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言葉で考え、言葉で気持ちを表す

タイトル:One for All, All for One
探究領域:社会寄与
セントラルアイディア:「情けは人のためならず」

[2年生]

今年度最後のテーマもいよいよ最終週を迎えました。
プレゼンテーションの本番に向け、ラストスパートをかけます。

プレゼンの発表形式は作文の朗読。
「人のために動いたことで、自分にどのような価値をもたらせたか」について自分なりに感じたことや思ったことを作文にまとめていきます。
制約条件は400字詰め原稿用紙2枚程度におさめること。

今回、彼らがゴミ拾いに取り組んだ目的は、ボランティア活動を通じて「情けは人のためならず」を追究することです。

毎週のふりかえりの中で模造紙に自分たちの考えを洗い出したんでしょ?
だったら、それをまとめたらいいだけじゃないの?

読者の中にはそう思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなに簡単にはいきません。
自分の考えや思いを口に出すことと、それを文字にして書くことの間には大きな隔たりがあります。
「具体的な経験を俯瞰し、そこから学んだことを自分の言葉でまとめる」
低学年の彼らにとっては難易度高めの内容ですが、それだけにチャレンジしがいがある課題です。

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「うーーーん、何を書けばいいんだろ。全然、模造紙が埋まらないなあ・・・」

ゴミ拾いの感想を書くだけであれば、こんなに苦労することはないのに。
みんな頭を悩ましている様子が伺えます。

そんな中、「書く」の授業でおっちゃんから学んだ技を使ってみたらどうだろうと提案する子が現れました。
まず全体の構成を考えて、それを骨子に文章を膨らませていくというのです。
おもいつきでつらつら書いても、相手の心に響く文章にはなりません。
授業で学んだことを実践してみようとする姿勢は素晴らしいぞ!

「書けたよ!」

代わる代わる子ども達が私のもとに原稿用紙を持ってやってきます。
作文を見てみると、文字数は十分ですが、出来事が羅列してあるだけで、結局何が言いたいのかよくわかりません。

学校教育における低学年の作文の指導でありがちなのは、先生の意図が反映されすぎて、読んでもまったく面白みがない作品に変わってしまうこと。

子どもの素直な発想をいかしつつ、それをどう磨いていくか。
こういう場面こそ教員スタッフとしての腕の見せ所と言えます。

ある出来事を通じて、それをどう感じ、どう考えたのか。

しつこくしつこく子ども一人一人とやりとりしながら、体験を言語化することを図ります。

何度も書き直しを命じられますが、誰ひとり愚痴や文句も言わず、作文に取り組みます。
なんとかしぶとく食らいつこうとする2年生の粘り強さは今年度のはじめにはあまり見られなかったもの。
もっとよい内容にしたい、ただその一心で黙々と原稿用紙に向かいます。

プレゼンの前日、合計7、8回(!)の推敲を重ね、やっとのことで作品は完成しました!!

「やったあ!」
「ふう、本番に間に合わないかと思ったよ〜」

苦労しながらも充実感のある表情で私に語りかけてくる子ども達。

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残された時間はあまりありませんが、私の指示を待つことなく、自主的に朗読の練習を開始しました。
お互いの朗読を聴きあい、good & better な点をフィードバックしている様子を見ていると、この1年間での大きな成長が伺えます。

いよいよ明日はプレゼン本番。
彼らなら、自信を持って、堂々と挑んでくれることでしょう。


HY

TCS2014年度探究テーマ一覧は、こちらよりご覧ください。



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