自分とつなげて「能動的」に活用する。そんな「読書」を繰り返し、積み重ねてゆくのがテーマ学習における「読解」です。へえ〜っ、そんなことがあったのか……と情報を得るとともに、なるほど、これは自分にとって大事な部分だ!と「わがこと」につなげて読むのです。普段の「読む」の学びでも、決して「やらされ感」に満ちているわけではないのですが、自分のなりたい姿を具現化している「ヒーロー」について知るために読むとなると一段と集中力が増します。
「ねえ、おっちゃん、おっちゃん!」
何かを発見するごとに私を呼びとめ、本の中に書かれていることをいちいち報告してくれます。本にのめりこみ、つまり、ヒーローにのめりこみ、語りたくて、語りたくて仕方がない状態になっているんですね。スバラシイ!
大事なところに蛍光ペンで線を引き、付箋を入れてという作業を積み重ね……ついに「読了」!本は大量の付箋でパンパン!
「今度はその中から、これぞおいらのヒーローのかっこいいところ!そしておいらがそのヒーローみたいになりたいところを10個だけ選びぬけ!」
という次なる指令を出します。
付箋の入った部分を読み直し、厳選した10個について、カード状の大きめの付箋に、書かれていることと、なぜそこを自分が選んだかについての自分なりの理由を書き出してゆきます。
百聞は一見にしかず!写真を見てくだされば、彼らの本気度と熱気がひしひしと伝わってくるでしょう。これぞ勝手に動き、主体的に学ぶ子ども以外の何者でもありません。
書き出したことを、壁にはった My Hero Wall にペタリ。またペタリ。
次第に、「マイ」ヒーローたる所以が明らかになってきます。それぞれの子どもらしいチョイス、そしてヒーローと呼ばれる魅力を持つ存在であることが納得できるような特徴が明らかになってきました。面白い!
坂本は、あえて飛ばないソフトボールを打ち込んでパワーをつけたんだ……Thinkersやなあ!
ジョブズは「あなぐまさん」そっくり!……なるほど、課題図書で読んだ『忘れられない贈り物』の主人公のあなぐまさんのように、使えば使うほど豊かになり、決してつきることのない「知恵」を残したということをいいたいわけですな。学びがつながってるねえ。
「おっちゃん、松岡修造と同じだ……」
松岡修造をヒーローと選んだ子が、松岡修造の本の中に、“まずなりたい自分を思い描けるだけ選んで、その中から10個選び出し、それを実行せよ”と書いてあったのを見つけて驚愕!今、自分がやってることを、実は、マイ・ヒーローがやっていたのです。きっと君はマイ・ヒーローにこう言われるに違いありません。
「すばらしい。君もヒーローの道を歩み始めたね!」
と。
次週から後半の学びフェイズに突入。My Hero Wall をながめつつ、さらに自分なりの分析を書き加え、それを見ながら My Hero Story を編み、作品化してゆきます。楽しみ!楽しみ!
RI
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