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コンセプトを用いてテーマを見つめ直す

[6年生]

「好きで飼ったはずのペットなのに、どうして捨ててしまうことに
なるんだろう?」

「今、興味関心のあるテーマは何?」という私の最初の問いかけに
対し、6年生の女の子の口から出てきたのはそんな素朴な疑問でし
た。

前回のテーマ学習「個の尊厳」を通じて30年後の自分について考
え抜いた彼女。最終的に、動物介護士として、獣医を目指す後輩と
病院を共同経営する将来を思い描いた彼女にとって、ペットに対す
る問題意識を持つのはごく自然なことのように思えました。

「捨てられて、保健所に引き取られた動物はどうなっちゃうんだろ
う?」

インターネットで見つけたある一つの動画がこの女の子の視線を釘
付けにしました。そこには、引き取り手が見つからなかった犬猫が
「ドリームボックス」と呼ばれる装置にて、炭酸ガスで窒息死させ
られる様子が映し出されていました。

飼い主がペットを捨てる理由はいろいろあるようです。
「世話ができない」「家族のアレルギー」といった飼い主の都合や
「成犬でもらいなつかず給餌不可能」「家族を咬む」といった犬の
状況もその一部。
中には「おとなしすぎる」「最初の予想より大きくなりすぎた」
「飽きたから」という理由も。。

彼女自身も自宅でペットを飼っている立場として、人間の身勝手さ
に憤りとむなしさを感じているようでした。

「このテーマからどんなconflictが見出せるだろう?」

他のスタッフにも意見をもらいながら、ぼんやりと浮かび上がって
きたのが、
・「保護」と「殺処分」
・「ペットのかわいがり」と「(命を)捨ててしまう」
・「人間の思い」と「動物の権利」
という観点でした。

これをどう解消するか考えることが仮説(提案)になりそうです。

また、インターネットで情報を取得する中で別の興味深い記事にも
出会いました。動物愛護先進国であるイギリスのペット事情に関す
る記事だったですが、イギリスではペットショップでペットを販売
しておらず、保護施設の里親制度を利用して犬を飼い始めることが
多いのだそうです。

「なぜ、そんな仕組みが成り立つんだろう?」
「イギリスと日本では飼い主としての責任感が違うのかな?」

次々とわき上がる疑問。いよいよ探究のエンジンがかかってきたよ
うです。

HY

TCS2012年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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